“初めて就職した会社を短期間で辞める” ということは、実は珍しいことではありません。
社会の現実と自分の理想とのギャップや、職場の人間関係、仕事内容や待遇などでのミスマッチがこの結果に表れています。
この仕事(職場)は、自分には合わないなぁ…。
こんな風に感じて転職する人は、意外と多くいるんですね。今回はそんな転職経験者の方へ向けたテーマを扱います。
2度の転職を経てもなお、自分に今の仕事が合っているかわからなくなって
3度目の転職を考えているあなた。
転職をして待遇面は良くなったけれど、人間関係や職場環境に馴染めるかどうかは働いてみないことにはわからず、また転職を考え始めて…という、いわば転職難民とも呼べるあなたのお悩みを、今回は一緒に考えてみたいと思います。
『どうして自分だけこのようになってしまうのか?』
最初の就職で自分に合った職場を見つけられなくても、2度目、3度目の職場探しとなる転職でも自分に合う仕事(職場)を見つけられないのは、どうしてなんでしょうか。
もしかしたら、何か見落としている原因があるのかもしれません。
- この職種でダメだったから、違う職種にしよう
- 人間関係で悩んだんだから、男女比率が違うとか、業務形態が違うところへ行けばOKでしょ
- 本当にやりたい仕事が見つかるまで、試しに働いてみればいいかな
- とにかく少しでも給料が上がればいいや!
なんて、単純に考えて転職先を探してはいませんか?
今までのあなたは目先の条件ばかりにとらわれていて、何か根本的な原因を見逃してしまっているのかもしれません。
今回は長年一つの会社で勤務した (それも小売業で下請けもある、人の入れ替わりのとても激しい職場で!) 筆者の経験を踏まえて、転職に悩むあなたと共に、解決する方法や打開策について、一緒に考えてみたいと思います。
目次
20代で転職2回。でも、再び3回目に挑戦したい!
転職癖ならぬ”転嫁”癖が転落の元
『なぜ自分だけ、いい職場が見つからないのだろう?上手くやっている人もたくさんいるのに…』
あなたと良い転職先を見つけて充実している人の間に、何か違いはあるのでしょうか。これは筆者の印象として申し上げるのですが、
転職を繰り返す人の特徴には、いくつかの共通点があります。中でも注目したいのが、この2つ。
- 性質が真面目である
- 几帳面である
真面目さも几帳面さも、仕事の上では大切じゃないの?と疑問に思うでしょう。けれど、そうとも限らないのです。
例えば真面目な人が、いつもいつも正直に、きっちりと仕事を進めようとしたとします。「自分だけでなく職場の仲間にも同じように真面目に勤務してほしい、真面目にするべきだ」と思うからこそ、時に融通が利かず、人間関係を窮屈にしてしまうこともあるでしょう。
自分にとっては”正しい行動や考え方”だったとしても、周囲の人間にとっては”ただのこだわり”にすぎないのかもしれません。そういった価値観の違いで、人間関係がうまくいかないことってありますよね。
几帳面さも同様で、何に対しても几帳面に取り組むあまりに、妥協できなくなっていることはありませんか?納期が迫る中、周りの人間が「そのくらいが妥協点だ」と思っているところが、一人だけ妥協できない…ということが重なると、少しずつ人間関係がギクシャクしてしまうこともある思います。
そういった真面目さ、几帳面さが通らない時、そして通らない理由が「自分にとって納得できないものだ」と思っている場合、辞めたくなるのではないでしょうか。
このまま転職を繰り返していても、『前の方がマシだった!』とか『どの会社もダメなや奴ばっかりだ!』と嘆くばかりになるとは思いませんか?
ですが、あなたが自分に合った仕事や職場を見つけられないことを、今までの職場の人たち(=他人)のせいばかりにもしていられません。ここはあなたが、考え方を広げてみましょう!
…とは言っても、急に性格を変えることはできませんよね。
あなたの今までの職種は何でしたか?”融通が利かないほど真面目であること”や”妥協ができないほどの几帳面さ”というのは、
職種によっては、とても強みになります。 例えば事務系や公務員、医療関係などです。
あなたのやりたいことは違うのかもしれませんが、思い切って今までとは違った職種を選ぶことで、案外自分に合った仕事や職場が見つかるかもしれませんよ。
今の職場でできることがあるのかも…
職種を変えるのもひとつの方法ですが、その前にできることはないでしょうか?
あなたの要求は、自分だけの都合によるものではなく、周りの人にとってもいい効果をもたらすものかどうか、一度考えるようにしてみませんか?
- 全体の利益や効率化のためだと言えるか?
- 個人で主張を続けるだけでなく、上司への働きかけや相談をしてみてはどうだろうか?
- 職場の流れを良くする提案として、賛同を得られそうか?
というように、自分の主張を客観視し、時には職場の同僚や上司に協力が得られないか相談してみるのです。
今の職場が改善されれば、転職せずとも働き続けやすくなりますから、試してみる価値はあると思いますよ。
もしも少しでも好転すれば、どんなに小さな事柄でも、あなたにとっては、大きな一歩!職場がより良い状態になるよう努力したという、ひとつの “経験” になります。
勇気を出してトライしてみて下さい!
何もせず、周囲の人間に責任の転嫁をしてその場を去ることは簡単です。
ですが、そんなことを続けていても、なかなか思い通りにならないのが世の常。理想の職場なんて滅多に見つからないから、誰だって何かしらの不安を抱えていたりするものですよ。
そして自分の思うような結果がすぐには出なかった場合でも、時間を置いて判断するようにしてください。本当に少しの変化もないのか?と注意深く見守りましょう。
こういったことは、すぐに結果が出るとは限りません。誰かに少しでも自分の言葉が届いていれば、何か変化があるはず!と信じて、しばらく待ってみましょう。
そうやって、変化を見出すこと=前向きに捉えることが大切なのです。
どんな仕事でも、またどのような会社でも、例外なく大変なものだし、思い通りにならないのも当たり前です。
「転職したところで、大変なことの種類が変わるだけ」と肝に銘じておきましょう。
20代の短期転職、求人担当者はどう思う?
20代で3回も転職するということは、ひとつの会社での勤務は、長くてもせいぜい3年くらいでしょう。
3年ごとに転職を繰り返しているとしたら、採用担当者は、どのような印象を受けるでしょうか?たくさんの履歴書を並べて目を通す作業では、転職の多さは
定期的に仕事を変える癖 という風に映ります。
採用担当者と共に採用不採用の判断に加わる立場になっていた筆者の経験から申し上げますと、
というのは、多かれ少なかれあると思います。せっかく採用しても、すぐに辞めてしまうようでは困りますから、採用面接では転職の理由は必ず聞かれると思っていて下さい。
それでも転職を繰り返している事実を消すことはできませんよね。少しでもマイナスなイメージを払拭するために、転職の理由をポジティブに表現する方法が2つあります。
プラス評価に繋げる方法1)前職に対する不満として伝えない
採用担当者は、当然、前向きでやる気のある人を採用したいと考えています。
せっかく採用したのに仕事を覚えた頃に辞められては会社にとって不利益ですし、採用担当者自身も、自分の採用した人が短期間で辞めるのは避けたいところです。
自分の不満や愚痴をまき散らすのは逆効果!あなたの転職の理由を聞いて
前職に対して不満があったから辞めたということは、この会社に対しても不満を抱いたら辞めてしまうんだろう
と感じたら、採用はしないでしょうね。
ですから、自分が不満に思ったということはなるべく言わない方が良いのです。
また不平や不満を持ちやすい人が職場にいると、その人が周囲の雰囲気を悪くしたり、士気を下げてしまうこともあります。採用担当者としても、周りのやる気を高めてくれるような明るい人材を求めます。
加えて人間関係でのつまずきは、コミュニケーション能力不足や、会社に順応しにくい人であると捉えられてしまう恐れがあります。
嘘はバレますのでオススメしませんが、何でも正直に伝えることが良いとは限りません。
転職理由においても仕事に対する意欲を示し、前向きに努力することをアピールしよう!
例1)事務系の仕事を希望していましたが、営業の仕事が主でしたので…
例2)技術を身に付けることを目標としていましたが、○年先輩の方でも、それが叶っていない実情を見て…
例3)サービス残業が平均して○時間と、自分の予想よりはるかにに多かった為…
前職で不満だった事情は、あくまで事実のみを淡々と述べる程度にしましょう。
それが良くない状態だということはあえて主張せず、相手に”察してもらう”くらいが丁度良い!
※ただし、転職の理由が自己都合ではない場合(会社の倒産など)や家庭の事情の場合は、そのまま伝えても問題ありません。
プラス評価に繋げる方法2)前職で身についたスキルをアピールする
一般的に、転職の度に職種が変わるのと、同じ職種内で会社を移るのとでは、職種が一貫している方がプラスになります。
- その仕事に対して見聞や経験を深めている
- その職種が好きである(=続ける意思がある)
という風に考えられるので、コロコロと職を変えているイメージが少しは薄らぐのではないでしょうか。
ですから転職の度に職種が変わっている場合は、面接時に職歴に応じて身に付けたスキルをきちんとアピールできるようにしておきましょう。
「転職先の仕事に対して、今までの経験をどのように活かして働けるのか」と聞かれても困らないようにしておくのも良いですね!
しかし職種が一貫していたとしても、転職を繰り返すことは、できれば20代で卒業しておきたいことです。
実は、30代になると企業が求職者に求めるものが全く変わってしまいます。30代での転職は、実績や優れたスキルを持ち、それを即戦力として仕事に活かすことが出来なければ、条件や待遇は悪くなる一方なんです。
転職を繰り返す、あなたの強み・弱みは?
<企業が20代の求職者に求めるもの>
- 基本的なビジネスマナー
- 頑張りのきく”若さ”と”体力”
- 柔軟な発想力
- 会社に馴染む順応性
まだ20代という若くて働き盛りの年齢。そして会社に必要な人物へと育てることができるという将来性。会社が若い中途採用者に求めるのはこういったことです。
あなたの強み・弱みは何ですか?
これをきちんと把握することで、自分をアピールしやすくなるんですよ。
転職を繰り返すあなたの強みは何か?
あなたは自分の強みは何か、きちんと採用担当者に伝えることが出来ますか?自分のどこをアピールしていいかをしっかり把握していなければ、面接のほんの数分間であなたの良さを伝えきることは難しいです。
『私にはそんなアピールできるようなものはない』
なんて思ってはいませんか?
転職を繰り返したことで、あなたは様々なことを学んだと思います。その学んだことこそ、堂々とアピールできるあなたの”強み”になります。
どんなことが失敗に繋がるのか。新しい職場に早く馴染むためには、どんな努力が必要か。何でもいいのです。技術として身についたこととは限りません。仕事に対する貪欲さが評価されることもあります。
職場の仲間との接し方。お客様への対応。新しく仕事を覚える時に行う自分なりの努力。仕事をする上で何が必要だと感じてきたかや、自分が今までに学んだことを、これからどう活かすかなど、
と思わせらるように、アピールしてみましょう。ひとつの職場で安穏と過ごしているだけでは得られない経験を、あなたはしてきているはずですよ。
とにかく何でもいいので、まずは有形・無形に関わらず、強みや得意なことを書き出してみましょう。
あなたの弱みや欠点は何?転職の原因や経緯を振り返ろう
「弱みや欠点を面接時にわざわざ言う必要はないので、弱みについて考えるのは無駄なこと」と思ってはいませんか?
きちんと自己分析をしてから面接に臨むことはとても重要です。
採用担当者は何人もの入社希望者に接してきています。当然、転職を繰り返す人の特徴も経験から知っていますので、その部分を表面化させるような質問もしてくるでしょう。
弱みや欠点の無い人間なんていません。
だからこそ、自分の弱みや欠点を把握し、どうしたら克服できるかを考えて努力をしているという姿勢が大切なのです。
そして採用担当者は、あなたのそういう姿勢を必ず感じ取ってくれます。面接でのあなたの受け答えに、その努力は自然とにじみ出ているはずですからね。
その上で仕事に対する意欲を伝えれば、あなたの熱意が言葉だけのものではないと受け止めてもらえるでしょう。
転職を成功させたい20代がやっておくべきこと
もしも自己分析でつまずいてしまったら、過去の自分を振り返ってみることから始めてみましょう。
例えばこんなことに注目して振り返ることで、自分自身をじっくり見つめ直すのです。
- 記憶がないくらい小さな頃に興味のあったことは何でしょうか?(ぜひ、ご両親に聞いてみて下さい!)
- 小学校で好きだった学科、得意だった学科は何でしょうか?その理由は?
深く掘り下げて考えていくうちに、何か関連している業種が浮かび上がってくるかもしれません。
学生時代決めた進路は、実は自分に向いていなかった!というのはよく聞く話です。
私の友人にも、理数系に進んだものの苦労していて「文系にすればよかった!」と後悔している人がいますが、よくよく聞いてみると、その人は子供の頃、国語がものすごく得意でした。なんと”英語が苦手”という理由で理数系にしたそうです!
そういう今では当たり前に自分の性格だと思っている一面が、実は表面的なものだったり、忘れていけれど実は好きだったことを思い出したり、ということが見つかるかもしれませんよ。
好きこそものの上手なれと言いますが、自分が好きなことのためなら面倒くさい作業や辛い努力も頑張れることってありますよね。仕事に趣味よりも長く身を捧げている人がほとんどということを考えれば、得意な事や好きな事が仕事になるなら、待遇面が少し下がったとしても、幸せなことだといえるのではないでしょうか?
3回目の転職では自分がやりたかった仕事に少しでも近づけるよう、足らない能力や知識を補う努力をするのもよいですね!
勤めながら夜間のセミナーやスクールに通うことも、若いうちだからできる事!自分の将来の為に、検討してみては?
まとめ
次の転職こそは成功させる!転職希望者のための6か条
- 転職を決める前に、状況を変える働きかけをしてみる
転職は最後の手段。他の職場でも何かしらの困難は待ち受けている。
今、置かれている状況下でどんなに小さな事でも前向きに捉え、勇気を出してトライすることが大切。
- 転職理由はプラス評価に繋がるよう話し方に気をつける
短期間での転職は”離職しやすい人物”だと疑われやすい。前職に対する不平や不満はマイナス印象に。
仕事に対する意欲を示し、前向きに努力することをアピールすることが大切。
- 転職によって身に付けた強みや得意なことを書き出して、面接に備える
職種が一貫している方がプラスに捉えられる傾向がある。
転職は20代で卒業しよう!30代になると能力を求められるため、転職で条件や待遇が悪くなることも。
- 転職に至った経緯や自分の欠点を書き出して、自己分析をする
技術として身につけたことばかりでなく、仕事に対する貪欲さが評価されることもある。
「複数の職場を経験してきたからこそ、職場に順応するノウハウがある」ということもアピールポイントにできる。
- 自分の適性に悩んだ時は、小さな頃の自分を振り返って適性を探ってみる
自己分析をし、自分の弱み・欠点を把握した上で仕事に対する意欲を伝えれば、熱意が言葉だけでないことが伝わる。
- 自分のやりたい事に向けて、セミナーやスクールに通うことも検討してみる
希望職種に近づくために、足らない能力や知識を補う努力も必要。20代ならば遅くはない!
転職を繰り返すことは、一般的にはマイナスな印象として捉えられがちです。
でも本当のマイナスは、その経験から学ぶことを放棄してしまうこと…。
人のせい、会社のせい、あの時あれがあったせい…などと責任転嫁をしてしまったり、自分の失敗から目を逸らしてしまったりというのは、誰にてもあることです。
ですが、いつまでもそんなことを繰り返すばかりでは成長できませんよね。ましてや、そんな理由で転職を繰り返していては、いつまでも終わりがないような気がしませんか?
転職を無駄な経験にしないためには、
「反省すべきところはする」そして「自分の欠点を受け入れることができる」という『心の強さ』を持つことが必要だと思うのです。
そして自分の強みを活かして仕事に就き、自分を見失いそうな時には、その強みを軸に、困難を乗り越えて欲しいと願っています。
あなたが自分の道を見い出し、人生を切り開いて行くことができますように、心からお祈りしています!