田舎暮らしの我が家では、春になるとわらび・ふき・ぜんまいなどを、山菜採り好きの友人や親せきからたくさん頂きます。
一度に調理しておすそ分けしながら、やっと食べ切るのが恒例なのですが、「冷凍もできる」という話を聞きました。
長い期間かけて食べられるなら、嬉しいですよね。
今回はわらびの冷凍保存について、保存方法や保存期間などを詳しく調べてみました!
- 生のわらびを放置するとアクがまわる!?アク抜きから冷凍保存方法までを紹介
- 冷凍したわらびの保存期間はどれくらい?
- 冷凍わらびの上手な解凍方法
- わらび料理のレシピをチェック!
収穫したわらびは、日持ちしないですよね。放置すると「苦味が強くなる」・「筋が固くなる」などで、せっかくのわらびが台無しです。
わらび独特の味や食感を損なわずに冷凍保存できるかが心配なので、上手に解凍して美味しく食べるところまでを徹底調査していきます。
早速ご一緒に確認しましょう!
目次
わらびは冷凍できる!アク抜き&冷凍保存方法と保存期間を解説
生のわらびが手に入ったら、すぐにアク抜きをするのが常識です。当然、冷凍前にアク抜きをした方が「解凍後にすぐ使える」という点でも便利です!
でも正直、わらびのアク抜きって面倒です。時間もかかりますし…。
「新鮮ならそのまま料理できないの?アク抜きは絶対に必要?」と以前から疑問だったので、調べてみました。
わらびのアク抜きは絶対に必要?
アクとは「エグ味」や「苦味」など、嫌な味のことです。わらびの場合は、重曹液でアク抜きができます。
アクについてさらに調べると、下記の情報を発見しました。
「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」
人に対しては確実な証拠がないのですが、大量にわらびを食べた牛は、わらび中毒になることが動物衛生研究所のHPで公表されています。
牛のわらび中毒は膀胱に腫瘍ができるなど、治療ができないほど重症になるとのことでした。
「発がん性」と聞くと心配になるのですが、わらびに含まれる発がん性物質は、正しくアク抜きをすると分解&無毒になるとわかっています。
アク抜き時にビタミンCなど水溶性の栄養が流れ出てしまうのは残念ですが、アク抜きは絶対に必要ですね!
では、アク抜きの正しい方法と冷凍保存方法をしっかり確認しましょう。
わらびの冷凍保存方法をアク抜きから解説!
一年を通して水煮のわらびが販売されていますが、手作りでアク抜きをして食べるわらびは、味も食感も別格ですよね!
アク抜き方法は、下記のとおりです。
わらびの正しいアク抜き方法
昔ながらのアク抜きでは灰を使っていたのですが、同様の効果がある重曹の方が手に入れやすいと思います。
- たっぷりの水を沸騰させる
- わらびを深い容器に入れて、重曹をふりかける(重曹の量は、1リットルの水に対して小さじ1~2)
- 沸騰したお湯の粗熱をとってから、わらびにかける(わらびが完全にひたるようにして下さい)
- 一晩おく
- わらびをザルにあげて、きれいな水にひたして半日待てばアク抜き完成!
沸騰直後のお湯をわらびにかけると、火が通り過ぎて溶けてしまうことがあります。
失敗をなくすために、お湯を「熱いけど手で触れる程度」まで冷まして下さいね!
わらびをカットしたときに、切り口がトロっとしていればアク抜き成功です!嫌な味が抜けて、独特のシャキシャキとした食感が味わえます。
わらびの下ごしらえなど細かい作業については、こちらの動画が簡単でわかりやすいです。参考にしてみて下さい。
*ちなみに他の山菜(ふきなど)も、一般的にアク抜きが必要です。山菜によってアク抜き方法が違うので、その都度調べてみて下さいね。
わらびの冷凍保存方法
わらびの、独特の食感を残して冷凍保存できるかが気になりますよね。
口コミなどでわらびを冷凍保存した実体験を調べると、「食感が変わる(柔らかくなる)のは避けられない」との声が多数ありました。
本来の味と食感をなるべく残すために、冷凍保存の仕方をご紹介します。
保存方法
- わらびのアク抜きが終了後、わらびを使いやすい大きさにカットする
- 1回に使う分ずつラップに包む(なるべく密閉して)
- ジップロックのような密閉できる保存袋にわらびを入れる(重ならないように)
- 空気を抜いて密閉する
- 平らにして冷凍庫に入れる
実は上記の保存方法以外に、「わらびをタッパーなどの容器に入れて、水にひたしたまま保存」する方法もあります。
食感について「水にひたした方が残せる」・「水にひたしても・ひたさなくても変わらない」どちらの実体験もあったので、冷凍庫のスペースなどに合わせてお好みの方を選んでみて下さい。
水にひたさないで保存する方法は、冷凍庫から出してそのまま料理に使えるので、個人的にはおすすめです!
冷凍わらびは、茹でたうどんやそばに加えるのが定番かと思います。
他にも美味しいレシピがあるので、後ほど「冷凍わらびを使った人気レシピは?電子レンジで煮物だって作れちゃう!」でご紹介します。
冷凍したわらびの保存期間
わらびを冷凍しない場合の日持ちは、1週間ほどです。冷凍するとすぐに腐る心配がなくなるので、一安心ですね。
次に気になるのは、冷凍庫での日持ちかと思いますので、下記を参考にしてみて下さい。
市販の加工品などに書かれている賞味期限・消費期限があるとしたらいつまでなのかを想定してご紹介します。
- 賞味期限(美味しく食べられる期間):1ヶ月以内
- 消費期限(食べ切ったほうがいい期間):2~3ヶ月以内
凍ったわらびを見ると、保存期間が3ヶ月以上になっても見た目が変わらないのが一般的です。でも実は、冷凍しても確実に劣化しているんです!
- 「冷凍焼け」で食感が悪くなる
- 「臭いうつり」で味が悪くなる など
計画的に献立を組み立てて、ご紹介した冷凍期間内に食べて下さいね!
豆知識:冷凍以外の長期保存方法
冷凍するだけでも十分に長持ちするのですが、実はもっと保存期間が長くなる方法もあるんです!
- 塩蔵(塩漬け):半年~1年ほど
- 水煮の瓶詰め:1年ほど
- 乾燥:1年ほど
どの方法も衛生などに気をつけて正しく保存した場合の保存期間ですが、かなり長持ちしますね。
特に「乾燥」は栄養も旨みも凝縮するので、わらびだけではなくぜんまいなど他の山菜でもぜひお試し下さい!
わらびのアク抜き~冷凍までの流れと、保存期間がわかりました。あとは上手に解凍しておいしく食べるだけですね!
解凍方法と冷凍庫から出したあとの食べ方をご紹介します。
冷凍わらびの上手な解凍方法とは?おいしく食べるコツも紹介!
冷凍したわらびは「食感が柔らかくなる」とご紹介しました。
解凍後のわらびは、おひたしのなどの食感重視の料理よりも、煮物などのわらびの風味を楽しみたい料理に向いていますね!
冷凍わらびの解凍方法は、3パターンです!
- 解凍せずにそのまま料理する
- 冷凍庫から冷蔵庫にうつして自然解凍
- ラップをはずしてから水にさらして解凍
解凍せずにそのまま料理するのが簡単ですね。ここで、ご注意頂きたいことがあります。
注意!大きく育ったわらびは完全解凍しないで料理
大きく育ったわらびは、解凍せずにそのまま料理するのがおすすめです!
わらびを冷凍すると、わらびに含まれている水分が一旦凍ります。
解凍すると水分が一度に流れ出すため、わらびの表面と内側にすき間ができて、表面が固い食感になりがちです。
大きく育ったわらびは表面の皮が厚くなっているため、噛み切れないような固さになってしまう可能性があります。
*茎がまだ細いわらびなら、完全に解凍しても表面の食感があまり気になりません。
↓↓↓
タラの芽のとげはどう処理する?天ぷらの下ごしらえは必要?
わらびの解凍は簡単でしたね。調理に使える時間など、状況に応じて解凍方法を選んでみて下さい!
最後に、冷凍したわらびをどんな料理に使うかを、ご一緒に考えてみましょう!
冷凍わらびを使った人気レシピは?電子レンジで煮物だって作れちゃう!
わらび料理と言えば、まず思いつくのは天ぷらやおひたしです。大量に冷凍すると、レパートリーが尽きて時間が過ぎてしまうのが不安ですよね。
冷凍わらびの食べ方は、下記のとおりです。料理ごとに日持ちもご紹介するので、お弁当などに入れられる「作り置きおかず」を知りたい方も、参考になさってみて下さい。
わらび料理 | 日持ちの目安 |
わらびと油揚げの炒め物 | 2~3日 |
にんにく醤油炒め | |
わらびとたけのこの煮物 | |
炊き込みご飯 | |
わらびとササミの胡麻和え | |
おひたし | 3~5日 |
ナムル | |
たたき | 1週間 |
昆布締め | |
醤油漬け | 10日前後 |
一度冷凍したわらびを料理して再冷凍すると、わらびの風味や食感が急激に落ちます。
先ほどご紹介した冷凍方法なら、あらかじめ1回使う分ずつに小分けしていますよね。日持ちする期間で食べ切れる分だけ使いましょう!
*冷凍していないわらびを料理した場合は、それぞれの料理を冷凍できます。
人気レシピはこちら!電子レンジでわらびの煮物
わらびは、アク抜きの際に程よく加熱されています。さらに、冷凍するとわらびの組織が壊れるため、火が通りやすくなるんです!
簡単な煮物なら、電子レンジでも作れちゃいますよ♪レシピサイトで人気のレシピです。
- わらびを耐熱ボウル(皿でもOK)に入れる
- 麺つゆをお好みの味に調整して、わらびにかける
- ふっくらとラップをかける
- 600Wで5~6分加熱する(加熱時間はわらびの量に合わせて調整して下さい)
お好みで、ちくわ・冷凍インゲンなど、火が通りやすい具も加えてみて下さい。食卓に、手間なく一品加えたい時に便利ですね。
豆知識:わらびとわらび餅の関係は?
わらび餅は、わらびの根からとったデンプンで作ったお餅です。とろけるような食感が魅力ですよね。
わらび餅といえば「夏のスイーツ」というイメージですが、実は通販や業務スーパーなどで一年中手に入ります。
冷凍わらび餅も販売されていて、食べたいときに食べたい分だけ出せるのが魅力です♪
まとめ
わらびの冷凍保存から食べ方までを、詳しくご紹介していきました。
ポイントをまとめてみます!
- わらびには発がん性物質が含まれている。必ずアク抜きが必要
- アク抜き後のわらびは冷凍可能!なるべく密閉して、風味や食感が落ちないように注意する
- 冷凍わらびは、1ヶ月以内に食べるのが理想。長くても2~3ヶ月以内に食べる方がいい
- わらびの解凍方法は3パターンで、どれも簡単
- わらびは様々な料理に使える。電子レンジ加熱が可能なレシピもある
わらびを冷凍すると元の食感には戻らないものの、煮物などさまざまなレシピに使えます。
保存期間も長くなるので、「食感を味わいたい料理は冷凍せずに1週間以内に使う」・「長期保存したら煮物などに使う」とアレンジしながら、使ってみたいと思います。
解凍時も冷凍庫から出してそのまま使えるので、炒め物や煮物の具に手軽に加えながら、無駄なく食べ切れそうです。
今回ご紹介した情報を参考に、わらびを賢く保存して・美味しく食べていきましょう♪