【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
先日100円ショップでゆで卵を上手に茹でられるアイテムを買い、何度作っても同じクオリティーに作れるので、すっかりはまってしまいました。
一度にたくさん作っておきたいのですが、腐るのが心配だなという気持ちもあります。
ゆで卵には独特の香りがあるので、食べても大丈夫かの判断が難しそうですよね。
ゆで卵がどれくらい日持ちするのか、腐るとどうなるのかなどを調べてみました。
- ゆで卵は腐るとどうなるの?見分け方が知りたい!
- ゆで卵は何日くらい食べられる?常温・冷蔵・冷凍の違いを調査
- 市販のゆで卵は、賞味期限切れ・消費期限切れになったら食べられないの?
- ゆで卵の正しい保存方法を調査!殻はどうする?冷凍できる?
ゆで卵は高たんぱく低カロリーで、筋トレをする方にとってはマストな食べ物というだけでなく、ダイエット中の食べ物としても人気ですよね。
自分で作るのは面倒なので、市販品でちょっと塩味がついているゆで卵を買う方もいらっしゃると思います。
市販のゆで卵には賞味期限や消費期限が書かれていますが、もし過ぎてしまった場合は捨てた方が良いのでしょうか?
ゆで卵についてわからないことを、丸ごと調べてご紹介したいと思います!
管理栄養士・栄養士
目次
ゆで卵は腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や判断基準を解説!
ゆで卵は結構長い時間茹でるので、毎日食べる分だけ作るとなると、ガス代も気になるところです。
ゆで卵を一度に作って日数が経ってしまった場合、食べられるかどうかの判断はどうやってすればいいのでしょうか?
こんなゆで卵は食べないで!
ゆで卵が腐るとどうなるのか、見分け方をご紹介します。
見た目、触った感じ
- 白身にねばりがある(糸をひく)
臭い
- 硫黄温泉のような強い臭い
味、食感
- 黄身に湿り気があって、ねっとりとしている
- 食べた後に胸焼け
腐り始めの目安は、上記でご紹介した”黄身の湿り気”と”食べた後の不快感”です。
おでんや煮卵のように汁に漬けて味付けをする場合は、ゆで卵だけではなく汁の変化(酸っぱい等)もチェックなさって下さいね。
免疫力が低い方や子どもさんは、少量の菌が体に入っただけでも体調を崩す場合があるので、少しでも変だと思ったら食べないのがおすすめです。
黄身の変色は腐敗じゃない
ゆで卵を固茹でにすると、黄身の周りが黒くなったり、黄身全体の色が緑っぽくなったりしますよね。
これは茹でたときに白身に含まれる硫黄の成分が化学変化し、黄身に含まれる鉄分と反応して出る色です。
腐ると出る変化ではありませんが、見た目が美味しくなさそうなので、下記の方法で予防しましょう!
- 茹ですぎない
- 古い卵を使わない
- 茹でたらすぐに冷やす
ゆで卵は腐りやすい
ゆで卵は、生卵よりも腐りやすいと言われています。
生卵の卵白にはリゾチームという成分が含まれていて、リゾチームのおかげで細菌が溶けるように死んでしまうんです!
リゾチームは茹でると機能しなくなるので、ゆで卵は生卵よりも細菌が繁殖しやすくて腐るのが早いと覚えておきましょう。
茹で時間が短すぎると食中毒の心配アリ
卵には、鶏の腸内などにいるサルモネラ菌という食中毒菌がついている可能性があります。
サルモネラ菌が心配な卵はこちらです。
- 卵の殻が汚れている
- 卵の殻にひびが入っている(殻の中に菌が入り込んでいる可能性アリ)
- 古い卵(サルモネラ菌が増殖している可能性アリ)
サルモネラ菌は、70℃で1分加熱すると死滅します。
ゆで卵を食べるなら心配ないと思いがちですが、実は卵の中まで火が通っていないと安心できないんです。
白身も黄身もトロトロのゆで卵に仕上げたい場合もあると思いますが、お湯が沸騰してから最低5分以上は茹でて下さいね。
サルモネラ菌が付着している生卵を食べた子どもが死亡した例もありますので、十分にご注意下さい。
食べてはいけないゆで卵の状態や、生卵よりも腐りやすいなどの注意点がわかりました。
ゆで卵は何日くらいなら味が変わらずに、安心して食べられるのでしょうか?
次に、ゆで卵の日持ちを調査してみます
ゆで卵の日持ち期間はいつまで?常温・冷蔵・冷凍による違いを調査!
ゆで卵を料理に添えると豪華な感じがするので、サラダやお弁当にピッタリですよね。
作り置きできると便利ですが、日持ちはどれくらいなのでしょうか?
保存場所別に食べられる期間を調査しました。
卵の状態 | 常温 | 冷蔵庫 |
半熟 | 当日中 | 3日 |
固茹で | 夏:当日中 冬:1日 |
|
切ったゆで卵 | 1日 | |
醤油漬け | 3日 | |
塩漬け | 5日 |
口コミなどから、”ゆで卵を作り置きして食べた実体験”をもとにした声をまとめました。
表でご紹介したのは殻付きの場合の日持ちで、殻無しの場合は(殻がひび割れしている場合も)菌が付着しやすくなるので、
当日中~次の日くらいまでに食べきるようおすすめします。
冷凍庫での日持ちについては、ゆで卵は冷凍するとゴムのような食感になるので、基本的には冷凍に向きません。
冷凍保存したい場合の裏技については、後ほどご紹介します。
ゆで卵の日持ちを調べると、保存温度別に何日もつかの実験結果の情報が多くあります。
実験では常温でも10日以上もつなどという結果が出ている場合もありますが、家庭の保存では当てはまらない可能性があります。
食品の劣化に大きく影響する”光”が当たってしまうなど、ご家庭によって日持ち日数が左右されますので、
上記の表の日数を目安にして頂けると幸いです。
家庭では冷蔵庫に入れるのが安全
ゆで卵に限らず気温が高くなる夏は、食品が腐るまでの期間が短くなります。
特に高温の場所に常温放置すると数時間でも腐る可能性があるので、冷蔵庫での保存が安全です。
*ゆで卵の詳しい保存方法は、後ほどご紹介します。
美味しくて日持ちするゆで卵の作り方
先ほどご紹介した表から、ゆで卵はあまり日持ちしないことがわかりました。
ゆで卵の作り置きができないかと調査してみると、ゆで卵を酢に漬けると酢の殺菌成分で日持ち日数が少し長くなることがわかりました。
美味しいゆで卵の茹で方と、ゆで卵の酢漬けのレシピをご紹介します。
- 卵を常温に戻しておく(茹でる前日に常温に置いておいてもOK)
- 沸騰したお湯に卵を入れて、10分~12分中火で茹でる(柔らかめの半熟は10分、固茹では12分が目安です)
- 茹でた卵をすぐに冷たい水につけて、5分ほど待つ
- 卵の殻をむく
- 酢液をジップつきの保存袋に入れて置く
- ゆで卵を酢液に漬ける
- ジップつきの保存袋の空気を抜いて密閉する
- 冷蔵庫で1週間ほど保存可能
*茹で時間は、ご家庭の火力によって短くなる場合があります。
酢液は酢だけでもOKなのですが、酢プラス醤油などでお好みの味付けにしてもOKです。
ここまで、手作りのゆで卵についてご紹介してきましたが、市販のゆで卵も美味しいですよね。
絶妙な塩味がついていて、コンビニで1個から買えるのも便利です。
次に、市販のゆで卵に書かれている期限についてご紹介します。
ゆで卵が賞味期限切れや消費期限切れになった!食べても大丈夫なの?
手作りでは日もちしないおかずも、市販品だと驚くほど期限が長いなんてことがよくあります。
「市販のゆで卵はどれくらいもつのかな?」と思って近所のお店をまわって調べてみたところ、こんなことがわかりました。
- ゆで卵には、賞味期限、消費期限どちらかが書かれている
- 期限は1日~1週間以内
- 冷蔵庫で保存
賞味期限と消費期限の違いはこちらです。
賞味期限
未開封で保存方法を守った場合の、美味しく食べられる期限。
腐りにくい食品に書かれているので、賞味期限切れになってもすぐに腐るというわけではない。
消費期限
未開封で保存方法を守った場合の、安全に食べられる期限。
腐りやすい食品に書かれているので、消費期限切れは食べられない可能性がある。
*どちらの期限でも、開封後や保存方法を守らなかった場合は日持ちしないので、早めに食べるのがおすすめ。
賞味期限が過ぎてもすぐには腐らないとのことでしたが、何日もつかという明確な情報はありませんでした。
お惣菜で賞味期限が長い商品は、真空パック包装などで菌がつきにくいような工夫がされています。
私はゆで卵で厳重に包装されている商品は見たことがないので、ゆで卵に書かれていているのが賞味期限か消費期限かに関わらず、
期限内に食べきるのが安全なのかなと感じました。
他の食品では冷蔵庫に入れる、冷凍するなどで期限よりも長く食べられる場合がありますが、
先ほどもお話ししたように、ゆで卵は生卵よりも傷みやすいです。
冷蔵庫を過信せず、腐る可能性を考えて慎重にゆで卵の状態を見極めるようおすすめします。
ちなみに、コンビニの塩味ゆで卵の作り方
市販の塩味ゆで卵は、家庭でも再現できます。
- ゆで卵を作って殻をむく
- 【塩小さじ1:水100ml】の割合で塩水を作り、ジップ付きの保存袋に入れる
- ゆで卵を1個ずつキッチンペーパーに包む(キッチンペーパーを半分に切って、クルクルと包みます)
- キッチンペーパーに包んだゆで卵を塩水に入れ、キッチンペーパーを塩水で湿らせる
- 空気を抜いて密閉し、冷蔵庫で保存する
- 次の日から食べられて、4日ほど保存可能
市販の塩味ゆで卵は、割高ですよね。ぜひご家庭でもお試し下さい。
最後にゆで卵の保存方法をご紹介します。
先ほど少しお話した冷凍する裏技もお話しするので、ぜひ最後までチェックしてみて下さい。
ゆで卵の正しい保存方法!冷蔵や冷凍するときの注意点は?
ゆで卵は、常温保存ではなく基本的に冷蔵庫で保存します。
ゆで卵の状態によってはすぐに食べきった方が良い場合もあるので、わかりやすくまとめてみたいと思います。
冷蔵庫での保存方法 殻をむいたほうがいいの?
冷蔵庫で数日間保存したい場合は、殻をむかないのがポイントです!
殻をむいた場合だけではなく殻にひびが入っている場合も、当日中に食べるようおすすめします。
ゆで卵の保存方法を調べていると、ゆで卵の殻をむいて水につけて保存という情報が出てきましたが、
この保存方法が正しいのかどうかの根拠はわかりませんでした。
ここまで調べてきた情報を総合して考えると、ゆで卵をつける水の中にも雑菌はいますので、おすすめできません。
ここで問題なのが、殻がついたままのゆで卵を冷蔵庫に入れると生卵との見分けがつかなくなること!
何気なしに冷蔵庫に付属の保存容器(卵ポケット)に入れると、後から「どれがゆで卵だっけ?」なんてことがよくあります。
ゆで卵と生卵の見分け方も調べてみました。
見分け方
- 平らな場所で、卵を回転させてみる
- クルクルっとキレイに回ったらゆで卵、グラグラと不安定に回ったら生卵
生卵は殻の中で白身や黄身が動くので、キレイに回りません。
私も実験してみると、生卵は不安定どころか回らずに、ゴロゴロと転がっただけでした。
ゆで卵を冷凍する裏技
ゆで卵をそのまま冷凍すると、白身に含まれる水分が凍ってしまい、解凍したときに水分が流れ出してゴムのような食感になります。
とてもじゃないけど食べられる状態ではなくなってしまうんです!
ですが、白身をなるべく小さくつぶして油と和え、水分の流出を抑えると解凍しても美味しく食べられます。
冷凍保存方法
- ゆで卵を細かくつぶす
- 【油分(マヨネーズ、オリーブオイルなど)+お好みの味付け(塩、こしょうなど)】で和える
- ジップつきの保存袋に入れる
- なるべく平らにする
- 空気を抜いて密閉する
- 冷凍庫で2週間~1ヶ月保存可能
取り出すと10分~20分ほどで解凍できますので、そのまま味付けをしてすぐに食べられます。
油分を和えると冷凍しても取り出しやすくなるので、使う分だけ折って保存袋から簡単に出せます。
”卵がいつもの半額!”なんていうとき、私はつい食べられるかどうかを考えずに買いすぎてしまいます。
ちょっと手間がかかりますが、ゆで卵を日持ちさせる方法としても、後から便利に使える方法としても、
ご紹介した方法で冷凍するのが一番おすすめです。
まとめ
ゆで卵が腐るとどうなるのかや日持ちなど、美味しく食べきれる方法をご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- ゆで卵が腐ると強烈な臭いの他、見た目や味が変化する
- 殻付きのゆで卵の日持ちは常温では1日くらい、冷蔵庫では3~5日が目安
- 市販品のゆで卵は、保存方法を守って書かれている期限内に食べるのがおすすめ
- ゆで卵は冷蔵庫での保存が基本
- ゆで卵を冷凍する場合は、細かくつぶす&油で和えてから保存
ゆで卵が傷むと、臭いが強烈で判断しやすいとわかりました。
ご紹介した食中毒菌・サルモネラ菌が生卵についている確率はとても低いそうですが、食中毒の事例が今でも継続して起きていることは事実です。
ゆで卵を作る場合は、5分以上の加熱を守って下さいね。
今回は殻付きのまま保存する方が長持ちすることや、白身を凍らせてもOKの裏技もご紹介しました。
食べられる分だけ作ってすぐに食べるのが理想ではありますが、一度に作って料理の手間を省く参考にもなさってみて下さい!
我が家では夫も私も40代に入り、食事の質も気になる世代になりました。
高たんぱくで低カロリーのゆで卵を、今回知った情報を参考にしながら美味しく食べていきたいと思います。