【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
私はエビが大好物で、お寿司屋さんでは必ず食べるし、コストコの冷凍エビも常備しています。
でもエビは茹で方が難しくて、茹で時間が長くなると固くなっちゃうんですよね…。
家庭で食べるエビの美味しさって、結局、上手に茹でられるかどうかに全てがかかっていると思うので、以下の項目について調べてみました。
- エビの茹で時間は冷凍と生の場合ではどのくらい?
- 殻付きの有頭エビ・殻無しのむきエビ・蒸しエビなどの正しい茹で方
- 茹でエビの臭みをとる下処理の方法
加熱用のエビを美味しく茹でるコツについて、エビ好きの私が徹底して調査した結果を丁寧に解説していきます!
ご家庭でも美味しくエビを食べる方法がわかるので、ぜひ参考にしてくださいね。
管理栄養士・栄養士
目次
エビの茹で時間はどのくらい?殻付きと殻無しでは茹で方が違う!
茹でエビを食べた時にバサバサした感じがするのは加熱しすぎが原因で、エビを上手に茹で方にはコツがあります。
茹でる前の下処理ですが、エビの臭みが気になるなら塩でもんだり酒をふったりして臭みを取っておきましょう。
殻付きの有頭エビや、殻無しのむきエビなどによって茹で時間はどれだけ変わるのか、正しい茹で方を紹介します。
殻付き・有頭エビの茹で方
車海老などは頭や殻をつけたまま茹でるとぷりぷりした食感を楽しめてとても美味しいですよね。
殻付きの有頭エビを上手に茹でる際には、下処理や茹で時間に気をつけましょう。
あまり茹ですぎるとせっかくの風味が食感が失われてしまうので、以下のポイントを抑えて茹でてください。
殻付きエビ基本の茹で方
- 生の(解凍した)殻付きエビを準備して背ワタを取り除く※参考動画を参照
- お鍋にたっぷりのお湯に塩気を感じられる程度の塩を加える(1リットルに対して小さじ2程度が目安)
- 沸騰したらエビを入れ、2~3分でザルに上げる
- 1~2分は熱々のまま放置
参考動画:殻付きエビの背ワタを取り除く方法
茹ですぎると身が固くなるので、余熱でじんわり火を通すのが美味しさの秘訣です。
水で冷ますと水っぽくなるので、うちわで扇いで冷ますのがオススメです。
冷蔵庫で保管する時は、冷めてから容器に入れてくださいね。
ここで更に、見栄えをよくするコツを3つご紹介します。
おせち料理に使うエビなんかは、まっすぐ!見た目もキレイに茹で上げたいですよね。
殻つきエビを美しく茹でるコツ3つ
- 殻付きのまま茹でると身が縮みにくく、パサつきにくいので美味しく仕上がる
- 少し鮮度が落ちて背ワタが見つからない場合は、茹でた後に包丁でかき出して取り除く
- 串に刺した状態で茹でると身が縮みにくくキレイに仕上がる
茹でた後に殻をむいて料理に使う場合は、殻や頭の部分は茶葉を入れるパックやだし用パックに入れて、お味噌汁の出汁にすると美味しいですよ。
殻無しむきエビ(生)の茹で方
皮なしで生のむきエビを美味しく茹でるコツは以下の4つのポイントを抑えておきましょう。
- 色で茹で上がりを確認!白く色が変わればOK
- 弱火〜中火でじわじわと茹でる
- 小エビやバナメイエビなら沸騰後に1分程度でOK
- 下茹でなら熱湯に20~30秒くぐらすだけで良い
むきエビを十分加熱しているのに半透明のままで色が白く変わらない場合もあります。
実はスーパーで売られているむきエビの大半は、ポリリン酸塩という保水剤によってぷりぷりにされ、重量を増やされているので、長めに加熱しても半透明のままで、身が白くならないことがあります。
こういうエビは少々長めに茹でたり炒めたりしても、身が縮みにくくぷりぷりとした食感を保つので料理初心者向けかもしれませんね。
殻無しむきエビ(冷凍)の茹で方
皮なしで冷凍保存されていたむきエビを茹でる場合には以下のポイントを抑えておきましょう。
- 茹でる前にゆっくり解凍する
- 冷蔵庫内で解凍するなら、解凍で出た水でエビが臭くならないようにザルを使うと良い
- 3~5分ほど塩水に浸けて解凍すれば臭くなりにくい(塩水は3%濃度が目安)
- 自然解凍してから調理するなら生エビと同じ茹で時間でOK
冷凍状態から茹でると、茹で汁に旨みが流れ出やすくなってしまいます。
急いで解凍させるので水分が分離してしまい、味が悪くなってしまので時間に余裕を持って、ゆっくり解凍してから調理しましょう。
また冷凍エビの場合、冷たいむきエビを急に熱いお湯に入れると身がしまって固くなりやすいです。
ちなみに私が冷凍のむきエビを調理する時は、冷凍のまま水から入れて沸騰後1分で取り出すくらいを目安にしています。
面倒くさい時は、耐熱のタッパーに冷凍エビを入れ、料理酒をふりかけて電子レンジで加熱して下茹で完了!
その後スープや炒め物に…ということもありますが、これでは美味しくないはずですよね……今度からは、ちゃんと下茹でします。
次章では茹でたエビを使った料理のコツについて紹介するので参考にしてください。
エビを使った料理を美味しく仕上げるコツは?
上手に茹でたエビはそのまま食べてもぷりぷり食感を楽しめますが、料理に使う場合にはちょっとしたひと手間を加えるだけでワンランク上の料理になりますよ!
ご家庭でも飲食店のような美味しさを楽しめる料理のコツを紹介します。
鮮度が落ちたら臭くなる!エビの臭みを取る方法
いくらぷりぷり食感でも、臭みがあったら美味しくありませんよね。
エビは鮮度が落ちると独特の臭みが強くなりますが、裏技として片栗粉を使った下処理を行いましょう。
生の状態で片栗粉をまぶしたいので、殻付きエビも解凍して背ワタを取り、殻をむいてしまいます。
エビの臭み取りの方法
- ボウルにエビを入れ、片栗粉をまぶすように入れたら軽く混ぜる
片栗粉の量はエビ1パックで大さじ2杯くらい - 片栗粉の色がグレーっぽくなったらOK!水で洗い流す
片栗粉がエビに付着した汚れや臭いを取り除いてくれるので、水で洗い流せばサッパリ! - 沸騰したお湯に塩を入れて茹でる
沸騰した状態から茹で始め、いわゆる茹でエビの色(白と赤)になったらOK
あまり臭いが強くなければ、片栗粉なしでも薄めの塩水と酒を使って洗うだけで臭い取りが出来ますよ。
料理別!エビの茹で方
最後はエビ料理の中でも、特に下処理が重要だと思うサラダ・お寿司・おせち作りという3つに絞って茹で方のレシピをご紹介しますね。
ここまででご紹介したコツの復習も兼ねて、この3つの料理それぞれで一番気をつけることを確認しておきましょう。
サラダに使うエビの場合
バナメイエビなら、沸騰したお湯に生の状態から入れて1分くらい茹でればOKです。
火が通るとエビが浮いてくるのが目安になります。
冷凍海老は流水で解凍してから使いますが、解凍で臭みが出てしまうので、サラダに使う時は臭み取りが不可欠!
鮮度の良いエビならば日本酒をまぶし、塩胡椒してから片栗粉をまぶし、さっと茹でてザルに上げるくらいでもOKです。
そのまま水に入れずに冷ませば水っぽくならず、サラダ向きになりますよ。
お寿司で使うエビの場合
ちらし寿司や手巻き寿司などの寿司ネタにも使う蒸しエビは、できるだけ曲がらないように茹でるのがポイントですね。
キレイに背ワタを取り、竹串を指したまま1分くらいさっと塩茹でします。
酒を入れたお湯でもOK!この時、ぐらぐらと煮立てないことがコツです。
弱火でじわじわっと、エビの赤い色がキレイに出るくらいでザルに上げます。
殻ごと茹で、茹でた後で殻をむいて甘酢に漬けると美味しく仕上がりますよ。
おせち作りに使うエビの場合
おせちによく使われる殻付きの有頭エビの場合、茹でた後に冷水に取ってはいけません。
ザルに上げ、うちわで扇ぐなどして自然に冷ますのがコツです。
冷水に浸けてしまうと水っぽくなって食感が落ちますし、色落ちの原因にもなってしまいます。
日持ちさせる料理でもあるので、塩茹でがオススメです。
竹串に刺して、身が縮まないように茹でると見栄えが良くなりますよ。
おせちに使うエビはちょっと贅沢に、通販でも人気が高い世界最高グレードのエビ「天使の海老」を使ってみるのもおすすめですよ。
まとめ
エビの茹で時間について調査した結果をまとめます。
- 殻付き有頭エビの茹で時間は2~3分
- 殻付きのまま茹でるとぷりぷり食感を楽しめる
- 生の殻無しむきエビの茹で時間は1分程度
- 半透明から白く変わると茹で上がった証拠
- 保水剤の影響で半透明のまま色が変わらないむきエビもある
- 冷凍の殻無しむきエビは解凍してから茹でる
- 塩水につけて解凍すると臭みが出にくい
- 片栗粉や酒などを使っても臭み消しができる
- 曲がらないようにまっすぐ茹でたい場合は竹串を指したまま茹でる
私はこれまで、エビは殻をむくのが面倒だし、上手に茹でられないし、小さくなって見栄えが悪いなどと、エビ料理には色々悩みが尽きませんでした。
ですが調べてみると私の場合、不安に思って長めに茹でていたのが失敗の原因でした。
意外と簡単なことで美味しくなるんですね。
自分で殻付きエビを買ってきて茹でた方が断然美味しいし、殻も出汁に使うなどして美味しさ倍増で楽しめます。
美味しい茹で時間を守って、エビの白と赤で、食卓を美味しくキレイに彩りましょう!