【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
先日ニュースで「天候不良により野菜が高騰」と聞いてスーパーに行くと、見事に欲しい野菜が手の出せない値段になっていました。
そこで探し出した手ごろな野菜が、豆苗です。
賞味期限が書かれていないのでどれくらいもつか分かりませんが、考えてみればいつも安定した値段&品質でスーパーに陳列されていますよね。
料理に使うと彩りもいいので、しばらくは葉物野菜や薬味の変わりに活躍してもらおうと思っています。
私は今まで豆苗を使ったことがなかったので、今回は豆苗について詳しく調べてみようと思います!
- 未開封の豆苗の賞味期限はどれくらい?保存場所別(常温・冷蔵庫・冷凍)に調査!
- 各種豆苗料理の日持ちも調査
- 豆苗が腐るとどうなる?食べられない豆苗の見分け方を紹介
- 豆苗の正しい保存方法&開封後に長持ちさせるコツ
- 豆苗の再生方法を紹介
豆苗といえば、根を残して水に浸けておくと再生すると話題になったことがありました。
我が家には野菜を育てるような陽の当たる場所がないのですが、それでも再生してくれるのでしょうか?
豆苗の再生方法やレシピもご紹介するので、最後までチェックしてみて下さい。
管理栄養士・栄養士
目次
豆苗の賞味期限は冷蔵庫や冷凍庫でいつまで?調理後の日持ちも調査!
まずは、豆苗を買ってきてからどれくらいの期間食べられるのかを確認してみます。
冒頭でもお話ししたように、豆苗には賞味期限や消費期限がいつまでかは書かれていません。
当然賞味期限切れ・消費期限切れという概念もないので、他の野菜と同じく、自分できちんと保存して、食べられるかどうかを見分ける必要がありそうですね。
豆苗の賞味期限
賞味期限は「美味しく食べられる期限」という意味なので、豆苗の美味しさが保たれる日数という意味で「賞味期限」という言葉を使いながら、
保存場所別に何日くらい日持ちするのかをご紹介します。
状況 | 保存場所 | 賞味期限 |
未開封で丸ごと | 常温 | 季節によって1日~3日 |
冷蔵庫 | 1週間 | |
冷凍 | 未開封のま丸ごとでは冷凍はできない | |
開封後にカットして | 常温 | 当日~1日 |
冷蔵庫 | 1週間~10日 | |
冷凍 | 2週間~1ヶ月 |
私も実際に豆苗を買ってきて、未開封のまま常温保存してみました。
一晩たつと袋の中に水滴がつき、2~3日で葉が伸びて変色している部分が見られました。
この状態について豆苗農家のホームページで調べると、下記のように書かれていました。
- 豆苗は袋の中でも成長を続けている
- 常温だと豆苗が育ちすぎてしまう
豆苗の袋の中に出た水滴は、生きている豆苗が呼吸をしている証拠だったんですね!
豆苗の呼吸で出た水滴が原因で腐るのが早くなるので、成長を抑えて一番美味しい状態を保つには、冷やして保存するのが良いとわかりました。
*カット後も含めて、詳しい保存方法については後ほどご紹介します。
豆苗料理の日持ち
いつでもお手頃な値段で手に入る豆苗は、作り置きできる料理があれば助かりますよね。
豆苗を調理後の日持ちも調べてみました。
豆苗料理 | 日持ち |
生をカット後 | 冷蔵庫で1週間ほど |
豆苗・もやし・きゅうりの中華サラダ | 1~2日 |
豆苗・豚バラ・にんにくの炒め物 | |
豆苗とツナのパスタ | |
豆苗ナムル | 3~5日 |
豆苗とかつお節のおひたし |
表でご紹介したのは、私が実際に豆苗を使って料理をし、冷蔵庫で保存して美味しく日持ちした日数です。
冷凍もできたのですが、解凍すると水分が抜けて見た目と食感が悪くなり、味はほとんどしませんでした。
豆苗の味や食感を楽しむのが目的なら冷凍せずに食べきるのがベストですが、保存して手軽に食べるのが目的の場合は、2週間ほどを日持ちの目安にしてみて下さい。
豆苗を実際に料理&保存してみて、下記のことがわかりました。参考になれば幸いです。
- 豆苗を加熱すると豆の青臭さが出る。時間がたつと青臭さが強くなるので、豆苗を混ぜ込んだ炒め物は保存に向かない
- 豆苗料理を保存するなら、湯通ししてから水にさらす料理が向いている
- カット後は火を通すよりも生の方が長持ちする
- 鰹節・ゴマ油など香味が強い食材は、豆の青臭さを消してくれるので豆苗と合っている
日持ちするレシピを考えるなら、加熱後に水にさらす&味の強い食材と合わせて、時間がたったときの青臭さをカバーするのがおすすめです。
豆苗は調理後よりも生の方が日持ちすることがわかりました。
では、生の豆苗を長く保存した場合してしまった場合、食べられるかどうかはどうやって判断すればいいのでしょうか?
豆苗が腐るとどうなるのかを、ご一緒に確認してみましょう!
豆苗は腐るとどうなるの?傷んでいる時の見分け方や目安がコレ!
スーパーで売っている豆苗と再生させた豆苗、どちらも傷んでいるときの見分け方知りたいですよね。
生できちんと保存していれば腐るまでの日数が長い豆苗ですが、いよいよ食べられないと判断する目安をご紹介します。
見た目、触った感じ
- カビ
- 豆や葉にぬめりがある
- 未開封のパックが膨張している
- 葉が黄色に変色
- 根を触ると柔らかい
- 葉が溶けている
- 茶色い汁が出ている
臭い
- 気持ち悪い臭い
味
- 青臭さが強くて生ごみのような味
未開封のままの豆苗が腐ったら、開封した瞬間に青臭くて気持ち悪い臭いがするので、すぐに食べられないと判断できます。
冷蔵庫に入れた場合でも、いつまでも保存できるわけではありません。冷蔵庫を過信せずに状態を見極めてみて下さい!
腐った豆苗を食べると腹痛や下痢など食中毒のような症状が出る危険性があるので、少しでも違和感があったら食べないようおすすめします。
特に注意!再生した豆苗の取り扱い
豆苗の根を水に浸けておくと、葉が伸びてきて食べられます。
*再生方法については、後ほど詳しくご紹介します。
食べられるようになるまで1週間ほどかかるので、その間に”浸けていた水の劣化が原因で腐る可能性もある”と覚えておいて頂けると幸いです。
特に夏は、クーラーをつけていても常温の温度が25℃以上になる日が続きますよね。
水や豆にカビが生えた、変な臭いがしてきたなど、いつもと違う状態になったら捨てて、新しいものを買いましょう!
では次に、豆苗の正しい保存方法をご紹介します。
生で正しく保存していれば長持ちしますので、ぜひチェックしてみて下さい!
豆苗の正しい保存方法とは?開封後に長持ちさせるコツも紹介!
せっかくお手頃な値段で買ってきた豆苗です。なるべく長持ちさせて便利に使いたいですよね。
豆苗を保存するコツを詳しくご紹介します!
豆苗を長持ちさせる保存方法
豆苗を保存する方法は3種類あります。
- 未開封のまま冷蔵庫で保存
- 開封後に冷蔵
- 開封後に冷凍
未開封のまま冷蔵庫で保存
豆苗が包装されている袋には、「機能性フィルム」と書いてあります。
生き続けている豆苗の状態を保つ機能を持った袋なので、未開封ならそのまま冷蔵庫に入れてOKです。
下記の点にご注意下さい。
- 野菜室でも冷蔵室でもOK
- 豆苗を立てて保存
*豆苗を横にすると、葉同士が重なり合って呼吸が苦しくなり、傷んでしまいます。
開封後に冷蔵
袋から豆苗を出したら、空気や湿気の影響を受けて劣化していきます。
根からカットして成長を止め、なるべく新鮮な状態を保つための保存をしましょう!
- 豆苗の葉を根からカットする
- 保存容器(ジップつきの袋にやタッパー)に葉を入れる(豆苗をぎゅうぎゅうに詰め込まないで下さい)
- 保存容器にカットした部分が浸るくらいの水を入れる
- 2~3日に1回水をかえながら冷蔵室で保存
*呼吸をなるべく抑える方が長持ちするので、温度が低い冷蔵室で保存します。
豆苗農家の方が美味しく長持ちする方法を実験した結果でも、「冷蔵室の方が鮮度を保てた」と公表されていました。
開封後に冷凍
冷凍すると食感や豆苗独特の強い味はなくなりますが、冷蔵庫よりも日持ちします。
使いきれない分は、なるべく新鮮なうちに冷凍するようおすすめします。
- 豆苗の葉を根からカットする
- 軽く洗って水けを拭き取る
- ジップつきの保存袋に入れる
- 空気を抜いて密閉し、冷凍庫に入れる
解凍せずにそのまま炒め物やスープなどに入れてOKです。
新鮮な豆苗を目利きする!
豆苗は、本来えんどう豆から出てきた葉を間引きして食べるものなので、えんどう豆を植える1~3月と収穫する4~5月の間の春が旬となります。
とはいえ、スーパーで機能性フィルムに包装されている豆苗は水耕栽培で1年中安定して収穫できるので、時季で味は変わらないかもしれません。
スーパーで売っている中でも新鮮なものと少し古いものが混ざっている場合があるので、下記を目安に目利きしてみて下さい!
- 葉が長すぎない
- 葉の色が変色していない
- 葉の色が柔らかい緑(濃い緑は成長しすぎです)
成長しすぎたものを選ぶと豆の青臭さが強くなっているので、ご注意下さいね。
最後に、豆苗の再生方法をご紹介します。
一度買ってきた根を利用して自分でまた収穫できるなんて、節約を考える主婦にとっては夢のような話です!
正しい再生方法を、ご一緒に確認しましょう!
カットした根も捨てないで!豆苗は水に浸けて増やすことができます!
買ってきた豆苗をカットするときは、再生させることも考えて葉を少し残しておくのがポイントです。
早速正しい再生方法をご紹介します。
- 豆の2センチくらい上をカットする
- 根よりも少し深さのある容器を用意し、根を入れる
- 根が浸るくらいの水を入れる(豆は水に浸けません)
- なるべく日当たりの良い場所に置く
- 1日2回水を取り替える
- 1週間前後で収穫可能です!
私も実際に再生させてみました。我が家では日当たりの良い場所が確保できなかったのですが、この方法で1~2回再生できました。
3回目も葉は出てきますが、弱々しくて”もう成長できないんだな”と見た目でわかるような状態でした。
豆苗を再生させて安全に食べるには、水を清潔に保つのが大切です。
夏場は水が腐りやすくなるので、気づいたときに水替えをして再生させてみて下さい!
まとめ
豆苗がどれくらいの期間食べられるのかという疑問から始まり、家計が助かる再生方法まで詳しくご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- 豆苗は常温保存すると劣化が早い
- 未開封の豆苗は冷蔵庫で1週間、開封後はカットして上手に保存すれば10日ほど日持ちすることもある
- 豆苗を冷凍するならカットして保存。2週間~1ヶ月日持ちする
- 豆苗が腐ると、葉や豆の状態、臭い、味が変化する
- 豆苗は未開封なら立てて保存する
- 豆苗を開封後は呼吸を抑えるために冷蔵室で保存する
- 豆苗をカット後は根から1~2回再生可能。
- 豆苗を再生させるときは、水の衛生を保つのがポイント
豆苗が入っているのは形が整った丈夫な袋なので、私は買ってきて無造作に冷蔵庫に入れていました。
立てて保存する、冷蔵庫に入れるなど、保存のポイントを守ると豆苗を長く食べられるとわかったので、これからは冷蔵庫に豆苗の場所をしっかり確保したいと思います!
豆苗は栄養効果も高くて、中国では高級食材として大切に食べられていたそうです。
そんな食材が、お家で何回か収穫できるのも魅力的ですよね。
先ほど表でご紹介した豆苗料理のほかに、ちょっと薬味が欲しい時にも便利です。
水がえをこまめにして再生もさせながら、これから豆苗を楽しんでいきたいと思います!