【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
久しぶりにはちみつを使おうと思って瓶をみたら、表面のほうは問題なさそうだけど、底に白いカビのような沈殿物が・・・!
「はちみつにカビは生えない」と聞いたことがあったのですが、本当にカビではないのか、それとも結晶なのか見分けがつきません。
本当にはちみつはカビないのか、結晶との違いや見分け方を知りたいと思い、以下の項目について調べてみました。
- はちみつにできた白い・黒いのはカビなの?画像で徹底解説
- カビと結晶の違いと見分け方、対処法を覚えよう
- カビないようにするための正しい保存方法
はちみつにできたのが白いモノの正体がカビ、それとも結晶なのかわかれば、慌てて捨てることなく最後まで無駄なく使い切れるようになりますよね。
この記事を読んでいただけると、はちみつのカビと結晶の見分け方や対処法、正しい保存方法がわかりますよ♪
安全性を保って最後まで美味しく食べきるポイントを覚えて、ぜひ貴重なはちみつを有効活用してくださいね!
管理栄養士・栄養士
目次
はちみつでもカビるの!?見た目が白い・黒いモノの画像を徹底検証
はちみつは水分が少なく、酸度や糖度が高く、殺菌作用があることから腐らない食品として有名で、カビを含めた生物が生きる環境を満たさないため、カビることがないといわれています。
しかし、例外としてカビが発生する場合があり、2019年3月にもマヌカハニーにカビが混入していたとして商品が自主回収されたことがありました。
ただ、はちみつに白いモノができるとカビなのではないか?と見間違えてしまうのですが、実際にはカビではなく結晶の場合が多いです。
そこで、実際の画像からカビなのか、カビではないのかを確認してみましょう。
底のできる白い沈殿がカビのように見える
我が家のはちみつもこの状態で、瓶の底に白い沈殿物があってカビのように見えました。
これはブドウ糖の結晶で、はちみつの種類によっては沈殿が起こりやすいといわれており、とくにレンゲ、ナタネなどはこのような結晶ができやすいそうです。
菜の花クローバー蜜は年中結晶化している。温めると溶けるけど、そのまま掬って食べるとシャリシャリして美味しい。結晶化した蜂蜜はねっとりしたキツイ甘さが無くて食べ易いんだよね。 pic.twitter.com/jptEFjJx9o
— まさ緒 (@masao_koshian) June 19, 2018
この画像のように、底の方から少しずつ結晶が広がって瓶全体が結晶化する場合もあります。
もちろんカビではありませんので食べられます。
白い斑点のようになっている
白い斑点のようなツブツブがはちみつ全体に広がる場合があり、一見するとカビのようにも見えます。
はちみつの結晶化が凄いことに pic.twitter.com/zSjp9Xmcc6
— 水瀬柊 (@Rzld_4696) July 11, 2017
あ、言い忘れてました!
はちみつはこうして結晶化するものの方が天然物で体に良いそうです(,,・ω・,,) pic.twitter.com/jlAKiCbOzK
— 淀屋 翔(黄 昊轩) (@YodoyaSho) August 29, 2016
このような状態もカビではなく結晶なので問題なく食べられます。
結晶化が進むと全体的にジャリジャリしますが、温めると元通りのとろみが復活しますので「はちみつにできるカビと結晶の違い・見分け方とは?正しい対処法」で湯煎の方法をお試しください。
表面に白い泡のような膜ができてカビのように見える
結晶はできていないのに、表面に白い泡のような膜ができてカビが生えたように見える場合があります。
おはようございます☺🌿
令和元年12月18日(水)
福岡は🌂→☀9℃/16℃頂きものの蜂蜜が蓋が緩んで
中身が溢れてる。結晶化してるのかと思ったら上の方に白い泡。あれっ?発酵してる?
調べてみたら、日本蜂蜜は糖度が低いと発酵することがあるんだって。
風味は変わるけど食べれる。知ってました?🍯 pic.twitter.com/ja57tpwrqT— umenokiㄘ(💟🌻🌿) (@ak5577) December 17, 2019
薄く白い膜が張っているような場合だけでなく、画像のように白い泡がブクブク泡立つようになる場合もあるので驚かれるかもしれませんね。
実は、このような白い膜や泡が見られるのは自家製ハチミツに多く、糖度が低くて発酵しているのだと考えられます。
生息数が少なくて貴重な日本ミツバチが作るはちみつは糖度が低くて発酵しやすい、加熱処理をしていない「生はちみつ」も糖度が低くて発酵しやすいといわれていますが、どちらも自然の恵みをそのまま生かした高級品の証なのです。
発酵したはちみつも問題なく食べられますが、発酵の過程で若干酸味が感じられる場合もあります。
ちなみに、市販のはちみつ(とくに輸入品)は、高熱で加熱処理して水分を飛ばし糖度を上げて発酵を防いでいる可能性があるため、栄養価にこだわるのであれば製造工程もチェックしてみることをおすすめします!
黒っぽく変色した
はちみつの色が濃くなってきた、黒緑っぽく変色してきたという場合も問題なく食べられます。
同じはちみつでも、花の種類によって色が異なるように、日にちが経って色が濃くなることもよくあります。
製造から何年か経ったり、直射日光に当たると糖分がカラメル化して色が濃くなるそうです。
ちなみに、もともと真っ黒なはちみつも市販されています。
ここまでは一見するとカビに見えても、実はカビではなく問題ない状態を紹介しましたが、本当にカビが生えてしまうケースについて確認しておきましょう。
カビないはずのはちみつにカビが発生する原因とは
はちみつの容器に白くてふわふわ、黒カビのようなものがある場合は、本当にカビの可能性が高いと考えられます。
カビが発生した原因は、瓶の蓋が汚れていた、はちみつをすくうスプーンが汚れていたなど後天的な原因が多いと考えられます。
ただし、「純粋はちみつ」と表示されていたのに、はちみつ100%ではなくて水飴やオリゴ糖が添加されていた事例もあったように、製造工程でカビが混入する可能性もゼロではありません。
また、人工的に水分を蒸発させる工程で水分が残って菌が繁殖しやすくなっていた可能性も考えられます(本物の天然はちみつはハチが水分を飛ばします)。
「はちみつがカビることは100%ありえない」とは言い切れませんが、原因を特定するのは難しいかもしれません。
ただ、黒カビに関しては毒性が強く、カビることも想定する必要がありそうなので、次章ではカビと結晶を簡単に見分ける方法について確認してみましょう。
はちみつにできるカビと結晶の違い・見分け方とは?正しい対処法
ひょっとしたらこれはカビなのか・・・?それとも結晶なのか・・・?と判断がつかない場合には、以下の見分け方を確認してください。
スプーンなどで触れてみる
スプーンなどで触れてみて、ジャリジャリした感触でなかなかこすり取れないようなら、結晶で間違いありません。
もしフワッとした感触で簡単にとれてしまうようならカビの可能性が高いです。
湯煎する
スプーンでこすってみても判断できない場合は、湯煎をしてみましょう。
結晶なら湯煎をすると溶けますが、カビの場合は溶けずにそのまま残ります。
湯煎の方法は、45℃くらいのお湯でゆっくり時間をかけて溶かすのがポイントです。
はちみつに含まれている酵素は60℃以上で死滅する可能性があるといわれていますので、グラグラと沸騰したお湯で湯煎しないように気をつけてください。
電子レンジを使う人もいますが、温度調節が難しくて失敗しやすいので湯煎をおすすめします。
結晶ではなくカビだった場合はどうする・・・?
湯煎を試してみた結果カビの可能性が高いと判断できた場合、カビを取り除くと食べられるという意見もありますが、あまりおすすめできません!
胞子が全体に飛び散っていたり、根が張って目には見えないカビの元を食べてしまうおそれがあるので、特に小さなお子さんや高齢者がいるご家庭ではおすすめできません。
捨てるのはもったいない・・・という場合は、カビの部分を取り除いて加熱調理をして使いましょう(ただし自己責任となりますのでご注意ください)
はちみつレモンにカビ生えてたの食べた。→現在お腹痛い
— 乗っ取られちゃったらしい (@0101hiiiiMari) March 31, 2018
このように、腹痛を引き起こした人もいるようなので体調に不安がある方はご注意ください。
なお、過敏性腸症候群の人はカビの有無に限らず、はちみつの摂り過ぎで下痢になりやすいため注意してくださいね。
せっかくのはちみつがカビることがないように、次章で紹介する正しい保存方法を守りましょう!
自家製はちみつ漬けも安心!カビさせない正しい保存方法
はちみつをそのまま保管していた場合はもちろん、レモンや生姜などではちみつ漬けを作っている方も、カビないように正しく保存する方法を覚えておくと最後まで無駄なく食べきれますよね!
はちみつは本来なら食品が腐らない定義を満たしている食べ物なので何年経っても劣化しないものですが、便宜上2~3年の賞味期限が設定されています。
古いはちみつは風味も落ちてきますので、未開封・開封後にかかわらず、商品に記載されている賞味期限を目安に食べきるようにしましょう。
開封後は酸素や菌が入り込まないようにしっかり封をして、清潔なスプーンなどで使ってください。
夏場でも常温保存が基本ですが、直射日光に当たると劣化しやすいので遮光性にすぐれた陶器製の容器に入れ替えると安心です。
なお、冷蔵庫に保存すると結晶化するだけでなく、常温に出す⇒結露⇒水分がカビの原因に・・・となるので、冷蔵庫に保存するのはおすすめできません。
自家製はちみつ漬けをカビさせない対策
自家製の梅干しや梅シロップ、かりんなどを使ってはちみつ漬けを作ったら、カビが発生してしまった・・・という失敗例も多いです。
カビを防ぐためには以下のポイントを押さえておきましょう!
- 容器やトングなどを煮沸消毒(徹底的に除菌しておく)
- 材料の水分をしっかりきる(水分が菌の繁殖につながる)
- 清潔な手で調理する(菌が混入しないように)
- 風通しの良い冷暗所に高温多湿を避けて保管(温度・湿度管理を徹底する)
- 水分が出てきたら毎日かき混ぜる
これでもカビが発生した場合、一部なら取り除けば食べられるという意見もありますが、腹痛を起こすおそれがあるので十分注意しましょう。
そのまま食べずに加熱調理などをするなら食べられる可能性もありますが、体力が弱い高齢者や子供には与えずに自己責任でお願いします。
カビが全体を覆っている場合は全体に浸食していると思われますので、残念ながら思い切って捨てた方が良いでしょう・・・。
ただし、白い塊がカビのように見えてもはちみつの結晶や塩の結晶、梅干しの場合は産膜酵母の場合もあるのでよく確認してください。
まとめ
はちみつにカビが生えるのかについて調べた結果をまとめます。
- はちみつは本来カビが発生しにくい食品
- 元々の品質や保管状態の影響でカビが発生する場合もある
- 白い泡が表面にある⇒発酵した状態でカビではない。食べられる
- 白い沈殿物、斑点など⇒結晶なのでカビではない。食べられる
- 黒っぽく変色した⇒糖のカラメル化なのでカビではない。食べられる
- 容器に白くてふわふわ、黒カビっぽい⇒カビの可能性が高い
- カビか結晶か見分けるには湯煎などで状態を確かめる
- カビを取り除くだけでは腹痛のおそれがあるので捨てるか加熱調理に使う
- カビないようにするためにも清潔に使って正しく保存しましょう
我が家のはちみつに沈殿していた白いモノはカビではなく結晶だとわかったので、湯煎してみたら無事に溶けてくれました!
日本だけでなく、世界各国でミツバチの数が激減しているといわれており、はちみつは非常に貴重な食材になりつつあります。
一生懸命小さなミツバチが集めて、養蜂場の方が丹精込めて作ってくれたはちみつを無駄にしないように、最後まで美味しく食べきるようにしたいですね!
今回の記事を参考にしていただき、正しい保存方法を守ってカビが生えないように大切にいただきましょう♪