【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
先日、買ってから3日目くらいのなめこのパックを開けてみると、ツンと少しだけ酸っぱい臭いが…。
「腐るほど長期間放置したわけじゃないし、加熱すれば臭いは消えるかな」と思って味噌汁にしてみたのですが、やっぱり酸っぱかったです。
真空パックのように包装されているなめこは、他のきのこ類と違って水っぽい状態で売られていますよね。日持ちしない食材なのかもしれません。
今回は食べてはいけないなめこの状態や日持ちを確認して、無駄なく食べ切る方法をご紹介していこうと思います!
- なめこが腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方を紹介
- なめこの日持ち期間はどれくらい?生・調理後に分けて紹介
- なめこは常温でも日持ちするの?長持ちする保存方法はあるの?
- なめこは洗って使うの?ぬめりの正体は何?
なめこの賞味期限を確認したのですが、書いていません。賞味期限が無い食品は、何日くらいで腐るかの目安がわからないのが困りますよね。
自分でなめこの状態を判断するために必要な情報と合わせて、長持ちする保存方法なども詳しく調べていきます!
早速ご一緒に確認していきましょう。
管理栄養士・栄養士
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目次
なめこは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や判断基準がコレ!
口コミなどから「実際になめこを腐らせたことがある」という方の声を集めてみました。
なめこが腐るとどうなるのかをご紹介するので、食べてはいけないなめこの見分け方を確認してみて下さい!
こんななめこは食べちゃダメ!
「なめこが腐ると、パックを開けた瞬間に酸っぱい臭いがしてすぐにわかる!」という声が多数でした。
パックを開ける前にもなめこの状態がわかる目安があるので、ご紹介します。
見た目
- ぬめりよりも水っぽさが強い
- カビ
- パックの中に白い泡がある
- パックが膨らんでいる
- なめこが柔らかくて溶けそう
- 柄の先から黒い色に変色
臭い
- 鼻をつく酸っぱい臭い
- カビ臭い
味
- 酸っぱい
なめこが腐ると、加熱しても嫌な臭いや味は消えません。
「味噌汁の中のなめこが黒くなった」など、普段とは違う異変があったら、食べないで下さいね!
なめこの酸っぱい臭いの正体
口コミから、多くの方が「酸っぱい=腐っている」と感じていることが分かったのですが、実は酸っぱい臭いの原因は「乳酸菌」です。
きのこ栽培関連の業務を行っている㈱キノックスのホームページに、わかりやすい情報がありました。
なめこの酸っぱい臭いの正体
- なめこを出荷するときに水洗いするのが原因で乳酸菌が発酵しやすくなった
- 害はないので食べられる
- 害はないけど美味しくない
冒頭でもお話ししたように、私も酸っぱいなめこを食べましたが、口に入れてすぐに吐き出すほど不味かったです。
無理をして食べないでくださいね。
*なめこを美味しく長持ちさせる保存方法を、後ほど「なめこの正しい保存方法!冷蔵庫や冷凍庫に入れる際のコツ」でご紹介します!
天然なめこは土臭い
山の中の直売所で、珍しい天然なめこを買ってみたことがあります。
きのこ特有の強い風味を期待して食べてみたのですが、風味はかなり薄い…あえて言うなら、土臭い味がしました。
なめこの製造業者さんなどのホームページで調べると、「なめこ自体は元から風味が少なくて、ぬめりを楽しむきのこ」とのことです。
毒きのこにご注意下さい
きのこに関する知識がない方は、山で見つけたきのこを採らないで下さいね。
なめこに似た猛毒のきのこがたくさんあり、なめこのすぐ隣に生えていることもあります!
きのこ類は生・生焼けにも要注意!
なめこを含むきのこ類は、腐る以外にも生・生焼けを食べると食中毒の症状で苦しむ危険性があります。
理由
- きのこは食物繊維のかたまりで、食物繊維は単体では消化されないから
- きのこの中には、「熱で分解される」と言われている毒を持つ種類もあるから
食物繊維は、消化されない性質です。他の食品が消化されたものや油と一緒になることで、初めてスッキリと体外に排出できます。
実は私も、生焼けのなめこをたくさん食べて苦しんだ経験があるんです…。
石づきつきのなめこを買ってきて、1パック丸ごとバター焼きにしました。「食感を味わいたい」と思い、強火で数十秒炒めただけだったのが失敗の元です。
食べた直後から胃からおへそあたりが冷たくなり、胃が重苦しくて、脂汗がじわじわと出てくる3日間を過ごしました。苦しかったです。
なめこには、”水に溶ける性質”・”水に溶けない性質”どちらの食物繊維も含まれています。
私と同じような経験をする方がいないよう、「しっかり加熱して、食べ過ぎも避ける」と覚えておいて頂けると幸いです。
なめこが腐った状態を確認したので、次にどれくらいの期間なら美味しく日持ちするのかを調査しました。
常温でも日持ちするのでしょうか?生・調理後に分けてご紹介します。
なめこの日持ち期間はどれくらい?生や加熱調理後などを調査!
スーパーで売っている生のなめこには、賞味期限が書かれていません。
例えば、「信州のチカラ」という真空パックのなめこを販売しているJA全農長野のホームページには、下記のように書かれていました。
野菜などと同じ農産物ですので、賞味期限の記載はしておりません。
食品衛生法などでは、生鮮野菜やきのこ類には賞味期限を表示する義務がないので、スーパーの野菜コーナーで賞味期限が書かれている商品は、加工品だけですよね。
通販商品や口コミなどから、生・調理後のなめこの日持ちをまとめて表にしました。参考になさってみて下さい!
なめこの状態 | 日持ち | |
生 | 水洗いしてある商品(開封後) | 冷蔵庫:3日以内 冷凍:1ヶ月 |
水洗いしてある商品(未開封) | 冷蔵庫:3日~最長1週間 冷凍:1ヶ月 |
|
石づきつきの商品 | ||
調理後 | 味噌汁 | 常温:当日 冷蔵庫:当日~1日 |
なめこと大根おろしの和え物 | 冷蔵庫:当日~1日 冷凍:1ヶ月 |
|
石づきつきのなめこを 茹でるなど加熱して下処理後 |
冷蔵庫:3日以内 冷凍:1ヶ月 |
|
なめこの醤油煮 | 冷蔵庫:10日 冷凍:1ヶ月 |
なめこは常温保存できない
なめこを常温保存したらどれくらい日持ちするのかを調べたところ、「ナメコ貯蔵中における脂質変化に対する温度の影響」という論文を見つけました。
なめこを保存するときの温度が、なめこに含まれる「脂質」に与える影響を調べた結果が書かれています。
常温で保存したなめこの変化が詳しく書かれていたので、ご紹介します。
20℃の常温で保存したときの変化
- 4日目:異臭と黒っぽい変色が起こる
- 6日目:強い異臭がして、なめこ全体が変色。完全に腐っている状態
これと同時に、「5℃では3週間、-25℃では5ヶ月保存できる可能性がある」と結論づけられています。
*こちらの実験はなめこの味を調べるのが目的ではないので、「5℃で3週間、-25℃で5ヶ月間美味しい」という意味ではありません。
実験では温度設定が20℃ですが、ご家庭の暖房がついている部屋なら、冬でも25℃ほどの温度が一般的かと思います。
他に湿気・紫外線なども劣化に影響するので、もっと早く変化する可能性が高いですよね。
特に外気温が高くなる夏は、”長時間の持ち運び”や”高温になる車内に放置”などで数時間で腐る危険性もあります。
なめこを買ったら、なるべく早く冷蔵庫に入れて下さいね。
なめこの日持ちは保存場所の温度に左右されることがわかりました。
では、なめこを長持ちさせるためには、どんな方法で保存すればいいのでしょうか?
なめこの正しい保存方法!冷蔵庫や冷凍庫に入れる際のコツ
なめこは常温保存ではなく、冷やして保存します。
「2~3日で食べられる分は冷蔵保存・食べきれないと分かっている分は早めに冷凍保存する」と考えておくと、保存場所が選びやすいですね!
冷蔵庫 保存方法
冷蔵庫で長持ちさせるポイントは、なるべく冷やすことです。下記の3つの状態に分けて保存方法をご紹介します。
- 真空パック入りのなめこ(未開封)
- 真空パック入りのなめこ(開封後)
- 石づきつきのなめこ
真空パック入りのなめこ(未開封)
買ってきた袋のまま、チルド室に入れます。
チルド室は開け閉めをしなければ0℃ほどに保たれているのが一般的で、なめこ以外のきのこ類を保存するのにも適しています!
真空パック入りのなめこ(開封後)
真空パック入りのなめこを開封すると、空気・湿気・ホコリなどに含まれている目に見えない雑菌が付着します。
出荷前に水洗いをしたときの水分も劣化するので、下記の方法で保存なさって下さい。
- 鍋に水となめこを入れて、弱火で沸騰させる
- 沸騰したら30秒ほど待つ
- ザルにあげて軽く水にさらす(ぬめりを取る必要はありません)
- 水切りをして、清潔な保存容器に入れる
- チルド室に入れて、2~3日を目安に使い切る
石づきつきのなめこ
石づきを切り取るときに台所が汚れるのが嫌なので、一度に下処理しておきたくなりますよね。でも、石づきを取ると切り口から劣化してしまいます。
小分けにして使う場合は、石づきごと分けて、料理をする寸前に石づきを切り取りましょう!
石づきつきのなめこは、買ってきたらすぐに袋から出して保存するのが、長持ちさせるポイントです。
- 袋から出す
- 石づきごとキッチンペーパーに包む
- ビニール袋などに入れて封をする(ジップロックのような密閉できる保存袋でもOK)
- チルド室で保存する
使いきれなかった分は、新しいキッチンペーパーとビニール袋に包んで、同じように保存なさって下さい。
なめこの美味しさを引き出す下ごしらえ&料理方法
なめこのおがくずを取るには洗うのが一番手っ取り早いのですが、なめこを含むきのこ類を水洗いをすると、旨みと栄養が流れ出し、香りも飛んでしまいます。
下ごしらえのポイント
なめこについているおがくずは、手で取り除きます。取り切れない部分だけ、軽く水で流しましょう!
料理方法のポイント
なめこを料理するときのポイントは4つです。
- ぬめりはなるべく落とさない
- 煮るなら水から。弱火で沸騰させる
- 栄養分が煮汁に溶けだすので、煮汁ごと食べられる料理がおすすめ
- 油で炒めると、油が消化を助けてくれる
水洗いは最小限にし、弱火からじっくりと加熱することでなめこの細胞が壊れて、ほんのりとした風味が出ます!
冷凍 保存方法
冷凍での保存方法は、野菜などと違ってゆっくり凍らせると、料理をしたときになめこの旨みや香りが出やすくなります。
真空パック・石づきつきどちらの商品も、凍るまでは新聞紙などにくるんで、ゆっくり凍らせましょう!
真空パック
開封せずに袋ごと冷凍します。
大袋の場合は袋ごと折り曲げて冷凍しておくと、料理に使う量を調節しやすくなります。
袋に「水洗いしてから使ってください」と表示されている場合や「酸味が出ているかも」と気になる方は、下記の方法で保存なさって下さい。
- 真空パックを開封して、なめこを軽く水洗いする(全体を流す程度でOK)
- 水気をよく切る
- ジップロックなど密閉できる保存袋に、少し余裕を持って入れる
- 空気を抜いて密閉する
- 保存袋ごと折る(少量ずつでも取り出しやすくするため)
- 新聞紙に包んで冷凍庫に入れる
- 完全に凍ったら、新聞紙を取り外す(邪魔でなければそのままでもOK)
石づきつき
料理をしやすくするため、石づきを切り取ってから冷凍します。
- 石づきを切り落とし、汚れを取る。必要であれば水洗いをする
- 食べる分ずつ、ジップロックのような密閉できる保存袋に入れる
- 空気を抜いて密閉する
- 保存袋ごと新聞紙に包む
- 新聞紙が邪魔であれば、なめこが完全に凍ってから取り外す
石づきつきのなめこは、真空パック入りのなめこよりも旨みや香りが強いです。
なめこ本来の味を楽しみたいときには、冷凍して煮汁ごと食べられる鍋料理などにするのがおすすめですよ♪
冷凍したなめこを解凍する時は凍ったまま調理するようにしましょう。自然解凍してしまうと旨味などが流出してしまいますので気をつけましょう。
最後に、なめこ最大の特徴・ぬめりについて調べたのでご紹介します。
「ぬめりには何か特別な栄養があるの?」、「なめこはどの程度洗うの?」の2点が気になったので、調査してみました。
なめこは洗ったほうがいいのか?古いぬめりは落とすべき?
なめこのぬめりについては、先ほども登場した(株)キノックスのホームページに詳しい情報がありました。
ぬめりの正体
なめこのぬめりは、3つの物質で構成されています。
- 水に溶ける性質の食物繊維
- 水に溶けない性質の食物繊維
- 短い菌糸
ぬめりには何か栄養が含まれているの?
なめこ自体は食物繊維のかたまりで、低カロリーです。ぬめりの中には、下記のような栄養素が含まれています
- ミネラル(カリウム・リンなど)
- 細胞が集まって腫瘍になろうとする力を抑えるβ-クルカン
この栄養素は、他のきのこ類にも含まれています。
腫瘍が悪性化するとガンになるので、「きのこ類はがん予防効果が期待できる」とよく聞くのは、β-クルカンの作用があるからなんですね!
なめこはどの程度洗うの?
ご紹介したような栄養素は、ぬめりを落とすと効果が期待できなくなることが分かっているので、なめこは、極力洗わず、ぬめりを落とさないのがベストです。
ぬめりは水で流すと落ちてしまいますが、水に浸けて冷蔵庫に入れると増えることがわかっています。
理由が明確にわかる情報は無かったのですが、なめこは乾燥に弱くて、野生のなめこは寒い日になるとぬめりが増すそうです。
なめこが自分の体を守ろうとする生理現象なのかもしれません!
なめこを買ってきて数日たつと、ぬめりに含まれる水分の劣化が気になる場合もあると思います。
そんなときは、ひとまずしっかり洗って、水に浸けて冷やすことでぬめりを復活させてみて下さい。ぬめりが復活したら、早めに食べるのもお忘れなく!
まとめ
なめこが腐るとどうなるのかを確認し、最後まで美味しく食べ切る方法をご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- なめこが腐っているかどうかは、見た目や臭いで簡単に見分けられる
- なめこの酸っぱい臭いは腐っているわけではないが、不味いので無理をして食べなくてOK
- 生のなめこの日持ちは【冷蔵庫:最長1週間、冷凍:1ヶ月】が目安
- なめこは必ず、チルド室か冷凍で冷やして保存する
- なめこはぬめりにこそ栄養成分が含まれている。極力洗い流さない方が良い
なめこは、保存する日数が長いほど酸っぱい嫌な臭いが強くなります。
「酸っぱいだけなら食べられる」とのことですが、「嫌だな」と思いながら食べるだけでもお腹を壊すなんてこともありますよね。
見た目なども合わせて判断しながら、五感で嫌な感じがしたときは食べないでくださいね。
なめこの味噌汁を作るとき、私はぬめりが多くなるのが嫌で、食べる寸前に下茹でしておいたなめこを加えていました。
でも、そのぬめりにこそ健康効果が期待できる栄養素が含まれているんですね!
今回はぬめりを増す方法もわかったので、ぬめり自体を楽しむ料理も考えながら、これからもなめこを食べていきたいと思います!