キッチンの食品庫を何年かぶりに整理したら、乾物の小豆が出てきました。「これっていつのだっけ?」…全く記憶にありません。
賞味期限を確認しようにも、食品保存用のびんに移してあったので、買ったときの袋はもうないんですよね…。
見た目には変化ないのですが、ひとまず小豆の日持ちなどを詳しく調査してから、食べるかどうかを決めたいと思います。
- 市販の小豆の賞味期限・小豆を使った手作り料理の日持ちを調査
- 賞味期限切れの小豆は食べられる?
- 小豆が腐るとどうなるの?
- 小豆の正しい保存方法
乾物の小豆がどれくらい日持ちするのかを口コミで調べてみると、「半年以上は余裕」なんていう声がありました。
我が家で発見した小豆は、おそらく年単位で保存していたものだと思います。さすがに20年、30年ということはないですが、5~10年くらいは放置していた可能性も…。
今回は乾物の小豆だけではなく、茹でたものや煮たものなど、調理後についてもどれくらい日持ちするのかを調べてみます。
ほかにも、食べられる小豆と食べてはいけない小豆の見分け方などもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
小豆の賞味期限や日持ちはどれくらい?乾物から茹でた後まで全て解説!
まずは、小豆がどれくらいの期間食べられるのかを確認します!
小豆の状態別に、市販品の賞味期限と手作りの日持ちをチェックしてみましょう。
小豆の状態 | 賞味期限 日持ち |
引用元 | |
市販品 | 生(乾物) | 2~3年 | スマイルクラブ |
茹でた小豆(缶詰) | 3年 | パンカップ | |
水煮(水か食塩水で煮たもの) | 1年 | 自然食品のたいよう | |
手作り | 茹でた(煮た)小豆 | 冷蔵庫:数日 冷凍:1ヶ月 |
― |
あんこ | 冷蔵庫:2~3日 冷凍:1ヶ月 |
||
ぜんざい、お汁粉 | |||
赤飯 | 冷凍:3週間 |
上記の手作りの日持ちについては、口コミやレシピサイトを参考にご紹介しました。
「冷凍したら半年くらいたっても大丈夫」という口コミもありましたが、腐りはしなくても冷凍やけなどで味がかなり落ちてしまいます。そのため、一般的に美味しく食べられる期間をご紹介しています。
生(乾物)の小豆の賞味期限は2~3年とあいまいですが、実際に食べられるかどうかは、水で戻してみて判断するようにすすめられていました。
水で戻すときは、2晩ほどおいてふやければ、煮ても美味しく食べられるとのことです。
2晩置いてもふやけない場合は煮ても柔らかくならないので、もったいないですが捨てるしかないようです。
市販の小豆は、賞味期限がけっこう長いとわかりましたが、それゆえに食べるのを忘れてしまう心配もありますよね。もし賞味期限切れになったら、すぐに食べられなくなってしまうのでしょうか?
「缶詰の商品は20年、30年と時間がたっても腐ることはない」なんていう情報も見つけましたので、次章でご紹介します!
小豆が賞味期限切れになった!いつまでなら食べられるの?
市販の小豆には賞味期限が記載されていることが多いですが、賞味期限切れの小豆が食べられるのかを正確に知るために、まずは賞味期限の正しい意味を確認しましょう!
- 賞味期限:未開封で保存方法を守った場合に美味しく食べられる期限
- 消費期限:未開封で保存方法を守った場合に安全に食べられる期限
どちらの期限も、開封後や保存方法を守らなかった場合は、早く劣化する可能性があります。
*農林水産省のホームページを参考にご紹介しました
消費期限は安全に食べられる期限なので、期限が切れてしまった場合は食べないようにしましょう。
対して、賞味期限は美味しさを保証する期限なので、賞味期限切れになってもすぐに腐って食べられなくなるわけではありません。
消費者庁のホームページを見ると、賞味期限は各製造者などが決めると公表されています。
「食品を検査して実際に食べられる期間を調べ、0.8以上1未満の数字を掛けて賞味期限とするのが基本」とされていました。
つまり、賞味期限は以下のように設定されているというわけです。
上記の計算式から安全係数を0.8と仮定して、小豆は賞味期限切れからどの位まで食べられるのか(可食期間)を計算してみました。
小豆の状態 | 賞味期限 | 可食期間 |
生(乾物) | 2~3年 | 約2年6ヶ月~約3年9ヶ月 |
茹でた(缶詰) | 3年 | 約3年9ヶ月 |
水煮 | 1年 | 約1年3ヶ月 |
ただし、上記の表でご紹介した期間はあくまでも計算上の日数で、冷蔵や冷凍などメーカーが推奨している条件で正しく保存した場合に限ります。
また、期限が切れると味が落ちることもありますが、その際に食べられるかどうかも個人の判断によります。
口コミなどを見ると、「小豆の賞味期限が1年前だったけど食べたら美味しかった」という声が多数ありますが、誰にでもあてはまるとは限りません。
缶詰は腐らない!?
茹で小豆の缶詰の賞味期限は3年に設定されていましたが…。実は、「100年以上前の缶詰を開けてみたら、食べられた」という1938年の記録(イギリス)があります!
缶詰は、缶に食品を入れたあとに加熱殺菌をするため、中が無菌状態になります。
無菌状態なうえに完全に密閉することで、薬剤を使わなくても、空気や湿気の影響も受けずに食品が腐らないというわけです。
実際に、『日本缶詰びん詰レトルト協会』の方がインタビューを受けて、「缶詰は理論上腐らない」と明言しています。ただし、これは缶詰にとって問題がない場合に限ります!
高温の場所に置き続ける、缶詰めに穴が開いているなどの場合は期限に関係なく腐るので、缶詰の状態や保存環境に気をつけてくださいね。
上記のことをまとめると、市販品の賞味期限については、下記のように考えていただけるとよいでしょう。
- 基本的には賞味期限内に食べきる
- 開封後などは、期限に関係なく腐る可能性がある
- 食べられるかどうかの最終判断は、期限に関係なく自分でする
では、自分で小豆を食べるかどうか判断するために、食べられない小豆の見分け方もチェックしておきたいですよね。ご一緒に確認しましょう!
小豆は腐るとどうなるの?傷んだときの見分け方や目安がコレ!
乾物の小豆は、腐るほかにも害虫被害の可能性があります。虫に気付かず食べてしまったらショックですよね!
料理前に異変に気付けるように、どんな小豆が食べられないのかを知っておきましょう。
こんな小豆は食べちゃダメ!
乾物だけではなく、調理後の小豆が腐るとどうなるのかについても、見分け方をご紹介します。
変化 | 乾物 | 調理後 |
見た目 触った感じ |
・虫がわいている ・小さいツブツブがある(虫の卵) ・穴がある(虫が食べた後) ・粉をふいている(虫が食べた後、フンなど) ・変色(劣化) ・カビ |
・糸を引いている ・粘りがある ・白い膜が貼っている ・カビ ・缶詰が膨張している |
臭い | - | ・酸っぱい臭い ・気持ち悪い臭い |
味、食感 | - | ・粘りがある ・納豆のような変な味 ・酸っぱい |
小豆につく虫の代表は『アズキゾウムシ』で、乾物の小豆に卵を産み付けて小豆を食べて成長します。
乾物の小豆を保存していて、1つでも見た目が変なものがあれば、すぐに取り除いてください。そして、ほかの小豆も確認して、害虫被害が広がらないよう気をつけていきましょう!
食中毒にも要注意!
調理後の腐った小豆を食べると、食中毒の症状が出る可能性があります。そのため異変を感じたら、自分の五感を信じて食べないようにしましょう。
また、小豆に食中毒菌が付着&増殖しないように、気をつける必要があります。食中毒菌は腐った場合とは違って、見た目・臭い・味が変化しないものがほとんどです。
過去には、実際に小豆が原因の食中毒事件が起きているので、ご紹介します。
2001年、熊本市内の幼稚園で餅つき会が行われ、餅を食べた園児・職員等350人近くに食中毒症状が出ました。
原因菌は、あんこに付着したセレウス菌で、小豆を煮たあとに1日常温で放置したために起きた食中毒事件です。
家庭でも同じような事態が起きるのを防ぐために、下記の3点に注意していただけると幸いです。
- 菌をつけない(手、調理器具、調理環境を清潔にする)
- 菌を増やさない(冷やして保存)
- 菌を死滅させる(しっかり加熱)
小豆を正しく調理&保存することは、長持ちさせるだけではなく安全に食べるためにも必要なことなんですね。
より安全に小豆を食べるために、最後に小豆の保存方法を確認したいと思います。
小豆の正しい保存方法!冷蔵や冷凍するときのポイントは?
食中毒事件の例でもあったように、小豆を煮て「粗熱を取るまでなら」と常温放置すると、短時間でも食中毒菌が増殖してしまう可能性があります。
ですから、乾物の状態から調理後まで、油断せずに取り扱っていきましょう!
乾物の正しい保存方法
乾物の小豆を保存するポイントは2つです。
- 固い容器に入れる
- 密閉する
害虫は、ビニール袋のように柔らかい素材は食いちぎって侵入します。また、どんなに小さくてもすき間があれば侵入可能です。
そのため、小豆を保存する際は、瓶やタッパーなど硬くて密閉性の高い容器を選んでくださいね。
そして、保存場所は下記のような所が最適です。
- 直射日光が当たらない場所
- 風通しがいい場所
- 高温ではない場所
乾物の小豆は寒さに強いので、長期保存する場合は冷凍庫に入れてもOKです。
調理後の小豆を冷蔵庫で保存する方法
調理後の小豆は、下記のように保存なさってください。
- 調理後すぐに小分けにするなどして粗熱を取る
- タッパーに入れてなるべく早く冷蔵庫に入れる
- タッパーのフタに水滴がついたら拭き取る
- 清潔なスプーンなどで取り分ける
- 使わない分はすぐに冷蔵庫に戻す
2~3日で食べ切る分は冷蔵庫保存でOKなのですが、食べきれないと分かっている分は、早めに冷凍するのがおすすめです。
調理後の小豆を冷凍保存する方法
加熱した小豆は、でんぷんやたんぱく質が上手に作用し合った状態になり、凍らせてもホクホクとした食感が劣化しないので、たくさん作って冷凍しておくのもいいですね!
サラダなどで食べるなら、ゆで汁を捨ててもいいのですが、煮物やスープにする場合はゆで汁も一緒に冷凍しましょう。
- 1回食べる分ずつ、ジップつきの保存袋に入れる
- 小豆を平らにして、空気を抜いて密閉
- 冷凍庫に入れる
なるべく早く凍らせるほうが安全なので、金属製のトレーがあれば活用してくださいね。
冷凍した小豆は、ゆっくり自然解凍しても急いでレンジで解凍しても、風味に違いがないことが『日本豆類協会』のホームページで公表されています。
100gほどの小豆であれば、600Wで1分ほどを目安に解凍なさってください。
まとめ
我が家で賞味期限が不明の小豆を発見したことをきっかけに、小豆を安全に食べきる方法をご紹介してきました。
最後にポイントをまとめてみます!
- 乾物の小豆の賞味期限は2~3年。市販の調理後の小豆も賞味期限が長い
- 手作りで小豆を調理した場合の日持ちは冷蔵庫で数日。保存は冷凍が向いている
- 賞味期限切れの小豆は食べられる可能性があるが、実際の状態は五感で慎重に判断する
- 乾物の小豆は害虫被害に要注意
- 調理後の小豆は見た目、臭いなどで腐っているかどうかを見分ける
- 見た目などが変化しない食中毒菌にも注意が必要
- 乾物の小豆は固い容器に密閉して保存。寒さに強いので冷凍保存OK
- 調理後の小豆は冷凍しても風味が劣化しない
乾物や缶詰の小豆は、基本的に賞味期限が長いことがわかったので、今回知った情報を参考に、我が家の小豆もチェックしてみました。
すると、見た目は害虫被害などがなかったのですが、水で戻しても膨らまず、試しに煮てみても柔らかくなりませんでした。
食品メーカーのホームページや、口コミなどの情報を実体験できました!
今回は、小豆が原因の食中毒や害虫被害の情報が衝撃でしたが、予防法も確認できたので、しっかり守っていきたいと思います。
小豆を安全に美味しく食べ切るために、ご紹介した情報を参考になさってみてくださいね!