【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
先日購入したばかりのミニトマトに白い斑点を見つけて、白いカビかと思ったのですが、どうも違うよう。
臭いも大丈夫だし、ブヨブヨにもなっていないので食べられるのでは?という状態です。
以前実の中に白い線のようなのを見つけた時は、その個所を切って食べた記憶がありますが、問題はなかったです。
しかし、もしかするとミニトマトの病気かもしれませんし、食べられるのかどうかはわかりません。
そこで、ミニトマトが白くなる原因や食べられるかどうかを調べてみることにしました。
- 白い斑点や黒い斑点のあるミニトマトは食べられる?
- 茎から白いとげのようなものが出てきたけど大丈夫?
- 白や茶色に変色してしまう原因
- 家庭菜園で上手に育てるコツ
- 腐って食べられないミニトマトの特徴
調べてみると、白い粉や白い筋、白い模様など色々な状態があるようですが、これらは全て食べられるのでしょうか?
また、茶色い斑点など茶色や黒色に変色している場合も解説します。
実の症状だけでなく、茎や葉などの症状も説明するので、ミニトマトを家庭菜園で育てている人にも役に立ちますよ。
腐っている状態も説明するので、ミニトマトを食べても大丈夫かどうかきちんと判断できるようになります。ぜひ確認してみてくださいね。
管理栄養士・栄養士
目次
ミニトマトに白い模様や斑点が出たけど食べられる?実・茎・葉ごとに解説!
ミニトマトに白い模様や斑点がつく原因は様々ですが、共通して言えることは「食べられる」ということです。
ただし、程度によっては食べない方がよい場合もありますし、味は落ちているので加熱した方が良いようです。
とはいえ、なぜ白くなるのかは気になりますよね?
ミニトマトが白くなってしまう原因を、実や茎ごとに解説します。
ミニトマトの実に白い斑点がつく原因とは?
ミニトマトの実の表面に白い模様のような斑点が付くのは、「カビ」や「害虫」「細菌」などが原因です。
これらにより傷んだり病気になってしまい、白い状態になってしまいます。
種類は実に様々なのですが、代表的なものをご紹介しますね。
トマトかいよう病
トマトがかかる病気の1つで、実だけでなく茎や葉に症状が出ることも。
実に症状が出る場合、薄茶色の斑点が先に出て、その周りを囲むように白い水膨れのような斑点になります。
ようやく涼しくなりトマトが穫れるようになったが斑点病、もしくは斑点細菌病?がきつい(葉の茶色の所)農薬の効果も薄いし殺菌、治療は難しいなぁ pic.twitter.com/eu7FfzYTCW
— ハイスピードワラキア(ハイスピ、ワラキア) (@highspeedwara) October 28, 2017
灰色かび病
灰色っぽいカビが繁殖して起こる病気です。
実に症状が出た時に白くなるのですが、表面に丸くて白い縁だけ残ることが多いため「ゴーストスポット」と呼ばれることもあります。
そう多いのよ、トマトのゴーストが。
くまさんに「おぞいトマト」って言われたよ…知ってるよ1ヶ月前から知ってる…ゴーストスポットって幼いトマトが灰色カビと戦って腐らず生き残った証なんだぜ…売価ガックリ下がるけど…ああ、おぞいって飛騨弁で悪いとか汚いとかって意味 pic.twitter.com/KhCCmUcrUz
— あきら (@af_khaos) October 8, 2018
害虫の食害痕
害虫の中でも、アザミウスという虫が実の汁を吸ったりすると、白い粒のような斑点ができることがあります。
また、実に産卵して白く膨れ上がると「白ぶくれ症」という白い模様のような状態になってしまいます。
そのほかカメムシなどの被害もあり、表面だけでなく中身も白い場合があります。
皮の内側に白い線のようになる場合もあるようです。
このように実が白くなる場合だけでなく、茎や葉などに白い斑点が付く場合もあります。
また、家庭菜園でミニトマトを育てていると、クモの巣のような糸が絡みついている場合もありますが、これはハダニが原因なので早めに駆除しましょう。
ベランダでは、野菜の栽培は、難しい。ミニトマトは、油断してたらハダニにやられました。 pic.twitter.com/HxihoN0Tbl
— 大熊猫 (@daxiongmao7) July 15, 2019
茎や葉に白い模様がつく原因
ミニトマトを家庭菜園で育てている場合などは、葉や茎に白い模様が出てくると心配ですよね。
こちらも代表的なものの原因をご紹介していきます。
葉に白い模様がある
葉に白い模様が付いている場合は、「うどんこ病」が考えられます。
白い粉を振ったような白い点々が広がることから名付けられた、カビが原因の病気です。
害虫被害も多く、葉に白い筋が付く場合は、「トマトハモグリバエ」という害虫が原因です。
その他、「タバココナジラミ」という白い小さい虫が葉の裏側に付いたりもするので、早めの駆除が必要になります。
※白い虫の駆除の仕方などは「ミニトマトを病気から守る方法!家庭菜園で栽培するコツは?」で説明します。
茎やヘタに白い模様がある
茎に白いぶつぶつしたトゲがのようなものは伸びてくるのは「気根」と言って表面上に出てきた根です。
トマトの気根きも!
きもー!!(*´∀`) pic.twitter.com/GlZvtuSwfM
— 腐臭加齢臭死臭 (@vataneko1127) August 12, 2016
白いとげのような気根が出ても問題ありませんが、土から水分や養分を十分に吸い上げられない状態ですので、環境を改善した方が良いかもしれません。
また、茎や葉、実にも白い毛が付くことがありますが、これは「トライコーム」と呼ばれるもので、全く害はありません。
むしろ、日光の調整や乾燥・害虫を防いでくれるので、喜ばしい状態です。
ヘタに白いふわふわしたものが付く場合がありますが、これはカビの可能性が高いです。
ヘタが一番カビが付きやすい箇所になるので、気を付けましょう。
このように、白いトゲや白い毛なら問題はありませんが、白いカビは気を付けましょう。
食害はないようですが、あまり気持ち良いものではありませんし、食べない方が無難です。
え…待って…トマト…カビ… pic.twitter.com/6J8Sc6ErUc
— モト (@antonio_jefe_) January 27, 2015
こんな風に白い綿みたいになってしまったのは、もうアウトですね。
白い模様は食べても問題ないとわかりましたが、やはり切り取って食べるという意見が大半でした。
それでは白ではなく、茶色や黒色に変色した場合はどうなのか、確認していきましょう。
ミニトマトに茶色い変色や斑点があるときは食べても大丈夫?黒い場合は?
ミニトマトは白い斑点だけでなく、茶色い斑点が実についていることがあります。
これも白い斑点と同様、虫などが原因で起こることが多く、食べても大丈夫です。
ミニトマト収穫
これは病気かな❔
虫の仕業かな❔
オレンジ色で斑点付いてる pic.twitter.com/BcawmSQWhj— なみえ (@sinkishuunouman) September 5, 2017
私はそのまま食べてしまいますが、子供は嫌がって食べてくれません。
茶色の斑点が気になる場合は、皮を剥いたり、加熱料理に使うといいかもしれませんね。
ただし、お尻の部分が茶色や黒に変色している場合は「尻腐病」の可能性が高いです。
ちなに規格外トマトってこんな感じ 時期的に尻腐れ・灰カビ跡で出荷できないのが増える。断面はなんてことない、この程度内側が死んでるだけなので切り取れば全く影響なく、そしてなぜか尻腐れは食うとうまい。これはトマト農家みんな知ってる裏知識(たぶん)。
— タタミン (@tatamin_ttmn) September 30, 2019
尻腐病は水やカルシウム不足で起こる状態なので、黒い部分を除けば食べても大丈夫です。
画像よりももっと大幅に黒い場合もありますが、食べられるとは驚きですね!
また、お尻部分ではない実の部分に黒い穴のような跡がある場合は、「黒斑病」が考えられます。
こちらも黒い部分を除けば食べられるようですね。
このように、実が茶色や黒い場合はその部分を取り除けば食べられますが、葉や茎が茶色く変色している場合はどうでしょうか?
茎や葉が茶色い場合
ミニトマトを栽培していると、葉に茶色の斑点ができたり、葉先が枯れるということはよく起こります。
これらはカビや害虫などで病気になるためもあれば、栽培環境が影響してくることもあります。
原因1.カビや害虫による病気
ミニトマトの葉の裏側にカビが生えていると、茶色い斑点が出てくることがあります。
また、灰色カビ病の影響で葉や茎、ヘタが茶色くなる場合もあります。
茶色の粉が葉に付いている場合は、ダニが考えられますね。
茎が茶色かったり黒い斑点が出ている場合も、黒斑病などの疫病が考えられますので、対処が必要です。
現在栽培中のトマト、黒斑病と言う症状が発生。今日だけで6本確認!
成長中の他の苗に伝染する前に撤去。
病気が出るのは仕方がないですが、無農薬栽培の為、消毒はしていないのです。この所の低温や雨の影響かね〜 pic.twitter.com/SaDq0NVEQM
— 大崎耕土・田尻の木戸野菜 (@juns_agri_heart) June 13, 2018
原因2.栄養不足や環境の影響
葉先が枯れるような場合や、茎全体が黒くなっている場合は、栽培環境の問題もあるかもしれません。
カルシウムやカリウムなど栄養分の不足、乾燥、温度などが原因で茶色や黒く変色する場合があるようです。
このように、葉や茎に変色が見られた場合は対処しないと枯れてしまう場合もあるので、次にご紹介する家庭菜園のコツも確認しておきましょう!
ミニトマトを病気から守る方法!家庭菜園で栽培するコツは?
家庭菜園でミニトマトを栽培する場合は、病気などに注意する必要があると分かりましたね。
それでは具体的にどのように栽培すると良いのか、具体的に説明していきます。
ミニトマトの栽培方法と上手に栽培する方法
ミニトマトは地面だけでなく、プランターでも栽培できるので、初心者にもおすすめです。
まずは基本の栽培方法を簡単にご紹介します。
ミニトマトの栽培方法
- 苗を購入する
種から育てるのは大変なので苗がおすすめ。温かくなる5月上旬頃だと育てやすいです。 - 苗を植える
支柱を立ててしっかり根付かせ、防寒対策を施します。 - 枝を誘引し、整枝する
つるを1~3本仕立てにしてひもで支柱に固定しながら誘引します。
わき芽はハサミを使わず、手で自然に折り取れる時期に早めに取っておきます。 - 害虫対策をする
薬剤などを使って害虫対策をしておきます。 - 収穫する
開花から50日程度で収穫できるようになります。
基本は上記のような流れですが、上手に栽培するには以下の点に注意してみてください。
上手に栽培するコツ
- 実が付くまで肥料は控えめにする
- きちんと整枝する
- 水やりはしっかりとする
実が付く前に肥料を与え過ぎると、葉や茎に栄養が取られてしまい、実がうまく育ちません。
一番花に実が付いてから、肥料を十分に与えるようにしましょう。
風通しや日当たりのためにも、整枝は必ず行いましょうね。
水が少ない方がトマトが甘くなるという意見もありますが、水は成長に不可欠なので適度に与える必要があります。
また、葉や茎、実などが病気になってしまった場合は、健康なものにうつってしまう前にすぐに取り除きましょう。
続いて、代表的な病気の対策方法を具体的に説明していきます。
ミニトマトを病害虫から防ぐ方法
病気などを伏防ぐためにも、害虫対策は必須ですね。
病気が発生してしまうと取り除くのが大変なので、定植して約1ヶ月を過ぎたら、薬剤を予防散布すると良いです。
薬剤を使用するのは共通として、よくある病気を予防するためのポイントを説明していきます。
灰色カビ病
カビが原因なので、湿度調整が大切です。
- 多湿にならないように注意する
- 発病した実や葉などは取り除き、他に伝染しないようにする
- 薬剤を散布する
湿度が高いと胞子が増殖し、その後乾燥すると胞子が飛散して伝染を繰り返してしまいます。
早めの発見と薬剤での除去を心がけてくださいね。
うどんこ病
高温多湿の環境にならないよう気を付けましょう。
温度が20~25℃、湿度が40~90%の状況下で発生しやすくなります。
- 日当たりと風通しを良くしておくこと
- きちんと整枝する
- できれば薬剤を散布
葉カビ病
高温(20~25℃)や多湿、肥料不足により起こることが多いです。
- 水をやり過ぎない
- 密植しない
- 喚起をして湿度が高くならないように注意
- 肥料不足に気を付ける
ほか、疫病なども高温多湿が原因になることが多いようです。
喚起を良くしたり整枝をしておくと良いでしょう。
肥料不足により病気になる場合もありますので、水や肥料は適度に与えましょうね。
また、病気になる前に薬剤を散布して、防除しておくと効果的ですよ。
実や葉が多少「白や茶色に変色しても食べられる」と分かりましたが、それでは食べられないのはどんな状態なのかも気になりますよね。
そこで最後に、ミニトマトが腐って食べられない状態も解説しておきます。
ミニトマトは腐るとどうなるの?食べられるかどうかの判断基準を紹介!
ミニトマトが腐って食べられない場合はどのような状態なのでしょうか?
賞味期限などが付いているわけではないので、食べられるかは自分で判断する必要がありますね。
ミニトマトが腐っているかどうかの見分け方は、以下を参考にしてみてください。
- 異様な臭いがする
- 崩れるほどドロドロに溶けている
- 汁が出る
- 黒や白のカビが生えている
- 味に違和感がある
- 赤やオレンジに変色している
先ほどご紹介したように、全体的に白い綿のようになっている白カビや黒カビが発生してる場合は食べないようにしましょう。
カビ臭さや異臭などがないかも参考にしましょう。
そのほか、溶けているように柔らかくなってしまったものも食べられません。
また、割れてしまったトマトにはカビが生えることが多いので、他にうつる前に処分する方が無難です。
しかし、「ちょっとシワシワ」という程度なら食べられます!
生食が不安なら、加熱調理して食べるのもおすすめですよ。
まとめ
ミニトマトに白や茶色、黒い斑点がある場合について詳しく解説してきました。ポイントをまとめます。
- 白や茶色、黒い斑点があるミニトマトは食べられる
- 変色部分は取り除き、加熱調理して食べるとより安心
- 変色する原因はカビや害虫などによる病気や栄養不足
- 家庭菜園の場合は高温多湿に注意して薬剤を予防散布すると良い
- 異臭やカビ、溶けているミニトマトは腐っていて食べられない
白や茶色の斑点は食べても大丈夫なんですね!
多少の茶色い斑点なら大丈夫だと思っていましたが、白い斑点は食べられないと思っていたので驚きです。
病気と聞いたら食べられないイメージがありますが、きちんと除去してあげれば食べることができるんですね。
子供には加熱調理であげるようにしたいと思います。
皆さんもこれらの情報を上手に活用して、ミニトマトを無駄にすることなく消費しましょう!