【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
スーパーからむきえびを買ってきたのですが、「生むきえび」という表示だと「生で食べていい」という意味なのか、「生だから加熱して」という意味なのかわからなくてややこしいですよね・・・。
我が家には幼稚園児と高齢の義父母がおり、食中毒などの危険性がないか心配なので生で食べるのはやめておくべきか迷っています。
そこで今回はむきえびを生で食べることなど、以下の項目について調べてみました!
- むきえびは生で食べられる?どんな危険性がある?
- スーパーや通販で買える生食用のエビの種類
- 生食用と加熱用のエビは何が違う?
- エビに火を通しても生焼けっぽい理由
- 生臭いのは下処理で解決!生の食感を生かせる美味しい食べ方
- 生エビの上手な保存方法と賞味期限の目安
お店で生エビのお刺身を食べると甘くてプリプリ食感を楽しめるので、家庭でもお店の美味しさを再現したいと思っていました。
今回調べた結果、エビの生食にはどんなリスクがあるのか、生食できるエビの見分け方が分かったので、家族にも安心して食べてもらえます!
ぜひあなたもこの記事を参考にして、生エビを買っても迷わずに美味しく調理できるようになってください♪
管理栄養士・栄養士
目次
むきえびを生で食べると危険な人の例と生食できるエビの見分け方
「むきえび」とはエビの殻をむいた状態で販売されているものであり、必ずしも生で食べると危険なものではありません。
スーパーによっては「生むきえび」と表示されている場合は判断が難しいのですが、「生食用(または刺身用)」「加熱用」と注釈が書かれているかチェックし、記載されていない場合は店員さんに聞いてください。
生食用・刺身用なら生で食べられるのですが、注意が必要な場合もあるので確認しておきましょう。
エビを生で食べるとどんな危険性がある?
生食用または刺身用なら生のまま食べられますが、以下の人はアレルギーや食中毒の危険性を考えると生食はおすすめできません。
- 高齢者
- 赤ちゃん・乳幼児
- 妊娠中の女性
エビの生食でアレルギーを発症するリスク
小さなお子さんは特にアレルギー反応のリスクがあり、発疹が出てかゆい、口の中などが腫れる、息切れがする、失神する・・・などのアナフィラキシーショックが起こる場合があります。
お子さんに何歳から生エビを食べさせて良いかと考えているなら、少なくても3歳以降(3歳くらいまではアレルギー発症のリスクがある)に生食を検討しましょう。
大人でも、かっぱえびせんなどの加工品や加熱したエビなら問題ないのに、生のエビをたべると舌がしびれるなどの症状がある場合はアレルギー反応を引き起こす可能性があるので注意してください。
腹痛や下痢、吐き気などの食中毒症状
生食用や刺身用と記載されていても、買った後の保存状態が悪いとあっという間に鮮度が落ちて食中毒を引き起こす雑菌が繁殖し、腹痛や下痢、吐き気などの症状が起こる場合もあります。
同じ生エビを食べたのに家族の一人だけが食中毒症状を引き起こしてしまう・・・というケースもありますが、その時の健康状態が悪いと食中毒症状を悪化させる可能性もあるので、大人でも体調が悪い時の生食は十分注意が必要です。
特に加熱用と記載されていたエビは既に鮮度が落ちている可能性があるので、加熱不足だと場合はお腹を壊す可能性があるので特に体力が弱い高齢者や乳幼児は注意しましょう。
また、「カルシウムを補給する~」と尻尾や殻をバリバリ食べる人もいますが、消化しにくいキチン質という食物繊維でできているため腹痛を起こしやすいので、このまま食べずに出汁などに使ってください。
なお、生焼けにならないようにしっかり火を通しているつもりなのにむきえびの色が透明のままで生っぽいのは、リン酸塩やpH調整剤を使用して保水加工をしているためなので、火が通っていれば問題ありません。
エビの寄生虫は問題ない?
エビに限らず海産物を刺身で食べる時に心配なのが寄生虫で、イカなどに潜んでいるアニサキスは十分注意しなければいけません。
エビに関してはアニサキスは寄生しないと言われていますが、エビの頭にコブのようなものがあったら「エビヤドリムシ」が潜んでいる可能性があるようです。
スーパーで、エラの部分がプックリふくらんだエビを見つけたから買ってきたよ!ここを開けると…エビヤドリムシさんコンニチハ!等脚類のなかまだよ!今夜はエビのお刺身よ~! pic.twitter.com/UEWbXpes1U
— 旭川医大寄生虫学講座 (@parasitology_as) April 21, 2019
アニサキスのように人体に悪影響を及ぼす寄生虫ではないため、万が一気付かずに食べてしまっても問題ないのですが、有頭エビを調理する際にはよく注意してみてください。
生食できるエビの種類と見分け方のポイント
スーパーやネット通販で生食できるエビを購入したい場合は、「生食用」「刺身用」と記載されているものを購入しましょう。
エビの種類はたくさんありますが、ここでは一例を紹介します。
むきえび
むきえびは生食用として冷凍品も販売されています。殻をむいてあるので解凍後生食できて便利です。
赤エビ
赤エビはコストコでも冷凍でよく販売されています。アルゼンチン産などの輸入品も多いようです。
甘エビ
甘エビはスシローなどのお寿司屋さんでもよく見かけますね。
バナメイエビ
クルマエビの仲間でブラックタイガーよりも割安感があります。
現在流通しているのは輸入品で生食できない加熱用がほとんどですが、日本国内で生食用バナエイエビの養殖が進められているので、近い将来は生食用のバナエイエビが手に入りやすくなるかもしれませんね!
輸入品のエビでも生食用と加熱用があるのは、厚生労働省が定めている生食用冷凍鮮魚介類の規格基準によって変わります。
- 細菌数(生菌数)が検体1gにつき 100,000 以下
- 大腸菌群が陰性
- 腸炎ビブリオ最確数が100以下
これらの条件を満たしていなければ生食用として販売できません。
生食用でもしっかり鮮度をチェックしましょう!
生食用と書かれていても保存状態が悪いとエビの鮮度はどんどん落ちてしまうので、生食できるレベルの鮮度なのかチェックすることをおすすめします!
- 頭がグラグラしていないか(鮮度が落ちるとゆるくなる)
- 頭や尻尾が黒ずんでいないか(鮮度が落ちると黒っぽくなる)
- 殻と身に隙間ができていないか(鮮度が落ちると水分が抜ける)
- 身がパサパサしていないか(鮮度が落ちるとプリプリ感がなくなる)
このような項目に当てはまらなければ生で食べられますが、生臭さが気になる・・・という場合は次章で紹介する下処理を行ってください。
生食用エビの上手な食べ方!生臭いのも簡単に解決できる下処理のコツ
私がスーパーで購入したむきえびは「生食用」と書かれていたので、体力に自信がある私と夫だけ生で食べる、子供と義父母の分は加熱して食べることにしました!
せっかくなので美味しく調理したいと思ったので、下処理のコツや美味しい料理について調べたことを紹介します。
生エビの上手な下ごしらえのコツ
むきえびだと殻をむく手間を省けますが殻付きのまま購入することもあるので、殻をむくことも想定した下処理の方法を覚えておきましょう!
まずは、汚れや臭さをとるための洗い方を覚えておきましょう。
汚れや臭さをとる洗い方
- ボールに塩水を作って軽く洗う
- 水道水で塩水を洗い流す
- キッチンペーパーで水分を拭き取る
むきえびの場合はこれだけでOKですが、背わたが残っている場合は臭みの原因になるので取り除きましょう。
こちらの動画で背わたの取り方やさばき方が詳しく解説されているので参考にしてください。
生臭いのも気にならない!美味しいエビの食べ方
生食用のエビは生のまま食べられますが、小さな子供や高齢者には生食用でも加熱調理しましょう。
以下で紹介する料理は生のエビを使えますが、子供や高齢者用には下ゆでしたエビを使ってください。
子供や高齢者向けにエビを下ゆでする場合の加熱時間は1分くらいでOKです。
この他に、たこ焼きやお好み焼きなどに入れるのもいいですね。
サラダ
下処理したエビをオリーブオイル、クレイジーソルトに漬け込んでおき、お好みの野菜の上に盛り付けるだけでOK!
お好みのドレッシングと合わせると美味しいですよ♪
クンチェーナンプラー(タイ料理のカルパッチョ)
今夜は僕とっぴー、ウッドボールパタヤビーチ店に出勤します!
クンチェーナンプラー美味しいよ〜🍤https://t.co/KvZkw6MhUo— とっぴー🇹🇭タイ在住14年 (@woodball) November 23, 2019
ピリ辛なので大人向けですが、エビの甘さとピリ辛ソースがとても相性が良くてやみつきになります!
ナンプラー、砂糖、ニンニク、唐辛子でソースを作りますが、私はゆず果汁もプラスしています。
生春巻き
パーティーメニューにもおすすめの生春巻きです。
エビ以外にも好きな野菜やお刺身を使っても良いですね!
エビの卵と味噌も美味しく食べましょう!
生食できるエビなら卵や味噌も食べられますが、生臭いのがちょっと・・・という方もいますが、捨ててしまうのはもったいない!珍味としてお酒のおつまみに楽しむのもいいですね♪
臭みが気になるなら、卵はしょうゆとみりんで醤油漬けにして、味噌はしょうゆとわさび、生姜汁と合わせてディップソースを作ってそれぞれ生エビと一緒に食べるのもおすすめです。
ちなみに、エビの卵は青緑色で一見するとグロテスク・・・かもしれませんが、これはエビの色素なので心配しないでください。
せっかく生食用を購入したのに鮮度が落ちて食べられなくなるのはもったいないので、最後に正しい保存方法について確認しておきましょう。
生のむきえびは日持ちしない!上手な保存方法と賞味期限の目安
冷凍されているなら賞味期限数ヶ月後に設定されておりそこそこ長いですが、スーパーなどで売られている生食用・刺身用の生エビは基本的に当日中に食べるべきなので日持ちしないものだと考えてください。
下処理済みのむきえびも日持ちしないので、すぐに食べないなら冷凍保存しましょう。
冷凍保存をする前に以下の下処理と、解凍方法でプリプリ食感を再現できます。
プリプリ食感を再現できる!冷凍・解凍方法
- エビに少量の塩と片栗粉をまぶして軽くもむ
- 流水で洗ってキッチンペーパーで水気をきる
- 密封して冷凍(2~3週間保存可能)
- 解凍時は塩水1%濃度にして半解凍になるまで15分くらい浸けておく
ご家庭でも簡単に冷凍保存ができるので、ぜひお試しください!
まとめ
エビを生食する危険性などを調べた結果をまとめます。
- 生食用や刺身用と記載されたむきえびは生のまま食べられる
- 加熱用と記載されているなら加熱調理が必要
- 乳幼児や高齢者は生食用でも生のまま食べると危険な場合がある
- 大人でもアレルギーや腹痛などのリスクがあるので心配なら加熱するべき
- 生エビの生臭さは下ごしらえをしっかりすると解決できる
- 生のまま食べられるレシピは下ゆで済みのエビにも変更可能
- 生のむきえびは日持ちしないのですぐ使わないなら冷凍保存する
エビのお刺身など生で食べた時と、火を通した時の食感や味わいは全く違いますよね。
生食用や刺身用と記載されていれば基本的に生で食べられますが、体調に不安がある方や小さなお子さん、高齢者は火を通して食べましょう。
生食用でも鮮度が落ちてしまうとせっかくの美味しさも半減しますし危険性も増すので、できるだけ早めに食べるようにして、食べきれない分は冷凍保存すると安心ですね。
ぜひあなたも今回紹介した生エビの扱い方を覚えて、美味しいエビ料理を楽しんでください♪