常備菜として「たくあん」を重宝しているという人も多いのではないでしょうか。
我が家でもたくあんを常備しているのですが、気が付いたら賞味期限が切れていたなんてことがよく起こります。
また、開封後はタッパーに詰め替えているので賞味期限はいつも曖昧になってしまいます。
また先日、友達から手作りのたくあんを貰ったのですが、量が多かったのでいつまで日持ちするのか少し不安になりました。
保存食の割に腐るのが早いイメージがあったので、これを機にきちんと調べてみることにしました。
- 市販や手作りたくあんの賞味期限はどれくらいか
- 賞味期限切れのたくあんはいつまで食べられるのか
- 腐るとどうなるのか、食べられない状態の見分け方
- できるだけ日持ちさせる正しい保存方法
今まで曖昧だったたくあんの賞味期限や、開封後の日持ち、手作りの場合の日持ちなども詳しく検証してみました。
正しい保存方法やアレンジレシピなども調べてみたので、大量のたくあんがあっても無駄なく食べきることができますよ!
ぜひチェックしてみてください。
目次
たくあんの賞味期限を調査!市販品や手作り品はいつまで日持ちするの?
たくあんには大きく分けて2通りの種類(製法)があります。
昔ながらの製法である「干し大根」を使ったたくあんと、「塩押し大根・糖絞り大根」を使ったたくあんです。
これらは実は賞味期限も変わってくるので、まずはここから確認しておきましょう!
干したくあんと塩押したくあんの賞味期限の違い
昔ながらのたくあんと呼ばれている「干したくあん」の賞味期限は、長い場合は1年程度ととても日持ちします。
対して、「塩押し大根や糖絞り大根」を使ったたくあんは、だいたい3ヶ月程度の賞味期限です。
ちなみにスーパーなどで売られている市販品の多くは塩押したくあん(糖絞りたくあん)です。
干し大根のたくあん
- 市販品の賞味期限は4ヶ月~1年程度が多い(商品によっては1ヶ月程度と短いものもある)
- 天日干しでしなびた大根を、米糠と塩で数ヶ月漬ける
- 大根本来の味が濃縮され、また米糠がデンプンを分解することにより甘味が増す
- 塩分濃度は高め
- 昔ながらの製法
塩押したくあん・糖絞りたくあん
- 賞味期限は3ヶ月程度(もっと短い場合もある)
- 塩や糖液に漬けて水分を除いた塩押し大根や糖絞り大根を使ったたくあん
- 甘味料やうま味調味料などを配合したり、人工着色料で色付けなどの加工がされることもある
- 干したくあんとは食感や風味が異なる
- 塩分濃度が低め
- 市販品の多くはこちらの製法
いぶりがっことは?
- 干し大根を燻製にしてから糠に漬けた秋田の伝統的な漬物
- 市販品の賞味期限はまちまちで、2ヶ月~4ヶ月程度が多い
※賞味期限は各商品によって異なりますので、必ず確認してください。
干したくあんと塩押したくあんの賞味期限が違う理由は、「塩分濃度」の違いによるものです。
食品が腐る原因である菌は水分が多いと繁殖しやすいのですが、塩は水分を抜くことができるので、塩分濃度が高い漬物は腐りにくく賞味期限が長くなります。
これはたくあんに限らず、他の漬物にもあてはまりますよ。
浅漬けなどの塩分濃度が低い漬物よりも、ぬか漬けや昔ながらの製法で作った塩分濃度が高い漬物は腐りにくいです。
最近は減塩傾向が強いので、市販の漬物は塩分濃度が低い「塩押したくあん」を使ったものが多いというわけです。
減塩されている分、賞味期限は短くなりますね。
ちなみに記載されている賞味期限は「未開封」の場合に限ります。
開封後は冷蔵庫で保存し、3日~1週間以内には食べるようにしましょう!
※保存法は「たくあんの正しい保存方法とは?余った場合のリメイクレシピも紹介!」の章で後ほど詳しく説明します!
手作りたくあんの日持ち期間は?
自分で作る場合のたくあんは、塩分濃度によって日持ち期間が変わってきます。
特に、糠で漬ける干したくあんを長期で保存したいなら、塩分濃度を高くする(10%以上~)と日持ち期間が長くなりますよ。
漬けてから1ヶ月程度でだいたい食べられる状態になってきますが、糠床に漬けたままであれば半年~1年程度日持ちします。
糠床はなるべく涼しいところが好ましいですが、常温でも大丈夫です。
ただし、糠から出したら冷蔵庫に保存して1週間以内には食べましょう!
市販品を開封した場合と同じように、腐ってしまう場合があります。
塩押したくあん(糖絞りたくあん)は、あまり塩分濃度を高く作ることはないと思うので、日持ち期間はそれほど長くありません。
作ってから3日~1週間以内には食べましょう。
たくあんの賞味期限のポイント
- 塩分濃度によって日持ちが変わるので、商品によって賞味期限がまちまち
- 干したくあんの方が比較的日持ちする(半年~1年程度)
- 市販品は開封後、手作り品は製造後(糠から出した後)は、3日~1週間以内には食べた方が良い
比較的日持ちするたくあんですが、冷蔵庫に入れっぱなしで賞味期限が切れてしまう場合もありますよね。
賞味期限切れのたくあんは食べられるのか検証してみました!
たくあんが賞味期限切れになった!いつまでなら食べられるの?
市販品には「賞味期限」か「消費期限」が付けられていることが多いですが、この違いはご存知でしょうか?
農林水産省のHPにはこのような記載があります。
賞味期限
- 美味しく食べられる期間
- ある程度余裕を持って期限が設定されている
- 日持ちする食品に付けられることが多い
消費期限
- 安全に食べられる期限
- 5日以内に品質劣化が認められる食品に付けられることが多い
たくあんと同じ漬物でも、浅漬けなどは5日以内に品質が劣化するため「消費期限」が付けられることが多いです。
たくあんは比較的日持ちするので「賞味期限」が付いています。
賞味期限はある程度余裕を持って設定されているので、賞味期限切れしたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。
この算出方法を考えると、賞味期限として表示されている日付の1.2倍程度なら大丈夫だと考えられますね。
たとえば、5年間も熟成発酵させた「寿たくあん」は、「製造日より180日」が賞味期限として表示されています。
この場合は、180日 × 1.2 = 216日 つまり、試験でクリアした期限は216日前後だったと考えられますが、安全性を考慮して試験結果よりも短い「製造日から180日後」の日付が賞味期限として表示されています。
試験でクリアした期限と想定される期間から、表示されている賞味期限を引くと食べられる期間の目安がわかるので、 216日 – 180日 = 36日 となり、賞味期限の日付から1ヶ月過ぎた程度なら食べられると考えられます。※ただし未開封で保存方法を守っていた場合
このように製造日が分かっていれば、賞味期限が何日間あるのかや、多少期限が過ぎても食べられる期間も推測できます。
ただし製造日が記載されていない場合は、賞味期限が何日間なのかわからないので、どれくらい過ぎても大丈夫かの明言は難しいですね。
インターネット上では、「1ヶ月程度の賞味期限切れは問題ない」という意見が多く見られましたが、「2ヶ月過ぎたたくあんを食べてお腹を壊した」なんて意見もありました。
ですので、あまりにも賞味期限が過ぎたたくあんは食べない方が無難です!
お腹空いた…たくあん食べよ。
そう言えば前たくあん食べたとき賞味期限2ヶ月過ぎててお腹壊したわー。はっ、そうだろうと思ったよ pic.twitter.com/Z6KQ8q1kqV
— とよだなす🍆 (@toyosinging) 2017年9月6日
また、たくあんなどの漬物は塩分濃度によっても日持ちが変わってきますので、いつまで食べられるかの判断は自分でするしかありません。
腐っているかどうか見分ける方法も確認しておきましょう!
たくあんは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方がコレ!
たくあんは腐るとどうなるのでしょうか?
見た目や臭い、そして味が判断目安になるのですが、具体的な見分け方は以下の通りです。
- カビ(白い粒々)が生えている
- ぬめりや粘りがある
- 臭いに違和感がある(以上に酸っぱい、アルコール臭など)
- 味に違和感がある(酸味や苦み)
開封前にはなかったハズの白い粒々が出ていたら、それはカビです!
食べないようにしましょう。
※麹につけていた場合は、残りかすかもしれません。
このようにたくあんが腐ると、カビやぬめりなど見た目に変化が出てきます。
また、ツンと鼻をつくような接着剤のような臭いがしたり、以上に酸っぱい臭いがしたり、アルコール臭がきつくなったと感じたら食べない方が良いでしょう。
どうしても見た目や臭いでわからない場合は、最終的に少し味見をしてみて違和感がないか確認してみてください。
最初に食べた時と味が変わっていたら、それはもう危険です。
大根の色が黒い??
たくあんに限らず、たまに大根の中が黒くなっているものを見たことはないでしょうか?
これは「黒芯症」と呼ばれる障害に遭った大根です。
急激に高温になったり、水分や養分に過不足があったなどの生理的な影響で起きるものです。
カビではないので食べられますが、残念ながら美味しくはないので、黒芯症の大根は諦めた方が良いでしょう。
たくあんが腐るかどうかは保存方法にも影響されそうです。
夏場に常温では腐る可能性が高いでしょうが、必ずしも冷蔵庫に保存しなければならないのでしょうか?
正しい保存方法を確認してみましょう。
たくあんの正しい保存方法とは?余った場合のリメイクレシピも紹介!
たくあんなどの漬物を保存するポイントは、「空気に触れさせないこと」と「低温での保存」です。
おすすめ保存方法
- たくあんをラップで巻く
- タッパーなどの密閉容器やジップロックなどに入れる
- 冷蔵庫で保存
これだと空気にもあまり触れませんし、温度の設定もばっちりです。
とはいえ、食べる時にラップは面倒…という場合は、そのままタッパーに保存しても大丈夫です。
腐ってしまう前に、なるべく早めに食べてしまいましょうね。
開封前は常温保存ができるものでも、開封後は冷蔵庫に保存するのがおすすめです。
特に温度が高くなる夏場は注意してください。
もし市販品のパッケージなどに保存方法が記載されている場合は、そちらも必ず確認するようにしてくださいね。
冷凍などその他の保存方法
たくあんは冷凍保存もできます。
冷蔵保存と同じように、空気に触れさせないようラップを巻いて、冷凍用の保存袋にいれてください。
食感は落ちますが、風味を楽しむことはできます。
食べきれない場合は、冷凍してしまうのも一つの方法ですね。
また、そのほか日持ちを長くするためにはこのような方法があります。
- 酢やアルコール、酸などを加える
- 手作りの場合は、塩分濃度を高くする(10%以上)
特に手作りの場合は、作り方によって日持ち期間が変わってくるので、長期保存させたい場合は塩分濃度を高くしてくださいね。
それでもどうしても、たくあんが余ってしまいそうな場合は、リメイクレシピで調理してしまいましょう!
たくあんのリメイクレシピ
余ってしまったたくあんは、ひと手間かけて料理に使ってあげると、無駄にすることなく食べきることができますよ!
簡単なレシピを紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
チャーハン
- たくあんを細かく刻んでおく。
- お好みのチャーハンを塩分(塩コショウ)を少なめにして作る。
- 最後に刻んだたくあんを加えて炒める。
- 味の調整をする。
中華サラダ
- たくあんを細切りにし、30分~1時間水にさらしておく。
- 卵をうす焼きにして錦糸卵にする。
- ハム、にんじんも細切りにし、にんじんに塩を振り水気を絞る。
- ごま油(大さじ1)、醤油(大さじ0.5)、酢(大さじ1.5)をボウルで混ざ合わせ、すべての材料を和える。
じゃこねぎ炒め
- たくあん、ねぎを薄切りにする。
- フライパンにごま油をひき、たくあんとちりめんじゃこ(ひとつかみ)を炒める
- 2にねぎとかつおだし(小さじ0.5)、薄口しょうゆ(大さじ0.5)、酒(大さじ1)、旨味調味料少々を加えて混ぜる。
私はチャーハンくらいしか試したことがなかったのですが、いろいろリメイクできそうですね!
たくあんを食べきれそうになかったら、リメイクレシピを使って食べきってしまいましょう!
まとめ
たくあんの賞味期限や保存方法について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ポイントをまとめてみます。
- 市販の塩押したくあんの賞味期限は3ヶ月程度が多い
- 市販の干したくあんの賞味期限は4ヶ月~1年程度が多い
- 手作りの干したくあんは糠床の状態なら半年~1年程度日持ちする
- 開封後の日持ちは3日~1週間程度
- たくあんは腐ると見た目や臭い、味に違和感がある
- 密閉容器に入れて冷蔵庫に保存するか冷凍もできる
たくあんには2種類あるというのを知らなかったのですが、これほど違うとは驚きでした。
賞味期限は長くても、開封後はあまり日持ちしないというのも個人的には以外でした。
今までは食べきれずにダメにしてしまったことも多いたくあんですが、これからはリメイクメニューで乗り切ろうと思います!
皆さんもぜひこれらを参考に、たくあんを無駄にしないよう食べきってみてくださいね。