アルバイトや就職活動では、面接の前に履歴書を提出することが多いですよね。
履歴書の上手な書き方を調べ、印象の良い写真を用意して…と、事前にやれるだけのことはやって準備万端。「さぁ、応募だ!!」という時になって気づくのです。
郵送で提出する時の封筒の宛名って、どうすればいいの!?
多数の応募が予想される場合、アルバイトでも郵送で履歴書を提出することがあります。
そういった場合、採用する側が一番最初に見るのが封筒。その次が履歴書で、あなた本人に会うのは最後の段階です。
あなたの第一印象を良くするためにも、封筒まで気を抜くことなく用意したいですよね!
ここで「常識が無い奴なんだな」と思われたら、不採用とまではならないでしょうが、面接はマイナスイメージからのスタートになるかもしれません。
履歴書の中身にばかり気を取られて、意外と忘れがちなのが郵送する時のマナーです。
いざ応募という時になって、正しいマナーで書けているか不安になってはいませんか?
今回は「履歴書を郵送する際の宛名書き」についてまとめました。
自信を持って提出できるよう、今から一緒にマナーを確認しておきましょう!
目次
履歴書の提出、宛名は「御中」と「様」どっち?
宛名の敬称は、履歴書だけでなく他のビジネス文書の郵送の時も共通のルールです。今後は業務で請求書や見積書を送付する場合などにも使えますから、この機会にきちんと覚えておくと便利ですよ。
敬称の基本「御中」と「様」
「御中」(※「おんちゅう」と読みます)も「様」も、どちらも目上の相手に郵便物を送る場合の宛名につけられるものです。
この2つの使い分けは、わかりますか?
原則として企業や企業内の部署など、個人を特定しなくてよい場合には「御中」を使います。
「人事部宛てに郵送で提出してください」という指定ならば、
といった感じです。
一方、企業内の個人に宛てた場合や私的なやりとりの時には「様」を使います。
採用担当者の名前も宛名に書く場合などは、
というように、最後に「様」をつけます。
その他の敬称「殿」と「御係」
というように宛名が役職の場合は「殿」を使います。役職がわかっていても個人名がわからない場合は「殿」が便利です。
また部ではなく係の場合は「御係」をつけてもいいですね。この場合は「●●係 御中」でも問題ないですよ。
ただし個人名にも使用される「殿」という敬称には、少し注意が必要です。
最近では
「殿」は格下の相手に使用する語で、目上の相手に送る場合には使わない
という考え方が一般的になってきていて、企業などの公的な文書では「様」を用いるケースが増えてきています。
そのため役職名のみの場合は「殿」で、個人名まで入れる場合には「様」と使い分けている人もいます。
「〇〇株式会社 人事部長様」と書いても間違いではありませんから、まずは「様」と「御中」を確実に使いこなせるようにしましょう。
「御中」と「様」は併用しない
宛名の敬称は、最後に1つ使えばOKです。
つまり、ひとつの宛名で「御中」と「様」の両方を書くことはありません。
【×】 〇〇株式会社 御中 人事部採用担当 山田様
【〇】 〇〇株式会社 人事部採用担当 山田様
単純に最後が個人ならば「様」を、この団体の中の誰でもいいから受け取ってくれという場合は「御中」を使えばいいのです。
「御中」と「様」だけじゃない!宛名を書く時の決まりごと3つ
①「株式会社」の位置に注意!
「株式会社●●」というように最初に株式会社がつく場合と、「●●株式会社」のように後ろにつく場合があります。
ちなみに最初につく場合は通称で先株(さきかぶ)や前株(まえかぶ)、後ろにつく場合は後株(あとかぶ)と呼びます。こういった呼び方を知っておくと、確認する時に頭に入りやすくなりますよね。
私が業務部で働いていた頃、よくこの呼び名を使っていました。電話で伝える時にわかりやすくて重宝しましたよ。
実際に同じ名前で「(株)A」という会社も「A(株)」という会社も、両方存在する!ということがありましたから、しっかり確認するようにしてくださいね!
②封筒には「履歴書在中」と書いておく
履歴書を送付する際は、まず宛名を書きますよね。住所、会社名や個人名…と書き終えたら、今度は赤のボールペンを用意しましょう。
左側のスペースには差出人の住所氏名ではなく、赤い字で
履歴書在中と書き、四角で囲みます。
封筒がセットになっている履歴書を購入すると、赤字でコレが印刷してある封筒が入っていることが多いです。
そして差出人である自分の住所と氏名は、封筒の裏側に記載しましょう。
ちなみに私が就職活動をしていた頃は、100円均一で「履歴書在中」のスタンプを購入してポンポン押している子がいました。
「宛名がうまく書けたのに、そんなところで書き損じしたくないからスタンプで確実にするの」
と言っていました。たくさん応募する時には便利ですね。
③印象が良くなるポイント
これは「決まりごと」というよりも「気遣い」かな、というポイントです。
まず履歴書は三つ折りにします。
他の書類も一緒に同封する場合は、あまり折らずに大き目の封筒で送ってしまうこともあります。
また履歴書のみを入れるのではなく、「送付状」も添えるようにしましょうね。
そして封筒から取り出したときに、履歴書の顔写真がすぐ見える向きで入れるようにしてみてください。
・・・できました?
実際に一度、自分で出してみてください。取り出しやすいですよね。
違う向きで入れて取り出すと…書類を正しい向きに直す手間がかかり、忙しい時にはイラっとしそうな感じです。
何通もの応募書類に目を通す担当者には、こういった小さな気遣いが嬉しいものです。
もしかしたら、あなたのことが印象に残るかも!?
送付用の封筒に「御中」ではなく「宛」と書いてある場合は?
就職活動中にたまに目にしますが、企業が指定の履歴書用紙や封筒を用意していることがあります。
履歴書送付用の封筒で、最初から「○○株式会社宛」と印刷された封筒をくれた場合は
『宛』を二重線で消して
『御中』と書き直します。
※必ず二重線で!一本線や修正テープの使用はやめましょう。
名前も同様で、「〇〇株式会社 採用担当山田宛」の「宛」を二重線で消して「様」と書き直してくださいね。
余談ですが、よくマナーの実例として紹介される「結婚式の招待状」も、こうやって書き直してから返送します。
~医師、弁護士、大学教授などに送付するときは?~
医師や弁護士、会計士、税理士など『師業』『士業』と呼ばれる職業の人には、
「先生」と記載する方法もあります。
例えば大学教授も「先生」ですよね。
〇〇大学 ▲▲学部 佐藤先生
という書き方です。
研究室に所属している学生から教授へ送付する時などは、「様」でもいいですが、普段通りの「先生」という敬称を使ってもOKです。
まとめ
それでは最後に、ここまでの内容を振り返ります。
宛名を書いた封筒の、最終チェックです!
- 「御中」は企業や企業内の部署など、個人を特定する必要がない場合に使う
- 「様」は個人を指定して送付する場合に使う
- 役職名には「殿」を、部署ではなく係の場合は「御係」を使っても良い
- 「殿」は格下に使用するという考え方が一般的になってきているので、個人名には「様」が無難
- 敬称は最後だけ!ひとつの宛名で「御中」と「様」の両方を書くことはない
- 「先株」か「後株」か、株式会社の位置に要注意!
- 封筒の左側に赤字で「履歴書在中」と書いて四角く囲っておくと良い
- 履歴書を三つ折りにし、相手がスムーズに書類を見られる向きで封筒にいれると好印象
- あらかじめ「宛」が印刷してある場合は、二重線で消して「御中」や「様」に書き直す
履歴書を送付する封筒が採用の合否を決めるポイントにはならないでしょうけれど、こういったマナーの一つ一つが出来ていることによって
「この人は常識がある人だから、信頼できそうだな」
という印象を作り上げていきます。
事務員としての経験からですが、きちんとした書類って存在感があると思うんです。
丁寧な字で書かれた書類は無意識のうちに丁寧に扱っていましたし、雑に用意された印象の書類に対しては「そんなに重要じゃないんだろうな」と感じていました。
あなたが一生懸命用意した書類は、きっと大事に扱ってもらえるでしょうし、それだけ熱意があるということも伝わるはずです。
履歴書は、あなたと会社の出会いの第一歩です。
失礼のないように宛先や敬称を正しく、そして気持ちを込めて丁寧に書いて送付しましょう。
そしてこれから面接の方、頑張ってくださいね!