【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
先日買った冷凍食品を間違って冷蔵してしまい、何日後かに気づきました。中身は完全に解凍された状態なのですが、食べられるのでしょうか?
ずっと冷蔵庫に入れていたので腐ってはいないと思うのですが、袋の中には水滴なども出ていますよね。袋に書かれている方法で調理しても、美味しくないかもしれません…。
そこで、冷凍食品を冷蔵庫で保存してしまった冷凍食品は食べられるのか?何日くらい日持ちするのかなどを徹底調査しました!
- 冷凍食品を冷蔵庫で保存した場合の日持ち期間
- 冷蔵庫で保存した冷凍食品が腐るとどうなるの?
- 1度溶けた冷凍食品を再冷凍してもいいの?
- 冷凍食品の正しい保存方法
夏の暑い日だと、冷凍食品を買って持ち帰るまでの間に溶けてしまうこともあると思います。
家庭で肉、魚、野菜などのなま物を再冷凍すると味も食感も悪くなることは知っているのですが、冷凍食品も同じなのでしょうか?
ある程度の期間保存することを目的に買っているので、正直、再冷凍できると助かります。
冷凍食品が1度溶けてしまった後の対処法を詳しくご紹介していくので、早速ご一緒に確認していきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
冷凍食品を冷蔵庫で保存すると何日後から危ない?日持ち期間を調査
口コミなどを見ると、私と同じように「冷凍食品を間違えて冷蔵庫に入れてしてしまった!」とお悩みの方がたくさんいらっしゃいます。
- 「冷凍チャーハンやピ冷凍ラフを冷蔵庫に保存しちゃった。すぐに腐る?」
- 「冷凍パスタや冷凍コロッケを間違えて冷蔵庫で保存した。食感が悪くなる?」
- 「冷凍餃子や冷凍たこ焼きを冷蔵庫に入れてしまった。元通りの味を楽しめる?」 など
食べてもいいのか?美味しく食べられるか?と迷う気持ち、よくわかります!
まずは冷凍食品を製造販売しているメーカーなどのホームページから、溶けた冷凍食品についての情報をまとめました。
冷凍食品を冷蔵して溶けたらどうなる?製造メーカーからの情報
数社の情報を確認しましたが、各社とも冷凍食品が溶けた後は食べないようすすめています。
味の素
一度溶けた冷凍食品は味も栄養も損なわれるので、食べるのはおすすめしません。
コープ
解凍してしまうと、中身が劣化する可能性があります。食べるのはおすすめしません。
とはいえ、いち消費者の私としては、下記のような思いもあります。
冷蔵して溶けても、すぐに腐るわけじゃないよね…。多少味が落ちても、捨てずに食べたい!
そこで下記を前提にして、解凍後の冷凍食品が何日くらい日持ちするのかをご紹介していきます。
やむを得ず溶けた冷凍食品を食べるときの前提
本来の保存方法を守らない場合は、品質が落ちるのが早まって賞味期限まで日持ちしない。食べるかどうかは自己責任。
冷凍食品を常温放置して完全に溶けた場合の日持ち
冷凍食品を常温放置して完全に溶けたら、基本的に日持ちしない(食べられない)と考えるのが安全です。
食べられない理由
ニッスイのホームページには、【冷凍食品の賞味期限は、未開封&ー18℃以下で保存した場合の期限】という情報がありました。
また、食中毒の原因になる一般的な菌は、下記の条件で増殖します。
- 35℃ほどで最も活発に増殖
- 10℃ほどで増殖が遅くなる
- −15℃で増殖が停止する(死滅するわけではないことに注意!)
季節によって気温や室温が変動するものの、冷凍食品を冷蔵庫に入れ忘れて常温放置してしまった場合は、冷凍時に停止していた菌の増殖が再開すると覚えておいて頂けると幸いです。
体調などによって少量の菌でも食中毒の症状が出る可能性があるので、十分にご注意下さい。
冷凍食品を冷蔵して完全に溶けた場合の日持ち
冷蔵庫の温度帯で菌の増殖は遅くなるので、品質は劣化するものの、食べられる可能性があります。
口コミに「冷蔵庫で溶かしてしまった冷凍食品を食べた」という実体験が多数あり、日持ちを知る参考になるので、まとめてご紹介します。
- 生の野菜やフルーツなら、日持ちは1日〜長くても2日
- 溶けたあとの日持ちは商品による。3日くらいなら日持ちする商品が多い
- 1度火を通してある商品なら、一週間くらい日持ちすることもある
*ちなみに、完全に溶けていない場合は再冷凍できるかも気になりますよね。後ほど「冷凍食品を入れ忘れた!中身が溶けかけだけど再冷凍して大丈夫?」で詳しい情報をチェックしてみて下さい!
冷蔵庫で溶けた後も数日間は食べている方が多かったのですが、先程もご紹介したとおり、溶けた冷凍食品を実際に食べるかどうかは、自己責任になります。
次に冷凍食品が腐るとどうなるのかもご紹介するので、食べられるかを判断するときの参考になさってみて下さい。
冷蔵した冷凍食品は腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方がコレ!
冷凍食品を正しく保存している場合は基本的に腐らないことが、日本冷凍食品協会のホームページで紹介されています。
今回は溶けた冷凍食品が腐るとどうなるのかに注目して、食べられないと判断するサインをご紹介します!
見た目、触った感じ
- 袋が膨張してパンパンになっている
- カビが生えている
- ドロドロと溶けている
- ヌメリがある
- ネバネバする、糸をひく
臭い
- 生ゴミのような臭い
- 酸っぱい臭い
- ツンとするアンモニア臭
味、食感
- 気持ち悪い味
- 酸っぱい
- ネバネバする
冷蔵庫や常温で解凍後の冷凍食品は、普通の食品と同じように腐っていきます。少しでも異変を感じたら、食べないで下さいね。
ちなみに、冷凍食品を冷凍庫に入れていても変色などで”食べられる?”と不安になることってありますよね。
日本冷凍食品協会のホームページに情報があったので、ご紹介します。
色が悪い
酸化が原因の変色です。品質が落ちていますが、食べられます。
氷のかたまり(霜)がついている
冷凍庫内の温度変化が激しかったことが原因で何度も水滴が出て、氷のかたまりがつきます。こちらも品質が落ちています。
氷で覆われて真っ白になっているなら、食べないのがおすすめです。氷が少しついている程度の場合は、アレンジして食べると品質の劣化がカバーできますよ!
例)冷凍おにぎり:スープに入れる など
ここまで冷凍食品が完全に溶けた場合のお話しをしてきましたが、半解凍のときにどうすればいいのかも疑問です。
次に、半解凍の冷凍食品が再冷凍できるのかもご紹介します!
冷凍食品を入れ忘れた!中身が溶けかけだけど再冷凍して大丈夫?
冷凍食品は、買ってから持ち帰るまでの間に1 度半解凍状態になってしまうことがよくあります。
製造メーカーなどからの情報から結論をご紹介すると、再冷凍はNGとのことでした。
溶けかけた食品は、食中毒の危険性を避けるためにひとまず冷蔵庫で保管し、できれば当日中に食べるのが安全です。
当日中に食べきれない場合は、先程ご紹介した日持ちや腐ったときの見分け方を参考に、食べるかどうかを厳しく判断して下さいね。
停電で冷凍食品が心配!対処法を紹介
日本冷凍商品協会のホームページに、停電の場合の対処法も紹介されていました。冷蔵庫が故障して一時的に冷えなくなったときも、参考にしてみて下さい。
- 冷凍庫の扉を開けない(3〜4時間は庫内の温度が保てる)
- 食べる前に状態をチェック(冷凍庫の性能などで状態が違うため)
- 溶けてしまったら再冷凍しない
停電時間が長い場合は、次々に消費することを考えた方が良さそうですね。
消費の必要がある場合は、食中毒のリスクが高い家庭で冷凍したなま物(肉や魚)などから、計画的に使う点についてもすすめられていました。
冷凍食品の再冷凍については、こちらの記事に詳しい情報をご紹介しています!食品の種類ごとに再冷凍のリスクなどがよく分かるので、ぜひチェックしてみて下さい。
↓↓↓
冷凍食品を解凍後の再冷凍は危険なの?食品別に注意点を教えます!
これまで私は”冷凍食品は長持ちして便利”だと思っていたのですが、今回の調査で、食べるまでの間には注意する点がたくさんあることがわかりました。
最後に、冷凍食品の正しい保存方法も確認しておきましょう!
冷凍食品の正しい保存方法とは?安全に長持ちさせるコツを紹介
冷凍食品の正しい保存方法についても、日本冷凍食品協会のホームページに詳しい情報が紹介されています。
「冷凍庫=凍らせる場所」というイメージで、何気なく食品を入れがちですよね。ぜひ改めて確認してみましょう!
冷凍食品を保存するコツ
- 冷凍庫内での保存期間は2〜3ヶ月が目安(品質の実験で、4ヶ月は劣化しなかった)
- 冷凍庫のドアポケットでの保存期間は、1〜2ヶ月が目安(温度変化が激しいため)
- 開封後は袋の空気を抜いて、ジップロック等の保存袋に入れて保存
少し面倒ですが、冷凍庫の機能をチェックして食品の入れ方を考えるのも、冷凍食品を長持ちさせるのに役立ちます。
- 冷気循環式(一般的な冷凍庫):冷気が食品の間を通るように食品を入れる
- 直冷式:食品を隙間なく入れる
冷凍食品を美味しく安全に食べるために、ぜひ一度ご家庭の冷凍庫内もチェックしてみて下さいね!
↓↓↓
冷凍ミックスベジタブルの栄養価を計算!生野菜と比較した結果は
まとめ
冷凍食品を冷蔵してしまった場合に、食べられるかなどをご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- 一度溶けた冷凍食品は、基本的に食べないのがおすすめ
- 特に常温で解凍して時間が経った場合は、捨てるのが安全
- 冷蔵庫で解凍してしまった冷凍食品は、商品によって数日間食べられる可能性がある
- 一度解凍した冷凍食品を食べるかどうかは、自己責任
- 冷凍食品を解凍後は、普通の食品と同様に腐る
- 半解凍の冷凍食品は再冷凍しないのがおすすめ
- 冷凍食品は2〜3ヶ月を目安に食べきるのがおすすめ
- 開封後は袋の空気を抜いて、ジップロックなどに入れる
冷凍食品を冷蔵庫で保存してしまった場合の日持ちは、商品の性質、解凍後の保存環境、解凍後の時間などによって変わることがわかりました。
冷凍食品が腐る原因になる菌は、−18℃以下で販売されている時点では、活動を一旦停止しています。
温度が上がって半解凍から全解凍され、時間がたつほどに菌が増殖して腐っていくので、食べる前のチェックをしっかりして下さいね。
製造メーカーは”溶けた後に食べる”、”再冷凍する”ことをすすめていないことも忘れず、安全性を重視して判断するのがおすすめです。
今回ご紹介した保存方法なども参考に、これからも冷凍食品を安全に楽しんで頂けると幸いです!
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