私はいつも開封後のはちみつを最後まで使い切れず、賞味期限切れになることがよくあります。
私の経験上、はちみつは賞味期限が過ぎても腐りませんし、美味しく食べられてお腹も壊したことはありません。
でも、多少黒い色に変色していくような気はします。
さてこのはちみつ・・・これから先、どれくらいの期間、食べても大丈夫なのでしょうか?
今回は、賞味期限切れのはちみつについて徹底調査します!
- 賞味期限切れのはちみつは食べられるか?
- 黒い変色があっても平気なのか?
- はちみつは腐らないのに賞味期限が書いてある根拠は?
- はちみつの正しい保存方法
- はちみつの中に白い砂糖のような結晶がある!どうやって食べたらいいの?
- 1歳未満の乳児ははちみつを食べちゃダメ!な理由
実はかなり前に、『天然はちみつ』というものを頂きました。
高級品のようですがあまり使う機会がなく、未開封でも賞味期限から1年過ぎたと思います。
そんな私を見て、夫は「まぁ、はちみつは腐らないから大丈夫じゃない?」と、飽きれ顔で言っています。
賞味期限が切れても余裕で食べている私が言うのも何ですが、改めて「腐らない」と言われるとその根拠も気になるところですし、腐らないなら砂糖や塩のように賞味期限表示なしでもおかしくないと思うのですが・・・。
今回は、はちみつの賞味期限について徹底調査し、1歳未満の子供にはちみつを食べさせてはいけない理由も、あわせて調べたのでぜひ参考にしてください!
目次
はちみつの賞味期限切れ!黒い変色があるけど食べられるの?
夫からの情報によると、はちみつは「腐らない」らしいですが、賞味期限が表示されている以上は、「食べられなくなる時が来るんじゃないの!?」という疑いは消えません。
まずは賞味期限や消費期限の意味を、簡単に確認しましょう。
賞味期限とは
未開封で、正しい保存方法を守ったときの、美味しく食べられる期限。
主に腐りにくい食品に表示される。
消費期限とは
未開封で、保存方法を守ったときの、安全に食べられる期限。
主に腐りやすい食品に表示される。
はちみつの賞味期限が切れても食べられるかどうかは、日本養蜂協会のホームページに、答えが記載されていました。
ハチミツは強い殺菌力をもっており、保存食の代表的なもので、古くなったものを食べても心配はありません。
年月がたつと風味は次第に消えていき、糖が褐変する「カラメル化」によって色は濃くなってきます。
はちみつは賞味期限が切れても食べられるけど風味が落ち、風味が落ちてきた目安は黒い変色という見た目の変化が見られるのですね。
はちみつが長期間保存できる証拠
はちみつは長期間保存できる証拠ともいえるのが、世界最古のはちみつが発見された事例です。
1913年にピラミッドの発掘調査をしていたT.M.デービス博士(アメリカの考古学者)が、3300年前のはちみつの壺を発見!
中身は、ほとんど変質していなかったそうです。
そのはちみつが今どうなっているかも気になりましたが、情報を見つけることができませんでしたが、こんなにも長く日持ちするなんて驚きです。
ここで気になるのが、はちみつが古くなっても食べられる理由の、”強い殺菌力”とは何なのか?です。
次に、強い殺菌力を深堀していくと、はちみつが腐らない理由がわかりましたよ!
なぜはちみつは腐らないの?腐らないのに賞味期限がある理由とは?
日本養蜂協会のホームページでも、はちみつは”古いものを食べても心配ない”とされていました。
賞味期限切れになってもはちみつが腐らない理由を詳しく探ってみます。
はちみつが腐らない秘密!「強い殺菌力」とは?
はちみつの殺菌力の秘密は2つです。
- 糖分がとにかく多いこと
- ミツバチがはちみつに注入する酵素
簡単にご説明します。
はちみつの糖分と強い殺菌力の関係
はちみつは、水分に対して糖分が異常に多いのが特徴で、水分が約20%で他は全て糖分でできていて、常に糖分過多の状態です。
糖分が水分に溶けるのであれば、細菌が増殖する可能性もあります。
でも、糖分過多のはちみつは、そうはいきません。
はちみつを長期間保存したときに、はちみつの中に砂糖のような白い結晶ができた経験がある方もいらっしゃると思います。
それは、長い年月をかけて糖分が結晶化したものです。
糖度が高くなるほど浸透圧の関係で水分が奪われますが、はちみつは約80%前後と糖度がかなり高いため浸透圧も大きいのが特徴です。
もしはちみつに細菌が入り込んだとしても、浸透圧により細菌が生きるために必要な水分まで奪って死滅させる力があります。
つまり、はちみつの賞味期限が非常に長いのは、糖度が高くて細菌の影響を受けないからなのです。
はちみつに注入される強い殺菌力がある酵素とは?
ミツバチは、花の蜜を摘んできて、そこに酵素を注入します。
この酵素、はちみつの糖分を酸などに変えてしまうんです。
ミツバチの酵素によって作り出される酸の酸性値は、細菌が好む環境の1,000倍も強いものです!
はちみつに細菌が入り込んだとしても即死ですし、成長することは、ほぼありません。
国産天然はちみつ以外にご注意!
腐ることがないとわかったはちみつですが、国産天然はちみつ以外には注意が必要です。
*『国産天然はちみつ』と名乗れるのは、日本養蜂協会が会員を対象に決めた基準を満たしたものだけです。
こんな記事を見つけました。
「2014年1月 東南アジアで購入したはちみつをお湯に溶かして飲んだ女性に、呼吸困難、視覚障害などの症状がおきた。」
他にも、「海外産のはちみつは、長期間が経過しても固まらなくて怪しい」なんていう声もありました。
国産のものと海外産のものでは、衛生基準などがかなり異なります。
あまりにも安い海外産のはちみつものには、手を出さない方が無難なのかもしれませんね。
では、腐らないはちみつに賞味期限が表示されているのはなぜなのでしょうか?
はちみつに賞味期限が表示されている理由
こちらも、日本養蜂協会のホームページに、答えが記載されていました。
賞味期限は風味をおいしく味わっていただく意味から、充てん後1~3年を目途に販売者個々の判断で決定しています。
賞味期限や消費期限の表示が必要な食品は、食品表示法などで定められています。
はちみつについての定めはないので、賞味期限・消費期限の表示義務がない食品となり、厳密に言えば賞味期限表示なしで販売しても問題ないといえます。
はちみつの風味が変わる理由
はちみつの賞味期限は、”風味をおいしく”という状態が損なわれる期限だということがわかりました。
はちみつの風味が落ちる理由は、はちみつ内の糖分が水分を少しずつ失って、苦味が出るからです。
先ほどもご紹介した通り、砂糖のような結晶ができたり、黒い変色がおこったりするのが、その目安となります。
次に、はちみつの保存方法についてご紹介します。
私はよくわからず、キッチンに無造作に置いています。それでいいのでしょうか?
常温?それとも冷凍?はちみつの正しい保存方法とは?
よく考えずキッチンにはちみつを置いている私ですが、それだと、真夏と真冬でかなり温度差があります。
食べきるまでに長い期間がかかることもあるはちみつの、正しい保存方法を調べました。
基本的には常温で保存!冷蔵庫はNG
我が家にあるはちみつに表示されている保存方法は、こちらです。
他の、はちみつを販売している会社のホームページなどにも、同じように記載されていました。
はちみつは15度前後以下になると、白い砂糖のような結晶に変化しやすくなります。
このことから、真夏でも、冷蔵庫に入れるのはやめましょう!
直射日光や高温多湿を避けるのは、はちみつの劣化を防ぐためです。
台所で保存する場合は、戸棚の中などに入れて、時々戸棚を開けて空気の入れ替えをしてあげて下さいね。
冷凍庫に入れてもOK!
はちみつは、冷凍庫に入れて保存することができます。
糖分が多いため固まりませんが、白い結晶ができるのを防ぐことができます。
はちみつの中に白い結晶ができてしまう温度は、0℃~14℃です。
私は東北に住んでいるので、真冬のキッチンの温度が0℃~14℃になるのは当たりまえです!
「わかるわかる!」と思った皆様、そんな季節には、常温よりも冷凍保存の方がおすすめですよ。
冷凍庫に入れると少し固くなりますが、取り出してすぐに食べることができます。
はちみつの保存方法・2つの要注意ポイント!
はちみつは、基本的には”常温で腐らない”はずですよね。
ところが、これからご紹介する2つの要注意ポイントを見逃すと、腐ってしまう可能性があるんです!
要注意ポイント1. 異物混入
はちみつ自体は腐りませんが、異物が入ったとなると、話は違ってきます。
例えば
- はちみつの瓶を開けた時にパンくずが入ってしまった
- 一度口をつけたスプーンをはちみつに入れてしまった
異物についている細菌は増えていき、場合によってはカビが生えるかもしれません。
”カビが生えた異物”がくっついたはちみつは、食べたくないですよね。
パンの賞味期限についても、ぜひチェックしてみて下さい!
↓↓↓
食パンの消費期限切れは危険?いつまでなら食べても大丈夫?
”はちみつを、毎日使うわけではない”という方には、こちらのような形で売っているはちみつをおすすめします。
少量だけ使いたいときにも、わざわざスプーンを出してくる必要がありません。
キャップつきで、容器の先が細くなっています。
”容器の先を、食材にグリグリとこすりつける”などという使い方をしない限りは、異物が混入することもないと思います。
要注意ポイント2. 安すぎるはちみつ
はちみつは、本来高級な食品ですよね。
最近は安いものもありますが、その中でも、あまりにも安すぎるはちみつには注意が必要です!
安すぎるはちみつにはこんな問題が!?
- 水分が多くて糖度が低いと腐る可能性がある
- 人工甘味料や小麦粉が混ぜてあって腐る可能性がある
- 40~45℃以上の加熱で栄養素が壊れている可能性がある
はちみつは、ミツバチが蜜を摘んできて、ミツバチの羽根でじっくり水分を飛ばしたものが、高品質なのだそうです。
でも、時間がかかりますよね。
そこで、ミツバチが摘んできたばかりの水分の多いハチミツを人の手で加熱し、水分を飛ばして商品にすることがあります。
他にも、みずあめなどの人口甘味料や、小麦粉を混ぜたものもあるそうです。
驚くことに、過去にはこんなニュースがありました。
2007年 『純粋はちみつ』と表示して販売していたはちみつに、人口甘味料が加えられていた。
このはちみつには、「全国はちみつ公正取引協議会」がつけた『公正マーク』の表示もあった。
つまり、はちみつの商品価値を守るためにある『公正マーク』がついていても、信用できないこともあるとうこと!?
食品偽装のニュースが多いので、そんな可能性も考えておいた方がいいですね。
皆様、「あれ!?」と思うほど安いはちみつには、ご注意下さいね。
はちみつを買う時にも、チェックが必要だということがわかりました。
次に、ここまででのお話しでも度々出てきた、白い結晶があるはちみつについて詳しくご紹介します。
はちみつが白く結晶化しちゃった!どうやって食べたらいいの?
食べたいと思って久しぶりに出したはちみつが、白い砂糖のような固まりになっていると、びっくりしますよね。
こんな状態になっても、これからご紹介する方法で食べられます!
結晶の出始めは、はちみつの中に白いカビが浮いているように見えることもあります。
早まって捨てないで下さいね。
白く結晶化したはちみつを食べる方法
- 鍋に50~60℃のお湯をわかす
- はちみつの容器のフタをゆるめる
- 容器ごとお湯に入れて、湯せんする
*はちみつを湯せんしている間は、50~60℃を保つようにします。
この方法で、30分~1時間ほど待つと、結晶が液体に戻ります。
時間がある方は、さらにじっくり・・・
結晶が少しでも残っていると、その結晶を核として、結晶ができやすくなります。
はちみつが結晶化するのは避けられないことなのですが、時間があるときは、結晶が溶けきるまで温めてみて下さいね。
”もっと高温で湯せん”or”電子レンジ”はダメなの?
はちみつは、ビタミンが豊富な食品です。
ビタミンは熱に弱く、40~45℃以上の加熱で、栄養素が壊れてしまいます。
はちみつを食べるのは、美味しいのはもちろん、豊富な栄養素を取り入れたいという目的もありますよね。
ということで、グツグツ煮立ったお湯で湯せんすることや、温度調節が難しい電子レンジはNGです。
はちみつ全体の温度が40~45℃以上にならないように注意しながら、結晶を溶かすようにしてくださいね。
最後に、育児中のママが気になる、1歳未満の子供のはちみつを食べさせてはいけない理由をご紹介します。
1歳未満の乳児にはちみつを食べさせてはいけない理由
我が家に保存してあるはちみつにも、こんな風に記載されています。
我が家にも3人の子供がいます。
母子手帳を見ると、必ずはちみつについて書かれていますので、皆様気をつけていることと思います。
厚生労働省のホームページから、詳しい情報をご紹介します。
はちみつを食べるとかかる、乳児ボツリヌス症の症状
乳児がボツリヌス菌を食べると、消化器内で菌が増殖し、毒素が発生します。
症状は便秘から始まり、まぶたが垂れ下がったり、首がすわらなくなったりする、脳神経麻痺がおこります。
脳神経麻痺はさらに手足へと広がり、呼吸に必要な筋肉を麻痺させてしまうこともあります。
過去にはこんなこともありました。
2017年 乳児ボツリヌス症で生後5か月の男の子が死亡
毎日、市販のジュースにはちみつ約10gを混ぜて摂取していた5ヶ月の赤ちゃんが、けいれんや呼吸不全を発症しました。
入院しましたが、約1ヶ月後に死亡しました。
とても悲しいことです。2度と同じことが起きてほしくないですね。
乳児ボツリヌス症にかかる原因
生まれたばかりの赤ちゃんは、母乳やミルクだけで数ヶ月過ごし、離乳食が始まると少しずつ食べ物を摂取していきます。
そんな赤ちゃんの腸内は、細菌がいないキレイな状態です。
それは、食べ物に対して免疫がなくて、様々な毒素を退治してくれる腸内細菌もいないということでもあります。
更に、腸内に毒素が入ってきた時に排出する力も、とても弱いです。
ボツリヌス菌を退治することも、排出することもできずに、”菌のやりたい放題”になってしまうというわけです。
1歳を過ぎると、離乳食で様々な食物を体内に入れた経験を体が覚え、腸内細菌が増えて、排出する力もできあがります。
ちなみに、妊娠中ははちみつを食べても大丈夫です。
お母さんの消化器内でボツリヌス菌を死滅させますので、胎盤を通って、胎児に菌が行くことはありません。
授乳中も、”ボツリヌス菌が母乳にのって赤ちゃんの体内に入る”ことはありませんので、安心して下さいね。
ボツリヌス菌とは?
ボツリヌス菌は、はちみつだけではなく、自然の中(海、湖、川などの泥の中)にある細菌です。
熱にとても強い胞子をもっていて、【120℃以上で4分間】or【100℃以上で6時間】の加熱をしないと、死滅しません。
このことから、はちみついりのお菓子を1歳未満の乳児に食べさせることも避けて下さいね。
東京都の福祉保健局のホームページでは、はちみつ以外に含まれるボツリヌス菌への注意喚起が呼びかけられていました。
家庭で缶詰、真空パック、びん詰、「いずし」などをつくる場合には、原材料を十分に洗浄し、加熱殺菌の温度や保存の方法に十分注意しないと危険です。
保存は、3℃未満で冷蔵又はマイナス18℃以下で冷凍しましょう。
大人には、ボツリヌス食中毒という症状が出ることがあります。
十分にご注意下さいね。
まとめ
賞味期限切れのはちみつについて、詳しくご紹介してきました。
意外にも冷凍庫での保存が可能なこともわかり、これからは上手に保存して食べきることができそうです。
ポイントをまとめてみます。
- はちみつは賞味期限が切れても食べられる
- 黒い変色がおきても食べられるが苦味が出ている
- はちみつは糖度が高いので腐らない
- はちみつに異物が入ると腐る原因にもなる
- 安すぎるはちみつは偽はちみつの可能性もある
- はちみつは基本的に常温で保存する
- 冷蔵庫で保存は絶対にNGだが、冷凍庫での保存はOK
- 白く結晶化したら低温でじっくり湯せんして溶かせば食べれる
- 1歳未満の乳児にはちみつを食べさせるのは絶対にダメ!死亡例もある
今までは、白く結晶化したはちみつを見ると、
「溶かすのが面倒だし、腐っているかもしれないから捨てちゃえ!」なんていうこともありました。
今回は、はちみつが腐らない理由がよくわかったので、安心して最後まで食べきることができそうです。
それと、安すぎるはちみつには要注意でしたね!
ついつい安いものを、安易に手に取りがちですが、これからは本当に良いものだけを選ぶ目も、鍛えていきたいと思います!