【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
大根は、生でも・火を通しても使える、万能な野菜ですよね!
でも料理するときに、”すりおろす”、”下ゆでをする”などのちょっとした手間が必要なのが、たまにキズ!
ついつい「明日使おう」を積み重ねて、賞味期限が過ぎたような状態になりがちです。
大根はどれくらいの期間なら、美味しく食べられるのでしょうか?
今回は、大根について詳しく調べてみます!
- 大根の賞味期限は冷蔵庫や常温でどれくらい?
- 大根は腐るとどうなる?
- 大根の正しい保存方法は?
- 大根は冷凍できる!?どれくらい日持ちする?
大根は古くなると、見た目がしわしわになって、柔らかい状態になります。
触るとふにゃふにゃです。
そんな状態でも、切ってみると、中は意外にみずみずしくて美味しく食べられることもあれば、すが入って白くなり、食べられないこともあります。
パッと見て、大根が美味しく食べられる状態かどうかの見分け方は、あるのでしょうか?
今回は、大根の緑の部分を使うと美味しい、”大根おろし”についても調べてみます。
苦労してすりおろしても、すぐに茶色くなって食べられなくなってしまう大根おろしを日持ちさせる方法もご紹介しますよ!
管理栄養士・栄養士
目次
大根の賞味期限は冷蔵庫や常温でどれくらい?大根おろしならいつまで食べられる?
スーパーなどで食品を買うとき、賞味期限は、やはりチェックしますよね。大根のように、中が腐っているかどうか見分けがつきにくい野菜こそ、期限を記載して欲しいところですが・・・。
野菜の多くは、賞味期限の記載がありません。
まずは、賞味期限の正しい意味と、野菜に賞味期限が書いていない理由を確認してみましょう。
賞味期限とは?
賞味期限は、主に腐りにくい加工食品に書かれています。
未開封で適切に保存した場合に、美味しく食べられる期限です。
野菜に賞味期限が書いていない理由
食品表示法などの法律では、野菜に賞味期限を記載することは、特に義務付けられていません。
野菜は、収穫後も生き続けているからですね。大根にしても、スーパーで買った後に葉がのびてくることがあります。
- 時間と共に成熟していく野菜には、どの時点から数えた賞味期限を定めればいいのかが難しい
- 野菜の品質は流通過程や、販売者の保存の環境に大きく左右される
- 販売者が野菜の状態を確認して、売るor廃棄を判断する
こんな事情から、賞味期限が記載されずに店頭に並ぶようです。
今回は、「大根が美味しく食べられる期限」という意味で、”賞味期限”という言葉を使っていきますね。
大根の賞味期限は保存方法によって変わる?
さて、私の実家では、畑で大根を作っていますので、大根の賞味期限については詳しくご紹介できますよ!
大根の保存方法は、ご家庭の環境によって、「常温」か「冷蔵」かのいずれかかと思います。
まずは、カットしない状態の大根の賞味期限を、3つのパターンに分けてお話しします。
その1. スーパーで買ってきた大根を常温で保存した場合
賞味期限
1週間~2週間
理由
スーパーでは、朝穫りの野菜が店頭に並ぶことはほとんどありません。
収穫時期が不明ですが、中には貯蔵庫などで1ヶ月近く眠っていた大根が、店頭に並ぶ可能性もあります。
畑で収穫したばかりの大根に比べたら、賞味期限は短いと考えてOKです。
常温で保存する場合には、ご家庭の湿気や乾燥の影響をモロに受けますので、短かければ1週間程で”す”が入って白くなり、美味しくなくなります。
季節にもよりますが、温度や湿度などの環境が良ければ、2週間程日持ちすることもあります。
豆知識:”す”が入るって何!?
大根の場合は、成熟が進んだことが理由で、本来は水分や実の密度が均一だった部分に空間ができてしまうことを、”す”が入ると言います。
”す”が入ると、食感や味が劣化してしまいます。
その2. スーパーで買ってきた大根を冷蔵庫で保存した場合
賞味期限
1週間
理由
意外に思いませんか?冷蔵庫は、常温よりも長く日持ちしそうな気がしますよね。
でも実は、保存方法を間違うと、大根の中にカビ(黒い点)が発生する可能性が高くなり、常温よりも早く劣化してしまうのです!
*正しい保存方法は後ほどご紹介しますね。
他の食品への匂い移りも気になりますので、賞味期限は1週間程です。
その3. 収穫したての大根を常温で保存した場合
賞味期限
2週間~1ヶ月
理由
収穫したての大根は、大根本来の水分が十分に保たれています。
常温でも冷蔵庫でも、保存条件が良ければ、長くて1ヶ月ほど美味しく食べることができます。
ちなみにこちらは、私の実家で1ヶ月前に収穫した大根です。
我が家のガレージの、風通しのいい場所で保存していました。
見ただけでふにゃふにゃしている感じがわかりますね!
皮が柔らかい状態で、見た目もしわしわですが、切ってみると、みずみずしいままです!
ちなみに、この1ヶ月間の気温は0℃~15℃でした。
保存に適した気温だったことで、大根の状態が保たれたのだと思います。
カット大根や大根おろしはすぐに劣化するので要注意!
買ってきた大根を丸ごと保存する場合の保存方法と賞味期限をご紹介してきましたが、カットした大根の賞味期限はどうなのでしょう?ご紹介しますね。
輪切りなど、大きくカットした場合の賞味期限
大根は、用途に合わせて半分にカットされたものを買うという方も多いのではないでしょうか?
そんな場合の賞味期限は、冷蔵庫で約1週間~10日が目安です。
カットした部分から、水分の蒸発や酸化が進みます。
カット部分がデコボコとした見た目になり、味も劣化していきます。
千切りなど、小さくカットした場合の賞味期限
「大根は下ごしらえが面倒なので、一度に用途別にカットしてしまう」という方もいらっしゃると思います。
小さくカットした場合の賞味期限は2~3日です。
カットした翌日には、全体的にカサカサとした状態になり、味も劣化します。
なるべく早く調理することをおすすめします。
大根おろしにした場合の賞味期限
大根おろしにした大根は、大根からしてみると、繊維を砕かれ、水分も分離した、痛々しい状態です。
すりおろした瞬間から、酸化と劣化が進み、次の日には茶色に変色してしまいます。
賞味期限はその日のうちです。
もっと厳密には、10分程で辛みが出てきますので、すりおろしたら、なるべく早く食べきることをおすすめします。
大根の緑の部分をすりおろしてすぐに食べると、甘さとみずみずしさが美味しいですよ!
次に、食べてはいけない大根の状態や、美味しい大根の見分け方も知っておきましょう!
大根は腐るとどうなるの?腐った大根の見分け方は?
何を隠そう!私にも、大根を腐らせた経験があります。
口コミなどを大調査し、「腐った大根を見た!」という声を集めてみました。
- 皮の表面が柔らかくなり、茶色くなったら腐っていると判断している
- 大根の内側に青あざのようなものがあった
- 中が茶色くなっていた
- 皮が黒ずんでいた
- 皮がとけて、冷蔵庫にへばりついていた
- 皮をむいたら粘り気があった
- カビが生えていた
- 大根を切ると白く変色していた(”す”が入っていた)
- 大根の皮にカビ(黒い点)が生えた
大概は、買ってきてからの保存方法が悪かったり、長期間使わなかったりすることで、上記のような状態になります。
でも、我が家の近くの”安さが売り”のスーパーでは、カビが入っているような大根が売られていることが、時々あります。
このような大根を省いて、美味しい大根を見分ける方法はあるのでしょうか?
美味しい大根の見分け方
まず、上記の口コミの中には、実は腐っていない状態のものも混ざっています。
大根の内側の青あざのようなもの
間違った保存方法をしたことで起きる現象で、腐っているわけではありません。
食べても害はありませんが、見た目は嫌ですよね。
青あざの部分を取り除いて食べてもOKです。
次に、ちょっと判断が難しいですが、体に害が出る可能性がある状態のものです。
大根の内側にカビ(黒い点)が生えていた
これは、カビの場合と、そうでない場合があります。
放射状や輪状に黒い点が入っている場合は、カビではありません。
暖かい地方で栽培された大根によく見られる、大根の病気です。
人体に害はありませんので、気にならないなら食べても大丈夫です。
食べる場合は、大根に苦味などが出ていることがありますので、煮物などの濃い味付けで食べることをおすすめします。
一方、1ヶ所に集まっている黒い点は、人体に害のあるカビです。
取り除けば、他の部分は食べられますが、カビの範囲が大きい場合はそのまま捨てることをおすすめします。
青あざや黒い点があっても食べられると知っても、やはり真っ白な大根が食べたいですよね!
カット大根は、断面を見て品質を見極めることができますので、今回は1本で売っている大根を見分ける方法をご紹介します。
中身に問題がなくて美味しい大根を見分けるポイントは、4つです!
ポイント1. 季節
大根が美味しい季節は、秋と冬です。
みずみずしい大根が、スーパーなどの店頭に出回ります。
「秋と冬のオンシーズン以外に大根を買うときは、品質が不安」という方は、断面が見えるカット大根を買うという手もありますよ!
ポイント2. 葉
大根の葉が変色していなくて、ハリのあるものを選びましょう!
葉アリと葉ナシの大根が店頭にあったら、葉アリの大根の中から厳選することをおすすめします。
葉を料理に使わない場合は、スーパーのレジなどで「切って下さい」とお願いすると切ってくれます。
ポイント3. 大根の形
大根の形は、美味しい大根を見分ける一番簡単なポイントです。
- 土から出ている「肩」の部分が張っている
- 真っすぐに伸びている
- 丸みがある
- 皮の表面が滑らか
- ヒゲが少ない
ポイント4. 重量感
持ってみたときに、ずっしりと重い大根は、みずみずしくて甘いです。
”美味しい大根”=”日持ちする大根”でもありますので、ぜひよく見極めて買うようにしてくださいね!
次に、大根を美味しく日持ちさせる保存方法も確認しましょう!
大根の正しい保存方法とは?美味しさを保つコツは?
大根は”秋と冬が美味しい”とご紹介しました。
寒い季節にできる野菜ですので、下記のような場所での保存が適しています。
- 大根の最適温度は0~5℃
- 風通しの良い場所
とはいえ、マンション住まいなどのご家庭では、涼しくて風通しの良い場所を確保するのが難しいですよね・・・。
そんな場合は、冷蔵庫で保存することをおすすめします。
大根を冷蔵庫で保存するコツ
初めに、絶対にやらなければいけないことがあります。
買ってきた大根の葉を切り落とす!
*大根の葉がついていると、成長しようとする働きで、葉に栄養が奪われてしまいます。
「葉を切り落としても、大きすぎて冷蔵庫に入らない!」という場合は、さらにカットしてOKです。
- できるかぎり大きくカットする(葉、青い部分、白い部分など)
- カットした大根を、それぞれ新聞紙かキッチンペーパーでくるむ
- ラップで包む
- なるべく立てて保存する
上記のように上手に包んで保存すれば、長くて10日ほどは美味しく食べることができます。
「もっと小さくカットして保存したい!」
「大根おろしを保存したい!」
という場合は、これからご紹介する冷凍保存がおすすめです。
大根は冷凍しても大丈夫?どのくらい日持ちするの?
上記で、「大根は小さくカットするほど日持ちしなくなる」とご紹介しました。
日常の料理の手間を省くために、使い方に合わせてカットしたい場合は、冷凍保存が便利です!
小さくカットした大根を冷凍保存する方法
ジップつきの保存袋に入れて、空気をしっかりと抜いて冷凍庫に入れます。
保存期間は1ヶ月程です。
そのまま鍋に入れたり、炒めたり♪
解凍させる手間なく使えて便利です。
大根おろしを冷凍保存する方法
大根をすりおろし、水分も一緒にジップつきの保存袋に入れて冷凍庫に入れます。
なるべく平らにして、空気をしっかり抜いて保存して下さいね。
保存容器は、他にも製氷機やアルミカップでもOKです。
保存期間は1ヶ月程です。
自然解凍して使いましょう!
個人的には、ジップつきの保存袋ごと、冷水解凍するのがおすすめです。
5分と待たずに食べることができます♪
まとめ
大根の賞味期限について、詳しくご紹介してきました。
長年、実家で大根を作り、大量に保存してきた私の経験がお役に立てば嬉しいです!
ポイントをまとめます。
- スーパーで買ってきた大根を常温で保存した場合の賞味期限は、1~2週間
- スーパーで買ってきた大根を冷蔵庫で保存した場合の賞味期限は1週間
- 冷蔵庫保存でも、上手に保存すれば10日ほど日持ちすることもある
- 畑で獲れたばかりの大根の賞味期限は長くて1ヶ月程
- 大根は腐ると見た目にさまざまな変化が出る
- 大根にできる青あざのようなものは、腐っているわけではない
- 大根にカビのような黒い点が出た場合は、害があるかどうかをしっかり見極める!
- 大根は0~5℃の風通しの良い場所での保存が最適
- 大根は冷凍庫で保存してもOK
- 小さくカットした大根は冷凍保存がおすすめ
大根はビタミンが豊富で、消化に良い食べ物ですよね。
体が弱っている時に、メニューに取り入れるのにもピッタリです!
我が家では、大根が山のように手に入るので、ついつい「飽きた」とか「面倒くさい」と考えがちです。
家族総出で、小さくカットしたりすりおろしたりして冷凍保存し、大根を楽しむ方法を広げられるように、頑張りたいと思います!