事情があって一度辞めた会社に戻る方法を模索しつつも、なんとなく出戻りに対して負い目を感じてしまい、辞めた会社に戻る勇気が出ない人も少なくありません。
実は、私の職場は出戻りが多い会社で辞めた人が戻ってくることが多く、これまでに何度か相談を受け「出戻りなんて情けない」と感じている人が多い印象を持っています。
そこで今回は、辞めた会社に戻ることを検討している方へのアドバイスとして以下の項目について詳しく掘り下げて紹介します。
- 一度辞めた会社に戻る方法とは?
- 歓迎されて出戻りたいあなたへのアドバイス
- 勇気を出して辞めた会社に戻る人の待遇
会社を退職したものの、ある一定の条件で別の会社で働こうと思えば色んなスキルや資格を求められたりします。
また人間関係が上手くいかず、「パートでもいいから前の会社に戻りたい」とふと思う人は結構いると思います。
一定期間を置いてから前の職場から誘いを受けて出戻りするケースも少なくありません。
前の会社に戻る方法を探しているあなたに役立つよう、辞めた会社に戻る方法などを詳しく紹介しますのでぜひ参考にしてください。
目次
前の会社に戻りたいあなたへ!辞めた会社に戻る方法とは
会社を辞めたことを後悔し、辞めた会社に戻る方法を探している方を探している方は、以下に紹介するポイントを確認してください。
辞めた会社の上司や同僚に相談してみる
以前の職場が中小規模の会社だったなら、復職する方法として一番おすすめできるのが、辞めた会社の上司や同僚に相談することです。
辞めた経緯はどうあれ、きちんと挨拶をして復職をしたいことを素直に伝えましょう。
相談する相手が人事部に所属しているなど、採用権を持っている方が味方になってくれると心強い存在になります。
ただし、大手企業では上司や同僚に直接相談をしてもうまくいきにくいので注意しましょう。
辞めた会社の求人に応募する
以前の職場が大規模企業だった場合は、キャリア採用(中途採用)の求人に応募してみましょう。
大手企業では何らかの事情で辞めた元社員を積極的に受け入れるようになっています(アルムナイとも呼ばれています)。
一から業務を教えなくても良いし社内の人脈も残っているので、即戦力で活躍してもらえると考えているからです。
弊社はアルムナイ(出戻り採用)が多い。
社風が独特だけど、馴染む人には天国。戻ってきたいと思うのだそうだ。去る時は止めもしないし、戻って来れば歓迎する。
辞める時は有給使用は当たり前など、オフボーディングが一定上手く出来てるなと思う。
— Nonts@人事&キャリアコンサルタント (@nonts16) October 15, 2019
むしろ大手企業では出戻り社員を歓迎する傾向があるので、以前仕事で培ってきたスキルを活かせる求人に応募しましょう。
もちろん、中小企業でもアルムナイの流れが積極的に取り入れられているので、直接相談できそうな上司や同僚がいない場合は求人に応募してみることをおすすめします!
辞めた会社から誘いを受けたら前向きに検討するべき!
退職後に一定期間を置くと、辞めた会社から「戻ってこい」と声がかかる方も少なくありません。
そもそも会社を辞めた経緯はいろんな事情があると思いますが、一年後などの期間を過ぎると辞めた会社に戻る夢を見るほど後悔する人も多いです。
そんなタイミングで以前の同僚や上司などから誘いを受けたら、復職することを前向きに検討して早めに返答してください。
返事が遅れるほど復職が厳しい状況になるので注意しましょう。
このように、辞めた会社へ戻る方法はいろいろあり、決して難しいことではありません。
でも、一度辞めたことが裏切り行為のように感じられ、出戻ることを快く思わない人がいるかもしれませんよね。
出戻りでも歓迎されるためにはどうするべきなのか確認してみましょう。
出戻り社員は嫌われる?歓迎されるために抑えたいポイント
辞めた会社への出戻りが成功しても、「一度辞めた自分を良く思わない人がいるのではないか」と悩んでしまう方も多いですよね。
そこで、上司、同僚、部下に実際に聞いた「出戻り賛成派」と「出戻り反対派」の考えについて、箇条書きしてみました。
賛成派
- 一から人間関係やネットワークを作る必要がない
- 社会人としての最低限のビジネスマナーは身に付けているので新卒を相手にするよりラク
- 業務をこなすのに一定期間要するなら経験者にしてもらった方が手間と費用が省ける
反対派
- 以前会社を辞めた原因を解決できていなければ再度辞めるのでは?
- 新卒のように「どんな色にも染まってない人間」の方が指導するのは大変だが後々使いやすい
このように、賛成派と反対派の意見が分かれますが、どちらも納得できる意見ですよね。
嫌われることなくスムーズに出戻りするためにはどうするべきなのか確認してみましょう。
出戻り歓迎!になる条件とは
出戻りを歓迎してくれるかどうかは、複数の条件が揃って始めて叶うもの。
どのような条件があるかご説明します。
数十人以下の比較的小さな会社
長引く不況で、中小企業にとっては求人募集にかけるお金もない、また募集しても良い人材が集まらないなどの悩みはあるはずです。
そういう状況下では、特に大きなトラブルがなければ、出戻り社員なら研修する必要もないので手間が省けていいと理解してもらえると道は開けます。
円満退社している
一口に円満退社と言っても、さまざまなパターンがあります。
- 上司、部下、同僚と良好な人間関係を築いていた
- イヤな上司に対して媚びを売るわけでもなければ刃向かうわけでもなく、上手くやっていた
- 「お局様様」とはなぜか上手くやっていた(これ結構大事です!)
- 退職理由が病気治療や親の介護などやむを得ない事情だった(問題が解決すれば支障はないと考えてくれる)
退社後も元同僚数名と連絡を取り合っている
まず大前提として、元同僚と会うと言っても、職場の情報をリークするのは人間関係や能力でトラブルがなかった人間にだけです。
飲み会の席で「楽しく飲んでも、真剣には話さない」のです。
トラブルがあった人間は、やはりまた同じトラブルを起こすだろうし巻き込まれたくないので、会社の話をしてきても適当にはぐらかせます。
トラブルがなかった人間には次のような情報を流します。
- 「お前がいた頃とは、ほとんど組織は変わってないから大丈夫だよ。」
- 「○○はもう退職したよ。」
- 「仕事のやり方では、変更点があるけど、基本変わってないから、お前でも大丈夫。」
前職の内容が数ヶ月の訓練で誰でもできる仕事ではない
役職がついていなくても、「あの人にしかできない」と言われるような仕事をしていたなら、やはり専門性は大きいですよね。
退職した後、残されたメンバーでやろうとしてもなかなか上手くいかず、「復職待望論」があったかもしれません。
ここまで、出戻りが歓迎される条件についてご紹介しましたが、逆に歓迎されないケースについても確認しておきましょう。
出戻り社員で歓迎される人と嫌われる人の違い
私の会社にも何人もの「出戻り社員」がいましたが、再就職後働き続けている人、再度辞めてしまった人と色々見てきました。
その違いが、どこから生まれたのか箇条書きにしてみました。
歓迎される出戻り社員の特徴
自分は新人という意識をもち先輩ヅラしない
どんなに経験があったとしても、ブランクがあった以上は、その間のことは経験してません。
「教えていただく」という謙虚さをもつと、周りがサポートしてくれ、それをクリアすれば逆に教える立場になれるし、「昔はどうしてたの?」と自然に聞きに来てくれます。
結果として、新旧の情報交換(ギブ&テイク)できて、良好な関係が保てますよね。
「留守にしてすまなかった」と態度に示す
慣れた人がいなくなると、やはり戦力ダウンです。
また、きっちり引き継ぎしたつもりでも抜けていることがあって、トラブルになることも結構あります。
その間、迷惑をかけたという「オーラ」を出すことが大切ですね!
嫌われる出戻り社員の特徴
不在だったことを気にもとめず「先輩ヅラ」
私がいる部署は、常に4人いないと現場がまわらないところでした。
でも、ある出戻り社員は、辞める時に労働基準法ギリギリの2週間前に退職を告げ辞めて行きました。
4人分必要ということは、常に5人いないと休みが取れません。
そんな事情を知ってか知らずかのうのうと戻ってくると、他の同僚は口には出さないものの、「お前がいなかった時はみんな大変でムカつくことばかりだったんだ!」と思っていたようです。
結果、コミュニケーションが取れずに3ヶ月で辞めていきました・・・。
ここまで、出戻りが上手くいった人、いかなかった人についてご紹介しました。
しかし仮に、出戻りが上手くいったとしても、待遇面が気になるところです。
実際に出戻りを経験した人の口コミや、私の会社ではどうなのかなどリアルな声を紹介します。
勇気を出して辞めた会社に戻る人の待遇はどう?リアルな体験談を紹介
実際に辞めた会社に出戻りをしたいと考える人は多く、知恵袋などで相談している人も多く、特に待遇面を気にしている方も多いです。
SNSの口コミから、出戻り後の待遇はどうなのかリアルな意見を集めてみました。
外資系企業は年収が上がりやすい?
辞めた会社が外資系企業だった場合、出戻り後は年収がアップするケースも少なくありません。
日系企業の人には信じられないかもしれませんが、
A社からB社に転職。年収150万+役職アップ。
1年後にB社からA社に出戻り転職。年収150万アップ+役職はB社の時と同じ。
つまりA社を退職して1年後に戻ってきて年収300万円アップ+役職アップしています。
これがガチで起きるのが外資系です。
— プロレタリア (@NINE9NATION) August 10, 2019
実力の高さが評価される外資系企業だからこそ、このような事例が多いのだと考えられますね。
出戻り後は年収ダウンの可能性が高い
出戻り後は実力を重視した待遇を提示される可能性もありますが、収入がダウンするケースが多いことを頭に入れておきましょう。
来年度の人事異動の内示が出て、今応援に行ってる古巣に出戻り。
仕事的(メンタル的)に楽に成るけど年収ダウンは辛い。— Akira (@GBD01301) March 23, 2018
現時点で評価される会社での経験というのは、「途切れた過去の実働年数」ではなく、あくまでも過去から現在への一連の時間の流れで見るものです。
途中ブランクがあるとその間のことは経験してませんので、当然スキルは下がります。
給与とは、過去にどれだけ働いたかではなく、過去の実績を踏まえ、「将来どれくらい働いてくれるか」の見込みに対して支払われるものです。
そのブランクが長期になればなるほど、新しい給与は初任給に毛が生えた程度でしょう。
職場は人間関係という土台の上に成り立っています。
不在だった分スキルは下がっているので、自分の立場も下がっている、かつての同僚が上司になっていることもあると自覚しましょう。
また、正社員として雇用されていた人でも、一度辞めた会社でアルバイトからやり直すケースもありますし、出世にも影響する可能性が高くなることも出戻り社員のデメリットであることを覚えておきましょう!
まとめ
一度辞めた会社に戻る方法についてまとめた結果は以下の通りです。
- 中小企業なら当時の上司や同僚に相談してみる
- 大手企業ならキャリア採用の求人に応募してみる
- 辞めた会社から誘いが来るケースもある
- 即戦力を求めて出戻り社員を歓迎する企業も多い
- 出戻り社員でも歓迎される条件を満たすことが大事
- 出戻り社員を快く思っていない人も多いことを覚えておく
- 出戻り後の待遇は外資系企業以外は下がるケースが多い
私自身、ここ数年さまざまな「出戻り予備軍」、「出戻り組」を見てきました。
自分自身が出戻りできるかは、以前辞めた際に「立つ鳥あとを濁さず」だったかどうかです。
在職中に、何らかのトラブルを抱え、その原因が自分自身にあるかどうかに関わらず、その原因が解決していなければ、仮に出戻りできたとしても、居場所がなくてすぐに退職するハメになるでしょう。
就職する際、履歴書は必ずといっていいほど提出します。
違う会社をコロコロ転職している場合、「さまざまな会社で、多様なスキルを身に着けたかった」など、前向きな理由を自分の言葉で発することができなければ、やはりネガティブな印象は受けます。
ましてや、同じ会社に再就職し、また退職したとなれば、「何かあれば、すぐにやめてしまうのでは?」とか「同じ会社に舞い戻るのは、変化に対応できない、自分の殻を打ち破れないのでは?」と履歴書に傷がつくと思っていいでしょう。
「再就職したら、定年まで勤めるぞ!後戻りはできないぞ!」という覚悟をもたなければなりません。転職活動がんばって下さい!