【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
特売で大量にバナナを買うと、いつも食べきれなくて黒い色が目立ってくるのですが、腐るとどうなるのか見分け方がよくわかりませんよね。
バナナは熟すと皮が茶色になる「シュガースポット」が出てきますが、腐る一歩手前なのかすでに腐っているのかを判断する目安がわかりにくいものです。
そこで今回は、バナナが腐るとどうなるのか、美味しいバナナの見分け方などついて詳しく調べていきます!
この記事でわかること
- バナナの「腐る」と「熟す」の見分け方
- バナナが腐る理由
- 腐ったバナナを食べると危険な理由
- バナナの正しい保存方法
- 冷凍バナナの作り方
- 美味しいバナナの選び方
バナナを放置しすぎるとふにゃふにゃして柔らかい状態になったり、透明から白い色に近い汁のような液体が出てきたり、酸味のあるような臭いがしてきたり・・・と明らかに食べられなさそうになることも。
今回バナナについて調査していくと、”放置し過ぎて虫がわいた”なんていう情報も、飛び出してきました!
腐ったバナナを食べると腹痛を引き起こすなどの食中毒の心配もありますよね。
我が家の子どもたちもバナナが大好きなので、注意しなけければいけないと思います。
安全に美味しくバナナを食べきるために、早速ご一緒に確認していきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
腐ったバナナに要注意!熟すと腐るの見分け方は?
バナナを買ってきて常温で置いていると、茶色い斑点が出てきます。
この状態、他の果物や野菜だったら、確実に”腐っている”と判断する目安になりますが、バナナの場合は熟しているのか腐っているかを見分けるのが難しいものです。
なぜ「バナナに茶色い斑点が出ると美味しい」と言われるのでしょうか?
バナナが熟して美味しい状態の見極め方
バナナが熟して一番美味しい状態のときは、栄養価も一番高くなるといわれています。
バナナが一番美味しい時の見分け方の秘密は、バナナに出る茶色い斑点にあります。
- バナナの皮が全て黄色から茶色い斑点が出始めたときが美味しい
- 皮が厚くて触り心地が滑らかなときが美味しい
茶色い斑点は”シュガースポット”と呼ばれていて、甘さの目安になります。
とある果物農家のホームページで、バナナが熟していくまでの、糖度が紹介されていました。
バナナの状態 | 糖度 |
---|---|
日本に輸入された段階(完全な緑色) | 0.1~2.0度 |
お店に並ぶ段階(緑がかっていて、半分黄色) | 10度~18度 |
食べごろの始め(黄色で、茶色い斑点なし) | 19度~22度 |
完熟で食べごろ(茶色い斑点が所々にある) | 21度~24度 |
糖度は、果物など100gに含まれる、ショ糖(砂糖)の割合を示しているものです。
*糖度21なら、バナナ100gに21%のショ糖が含まれていることになります。
お店に並ぶ段階に比べて、完熟は2倍以上も糖度が上がっています。
美味しく感じる理由も納得ですね!
バナナは一番美味しく熟した状態を過ぎると、茶色い斑点がどんどん増えていき、皮も薄くなってきます。
”完熟→腐る”を見分ける方法をご紹介します。
腐ったバナナの見分け方
まずは”バナナを腐らせた”という実体験からご紹介します。
こんな状態になったら、”腐っていて食べられない”と判断してOKです。
臭い
- 酸っぱい臭い
- 生ゴミのような臭い
皮の見た目
- 白い色のカビが生えている
- 皮をむけないくらいにふにゃふにゃで柔らかい
果肉の状態
- 黒くなっている
- ドロドロになっている
- 汁が出ている
- 液体のようになっている
食べてみると・・・
- 苦い
- 酸っぱい
- 舌がピリピリする
バナナは、遠い国で収穫されてから私たちが食べるまで、生き続けています。
人間と同じで、バナナも、生き続けると老化していくんです!
腐る、老化、成熟は、聞いたときの印象は違っても、全て同じ意味ですよね。
バナナが成熟しきると、上記のような状態になり、人間の目で見ると”腐っている”と判断されます。
バナナに出る茶色い斑点は、少しずつ増えていきます。
腐っているか熟しているのかの見極めが、難しい時期もありますよね。
そんな時は少量だけ食べてみて、少しでも変だと感じた場合は食べないことをおすすめします。
では、バナナはどうして腐るのでしょうか?
腐ったバナナを食べたら、何か問題は起きるのでしょうか?
バナナが腐る理由とは?腐ったバナナを食べるとどうなるの?
今回バナナについて調べてみると、”腐っているかどうか微妙なバナナを食べた”という体験談は、かなり多い!
そして、皆様お腹を壊したりしています・・・。
まずはバナナが腐る理由をご紹介します。
ちょっと怖い・・・バナナが腐る理由
バナナが腐る理由は、大きく分けて2つあります。
バナナが腐る理由1. 老化
先ほど、バナナも人間と同じで老化するというお話をしました。
成熟=老化なので、実は”腐っている”と思っているのは人間だけで、バナナ自身はピュアに成長し続けているだけなんですけどね。
バナナが老化するのは、自分自身で作り出している成長ホルモン・エチレンの影響です。
生き続けているバナナは、完熟するあたりから呼吸が増加し、エチレンがその影響を受けて更に活発になります。
ということで、完熟した時から老化(腐る)は加速する!
「茶色い斑点が出てきたな~」と思ったら、あっという間に「ふにゃふにゃ・真っ黒!」という状態になる理由がわかりました。
この状態のバナナを食べても、腹痛などの症状が出ないこともあります。
バナナが腐る理由2. 腐敗菌
腐敗菌という言葉からして怖すぎます・・・。
バナナが予想以上に早く腐るのであれば、腐敗菌の影響かもしれません。
バナナの中に元々存在する微量の微生物(枯草菌や大腸菌)が増殖した可能性があります。
保存環境などの影響で微生物の増殖が早ければ、あなたのお手もとに届くころには腐る寸前!という可能性がありますね。
腐敗菌はもともとバナナの中にあるものなので、食べても何も症状が出ないことがあります。
腐ったバナナを食べると腹痛が起こる!
バナナが腐る理由が2つわかりましたが、どちらも腹痛などの症状につながるものではなかったですよね。
でも、こんな体験談が数多くあります。
この原因は、何らかの理由でバナナについた、食中毒の元になる菌を食べてしまった可能性が高いです。
バナナは、収穫してからの流通過程で、無数の人の手で触られます。
食中毒の元になる菌は、空気中にも存在するので、100%防ぐことは不可能です。
さらに、疲れているなどの理由で食べる人の免疫力が下がっていれば、症状が強く出ることがあります。
どんな食品も同じですが、食べていいかどうかは十分注意して判断し、少しでも変だと思ったら食べないようにして下さいね。
衝撃の体験!バナナに虫がわいていた
口コミの中に、衝撃的な体験談がありました。
バナナが腐る理由ではありませんが、皆様にも起こるかもしれないことなので、ご紹介させてください!
「バナナからウジ虫が湧いていた」
流通過程のどこかで、ハエの卵が付着したことが原因です。
しかもこの方、「バナナが茶色くなっていたので、取り除いて食べた。あとから茶色い部分にウジ虫を発見した」とのことでした。
お願い!そういうバナナは食べないで!
ウジ虫を食べてしまったらどうなるかを調べたところ、医療従事者などからの確かな情報は得られませんでした。
世界にはウジ虫の料理もあるそうです。
胃酸で溶けるかもしれないし・・・と思っていたところ、こんな情報を見つけました。
ニクバエの幼虫を人に飲ませた実験があるそうです。
結果には個人差があるそうですが、おう吐・下痢・腹部痙攣などの症状が出た人もいました。
大分県のホームページに、こんな情報を見つけました。
ニクバエは、主に肉類や魚類に幼虫(ウジ虫)を産み付けます。
生まれたウジ虫は、食品の中に入り込んでいき、食べる前に確認することはできません。
卵ではなく、幼虫を数十秒の速さで産んでいき、これが、O157などの病原菌を媒介する恐れがあります。
この他にも、気になる体験談を見つけることができました。
アフリカに住んでいたことがある男性の体験談です。
Tシャツにハエが卵を産み、そのTシャツを着たら卵がふ化・・・。
人間の目では発見できない程に小さい状態のウジ虫が、皮膚から体の中に侵入。
体の肉を食べて成長してしまった。
病院でそのことがわかるまで、食べられている部分の激痛で苦しんだ。
世の中には、知らないことがたくさんありますね。
ウジ虫が湧いているバナナを食べてしまった場合は、念のため病院を受診することをおすすめします。
衝撃的な話で心がザワザワしているところかと思いますが、大切なのは清潔な環境で、正しく保存することですね。
次に、バナナの保存方法を詳しくご紹介します。
バナナの保存は常温?冷蔵?正しい保存方法がコレだ!
バナナは熱帯の国で育つ果物なので寒い環境は苦手なようですよ。
バナナのブランド『甘熟王』を発売している、スミフルのホームページに、詳しい保存方法が紹介されていました。
バナナを保存する適温は15℃~20℃
バナナは13℃以下が苦手で、熟しにくくなるそうです。
熟成のサインが出たら野菜室保存がおすすめ
スミフルのホームページでは、バナナに茶色い斑点が出てきたら、冷蔵庫(野菜室)で保存することがおすすめされていました。
冷蔵庫で保存することで、追熟(=老化)を遅らせるので、常温に置いておくよりも少しだけ日持ちします。
バナナは冷蔵庫に入れると、皮がすぐに茶色く変色します。
これは低温障害による変色なので、皮をむくと、普通に食べることができます。ご安心下さいね。
バナナを置くのに最適なのは風通しが良い場所なので、人の出入りがある場所にすると良いでしょう。
バナナは衝撃に弱い果物なので、できれば次のこともお試し下さい。
バナナの置き方
バナナをぶつけると、その部分がすぐに茶色く・柔らかくなってしまいます。
他にも、テーブルなどに接している面も、同じように劣化します。
できれば、バナナスタンドに吊るしておくことをおすすめします。
バナナスタンドが無い場合は、バナナを山型にして保存すると、テーブルなどに接する面を小さくすることができますよ。
バナナスタンドは、デザインも様々です。
ご自宅のインテリアに合わせて選ぶのも楽しいですよ♪
正しいバナナの保存方法がわかったところで、新鮮で美味しいバナナを選ぶポイントをご紹介します。
新鮮でおいしいバナナの選び方とは?見るポイントはココ!
どのスーパーや八百屋さんでも、バナナは山盛りで売っていますよね。
中には、劣化が進んだバナナが混じっていることもあります。
お家に帰って美味しいバナナを食べるためには、皆様の目利きが必須ですよ!
美味しいバナナの特徴
- 色がキレイ
- 皮にハリがある
- 茎の部分がしっかりと結合している
- 見ただけで皮に弾力があることがわかる
*バナナは触ると傷んでしまいます。
お店で、皮の弾力を確かめるために触るのは、やめましょう!
バナナは栄養価が高くて、エネルギーになりやすい果物です。
アスリートが食べているというイメージもありますよね。
カリウムを多く含むバナナは、体内の塩分を排出してくれる働きもあります。
むくみが気になる妊婦さんや、血圧が高い方にもおすすめですよ!
このような栄養分は、バナナが完熟したときに最も多くなるそうです。
新鮮なバナナを手に入れて上手に保存しておき、一番美味しいときに食べたいですね。
でも、あまりにも大量に買い置きしたので、一番美味しい時を逃しそうな場合は、冷凍バナナにして保存しておくのもおすすめです。
ネットでも話題になっている、バナナの冷凍についてご紹介します。
ネットで話題沸騰中!冷凍バナナの作り方とは?
私が子供の頃、バナナに割りばしを差し込んで、冷凍庫で凍らせて食べるのが流行っていました。
友達がアレンジして、”チョコバナナアイス”にしたのを見た時は、感動したものです!
バナナを完熟で冷凍すると、一番美味しい状態で長期間保存可能と話題になっている今、冷凍方法は様々ですよ!
バナナを皮ごと冷凍する
バナナをそのまま保存袋に入れて冷凍庫に入れるだけ。
皮をむいて冷凍するよりも保存期間は短くなり、最長で、2ヶ月ほどの保存が可能です。
冷凍したまま皮をむくのは難しいので、ある程度解凍してから皮をむいて食べて下さいね。
バナナの皮をむいて冷凍する
皮ごと冷凍したバナナは、すぐに皮をむけません。
冷凍庫から出してすぐに食べられないというデメリットがあります。
そこで、皮をむいて冷凍しておくのがおすすめですよ。
最長で、3~4ヶ月の保存が可能です。
- そのままの形で冷凍OK
- 食べやすいor調理しやすい形に切って冷凍OK
バナナはすぐに酸化して、茶色く変色します。皮を向いたら手早く作業し、冷凍庫に入れて下さいね!
更に、皮をむいたバナナをラップにつつみ、軽くつぶしてから冷凍するのがもっと便利です!
冷凍庫の場所を取りませんし、そのまま食べてもOK、調理してもOKです!
冷凍したバナナは、そのまま食べると、冷たくてシャリシャリした食感も楽しめます。
スムージーなどにするときも、冷たい状態を調理するので、すぐに美味しく食べられます。
単純に”冷えたバナナが食べたい”というときは、2~3時間冷凍庫に入れておくとしっかり冷えます。是非お試し下さいね!
まとめ
バナナについて詳しくご紹介してきました。
腐る・熟れるの見分け方や、保存方法などが詳しくわかりましたね!
ポイントをまとめてみます。
- バナナは茶色い斑点が出始めた時が一番美味しい
- 茶色い斑点が増えてくると腐っていく
- バナナが腐る理由は老化と腐敗菌
- バナナで体に異変が出るのはバナナに付着した食中毒菌が原因
- バナナは基本的に常温で保存
- 茶色い斑点が出たら冷蔵庫(野菜室)に入れるのがおすすめ
- 新鮮なバナナを選んで完熟で食べると体にもいい
- バナナは冷凍すると一番美味しい状態を数ヶ月保てる
よくスーパーで、果物や野菜を360℃よ~く見てからカゴに入れている人がいます。
これまでは、そんな人を冷たい目で見ていたところがありますが、これからは私も仲間入りしそうです。
キッチンの環境も清潔にして、安全に美味しくバナナを食べられるようにしたいと思います!