履歴書を書く時、これで採用・不採用が決まるんだと思うと緊張してしまいますよね。
特に困るのが『希望職種』っていう欄!
「希望の職種を書く」というのは想像がつくけれど、実際どのように記入すると印象がよいのか?という疑問を持っている人は多いはずです。
「そもそもどんな配属先があるかも分からないのに、希望なんか無いよ~!」
「何でもやるから雇ってください!ってスタンスなんだけど…」
という方は、どうやって書けばいいのでしょうか?
また意外と書き方に迷うのが、アルバイトやパートの応募の時。
就職活動中だったら、志望する会社についてリサーチをしたり、履歴書の書き方の本を読んだりと努力をする方は多いでしょう。
けれどアルバイトの応募となると、動機も「家から一番近いし!」とか「制服が可愛いし!」といったシンプルなものだったりするので
「そんなに熱意もないのにビッシリとは書けないよ~(>_<)」
と困ってしまう方も多いんじゃないかな~と思います。
そこで今回は「希望職種」という項目に絞り、
業種別の職種や印象のよい書き方について詳しく解説していきます。
- 各業界の職種には、どのようなものがあるのか?
- 本人希望欄とはどう違うのか?
- 特にないんだけど…空欄のまま出してもいい?
- 何でもやります!と書いてよいものか?
といった疑問も解消しつつ、具体的な記載例を挙げながら、わかりやすくお伝えしたいと思います。
どうせ書くなら、面接官の印象をアップさせて採用に繋げたいですね!
目次
履歴書の希望職種、どう書けばよい?
希望職種の欄は、「書ける範囲でよいので記入する」というのが望ましいようです。
『私は何でもやります!』
というとやる気があるように感じますが、これが落とし穴。
意欲が少なく、すぐ辞めてしまうという認識を持つ採用者は多いそうですよ!
仕事に前向きであるほど、自分の希望は持っていることと思います。
例えばファミレスでアルバイトをしようと思った時、
- 厨房での仕事を希望するのか?
- ホールでの仕事を希望するのか?
という2択ぐらいなら選ぶことはできますよね。
「職種」と書いてあるとは言うものの、その程度で構わないんです。
お店側が厨房もホールも同時に募集している場合、どちらがやりたいかをはっきり書いておいた方が分かりやすいですしね。
『できれば接客がしたいです』とか
『厨房での仕事を経験しておきたいです』など、
自分の希望は必ず書いておきましょう!
希望職種は求人の募集要項をよく見て記入しましょう!
求人広告などの募集要項を見ると、募集の職種が書いてあります。
できれば募集要項に書かれている言葉で希望職種の欄に記入しましょう!
その会社の呼び方で自分の希望職種を記入すると、募集要項をしっかり読んで応募していることが伝わります。
募集要項は求人広告、求人サイト、企業のホームページの採用情報に載っていますよ。
例えば宅配業者の求人ならば、
という具合になっています。
配送スタッフ募集以外にも、運転手募集、ドライバー募集などなど、同じ”運転手”という職種でも、呼称は会社により様々です。
運転手に限らず、他の職種でもちょっとずつ違う呼び方をしていることがあります。
例えばファミレスのスタッフだと
厨房とキッチン、フロアとホール
というような具合です。
ちょっとした違いなんですが、言葉を相手に合わせることで印象は良くなるはずですよ。
「初対面の相手の名前を覚えて呼びかけるようにすると、印象が良くなる」という面接テクニックと、少し似ていますね。
履歴書の希望職種の書き方一覧 ~アルバイト・パート編~
以下、業種別の職種一覧(社内での呼称)を公式ホームページよりまとめました。
参考にしてくださいね♡
業種別の職種一覧
コンビニエンスストア
セブンイレブン | コンビニスタッフ |
ファミリーマート | ストアスタッフ |
ローソン | クルー |
ファミリーレストラン
すかいらーくグループ | フロアー キッチン デリバリー |
餃子の王将 | ホールスタッフ キッチンスタッフ 洗い場 |
ホテル(宿泊施設)
- フロント
- キッチン
- ホール
- ルームメイク(客室清掃)
ファストフード
マクドナルド | 接客クルー 製造クルー |
カフェ
コメダ珈琲店 | フロアスタッフ キッチンスタッフ |
タリーズコーヒー | カウンタースタッフ (キャッシャー, バリスタ) |
スターバックスコーヒー | バリスタ |
アルバイトの職種は、上記のように募集の職種が細かく決まっていることが多いです。
繰り返しとなりますが、
希望職種の記載例
次は具体例をいくつかご紹介しますね。
ファミリーレストランのアルバイトに応募の場合
「何でもやるから雇って~!!」と思っている方でも、「どちらかと言えばコレかな…」ぐらいの希望は持っていることも多いでしょう。
「この職種じゃなきゃ嫌だというわけではないから希望職種を限定したくない。でも意欲は示したい!」という場合の書き方はこちらです。
ホールでの仕事を希望いたします。
調理や作業は好きなので、キッチンでも問題ありません。
※第一希望を伝えつつ、希望が通らなくても仕事をしたいという意欲が伝わります。
こうやって書くと、例えば応募のタイミングによってホールは間に合っている状態だったとしても、キッチンでの採用に繋がるというメリットもあります。
ちなみにファミレスを始めとする飲食店のキッチン担当はホール担当に比べて人気がないので、採用側は募集要項で職種の記載をせず、面接でキッチンでも働けるのかを聞かれることがあるのだそうです。
ファストフード店のアルバイトに応募の場合
製造クルーを希望としておりますが、接客にも興味があります。
どちらの仕事でも誠実に取り組ませていただきます。
このように書くと仕事への前向きな姿勢として伝わります。
「どちらでも良いです」「何でもやります」という書き方よりも、意欲的に感じられませんか?
募集要項に職種の記載がない場合
社内で適性判断をするなどの理由で募集職種の記載がなく、希望職種も特にない場合は
『貴社規定に従います』
と書く方法もあります。
しかし『希望職種をしっかり書くことは、企業に興味を持ち、研究しているからこそ可能』なので、書ける範囲で記入すると印象がよいのです。
このことをしっかり覚えておいてくださいね。
もし希望がなくても、意欲を示しておきたい!という時にはこんな書き方もできますよ。
貴社の規定に従います。
貴社の商品が好きで、バリスタの仕事に強く興味を持ち応募いたしました。
このように企業の呼称で職種を記載すると、ホームページなどでリサーチしていることが伝わりますね!
履歴書の希望職種の書き方一覧 ~正社員(新卒・転職)編~
就職活動や転職活動で履歴書を書いているなら、希望職種は記入するべし!です。
ここが空欄だと「やりたいこともないのに、何でこの会社を選んだの?」と思われてしまうかもしれませんよね。
また正社員に応募する際の職種については、大きなくくりで記入しましょう。
あまり限定的な書き方をすると、「やりたい仕事しかしないタイプかな?」という印象になってしまいます。
職種は大きなくくりにしておき、希望の理由を添えて書くのがベストです!
代表的な職種一覧
営業 | 事務 | 企画 | 開発 | 販売 | 介護 | 製造 | 配送 | 軽作業 |
会社によって職種は違うので、会社ホームページなどで部門や配属先を調べてくださいね。
その会社がどんな職種で応募をかけているのかを確認し、自分の希望を理由を添えて書きましょう。
次の章で具体例を挙げていますので、ぜひ参考にしてくださいね!
希望職種がなくても、志望動機と繋げて書く方法もありますよ。
履歴書の希望職種に添えるべき例文は?
希望職種を記入する際は、その理由についても添えましょう。
アルバイト編
理由にはいくつかパターンがあるので参考にして下さい。
- 好きである、興味をもっている
- 自分に向いている
- 実務経験がある
- 実務経験を積みたい
アルバイトなら理由を書かなくても問題ありませんが、このような理由をサラッと添えて希望職種を書くと好印象です。
書いておくことで「希望が通りやすい、採用されやすい」というメリットがあります。
注意点としては、
『○○な理由から、この職種はできません。』
というように、マイナス部分が強調される書き方をしないことです。
『○○な理由から、この職種を希望します。』
というように、プラス部分が強調される書き方をすることです。
良い例 | 作業が好きで自分に向いていると考えており、キッチンを希望いたします。 |
悪い例 | コミュニケーションが苦手なので、ホールはできません。 |
以上のポイントをしっかり覚えておいてくださね!
正社員編
営 業
貴社の商材に強い魅力を感じました。
その思いを営業という分野で生かし、貴社のお役に立ちたいと強く思い志望いたしました。
希望職種がない場合の書き方例
貴社の商材に強い魅力を感じました。
どの職種に配属されても、その思いをお客様に伝えるべく仕事に取り組み、貴社のお役に立ちたいと強く思っております。
事 務
○年ほど事務の仕事を経験しております。
小さな規模の会社だったので、帳簿の他、給料計算、伝票管理、パソコンでデータや統計の管理などもしておりました。経験を生かせるのではと考え、こちらへ応募させていただきました。
介 護
とてもやりがいのある、なくてはならない大切な仕事であると考えています。
介護士の資格取得を目指しており、経験を積みたいと思っております。
体力もあり、前向きな性格であることを生かして、貴社のお役に立ちたいと志望いたしました。
筆者のパート先の事例
筆者はパートで働いていますが、最近職場に若い女性が新しくパートとして入ってきました。
採用者によると、その女性は『手に職をつけたいので、この部門でこれらの仕事を覚えたいです』と、かなりはっきりとしたビジョンを持っていたそうです。
たとえパートであっても、そういう人材であるということは採用者から部門へと取り次がれ、相応の扱いをされるのだと実感しています。
”相応の扱い”というのは優遇されるということではありません。「仕事を覚えたい」という人に対して、必要なキャリアを積めるような配置にするなどの配慮がされているということが、見ていて感じられるのです。
「時間まで仕事をしてもらって、給料を支払う」というだけではなく、使う側の意識に、ある種の責任感が発生しているのではないでしょうか。
こういった希望は積極的に伝えるとプラスになるのだと実感した例です。
パートやアルバイトでも、きちんと系統だてて仕事を教えられ、経験を積んでいけるのは貴重なことですよね!
「希望職種」と「本人希望欄」の違い
さて、似たような記載欄ですが、希望職種と本人希望欄の違いとはなんでしょうか?
希望職種とは、部署や仕事の内容について、“希望” として記入する
本人希望欄とは、働く際に譲れない、最低限の“条件”を記入する
一般的にはこのように捉えられています。
それでは具体的に、本人希望欄にはどのように書けばいいのでしょうか?
本人希望欄に書くべきこと
以下の3つは、本人希望欄に記載しておきましょう。
- 勤務可能日
- 連絡のつく時間
- いつから働けるのか
勤務可能曜日
- 家庭の事情で、水曜日以外でしたら勤務可能です。
- 出勤日は貴社の規定に従います。休日の曜日のみ決めていただければ幸いです。
などなど…。
連絡のつく時間
細かく指定することはできるだけ避けます。また、あまり遅い時間は指定しないようにしましょう。やむを得ない場合は理由を併記します。
授業があるため、平日の18:30以降でお願いします。土日でしたら終日可能です。
いつから働けるか
在職中の場合など、希望があれば記入します。
○月△日以降は勤務可能です。
本人希望欄〜希望がある場合のみ書くべき内容
勤務時間
保育園のお迎えがあるため、18時までの勤務でお願いします。
勤務地
通勤可能な首都圏での勤務を希望いたします。
家族が高齢のため、生活の拠点を移さないでおきたいからです。
職種
希望職種を記入する欄がない場合で、希望職種がある場合は、本人希望欄に記入します。
接客を学びたいので、ホールを希望いたします。
本人希望欄の記載は働くための条件という色合いが強いため、これらは最低限の記載にとどめ、なおかつ理由を併記しましょう。
条件が多いと採用の確率を狭めることになりますし、謙虚さがない印象を与えやすいためです。
最初に伝えておきたい細かな希望がある場合は、面接の中で伝えることをおすすめします。
もしも、希望職種を書くのに迷ったら?
新卒者の場合
キャリアセンターまたは就職課などを利用してみるのもおすすめです!
大学のキャリアセンターには内定を得るためのノウハウや過去のデータが蓄積されていますし、企業によっては大学の就職課のみに追加募集の案内を出すこともあります。
相談員は常駐していますし、履歴書の添削や求人情報など、様々な支援を受けることもできますよ。
経験者から新卒者への就活アドバイス
キャリアセンター、就職課などを利用するのもおすすめです。
就職活動にはまだ早いと思われるような1年次、2年次のアルバイトのための相談でも、その後の就職活動に活かせるようなアドバイスがもらえたりします。
年間を通じてキャリア支援行事や対策講座などがたくさん用意されていますので、積極的に利用してみてください。
- 自分の方向性を決める
- 企業を調査することは、早いうちから意識してやっておくと良い
何十社という会社にエントリーする就職活動が始まってから、その限られた期間で希望する企業をリサーチするのはかなりハードです。
そのような時間的にもハードな就活の中で、わざわざ大学のキャリアセンターに出向くのは大変ですから、是非早い段階で利用してみましょう。
転職の場合
転職の場合は、個人で転職先を探すのには限界があります。在職中ならなおさらのことですね。
様々な転職サイトがありますが、それぞれ得意分野が違いますし、相性もあります。複数の転職サイトに登録し、転職活動を有利にしましょう。
ほとんどの転職サイトでは、エージェントによる履歴書の添削や面接対策の相談が受けられるので心強いですよ。
パート・アルバイトの場合
パート・アルバイトなら、希望職種がない場合は
『貴社の規定に従います』
と記入することもできます。
コンビニ店員だと、職種もなにも皆同じような仕事内容というイメージですよね。そういう時には無理に希望をひねくり出す必要はありません。
ですがその場合でも、面接の際には『特に希望はありませんが、事務経験が○年あります』というように、聞かれた時に自分の経験や考えを伝えられるように準備をしておきましょう。
まとめ
- 希望職種は募集要項に記載されている言葉で書くと良い
- 希望職種は仕事の内容や部署についての希望を記載する
※ 理由も添えるとなお良い - 希望職種がない場合は志望動機と絡めて書くと良い
- 本人希望欄は、最低限譲れない、働くための条件を記載する
※傲慢な印象を与えないよう理由を併記するなどの配慮をする
面接での良いコミュニケーションは自分を知ってもらうことに繋がり、それが採用への第一歩となります。
しっかりと理由を答えられるように準備しておくことが大切ですよ。
本人希望欄や希望職種に記入したことは、面接の際に掘り下げられて質問されるでしょう。
なぜ希望したのかを述べることは、自分のやる気をアピールするチャンスです!
また本人希望欄は「働くための条件」ですから、なぜその条件なのかという理由がきちんと説明できるようにしておかなくてはなりません。
履歴書を書く段階で、こういったことを面接で聞かれても困らないように考えておけば答えやすいですよね。
この記事が就職活動のお役に立てれば幸いです。あなたの成功を心よりお祈りしております。