人生の折返し地点を過ぎた50歳。
誰もが勢いよくターンを決めて、前に進むわけではありません!
”無職”、”お金がない”、”手に職がない”etc…という現実に、大きな不安を抱えている方が多くいらっしゃいます。
私は「論語」(孔子)の「四十にして惑わず、五十にして天命を知る」という一説を知った若いころ、
”自分も年齢とともに確固とした未来に進んでいくのだろう”とイメージしていました。
ところが年を重ねるごとに、世間にあふれる格言や成功者の姿と、自分の姿がかけ離れていくことに焦りが募っています。
50歳無職の実情、具体的な打開策を整理して、1歩前に進む方法をご紹介します!
- 50歳で無職の主な理由と、1人暮らしに必要な生活費
- 50歳無職で貯金なしの場合はどうするべき?今すぐ始められる対策
- 50歳で仕事を始める方法。経験なしでもなんとかなる!具体的な仕事の探し方
- 死が頭をよぎるほどの不安への向き合い方と具体的な相談先
人それぞれに、状況が違うと思います。
特に男性・女性では、”現状把握の方法”や”これからの具体的な動き”に差が出る場合があります。
自分の人生を自分自身の手で立ち上げるための方法を詳しくご紹介しますので、ぜひ最後まで確認なさってみて下さい!
目次
50歳無職の実情!無職になった理由、独身1人暮らしに必要な生活費
私は、年齢とともに”気持ちを切り替える力”が弱まっていると感じています。
私と同じように、50歳で無職になった自分の心が、過去にとらわれて上手に前に進めないと感じる方はいらっしゃいませんか?
50歳で無職の現実を目の当たりにしている方の数は、実際にとても多いんです!
50歳無職 主な理由をご紹介
総務省が毎年発表している労働力調査によると、2018年の完全失業者数は166万人です。
そのうちの35%(59万人)が45歳~64歳。
50歳のみの割合は未公表ですが、同年代の多くの方が、私たちと同じ時間を”無職”の現実に向き合って過ごしています。
口コミなどで、無職の理由を調査してまとめました。
自己都合
- 前職で人間関係などがうまくいかず、退職してから働けなくなった
- 離婚がきっかけ(女性に多い)
- どうしても働く気になれない
- どの職場にもなじめない
- ずっと専業主婦だった。外での仕事経験がない
自己都合以外
- リストラなど、前職の会社都合
- 介護
- 夫の転勤
前職の経験年数が長い場合や手に職がある場合は、
「なんとかなる」という自信があり、転職の活動をゆっくりする方もいらっしゃいます。
ところが”最終的には複数社から不採用の通知を受け、焦りと不安で精神的にまいってしまう”という声が多くありました。
1人暮らしに必要な額と内訳
「50歳で職探しをすると、意外と希望の手取り額をもらえない」という口コミが多数ありました。
給料は多い方が助かりますが、最低限必要な分がどれくらいなのかの把握も大切です。
50歳・1人暮らし・独身の場合の生活費を、具体的にご紹介します。
項目 | 金額 | 備考 |
家賃 | 60,000円 | 賃貸の場合 |
食費 | 30,000円 | 自炊分 |
雑費 | 20,000円 | 生活用品や洋服 |
水道光熱費 | 15,000円 | |
通信費 | 15,000円 | スマホ プロバイダー料 |
交際費 | 20,000円 | 外食費含む |
保険代 | 10,000円 | |
合計 | 170,000円 |
*実際の金額は、個人の状況によって違います。
手取り17万円を得るための総支給額は、20万円~21万円が目安です。
50歳で転職活動をする場合は情報収集が必要ですし、
女性だけではなく男性も身なりに気を使った方がいいので、少し余裕を持って金額をご紹介しました。
節約する余地はあるので、ご自分の状況に合わせて計算してみて下さいね。
総支給額20~21万円となると、経験なし・ブランクありなどの条件によってはハードルが高いですね。
特に”地方で女性が稼げる金額”と考えると、正直難しいように思います。
貯金がなければ、当面の生活はかなり不安定になると考えておくべきです。
無職&貯金もない場合は、どうしたらいいのでしょうか?
50歳無職でお金なしはどうすべき?今すぐできる8つのこと
無職で手持ちのお金もほとんどない場合は、行動力が生きるカギです!
実は私も、無職の時代が何度もありました。
”今月の家賃が払えるか”、”明日食べるものはあるか”という状況の中で制度を調べつくし、
できることは全部するという経験ができました。
私の知識も総動員して、今すぐできる8つのことをご紹介します。
1. まずは失業給付を申請
前職がある場合は、失業給付を申請するのが最優先です。
お金を手にするまでに期間が空きますが、申請して求職活動をしていれば必ず受け取れます。
失業給付だけではなく、次の職場が早く決まった際には再就職手当が受け取れる場合もあります。
2. 職業訓練を受ける
【失業給付を受け取れない】、【失業給付が終わった】という場合に、職業訓練を受ける手もあります。
ハローワークに申し込んで一定の条件を満たしていれば、月10万円ほどが生活支援金として受給できます。
具体的な訓練内容
- パソコン
- 介護
- 経理 など
お住いの地域によって違いますので、ハローワークに問い合わせてみましょう。
3. 生活福祉資金を利用
生活に困った場合に受けられる、低金利の融資です。
相談先は各自治体です。
自治体には生活福祉に関する課が必ず設置されています。
4. 生活保護を申請
お金を確保する目途がどうしても立たないときは、生活保護も検討しましょう。
詳しい受給要件の確認だけではなく、アドバイスをもらうためにも、自治体に相談してみるのがおすすめです。
5. すぐに働けるアルバイトをする
「今手持ちのお金がない!」という場合は、
【応募して1~2日で働き始められる&即日払い】のアルバイト探しがおすすめです。
求人誌を見るよりも、スマホを活用すると効率よく探せます。
資格や職歴なしでも関係のない求人はあるものです!
仕事を選ばなければ、働ける可能性が高いです。
6. 不用品を売る
フリマアプリを活用しましょう!
不用品をただ捨てるなんてもったいないです。
大きなお金にはなりませんが、本当にお金がないときには、1000円でも助かるものです。
7. 格安のサービスを利用
通販サイトでは、初回利用半額などのサービスがたくさんあります。
特に、食べるものを確保なさって下さい。
とにかく食べれば生きられます!
特に宅配弁当は、作るよりも断然安い金額で初回利用ができる場合もありますので、ぜひチェックしてみて下さい。
8. クレジットカードのキャッシングを利用する
消費者金融やカードローンは、安定収入がないと借入ができません。
持っているクレジットカードにキャッシング枠があれば、便利に使う時期があるのもやむを得ないと私は思います。
返済負担が大きいので、借入額は慎重に検討しましょう。
無職の期間が長いほど経済的にも精神的にも不安が大きくなります。
そのうち「とにかく働きたい!」という思いが強くなりますよね。
次に、”50歳での再就職事情はどうなのか?”、”仕事を見つける方法”をご紹介します。
50歳無職からの再就職は厳しい?なんとかするための5つのこと
50歳で無職からの再就職は、厳しいです。
これは現実なので、ご一緒にしっかり受け止めましょう!
その上で、若手や同年代の応募者たちから一歩前へ出て、効率よく活動する方法をご紹介します。
50歳無職からの再就職 基本の考え方
- 使えるものは何でも使う・・・職歴、資格、人脈 など
- 捨てるべきものもある・・・過去よりも好条件、過去の役職 など
出来る限り自分の条件(給与、休日など)を緩和して間口を広げると、応募したい求人が見つけやすくなります。
下記の5つを真剣に活用すれば、無職から抜け出す可能性が高まります。
「自分は絶対にできる、なんとかなる」と信じて、チェックなさってみて下さい。
1. ハローワーク
基本の方法です。
ただしハローワークの何万という求人情報の中から、自分で条件に合う情報をピックアップするのは効率が悪いです。
求職相談の予約をして職員さんに手伝ってもらうか、これからご紹介する方法と組み合わせて利用するのがおすすめです。
2. 求人誌、求人サイト
求人誌は、これまで候補に入れていなかった仕事も目に入る点がメリットです。
自分でも気づかなかった意外な興味から、異業種への転職という目標が立つかもしれません。
一方、条件を指定してピンポイントで仕事探しをするなら、求人サイトが便利です。
3. 派遣会社に登録する
派遣会社はお仕事紹介だけではなく、就職前から就業中まで何でも相談もできる点でおすすめです。
異業種への転職をしたい場合も、アドバイスを受けながら目標達成に向けて進めます。
派遣会社によって得意な業種があるので、状況によって賢く使い分けをしましょう。
- オフィスワーク
- 警備
- イベントスタッフ
- コールセンター など
【すぐに働き始めたい】、【かけもちの仕事を見つけたい】場合は警備やイベントスタッフのお仕事紹介が得意な派遣会社、
【フルタイムのお仕事を見つけたい】場合はオフィスワークのお仕事紹介が得意な派遣会社を利用します。
4. 転職エージェントを利用する
職歴や資格をいかして転職をしたい場合は、転職エージェントがおすすめです。
派遣会社と同じく、必要なアドバイスを受けながら就職活動ができます。
豆知識:派遣会社と転職エージェントの違い
- 派遣会社は人材派遣です。派遣会社に雇用されて、派遣会社と契約をしている企業で勤務します。
- 転職エージェントは人材紹介です。初めから紹介先に雇用されます。
5. 起業する
アイディアを持って起業するのも一つの手です。
地域の起業支援センターも活用できます。
私が起業支援センターを利用した経験から、利用のメリットをご紹介します。
- お金がなくて生活に困ることを話すと、起業資金の融資相談などをスムーズに進めてくれる
- 起業の内容が全く決まっていない段階でも相談を受けてくれる
- 起業に必要な人脈がなければ、紹介してもらえる
- 起業までのワーキングスペースを提供してくれる
- 起業したい人と出会える など
*施設の状況などは、地域によって違います。
個人事業であれば、書類を作成して最寄りの税務署に提出をするだけで起業できます。
法人を立ち上げる場合は登記料などが必要なので、手続きが全く違います。
50歳で新しいことを始めるのだって可能です!
若手とは違ったプロセスになるかもしれませんが、その点はこれまで培ってきた精神力でカバーしましょう。
ご自分の状況や希望に合わせて、ご紹介した仕事探しの方法を活用なさって下さい。
最後に、人生を悲観している方へお伝えしたいことがあります。
もう死ぬしかないと考えている貴女へ!自分を否定することは止めよう
人生には、井戸に落ちたかのように心が沈む時期もあるものです。
そんなときに死を選ぶ方の数は年間2万人以上で、そのうち約17%が50代、約50%以上が40代~60代です。
*厚生労働省 『平成29年中における自殺の状況』のデータです。
実際に死を考えたとしても、よっぽどの覚悟と実行力がなければ死ねません。
その力を、今の状況から抜け出すことに使ってみませんか?
死がよぎるほどの不安と対策
不安な状況と、抜け出す対策をいくつかご紹介します。
引きこもり
無職の状況が長くなると、お金が自由になりません。
引きこもる時間が長くなり、外の世界とのつながりがぷつんと切れたように感じますよね。
そんなときに、SOSを出せる場所があります。
不安な状態をとことん話してみて下さい。
必要な場合には、専門家の紹介やアドバイスが受けられます。
人間関係がうまくいかない
50代は、社会的に”ある程度の知識や経験があって当然”と判断されます。
”少しでも出来ないことがあると風当たりが強い”と感じませんか?
時には生き方自体を批判されるような、辛い経験をすることもあるでしょう。
そんなときは、逃げ出してOKです。
一時的に宿泊できる施設もあるので、行くところがない場合は自治体に相談なさってみて下さい。
うつ病
【何もやる気が起きない】、【一日中眠い】などの状態で、家族や友人の「怠けているだけ」という目に苦しんでいませんか?
その状態、実はうつ病の可能性があります。
心の持ちようでは解決できず、医学に頼るべき病気です。
すぐに専門家(精神科や心療内科)の治療を受けて下さい。
セルフチェックできるサイトもあるので、使ってみるのがおすすめです。
「うつ病 セルフチェック」でインターネット検索をしてみましょう。
借金
「借金を返すために借金をし、気づいたら借金地獄」という方はいらっしゃいませんか?
すると、不思議と同じような状況の人が周りに集まってくるものです。
根本的な解決策ではない裏情報的な話を、いろいろ言われることもあると思います。
私もバブル崩壊のときに実家の借金をかぶった経験があるので、よくわかります。
私の経験では、借金の困りごとには正直に対応すると解決の道がひらけます。
- ”今月の返済ができない!”そんなときは借入先に相談(返済額などの相談ができる)
- 債務整理(任意整理、個人再生、自己破産)
弁護士などの専門家の力が必要な場合は、法テラスを利用するのがおすすめです。
豆知識:法テラスとは
【法的な助けが必要な悩みを持つ人】と【専門家】を引き合わせるなどの役目を持つ、国の機関です。
私も相談をしたことがありますが、とても丁寧に対応してくれます。
専門家に支払う費用の立替え制度などもあるので、困ったらぜひ活用して頂きたいと思います。
法テラスは、どこに相談していいかわからない複雑な内容でも、相談内容に合わせた専門家を紹介してくれます。
例)離婚と借金の問題が重なる など
「SOS」どこに相談すればいいの?
SOSを出したい状況になったら、まず自治体に相談しましょう。
定期的に無料相談会を行っている自治体もあります。
「生活困りごと相談 〇〇市」とインターネット検索なさってみて下さい。
自治体では、相談内容に応じて専門家などへ導いてくれます。
「生活保護を申請しましょう」という流れになる場合もあります。
”人生には人の力を借りて過ごす時期もある”と考えて、1人で抱え込まないようになさって下さいね。
「50代で無職だと年金はどうなるのだろう」という不安もあると思います。
こちらに詳しい情報をご紹介しています。
↓↓↓
老後の年金が少なくて生活できない場合、どうしたらいいのか?
まとめ
50歳・無職という状況の実情や解決策などを、詳しくご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- 50歳で無職になるのは、自分の勝手な都合だけではない場合もある
- 50歳・無職・独身の場合の生活費は、17万円ほどが目安。自分の状況に合わせて試算してみるのがおすすめ
- 今お金がないという状況でも、解決策はある!
- 50歳での再就職は現実的に厳しいが、さまざまな方法を多用すれば就職できる可能性が高まる
- 死が頭をよぎるなら、状況に応じた対策が必ずある
自分がピンチのとき、成功者がまぶしく見えないでしょうか。
でも誰もが成功者になる必要も、急にステップアップする必要もありません。
無職で貯金がなくてもなんとかなりますので、今回ご紹介した内容を参考に少しずつでも行動してみて頂けると幸いです。
私はメンタル心理カウンセラーの資格を持っていますが、「悩みが大きくて解決できない」と相談なさる方のほとんどは、
最終的には自分で悩みを解決していきます。
まずは自治体を初めとして、悩みを言葉に出して伝えられる相手に接してみましょう。
とことん話すうちに、自分が向かいたい方向が自然と見えてきます!