【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
私は冷え性なので、一年中温かい煮物や鍋物が食べたくなります。
先日おでんが食べたくなって久しぶりに作ったのですが、次の朝に食べると、ほんのり酸っぱいような気がします。
おでんの他にもいろいろな食品が腐るとすっぱくなるのが頭に浮かびましたが、たくさん作ったので、すぐに”捨てる”と決断できません。
「いたみ始めの目安かもしれないけど、もっとグツグツ温め直せば酸味が飛んで、食べても大丈夫になる?」
などと考えてしまいました。
今回は食べられないおでんの状態や、保存場所別の日持ちなどを中心に調べてみたいと思います!
- おでんが腐るとどうなるの?わかりやすい見分け方
- 保存場所によって日持ちが変わる!常温・冷蔵・冷凍での日数を調査
- おでんの正しい保存方法。冷凍するときの注意点
- 余ったおでんのアレンジレシピ
小さい子供がいるので最終的には捨てましたが、”おでんって、こんなに日持ちしなかったっけ?”と残念でした。
もしかしたら、少し酸っぱいくらいなら食べられたのでしょうか?「腐るとこうなる!」というわかりやすい目安が知りたいです。
おでんをなるべく長持ちさせる方法や、食べきれないときに役立つアレンジレシピも一緒にご紹介していきます!
管理栄養士・栄養士
目次
おでんは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
1日目のおでんはメインのおかず、2日目以降は朝ご飯の副菜やおつまみと考えて作って、すぐに腐るとショックです。
でも、無理して食べてお腹を壊すのも嫌ですよね。
おでんが腐るとどうなるのか、見分け方を確認してみましょう!
こんなおでんは食べちゃダメ!
おでんは見た目や臭いの目安をきちんとキャッチすれば、味見をしなくても食べちゃダメと判断できます。
見た目
- 冷えたおでんの汁に炭酸のような小さい泡が浮いている
- 出汁がトロっとしている
- 白い色の膜がはっている
臭い
- 酸っぱい臭い
- 気持ち悪い臭い
味、食感
- 酸っぱい(出汁も具も)
- 粘り気がある
おでんが腐る理由は、腐敗菌が増殖するからです。
菌の中には沸騰させたくらいでは死なないものもたくさんありますので、少しでも変だと思ったら食べないのがおすすめです。
よく考えると、おでんは腐りやすい具の宝庫なんです!
- じゃがいも、こんにゃく、大根→保存中も水分が染み出してきて、細菌が増殖しやすい
- 卵、練り物→たんぱく質を栄養源にして、細菌が増殖しやすい
おでんが腐る原因となる細菌は、一般的に25℃くらいの温度が大好きです。
温かい家だと真冬の夜中でもキッチンの温度が25℃以上なんてこともあるので、常温では日持ちしないと考えておく方が安全ですね。
*おでんをすぐに腐らせない保存方法は、後ほどご紹介します。
ウエルシュ菌にも要注意
おでんのような大鍋料理は、腐る以外に食中毒菌にも注意が必要です。
臭いや味が変化しなくてもウエルシュ菌という食中毒菌が増殖している場合があるので、食べるまでおでんをしっかり管理していきましょう!
ウエルシュ菌とは?
ウエルシュ菌は動物の腸内、水の中など、どこにでもいる菌です。
空気が無い温かい場所(鍋の底の方)が好きで、一度育ち始めると強い皮を作るので、加熱しても簡単に死滅しません。
国立感染症研究所が公表している情報によると、45℃で10分ほど置いておくだけで、どんどん増殖していきます。
予防法
ウエルシュ菌を予防する方法はこちらです。
- キレイな調理器具、手指で料理する
- 肉や魚の汁がついたものは、すぐに洗う
- なるべく早く粗熱をとって、冷蔵庫に入れる
- 温め直しは食べる分だけ
ウエルシュ菌は死亡例がなくて、比較的軽い症状のケースが多い食中毒菌ですが、自分が作ったおでんで子どもが食中毒になると考えると嫌です。
後ほどご紹介する保存方法を守っていきましょう!
食べてはいけないおでんの状態や、食中毒にも注意が必要とわかりました。
次に、何日くらいなら安心して食べられるのかを調べてみます。
おでんの日持ち期間は何日?常温・冷蔵・冷凍による違いを調査!
おでんにはたくさんの具が入っているので、菌がつく・増える他に具材の劣化も心配ですよね。
冒頭でもお話ししたように、私が作ったおでんは常温で何日か置いておこうと思っていたけど、次の朝には怪しい状態になっていました。
日持ちの目安がどれくらいなのかを、保存場所別にご紹介します。
保存場所 | 日持ち |
常温 | 数時間~3日 |
冷蔵庫 | 3日~5日 |
冷凍 | 1ヶ月 |
常温の場合は、腐るまでの時間が室温によって変わります。
- 夏場でクーラーの無いキッチン:数時間で腐る可能性がアリ
- 冬で10℃以下になる時間が多いキッチン:腐るのが遅くなる可能性アリ
- 冬で10℃以下になる時間が多いキッチン:何度も温め直して保温し続ければ、早く腐る可能性アリ
どの季節でも鍋のまま一晩放置せず、なるべく早く冷蔵庫に入れると考えておくのが安全です。
ちなみに市販のおでんの期限を調べると、下記のとおりでした。
商品名 | 期限 | 引用元 |
キッコーマンソイフーズ 七彩おでん |
賞味期限:6ヶ月 | 通販HP |
おでん缶 こてんぐ | 賞味期限:3年 | 通販HP |
食品に書かれている期限は、未開封で保存方法を守った場合の日数です。
開封後は日持ちしないので、夏や冬という季節に関わらずすぐに冷蔵庫に入れて、早めに食べきって下さいね。
コンビニで冬になると登場するレジ横のおでんには賞味期限や消費期限が書かれていませんが、
「冷蔵庫で保存して何日か食べる」という口コミがありました。
明確な日持ちは保存方法などによりますが、たくさんの人が出入りする場所に置いてある食べ物です。
菌が入り込んでいる可能性が高いと考えて、必要な分だけ買ってすぐに食べきるようおすすめします。
次にご紹介するのは、いよいよおでんの保存方法です。
すぐに食べられなくなるか、作り置きしておけるかは保存方法次第!
ご一緒にしっかり確認していきましょう。
おでんの正しい保存方法とは?冷蔵や冷凍する際の注意点も解説!
常温ではすぐに傷んでしまう上に食中毒の心配があるおでんも、すぐに冷やせば数日食べられるとわかりました。
冷蔵と冷凍に分けて、おでんの正しい保存方法をご紹介します。
冷蔵 保存方法
冷蔵庫での保存には、3つのポイントがあります。
- 作ったらなるべく早く冷やす
- 清潔な容器に入れて清潔な箸で取り分ける
- 食べる分だけ温め直す
冷蔵庫で保存していても、3つのポイントを守らないとすぐに腐る可能性があるので、ご注意下さいね。
では、保存方法を具体的にご紹介します。
- おでんができたら、なるべく早く鍋から出して小分けにし、粗熱を取る(タッパーなどに小分けする)
- 清潔な容器に入れる
- 冷蔵庫に入れる
- 保存中にフタに水滴がついたら拭き取る
- 食べる分だけ清潔な箸で取り分けて温める
- 食べない分はすぐに冷蔵庫に戻す
何度もしつこいようですが、鍋ごと常温保存するのは避けて下さいね。
おでん屋さんでは、安全性だけではなく見た目もキレイに提供できる保存方法として、
大根、卵、こんにゃく、牛すじ肉、練り物など具材ごとに分けて容器に入れ、汁も別に冷蔵庫で保存するそうです。
食べるときには汁全体をよくまぜながらしっかり沸騰させ、具材を加えて温めましょう。
冷凍 保存方法
おでんを冷凍するポイントは2つです。
- 冷凍できない具がある
- 冷凍焼け、におい移りに注意
具体的な冷凍保存方法をご紹介します。
- 冷凍できない具を取り分ける(大根、豆腐、こんにゃくなど水分が多い具材と卵)
- 保存容器に入れる
- 空気を抜いて密閉し、冷凍する
冷凍できない具について
絶対に食べられないというわけではありませんが、食感が悪くなって美味しさはかなり落ちると考えておきましょう!
卵や豆腐は電子レンジで解凍するときに爆発する可能性が高いので、注意が必要です。
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おでんの日持ちを、具材別に詳しくご紹介しています。
冷凍できない食材がどう変化するかもお話ししているので、ぜひチェックしてみて下さい!
↓↓↓
おでんの日持ちは冷蔵庫や常温で何日?具材別の食べられる期間
保存容器について
なるべく早く冷凍する方が、菌の増殖の心配がなくなります。
汁と具を分けてジップつきの保存袋に入れるのがおすすめですが、汁ごとタッパーに入れても冷凍可能です。
食べるときには、下記の手順で解凍なさって下さい。
- 前日から冷蔵庫で自然解凍or保存袋のまま流水解凍
- 電子レンジか鍋で温める
冷凍は一番長く保存できる方法ですが、臭いうつりや冷凍焼けの心配があります。
臭いの強い食品の近くに置かず、1ヶ月以内に食べきるようにしましょう!
作りたての美味しさをなるべく長持ちさせるために、真空パックで冷凍保存するという手もあります。
最後に、おでんのアレンジレシピをご紹介します。
「作り置きして何回も食べるのが嫌!」という気分のときもありますよね。
味に変化をつけて、美味しく食べ切ってしまいましょう!
余ったおでんを食べ切るには?飽きたときのアレンジレシピを紹介!
おでんの味付けは、だし汁、みりん、しょうゆという感じですよね。
調味料や具材を加えるのに苦労しない和食の基本の味なので、和から洋にもアレンジ可能ですよ!
筑前煮
鶏肉、人参、れんこんなどお好みの材料をゴマ油で炒めておでんと合わせます。
みりん、しょうゆを加えて味を整えるだけで、簡単に筑前煮の出来上がりです!
こんにゃくなどおでんの具材少々と焼き鳥の缶詰をタレまで使って一緒に煮れば、お弁当のおかずも時短で作れます。
カレー
カレールウを入れるだけでもいいのですが、具と汁を別にして具を細かく切ってからカレーにすると、見た目もキレイです。
大根だけを取り出してツナを加えて、和風大根カレーにしても美味しいですよ!
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お好み焼き
お好み焼きって、たくさんの具が入っていると美味しいですよね。
おでんは具材と旨みが染み出した汁があるので、お好み焼きにピッタリです。
おでんの汁でお好み焼きの生地を作り、具を小さめに切って混ぜたら焼くだけです。
紅ショウガや揚げ玉を加えると、味にアクセントが出ます。
炊き込みご飯
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おでんの具を小さめに切って研いだお米と混ぜ、だし汁も使ってご飯を炊くだけです。
トマトを加えて炊くと酸味と旨みが加わって、洋風な炊き込みご飯になります。
トマトからかなり水分が出るので、トマトの量によって水分を0.5~1合分くらい少なくして下さいね。
グラタン
おでんの具を一口大に切って、ホワイトソースとチーズをのせて焼くだけです。
ホワイトソースは小麦粉、牛乳、チーズで作るのもいいですが、下記のようなかけるだけのホワイトソースを使うと、簡単に一品仕上がります!
おでんのアレンジは、
- 具と汁を別に使ってもOK
- 具の中から料理に合うものだけをピックアップしてもOK
- 具を加えてもOK
柔軟に考えて、色々なレシピを生み出してみましょう!
まとめ
我が家のおでんが一晩で怪しい状態になったのをきっかけに、腐るとどうなるのかや日持ちなどを詳しく調査してきました。
ポイントをまとめてみます!
- おでんが腐ると見た目や臭いでわかりやすい。温め直す前にチェックした方がいい
- おでんの日持ちは室温が高ければ数時間、冷蔵は1週間以内、冷凍は1ヶ月ほど
- おでんができたらなるべく早く粗熱をとって冷蔵庫で保存する
- 冷凍すると食感が落ちる具材があることに注意が必要
- 余ったおでんは、洋風にもアレンジ可能
おでんに異変を感じたら菌が増殖している可能性があるので、無理に温め直して食べるのはよくなかったですね。
食中毒菌のウエルシュ菌についてもわかったので、「とにかく早く冷やす!」と心に決めて保存していこうと思います。
おでんは具材を自分で自由に選べるのも、作る楽しみの1つです。
お肉を入れるにしても定番の牛すじだけではなく、手羽元やチーズやトマトを巻き込んだ豚肉まで、自分だけのレシピを生み出すのもいいですね。
たくさんの具材を仕込んで、出来上がったら今度は保存作業となるとぐったりしてしまいそうですが、
家族の健康を守るために、気合を入れてもうひと頑張りが大切なんですね。