【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
夏なのに、冬の味覚・おでんを無性に食べたくなることがあります。
そんなときは「作り置きして冷蔵庫に入れれば、日持ちするかな?」と思い、多めに作ります。
すると、残ったおでんをすぐに冷蔵庫に入れたのに、腐ってしまうことがあるんです!
”おでんに入れた具材が悪かったの?”それとも、”夏におでんを作ったことに問題があったの?”
今回は、おでんの日持ちついて徹底調査してみます!
- 手作りおでんの日持ちは冷蔵庫や常温でどれくらい?卵、練り物など具材別にご紹介
- 市販のおでんの賞味期限をご紹介。期限切れでも食べられる?
- おでんが腐るとどうなる?
- おでんを作り置きしたい!日持ちさせるにはどうやって保存したらいいの?
手作りおでんは、いろいろな具材を買い揃えると、結構コストが高いですよね。
次の日食べようと思って腐っていたときの悔しさは、何とも言えません!
おでんが腐る理由や、日持ちする保存方法も交えて、早速ご一緒に確認していきましょう。
管理栄養士・栄養士
目次
手作りおでんの日持ちは冷蔵庫や常温で何日?具材別に解説!
好きな具材を詰め込んだ自家製おでんが腐ると、悲しい気持ちになります。
具材別に、いつまで日持ちするのかを表にしてみました。
具材 | 常温 | 冷蔵庫 |
餅巾着 | 夏:作ってすぐ 冬:作ってすぐ |
作ってすぐ |
じゃがいも | 夏:作ってすぐ 冬:作ってすぐ |
1日 |
ちくわぶ | 夏:当日中 冬:1日 |
2~3日 |
牛すじ | 夏:当日中 冬:2~3日 |
2~3日 |
ゆで卵 | 夏:当日中 冬:2~3日 |
3~4日 |
半熟卵や煮卵 | おでん鍋と別保存で、冷蔵庫で3~4日 | |
練りもの(はんぺんなど) | 夏:当時中 冬:2~3日 |
1週間 |
こんにゃく | 夏:当日中 冬:2~3日 |
1週間 |
夏に常温で保存すると、具材に関わらず日持ちしませんね。
季節の変わり目の春や秋にも気温の高い日が続くことがありますので、ご注意下さい。
作り置きするなら、後ほどご紹介する保存方法を参考に、低温で保存する必要があります。
おでんについて調べていると、タコの旨みを出汁にしているご家庭もあり、とても美味しそうでした。
豆知識として、おでんにタコを入れる手順もご紹介します。
タコは他の具材に比べて煮込む時間が長いので、事前に柔らかく煮込んでおく必要があります。
- 刺身用のタコを買う
- 沸騰したお湯に入れ、1分間茹でる(タコの色がおでんにうつらないように&臭み消しのため)
- おでんのスープと同じ味で、お好みの柔らかさになるまで煮込む(目安は2時間です)
*煮込む工程は、圧力鍋だと大幅に時間短縮できます。
タコの旨みを利用する以外にも、全国にはさまざまな味のおでんがありました!
おでんのスープの味は、地方ごとに特色があります。
一部をご紹介します。
- 全国的・・・しょうゆ風味のおでんつゆ
- 北海道・・・昆布風味
- 青森県・・・生姜味噌をかける
- 長野県・・・ネギしょうゆダレにつける
- 愛知県・・・八丁味噌中心の甘辛い汁
- 大阪府・・・しょうゆ風味&鶏だし
- 岡山県・・・しょうゆ生姜をつける
おでんの具材も、地方ごとに特色がありました。
お好みでどんな具材を入れてもいいのが、おでんの魅力です。
具材ごとに日持ちが違うことを把握して、夏場の保存には十分に注意なさって下さいね。
手作りだと日持ちしないおでんですが、市販はどうでしょう?
密閉性が高いパック詰めの商品なら、長期間保存できるのでしょうか?
賞味期限を調べてみます!
市販のおでんの賞味期限はどれくらい?期限切れは食べられるの?
スーパーやコンビニには、手軽に食べられる調理済みのおでんが売っています。
Instagramでこの投稿を見てください
賞味期限をご紹介します。
商品名 | 賞味期限 | インテリジェンス要素 |
紀文 おでん1人前 | 180日 | 公式HP |
セブンプレミアムおでん | 90日 | 公式HP |
コンビニのレジ横で売っているおでん | 情報なし | |
缶詰 | 3年 | 通販HP |
Instagramでこの投稿を見てください
真空パックの袋入りで密閉されているレトルトおでんは、未開封であれば雑菌が侵入できません。
賞味期限が長いですね。
真空パックの中の具材が傷まないように、「高温多湿、直射日光を避けて保存」と書かれていました。
さまざまなコンビニ(ローソン、ファミマ等)では、レジ横に調理済みのおでんが売っています。
口コミによると、「買ってきて冷蔵庫で保存すれば、消費期限は3日くらい」という声がありました。
ここで心配なのが、市販のおでんを買ってきて賞味期限切れになったときのことです。
表でもご紹介した紀文のホームページには、下記のように書かれていました。
- 未開封なら期限が過ぎてもすぐに腐るわけではないが、賞味期限内に食べるのがおすすめ
- 開封後は、賞味期限に関係なく早めに食べて下さい
消費者庁などのホームページで調べると、賞味期限は実際に日持ちする期限よりも短く設定されているのが基本です。
賞味期限の1.2~1.5倍は日持ちする可能性があります。
ただしあくまでも計算上の日持ちですので、実際に食べられるかどうかは、その都度ご自分で厳しく判断なさって下さいね。
手作りおでん、市販のおでんどちらも、食べられるかどうかの見分け方が知りたいですね!
次にご紹介します。
おでんは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方がコレ!
おでんが腐るとどうなるのでしょうか?
見た目やにおいが変化するので、わかりやすいと思います。
しっかり判断して、食中毒を防ぎましょう!
おでんが腐った状態をご紹介
おでんが腐ると、下記のように変化します。
見た目
- 白い色の膜がはる
- カビ
- スープにとろみがある
- 温めると泡がたつ
- 具材が糸をひく
におい
- 酸っぱいにおい
- モアっとする異臭
味
- 酸っぱい
- 粘り気がある
- ドロっとしている
- 気持ち悪い味
- 舌がピリピリする
おでんを常温に置いておくと、温度が高いお部屋の場合は夏だと数時間、冬だと一晩で腐ることがあります。
おでんが原因の食中毒に要注意!
腐ったおでんを食べたことが原因で、下記のような食中毒になる可能性もあります。
十分にご注意下さい!
ウエルシュ菌
海、土、人や動物の腸内など、どこにでもいる菌です。
ウエルシュ菌は【酸素が無い場所=大量に作ったおでん鍋の中】が大好きで、
高温(100℃で6時間以上)で加熱しないと死滅しません。
ウエルシュ菌に感染すると、6~18時間で腹痛や下痢の症状が出ます。
ウエルシュ菌を家庭で死滅させるのは難しいです。
10℃以下だと動きが弱まり、-15℃以下だと活動しなくなる菌ですので、この性質を利用して徹底的に予防しましょう!
- 生肉、生魚を調理したら、包丁やまな板などをよく洗う(ほかの食材にウエルシュ菌を付着させない)
- おでんが完成したら、タッパーに小分けするなどしてなるべく早く冷やす
- おでんを再加熱するときは、全体をよく混ぜる(酸素を入れる)
- 冷蔵庫で保存、冷凍もOK
おでんに欠かせないはんぺんについても、詳しい情報をご紹介しています!
練りもので食中毒が気になる食品です。ぜひチェックしてみて下さい。
↓↓↓
はんぺんの賞味期限切れは危ない?1週間過ぎたけど食べられる?
”食中毒を防ぐ”という点も頭に入れながら、最後におでんの正しい保存方法をご紹介します。
おでんの正しい保存方法!冷凍しても大丈夫なの?
おでんを日持ちさせる保存方法は、下記の3つがポイントです。
- 作ったら早く冷ます
- 冷ましたら、低温で保存
- 3日を目安に食べきれない分は、なるべく早く冷凍
冷凍する場合のみ、冷凍に向かない具材がありますが、冷蔵庫、冷凍どちらも基本的な保存方法は同じです。
おでんの正しい保存方法
手作りおでん、先ほどご紹介したスーパーやコンビニのおでんどちらにも共通する保存方法です。
- おでんが完成
- タッパーやジップつきの保存袋に小分けにする
- 50℃ほどまで冷ます
- 冷蔵庫に入れるor冷凍
*冷蔵庫で長くて1週間、冷凍で1ヶ月が日持ちの目安です。
特に夏は【完成したおでんを食べて一息ついてから、残りのおでんを保存】ではなく、
【完成したらすぐに冷ます】方が安全です。
ちなみに、ジップつきの保存袋に小分けする場合は、耐熱温度が100℃のジップロックが便利です。
できたての熱々おでんを小分けにできて、そのまま冷凍も可能です!
市販のおでんを保存するときのポイント
市販のおでんに書かれている賞味期限は、未開封で保存方法を守ったときの期限です。
開封後や保存方法を守らないときは、賞味期限に関係なく腐ってしまう場合もあります。
保存するポイントをご紹介します。
- 開封後はすぐに冷蔵庫に入れて、早めに食べきる
- 未開封でも最適な保存場所がないときは、冷蔵庫に入れた方がいい
- 買ってきてすぐに冷凍してもOK
冷凍できない具材もあります
”世の中のほとんどの食品は冷凍できる”なんていう話も聞きますが、おでんの場合は油断禁物です!
冷凍できない具材をご紹介します。
- こんにゃく・・・ゴムのようになってしまいます
- ゆで卵・・・白身がゴムのようになってしまいます
- じゃがいも・・・カスカス、ボソボソになってしまいます
上記の具材が食べきれないときは、アレンジしてみて下さい。
- こんにゃく・・・ごま油と鷹の爪で炒めてピリ辛こんにゃくに
- ゆで卵とじゃがいも・・・つぶして和風のポテトサラダに など
冷凍できない具材が入っている料理は、さまざまあります。
おでんと同じ大なべ料理のシチューについても、詳しい情報をご紹介しています!
↓↓↓
シチューの日持ち期間は冷蔵庫や常温で何日?夏と冬の違いも解説!
まとめ
おでんの日持ちについて、詳しくご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- おでんは日持ちしない。具材によって日持ちが違う
- おでんの日持ちは、夏の常温では数時間~当日中、冬の常温では1日~3日
- おでんの日持ちは、冷蔵庫で長くて1週間
- 市販のおでんは、密閉性が高い真空パックの袋入りだと賞味期限が長い
- おでんが腐ると、見た目やにおいが変化するのでわかりやすい
- おでんが完成したらなるべく早く冷まし、低温で保存する
- おでんを正しく保存すれば、冷蔵庫で長くて1週間、冷凍で1ヶ月日持ちする
- 冷凍に向かないおでんの具材に注意
今回ご紹介した食中毒のウエルシュ菌は、おでん以外にもシチュー、カレー、豚汁など、大なべ料理で注意が必要な菌です。
おでんが完成したら、すぐに保存の準備をして頂けると幸いです。
今回調査した情報から、私は小学生の息子に話をしました。
「給食のお味噌汁とかを食べて、”いつもと違う”と思ったら、無理して食べずに残してね。」
毎年外気温が高くなってくると、各地の給食やお祭りでの食中毒事件が、ニュースで流れます。
出して頂いた食事に関しても、”食べても大丈夫かどうか”を自分で判断できるよう、常にアンテナを張っておきましょうね!