【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
先日、夫がタコを釣ってきました。ぬめりと格闘しながらフリーザーバッグに詰め込んでとりあえず冷凍したのですが、解凍の方法が気になっています。
上手に解凍できないことが原因で、せっかく新鮮なタコの味が落ちたら嫌ですよね。
冷凍したタコの解凍方法を徹底調査したので、同じお悩みを持っている方と共有できればと思います!
- 冷凍タコを失敗なく解凍する方法とは?茹でたタコ・生タコ(刺身)それぞれ紹介
- 解凍後のタコはいつまで日持ちするの?腐るとどうなる?
- 解凍後のタコは美味しさをキープして再冷凍できるの?冷凍方法も確認
- 解凍した生タコの茹で方&レシピを紹介
単純に美味しく解凍できるのはもちろん、「簡単に・早く解凍したい」というのが主婦の本音ですよね!手間なく上手に解凍する方法を探っていきます。
今回は解凍方法だけではなく、解凍後の日持ち・再冷凍・レシピまで調査しました。
解凍後に美味しく・安全に食べるところまでしっかりご紹介するので、早速ご一緒に確認していきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
冷凍したタコを簡単に早く解凍する方法は?失敗しないコツも伝授!
冒頭でお話しした我が家のタコを1袋解凍してみると、タコから流れ出た水が、フリーザーバッグの底にたまっていました。
料理してみると、「あれ?旨味が抜けてる?」タコの出汁が口いっぱいに広がるかと思いきや、何だかパッとしない味です。
失敗の原因は、完全に解凍したことでした。解凍時、水分と一緒に旨味も流れ出てしまったんです!
販売業者やレシピサイトなどから情報を集めて、タコの上手な解凍方法と解凍のコツをまとめました。解凍の仕方は3パターンです。
解凍方法
生タコ・茹でたタコどちらにも共通する解凍方法です。
- 冷蔵庫にうつして自然解凍(フリーザーバッグごと)
- 流水解凍(フリーザーバッグごと)
- 凍ったまま調理
どれも簡単ですね。より早く解凍したい場合は、冷蔵庫よりも流水解凍がおすすめです!
解凍&調理のコツ
完全に解凍せず、半解凍で調理します。半解凍の状態だとタコをカットしやすいので、薄造りのお刺身も簡単にできますよ♪
半解凍とは、包丁が入るくらいの固さまで解凍した状態です。
タコの大きさによって半解凍の状態になるまでの時間が違うので、薄く切って冷凍した場合は30分に1回・大きさや厚みがある場合は1~2時間に1回を目安に、様子を見て下さい。
ちなみに解凍後の美味しさは、正しく冷凍できているかも大きく影響します。
”ラップに包むだけ”、”タッパーに入れるだけ”などで簡単に冷凍すると、解凍した後だけではなく冷凍中にも味が落ちてしまう可能性があるので、ご注意下さい。
後ほど、「タコの正しい再冷凍方法!茹でたタコ・生タコを冷凍するときのコツ」で正しい冷凍方法もご紹介します!
私はタコを料理して、固くなるなど何度も失敗した経験があります。食感が悪いと、味付けまでまずいような気分になりますよね。
こちらの動画で解凍したタコを柔らかく煮るコツがわかりやすく紹介されているので、ぜひ参考にしてみて下さい!
動画では、茹でたタコを解凍して煮物に使っています。
豆知識1:電子レンジ解凍はできないの?
急な来客などですぐにタコを解凍したいとき、まっ先に思いつくのが電子レンジです。
流水解凍よりも解凍時間が早いので、「解凍モード」を使いこなせる場合は、電子レンジで様子を見ながら解凍してもOKです!
電子レンジでの解凍時間はタコの大きさ・厚さによりますが、30秒など短時間ずつ様子を見るようおすすめします。
下記のような場合は、電子レンジ解凍をおすすめしません。
- 電子レンジに解凍モードがない
- 解凍モードのやり方がわからない
通常の温め機能でタコを解凍すると、急速解凍されると同時に加熱ムラができて「部分的に火が通り過ぎる」など問題が起きますので、避けて下さいね。
豆知識2:タコのぬめりは解凍後に取る!
釣ったタコなど生のタコを手に入れた場合に、一番面倒な下処理がぬめり取りです。
実はタコを一度冷凍すると、解凍時に水洗いするだけで簡単にぬめりが落ちます!
先ほどご紹介した動画にもあったように、タコは冷凍しても風味が変わりにくいので、「下処理の手間を省く」という点からも冷凍はおすすめの保存方法です。
*風味が変わりにくいなら、「再冷凍しても大丈夫なの?」と疑問ですよね。後ほど再冷凍についてもご紹介するので、チェックしてみて下さい!
タコの解凍方法や解凍時に注意する点がわかりました。「半解凍」がポイントでしたね!
次に、解凍後のタコがいつまで日持ちするのかも確認してみます。腐ったタコを食べてしまったら、ひどい食あたりになりそうですよね。
食べてはいけない状態の見分け方もチェックしておきましょう!
解凍後のタコの日持ちはいつまで?腐ったときの見分けも解説!
タコを解凍して時間がたつと、先ほどお話ししたとおり水分と旨味が抜け出てしまいます。流れ出た水分を放置すると、雑菌が増殖しやすくなる点にも注意が必要ですよね。
解凍後の日持ちと、腐ったときの見分け方をご紹介します!
タコを解凍後の放置は厳禁!日持ちを知って早く調理しよう
タコを冷凍すると、冷蔵保存よりも日持ちが長くなりますよね。解凍後も何日か食べられそうな気分になりますが、日持ちしません。
タコを解凍後の日持ち
冷蔵庫で保存して、解凍した当日中に食べるのがベスト。長くても2日以内に食べ切るのがおすすめ。
生タコや茹でタコで冷凍販売されている商品は、賞味期限が数か月の場合もあります。
賞味期限は「保存方法を守って未開封の場合の美味しく食べられる期間」なので、解凍したり開封したりした場合は賞味期限まで日持ちしません。
次にご紹介する腐ったときの状態もチェックしながら、なるべく早めに食べ切りましょう!
解凍後のタコが腐るとこうなる!食べてはいけないサインとは?
タコが腐ると下記のような状態になります。冷凍してないタコにも共通する見分け方なので、しっかりチェックして頂けると幸いです。
チェックポイント | タコの状態 |
見た目・触ってチェック | 表面がヌルヌル・糸を引く 吸盤が剥がれ落ちる 弾力がなく柔らかい フリーザーバッグが膨張している |
臭いをチェック | 強烈な生臭さ 水が腐ったような変な臭い |
見た目と臭いで十分にチェックできるので、少しでも異変を感じたら食べないで下さいね。
見た目や臭いに異常が無くても、調理した後に「冷凍焼けで食感が悪くなった」・「臭い移りで変な味がする」などと気づくことがあると思います。
”冷凍方法が間違っている場合”や”冷凍期間が長すぎる場合”に起こる変化なので、無理をして食べるのはおすすめできません。
アレルギーにも要注意
タコを食べる以外に、触っただけでもアレルギー症状が出る場合があります。
- かゆみを伴う発疹
- 腹痛
- 呼吸困難 など
少しでも異変を感じたら、医療機関を受診しましょう!ちなみに、エビアレルギーを持っている方は「タコ・イカ・貝類もダメ」という可能性があるので、ご注意下さね。
タコの解凍方法と解凍後の日持ちが分かりました。ここで、気になることがあります。
スーパーなどで売っているタコは、「刺身用」と表示されていても一度茹でてある商品がほとんどです。
茹でて一度冷凍したものを、解凍して販売していることも多いですよね。そんなタコを買ってきて冷凍したら、再冷凍になってしまいます。
一般的に、「食品を再冷凍すると味や食感が急激に落ちる」というイメージあるのですが、タコの場合はどうなのでしょうか?
次に、タコの再冷凍について調査してみました!
タコは再冷凍できるの?茹でたタコ・生タコを冷凍するときのコツ
先ほどご紹介した動画では、「タコは冷凍しても味が落ちにくい」と紹介されていました。他の販売者などのホームページでも、同じ情報が多数あります。
もしかして、再冷凍しても美味しさがキープできるのでしょうか?
タコを解凍後に再冷凍しても味は落ちないの?
「タコを再冷凍して美味しく食べている」という実体験がないかを口コミなどを調査してみると、下記のような声が多数でした。
- 「再冷凍できるけど味も食感も落ちる」
- 「食べ切れなくてしょうがなく再冷凍する場合は、生食用でも加熱して、食感が気にならないように調理している」
一度も冷凍していないタコなら冷凍に向いていますが、繰り返し冷凍すると、他の食品と同じように味と食感が落ちる点にご注意下さい。
再冷凍せずに食べ切るのがベストですね!
タコの冷凍方法を紹介!茹でたタコ・生タコでは冷凍方法が違うの?
先ほどご紹介したとおり、生タコの下処理で面倒なぬめりは、一度冷凍すると簡単に取れます。
茹でたタコと生タコでは冷凍方法が違うので、それぞれご紹介します。
茹でたタコの冷凍方法
「ご家庭で茹でたタコ」・「茹でたタコを買ってやむを得ず冷凍する場合」は、下記の方法で冷凍なさって下さい。
冷凍保存の方法
- 茹でたタコをボウルに入れ、お酒を振りかける
- お酒でタコを軽く洗って、キッチンペーパーで水気を拭き取る
- 一回食べる分ずつラップに包む
- ジップロックのようなフリーザーバッグに入れる
- 平らにして、空気を抜いて密閉する
- 平らなまま冷凍庫に入れる
なるべく早く凍らせる方が良いので、金属製のトレーがあれば活用しましょう!なければフリーザーバッグごとアルミホイルに包んでもOKです。
なるべく早く凍らせる方が良い理由
急速冷凍するとタコの筋繊維が破壊されて柔らかくなる効果が期待できるのですが、
「業務用冷凍庫なら柔らかくなるかもしれないが、家庭用冷凍庫の温度では効果が薄い」との実体験をいくつか見つけました。
家庭用の冷凍庫でなるべく早く凍らせる目的は、タコの劣化を最小限に抑えることです!
生タコの冷凍方法
生タコも茹でたタコのように1食分ずつに分けて冷凍しても良いのですが、ぬめりがあって切り分けるのが大変ですよね。
そんなときは、そのまま(内臓付きのまま)冷凍してOKです!
茹でタコと同じようにフリーザーバッグに入れてしっかり密閉し、平らにして冷凍すると凍りやすくなります。
タコを家庭で冷凍する場合の保存期間は、最長1ヶ月ほどです。
1ヶ月を過ぎても腐るわけではありませんが、少しずつ劣化はしていくので、計画的に食べ切って下さいね。
ここまでご調査してきた内容で、タコの解凍や冷凍について、正しい情報を知ることができました。
後は美味しく食べるだけですね!最後に冷凍したタコを活用できるアレンジレシピもご紹介します!
冷凍タコを解凍して美味しく食べるには?簡単なアレンジレシピを紹介!
私がイメージするタコ料理といえば、お刺身、煮物、唐揚げなどの和食です。
あっさりした味と食感をいかしたレシピは、他にどんなものがあるのでしょうか?なるべく簡単に作れるレシピだと嬉しいですよね。
SNSやレシピサイトで人気の料理を、いくつかご紹介します。
アヒージョ
アヒージョは、にんにくで香りづけしたオリーブオイルにタコを入れて、火を通す料理です。揚げるというより、チーズフォンデュのチーズをオリーブオイルにしたイメージですよね。
生食用のタコを冷凍した場合は、軽く火を入れるだけでも美味しく食べられます。
オリーブオイルにタコの旨味が染み出すので、パンをひたして食べても美味しいですよ♪
タコときゅうりのコチュジャン和え
タコときゅうりを合わせたら定番料理は”酢の物”ですが、韓国風にアレンジしてみませんか?
酢の物の味付けにコチュジャンとごま油を加えるだけで、ピリッとした辛さが美味しい和え物になります!
茹でてから冷凍したタコなら、半解凍のまま和えれば食べる頃には解凍されています。
グラタン
タコの彩りをいかして、洋風のアレンジも可能です。
解凍したタコとフレッシュトマト・ジャガイモなどお好みの具材を耐熱皿に乗せて、ホワイトソースとチーズを乗せて焼くだけ!簡単ですね。
ホワイトソースが無い時は、コーヒーフレッシュでも代用可能です。
タコのゆで方も確認しておこう!
最後にレシピではないのですが、タコの食感を上手に引き出すゆで方もご紹介したいと思います。
茹でたタコを解凍してからタコ焼き用のように細かくカットして使う場合でも、食感が悪いと料理が台無しになりますよね。
下記のように茹でてみて下さい!
- 大きな鍋にタコが完全に浸るくらいの水を入れる
- 砂糖大さじ1・醤油大さじ1・酢大さじ2を入れて沸騰させる
- 沸騰したらタコを入れて、再沸騰するまで待つ
- 3分ほど茹でる
- フタをして火を止め、10分待つ
- タコの上下を入れ替えて、フタをして5分待つ
タコにほんのり塩味がついて、食感も最高の仕上がりになります!ぜひお試し下さい。
まとめ
タコを冷凍したときの解凍方法など、無駄なく・美味しく食べ切る情報をご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- タコの解凍の仕方は3パターン。旨味を逃がさないために半解凍で調理するのがおすすめ
- タコを解凍後は、当日~長くて2日で食べ切る
- タコが腐ると見た目や臭いでわかりやすい。劣化の他にアレルギーにも要注意
- タコの再冷凍は味や食感が落ちるので、冷凍は1度限りがおすすめ
- 「茹でたタコを冷凍」・「生タコを冷凍」、それぞれ冷凍方法が違う
- タコは様々な料理で楽しめる。味と食感を活用するには上手に茹でるのも大切
タコを冷凍したら、解凍方法は【冷蔵庫で自然解凍・流水解凍・そのまま調理】の3パターンでした。
解凍は半解凍までですし、食感良く茹でたり・柔らかく煮たりするためにはコツがいります。取扱いの知識が無いと、料理に失敗しやすい食材ですね。
今回は冷凍方法から解凍方法まで、味と食感を良い状態にキープして美味しく食べる方法をご紹介してきました。
ぜひ参考にして頂き、これからもタコを楽しんで頂けると幸いです!