【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
子どもの朝ごはんやおやつに便利なので、我が家ではバナナを常備しています。
でも、バナナを1房食べきるころには黒く変色したり、茎の根元の部分に白いカビが生えてしまうのです。
子どもや赤ちゃんに食べさせることが多いので、真っ黒になったりカビが生えたものを使って良いのかどうか不安です。
そこで、カビが生えたバナナについて次のような項目について調べてみました!
- 白いカビが生えても食べられる?食べる時の対処法
- 緑色や真っ黒でも食べられると判断できる目安一覧表
- 腐るとこうなる!食べられない状態の特徴
- カビずに長持ちする正しい保存方法とは?水洗いのメリット
カビのにおいも気になるので、皮をむいても中までカビが侵食しているのでは…と心配になることがあります。
食べても大丈夫なのか不安な場合に、対処法があるのかも調べましたのでご紹介しますね!
スーパーで特売だと買いたくなってしまうバナナ…長持ちさせられる正しい保存方法を知れば、少しなら買い置きも可能かもしれません。
是非最後までお読みいただき、バナナを最後までおいしく食べられるようになってくださいね♪
管理栄養士・栄養士
目次
バナナの房に白いカビが生えたけど食べられるの?対処法はコレ!
私がよくやってしまうような、バナナの軸がつながっている茎の切り口部分が白くなることは比較的多いようです。
買ってきてすぐに白いカビが生えてしまった時など、1房丸ごとダメになってしまったのか…とショックを受けてしまいますよね。
そういえば昨日白くてフサフサしたカビがはえてるバナナ見付けた😎🍌 pic.twitter.com/CKphJDWmDX
— さかもとゆうな (@yunimelooooo) September 12, 2014
ちょっとこのカビはフサフサしすぎているような気がしますが…
ここまでフワフワの立派なカビでなくても、ヘタの根元の部分が白くなってしまった経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?
カビが生えていると、そのバナナ全体がカビに侵されているような気がして「食べるのが怖い」と感じるかもしれませんが、カビが生えているのが茎の根元や付け根だけで皮をむいた中身がきれいな状態であれば、問題なく食べられるのです!
基本的にカビが繁殖するためには、
- 栄養分
- 酸素
- 温度
- 湿度
が必要ですが、バナナの果肉の部分には酸素が不足しているので、カビが繁殖しにくい環境なのです!
目に見えない菌糸が中身まで伸びているのでは…と思うかもしれませんが、なにせ生きにくい環境なので菌糸もほとんどありません。
気になる場合は、根元に近い部分を少し切り落として食べると良いでしょう。
もちろん、根元ではなく皮の大部分がカビていたり、実に何か変化があるなら食べないほうが良い可能性もあります。
食べられないバナナの状態は、「バナナは腐るとどうなるの?」の章で解説しますので、後ほどしっかりご確認くださいね!
赤ちゃんがカビの部分を舐めてしまった…!大丈夫?
離乳食の初期から与え、加熱しなくても食べさせられるバナナは、赤ちゃんにとっても身近な食べ物ですよね。
食べさせようと用意していたバナナを赤ちゃんが皮ごとパクっと口に入れていて、よく見ると先端にカビが…!!なんてことも起こりがちです。
赤ちゃんがカビを口に入れてしまったとなるととても心配ですが、絶対に健康被害が出るとは限りません。
そもそもカビは味噌や納豆、チーズなど、私たちが普段口にする食品に有効活用されているものも多く、すべてに毒性があるわけではありません。
そして、食べてしまったとしても胃酸が退治してくれる可能性が高いのです。
少量のカビを赤ちゃんが口にしてしまった場合、慌てず様子を観察することが大切です。
下痢や嘔吐などの症状が出れば受診することをおすすめしますが、何も変化がなければしばらく様子を見ましょう。
ただ、赤ちゃんの場合それがアレルギーの原因となる可能性もありますので、下痢嘔吐以外の変化にも注意してあげてくださいね。
バナナの付け根がカビるのはなぜ?簡単な対処法は?
バナナは枝がつながった付け根の部分が腐ることが多いですよね。
ちなみにこの茎がつながった部分をクラウン(王冠)と呼ぶそうです。
なぜクラウンの部分が腐りやすいのか…それには先ほども解説したカビが繁殖する条件が関係します。
外側の表面は酸素に触れていますので、中身よりカビが繁殖するリスクが高くなりますよね。
なかでも本来栄養の通り道だった茎や軸の部分は、切り落とした後空気が入り込みやすくなるので腐りやすくなると考えられます。
でも、輸入バナナは輸送時間が長くなるため、比較的高い確率で防カビ剤が使われています。
防カビ剤は収穫後に腐敗などを防止するために使用する「食品添加物」なので、「農薬」とは違い、使用も認められているんですよ。ちなみに使用した場合は記載が義務付けられています。
防カビ剤が使われているにも関わらずカビてしまうのは、防ぎきれないほどカビやすい環境だから…という事になります。
少しでもカビるのを防ぐには、スーパーなどで買ってきた際のビニール袋から取り出し、風通しの良い場所で保管しましょう!
袋に入ったままだと蒸れるので、カビの繁殖に必要な湿気が多くなります。
とても簡単な対処法なので、買ってきたら袋から出すように注意しましょうね!
白いカビが生えたバナナが食べられるかどうかはわかりましたが、皮が黒くなったり緑色のバナナは食べても大丈夫なのでしょうか?
続いては緑色・赤色・真っ黒のバナナを食べても良いのかどうかについて解説します。
しっかり読んでいただき、食べられるものは捨てずに、そして食べられないものを食べてお腹を壊さないようになさってくださいね!
緑色・赤色・真っ黒のバナナ!これって食べても大丈夫なの?
黄色のイメージが強いバナナですが、緑色や黒など、さまざまに変色します。
色や状態と、理由、食べられるかどうかを、まず一覧表で解説しますのでご確認くださいね!
バナナの色・状態 | 理由 | 食べられるかどうか |
全体的に緑色で固い | 未熟 | 追熟させれば食べられる |
皮の一部が緑、白いカビのようなものがある | カビの可能性がある | 食べないほうが良い |
皮に赤や赤褐色の部分がある | ・皮同士の接触により表皮に障害が出る ・産地の土質 ・「アザミウマ」という害虫による食害 |
中に影響がなければ食べられる |
黄色にならず真っ黒になる | 低温障害 | 食べられるが完熟していないのでおいしくない |
中身が黒ずんでいる(固い) | 木化 | 食べても問題ないがおいしくない |
中身が黒ずんでいる(固くない) | 何らかの衝撃でポリフェノールが酸化している | 食べられる |
全面に緑や黒の柄や斑点がある | 生育段階の温度差による生理現象 | 食べられる |
全面に黒の斑点がある | シュガースポット | 食べ頃 |
全体的に、変色が見られても食べられることが多いですが、一部が緑に変色し、さらに白いカビのようなものが見られる場合は食べないほうが賢明です。
カビの可能性が示唆されますが、残念ながらカビの種類などは不明なので、念のため避けましょう。
中身の変色も、黒ずんでいるのは酸化したポリフェノールである可能性が高いので、食べても問題ありません。
ポリフェノールの酸化による実の黒ずみや中身が固くなっている木化は、外から見て判別ができない為、どうしてもまぎれることがあるようです。
未熟なバナナが売られている理由
全体的に緑で固いものは未熟な証です。
どうして未熟なものが売られているのだろう…と思われるかもしれませんが、基本的にバナナは緑色の未熟なうちに収穫し、人為的に追熟させています。
スーパーなどに並んでいるものも、完熟の手前で出荷され、しばらくしてから食べごろを迎えるように計算されているのです。
まだ緑色の未熟なバナナを買ってきた場合は、追熟が進むように常温で保管してください。
全体が黄色くなり黒い斑点がポツポツと出れば、食べ頃のサイン「シュガースポット」なので、おいしく食べられますよ!
追熟に必要な気温は13度以上とされているので、冬場で気温が低すぎる時などは新聞紙やタオルでくるむなどして保温し、暖房が入っている部屋で保管すると良いでしょう。
追熟するつもりでしばらく置いておいたら熟しすぎて腐っているかもしれない…なんて経験があるのは私だけじゃないですよね!
次章ではバナナが腐るとどうなるのかを解説しますので、良く読んで見分けられるようになってくださいね。
バナナは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
バナナは腐るとどうなるのでしょうか?熟しているのか腐っているのか判断が難しいバナナですが、どのように見分ければよいのでしょうか。
腐ったバナナの特徴を以下にまとめますので、判断の材料にしてくださいね。
- 明らかに異様と感じる臭いがする
- 皮がむけないほどドロドロに溶けている
- 果肉が茶色く変色している
- 汁が出ている
- 食べると舌がピリピリする
いくら熟すと柔らかくなるとは言え、皮がむけないほど柔らかいものは食べないほうが良いですね。
真っ黒くなったバナナを食べたので、腹痛で倒れている私です!みんな!無理は禁物!
— ななぷりん🐈95cmhsbいます (@7rpin) August 26, 2019
おそらくこの方が食べたバナナは、熟しすぎを通り越して腐っていたのではないでしょうか。
腐ったバナナを食べて健康被害が出る場合もありますので、注意してくださいね!
また、「2,4,6-トリクロロアニソール(2,4,6-TCA)」と言う防腐剤が原因で、カビていないバナナからカビ臭さを感じることもあるようです。
2,4,6-TCAによってカビ臭さを感じるのはバナナに限ったことではなく、ミネラルウォーターやワインのクレームの原因にもなるそうです。
特定のメーカーのバナナから、いつもカビ臭さを感じるような場合は防腐剤が使われているのかもしれませんね。
カビが原因の病気でバナナが絶滅の危機に瀕している!
買ってきたバナナが熟しすぎて腐るのとは違いますが、バナナの木自体を腐らせる病気があります。
カビの一種が原因の「パナマ病」と言う病気で、過去には当時主流の品種であった「グロスミシェル種」が絶滅状態に追い込まれたこともあります。
パナマ病にかかってしまうと、バナナの幹が黒ずんでカビたり、木が枯れてしまうのですが、株分けで増やすバナナは、同じ品種のすべての木が同じ遺伝子を持っているので、「パナマ病に弱い」特徴もすべての木に共通しているのです。
現在主流の品種である「キャベンディッシュ種」はパナマ病に強い品種ですが、1990年代にはキャベンディッシュ種も感染する「新パナマ病」が発見されました!
フィリピン最大のバナナ産地であるミンダナオ島では、島内の5分の1のバナナが感染しているとも言われ、危機感が強くなっています。
新パナマ病に感染したバナナを食べても人体に影響はないそうですが、原因菌に強い新しい品種が開発されなければ、将来バナナが食卓から消えてしまう…なんてことも、起こり得るかもしれませんね。
最後にバナナの正しい保存方法について解説します。
長持ちのコツもご紹介しますので、長持ちさせて最後まで使い切りましょうね♪
バナナのカビを防止する保存方法!長持ちさせるコツも紹介
バナナのカビを防止して長持ちさせるためには、どのように保存すればよいのでしょうか?
基本的な保存方法は次の通りとなります。
追熟させたい場合 | ・適温は15~20℃なので常温保存 ・買ってきたビニールから出して風通しを良くする ・直射日光を避ける |
これ以上熟させたくない場合 | ・冷蔵庫の野菜室で保存する ・房から分けて一本ずつ新聞紙かラップやポリ袋で包む |
夏場は気温が高く、あっとゆう間に熟してしまいます。
シュガースポットが出たバナナがそのまま熟し続けると、食べ頃を超えてカビたり腐ったりしてしまいます。
カビるのを防ぐには、バナナスタンドで保存するとバナナがテーブルやお皿と接する面が減り、風通しが良くなり効果的です。
こんなにかわいいバナナスタンドもあるなんて…!でも、バナナスタンドで保存したからと言って、追熟が止まるわけではありません。
熟した状態のバナナをもう少し長持ちさせたい…と考える場合は、冷蔵庫の野菜室で保存すると良いでしょう。
その際、新聞紙やラップ・ポリ袋で包んでください。
バナナや野菜・果物が熟すのはエチレンガスの影響ですが、そのエチレンガスは野菜や果物自身から発生しているのです。
野菜室にそのまま入れると、他の野菜から出るエチレンガスの影響を受けてしまいます。
新聞紙などで包むのは、それを防ぎ、乾燥からもバナナを守る役割も果たしてくれるので、一手間を惜しまないようにしましょうね。
ただし、野菜室に入れたからと言って劇的に長持ちするわけではありません。
数日~一週間ほど食べごろをキープできる程度とお考えいただき、それ以上長持ちさせたい場合には冷凍保存がおすすめです!
バナナの冷凍保存方法
バナナは冷凍保存すれば、1ヶ月程の日持ちが期待できます。
冷凍方法も1つではありません!
バナナの形状 | 保存方法 |
一本丸ごと | 皮をむいてラップに包み、密閉袋に入れる |
スライス | 重ならないように密閉容器や袋に入れる |
ペースト状 | 密閉袋に入れて平らにのばす |
冷凍したバナナは解凍すると食感が変わりますので、食べる時は凍ったままスムージーにしたりヨーグルトに入れて食べてくださいね。
ペースト状のものは赤ちゃんの離乳食にもお役立ちです!
パン粥にしたり、バナナパンケーキにしたり…アレンジしやすいですので、お試しください!
バナナは水洗いすると良い!?
バナナは輸入果物なので、農薬が気になる方もいらっしゃるかもしれませんね。
農薬が使われていたとしても外側の皮についているだけですし、残留農薬検査が行われて基準をクリアしたものが店頭に並んでいます。
食べても問題ありませんが、どうしても気になる場合は水洗いすると良いでしょう。
@WadjetOsaka バナナは付け根を切り落として(^^♪
農薬から身を守る こうして食べれば少しは違うhttp://t.co/ti11mLf6Mz
皮をむく、外葉を捨てる、肉は筋と脂肪を取り除く、バナナは付け根を切りおとす、旬でない農作物は避ける、流水でよく水洗いをする…— 盈月 (@mitsuki_ab) November 17, 2014
実践している方もいらっしゃいますね。
また、洗ったほうが日持ちするという情報もあります。
- 外側に付着しているカビや腐敗菌が洗い流される
- 追熟させるために吹き付けられるエチレンガスが洗い流される
このような理由が考えられるので、興味がある方は試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
白いカビが生えたバナナが食べられるかどうかや対処法、正しい保存方法や腐った時の見分け方について解説してきました。
- 茎の根元だけに白いカビがある場合、皮をむけば食べられる
- 茎の付け根部分(クラウン)はカビやすい
- 全体に緑色で固いものは未熟なので常温で追熟させる
- 果肉の一部が赤茶色に変色している場合、酸化したポリフェノールの可能性が高い
- 全体に現れる黒い斑点は、食べ頃サインのシュガースポット
- シュガースポットが出たバナナは新聞紙などに包んで野菜室で保存
- 腐ると異臭がしたりドロドロに溶ける
- 冷凍する場合は皮をむき、丸ごとラップで包み密閉袋に入れる
- スライスやペーストにして冷凍しても良い
熟したバナナも、正しく野菜室で保存すれば数日はキープできることがわかりましたので、夏場などは状態をよく見て冷蔵庫に移動させようと思います。
大きな房で買ってきて、頃合を見て冷凍するのも一つの手ですよね!
昔は高級品だった…と言われつつ、今は価格の優等生のバナナ。
これからも手軽に食べ続けられるよう、新パナマ病に勝てる方法が見つかることを祈りつつ、正しく保存して日々バナナを楽しみましょう!