そろそろ就職活動を始めなくちゃ…。
と思っている学生さんや復職を考えている主婦が、最初に悩むのは「どこを就職先にするか」と「履歴書はどうやって書くのか」という2つなのではないでしょうか。
特に履歴書についてはネット検索をする人も多い、皆が悩むポイントだと思います。
中でも保育士を目指す人にとっては難しい悩みなのではないでしょうか。保育士資格や幼稚園教諭免許の正式名称や保育士志望の履歴書の書き方というのは例も少なく、探すのは手間がかかりますよね。
というわけで、今回は「保育士資格や幼稚園免許の正式名称は?」というテーマにしました。
正式名称はコレ!と言うだけでは物足りないので、
- 履歴書で迷いやすい項目のヒント
- 志望動機の書き方
- パートで保育士として復職を考えている方の注意点
といった点にも注目してまとめてみました。
新卒で就職活動をする保育士資格を取得予定の学生さんはもちろん、子育てが落ち着いてきたから保育士として復職を考えている方、パートで保育士資格を生かせる職場を探したいと考えている方向けの情報もあります。
友だちに聞こうにも、保育士経験者じゃなきゃ通じないような疑問じゃ聞きづらい…とお困りの方は、ぜひこちらをご覧下さいね。
目次
保育士資格や幼稚園教諭免許の正式名称!履歴書にどう書けばよい?
まず初めに確認しておきたいのは正式名称ですよね。
保育士の資格名は、そのまま『保育士』です。資格欄には『保育士資格』と書けばOK!
短大では幼稚園教諭二種免許と保育士の双方を取れるところが多いそうですね。当然ですが、両方持っている場合は両方書きましょう。
中でも幼稚園教諭には三種類の免許があります。修得する学位によって名称が変わりますので、気をつけてくださいね。
大学院卒(修士の学位) | 幼稚園教員専修免許状 |
大学卒(学士の学位) | 幼稚園教諭一種免許状 |
短大卒(短大学士、学士、専門士のいずれかの学位) | 幼稚園教員二種免許状 |
既に取得済みの方でしたら、免許状を確認すると確実ですね。
ただし!エントリーシートや履歴書には『○○免許状』とは書かず、『○○免許』とだけ書きましょう。
免許状は証書そのものを指す言葉なので、資格の名称を書く際に”状”という字は必要ありません。
次の章では履歴書やエントリーシートの書き方について、もっと詳しくご説明します。
保育士資格の正式名称は『保母』から『保育士』に変わりました
最近では「子育てが落ち着いてきたから、また保育士として働いてみようかな」という方が増えているそうです。
私の娘の幼稚園でも、担任以外のいわゆる「保育サポーター」というポジションの方が何人も働いていて、もちろん復職された方もいるそうです。また保育時間終了後に預かり保育を行っているため、午後から預かり保育の終了時間までの間や、長期休みの間だけパートとして働いている方もいますよ。
そんな復職をお考えの方に、確認しておいてほしい点があります。
長年のブランクがあった方の中には、取得した時は”保母資格”だったという方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方は要注意です!
そもそも『保育士』という正式名称は、比較的新しい名称です。1999年から男女雇用機会均等法により『保母』から『保育士』に変わりました。これは『看護婦』→『看護士』に名称が変わったのと同じ流れで、男性の保父さん(でも正式名称は『保母』)の履歴書の記入への抵抗感から変更されたものです。
さらに2003年(平成15年)には、保育士資格が国家資格となりました。
えっ!?じゃぁ保母資格だと保育士として働けないの!?
と思った方、ご安心ください!保母資格から保育士資格への切り替えは可能です。
詳しくは、社会福祉法人日本保育協会の登録事務処理センターへ、資格の切り替えについて問い合わせてくださいね。
ざっと調べてみたところ、登録手数料の支払いや資料の提出などのやりとりの必要があり、2ヶ月程度の期間がかかってしまうようです。
また長年のブランクに不安を感じる方のために、特に保育士の需要の高い自治体を中心に復職支援や仕事の斡旋を行っているところもあります。お住いの地域ではどうなっているか調べてみてはいかがでしょう。
保育士や幼稚園教諭のための履歴書の正しい書き方!
新卒で就職先を探しています!という学生さんは、まだ取得していない(手元に免許状もない)ので書き方を迷ってしまいますよね。
エントリーシートに「取得見込み」と書き込みたいのに、日付欄には数字しか入力できない!という問題も、こちらで解決できますよ。
迷いやすい項目の書き方をまとめておきますので、参考にしてくださいね。
1.資格の取得日
取得日 | 新卒でない場合は、卒業年月日をそのまま書く |
取得見込み | 履歴書には「取得見込み」と書くのが普通で、取得日は卒業式の日であることが多い |
2.各機関の名称
認定機関 | 「○○大学短期学部幼児教育学科」など、正式名称で書く |
交付機関名 | 「○○県知事認定」など免許を発行した自治体や責任者の名前が書いてあるので、免許状を確認すると良い |
履歴書の書き方入門!志望動機はどう書くべき?
どこかの「お手本」を書き写したような言葉より、自分の言葉の方が熱意が伝わりやすいです。
何を書いたらいいのか分からない方は、「なぜ保育士を目指したのか」から掘り下げていくと書きやすいですよ。
そして就職先として考えている保育園や幼稚園について、下調べをしておきましょう。
- どんな雰囲気の園か
- 何を大切にしているか(その学校がスローガンにしている言葉や、特定の宗教など)
といったことに触れ、熱意を示すのが得策です。
私立の園だとキリスト教系、仏教系といった宗教の教えを軸にしていたり、あるいはシュタイナー教育、放課後の習い事の充実といった分野で特色を出しているところもあります。
園の特色を調べた上で「○○(園の理念)にとても共感できたから」などの文言を入れると書きやすいですよ。
どの園に対しても使える当たり障りのない言葉だけでは、「なぜこの園を志望したのか」という理由としては伝わりにくいと思います。
これはどの職業でも言えることで、私が働いていた会社の人事の方は「誰に聞いてもお手本通りの暗記してきた内容しか答えてもらえないんじゃ、差のつけようがなくて困るよ」と苦笑いしていました。
私も一度だけ採用試験の面接に立ち会ったことがありますが、定型文の返答にならないよう、履歴書には書かないような内容の質問をしていました。そうでもしないと、受験者全員がほぼ同じ返答になっちゃって違いがわからないんですよ。
履歴書っぽい書き方をしよう!と意識しすぎても、あなたらしさのある魅力的な履歴書にはなりません。自分の気持ちを丁寧に伝えよう!という意識で書いてみてくださいね。
保育士資格保持者の気になる就職先
保育士資格で働ける就職先は、保育園だけではありません。
どんなところがあるかというと、主に保育所・保育園・児童館・学童保育などです。
学童保育は時間が児童が下校する時間帯以降になるため夕方の短時間だけの場合もあり、安定した収入は望めません。
それに比べて保育園・幼稚園・児童館などは、公務員なので安定した収入が望めます。
ただし、高倍率!!!
パートで復職を考えているから、そこまで高倍率の場所じゃなくても…とお考えなら、その他にもありますよ。
例えばデパートなどの託児室では保育士資格が求められることが大半です。
最近では女性のパート職員を多く雇っている工場に託児室が設置されたり、産院の託児コーナーに保育士資格を持った方が働いていたり…と、パートして働くのに丁度いい託児の場は増えています。
自治体が運営している子育て広場なども保育士資格があると採用されやすいので、復職を考えている方にはチャレンジしやすい職場が豊富と言えるかもしれませんね。
保育士資格のみでは今後就職しにくい!?
実は保育士の資格を持っていても、今後は確実に就職先が減ってしまうと予想されています。
なぜかと言うと、今後は国の方針として保育園がどんどん減り、幼稚園と保育園を合体させた『こども園』が増えていくからです。
私の周りでもこども園は増えています。今年に入って主人の実家の方で新しくこども園ができ、孫を今秋から入園させることになったとお姑さんが言っていました。田舎で子どもの人数も少ないから、保育園と幼稚園を一か所にまとめちゃおう!ということらしいです。
「2か所を1か所にまとめる」となると、教員の数は減ってしまいますよね。
さらに『こども園』では、保育士資格だけでなく最低でも『幼稚園教諭二種免許』(短大卒)が必要になっています。
保育園は厚生労働省管轄で、幼稚園は文部省管轄ですが、『こども園』は内閣府の管轄で、保育園と幼稚園の双方の特色を備えています。保育士資格とともに幼稚園教諭の免状も必要になり、保育士資格のみではこの『こども園』には就職できません。
自分の持っている免許や園の募集要項を確認し、上手に就職活動をしてくださいね。
保育士さんの「履歴書」 書き方を詳しく紹介!《保育士バンク》
保育士さんの「職務経歴書」 書き方を詳しく紹介!《保育士バンク》
まとめ
保育士資格の名称
- 保育士の資格の正式名称は「保育士資格」でOK
- 保育士資格は国家資格で、保母資格とは別の資格
- 保母資格は保育士資格に切り替えることができる
幼稚園教員の資格の名称
大学院卒 | 幼稚園教員専修免許状 |
大学卒 | 幼稚園教諭一種免許状 |
短大卒 | 幼稚園教員二種免許状 |
履歴書の書き方
- 基本的には免状に従い正式名称で書く
- 新卒の就職活動では取得見込みで書いてOK
- 志望する園についての下調べが大切!
- 志望動機は自分の言葉で書くこと!まっすぐに熱意を伝えよう
保育士資格保持者の就職先
- 学童保育は短時間労働であることが多く、安定した収入は見込みづらい
- 保育園・幼稚園・児童館などは公務員なので安定した収入につながるが、高倍率
- デパートの託児室や自治体運営の支援センターや子育て広場など、資格保持者優遇の場は豊富にある
- 復職支援や復職者の就職先の斡旋を行う自治体もある
少子化が進んでいるのに、女性も働くことが当たり前の昨今の風潮では、待機児童などの問題が山積みです。
もちろん解決に向けての動きはちゃんとあって、女性が働きながら子育てできる環境を整えたり、核家族でも子育てしやすいようにと自治体による支援の場を設けたりしています。その中で保育士の需要はますます高まっていますよね。
一方で保育士の不足も叫ばれていて、子育て経験のある主婦をターゲットとし、一定の研修を受けたら保育士に近い資格を与えられて社会に参画できるようにする取り組みも進んでいると聞きます。
こういった保育士として働く場所の求人状況、就労状況などは今後も変化を続けるでしょうし、資格を取得する予定の人、働いていないけれど資格保持者の人であっても情報にアンテナを張っておく必要がありそうですね。
どんな職業にも流行り廃りはありますし、就職活動のコツや職場の状況などにも変遷はあるものですから、情報収集を怠らないようにしましょう。
あなたも自分に一番合った職場を見つけて、子どもたちと笑顔で過ごす、素敵な毎日を送ってくださいね!