松ヤニって、手についたらこびりついて落ちないですよね。
フラワーアレンジメントの花材に松を使うことがあるのですが、いつも松ヤニで手が真っ黒になってしまいます。
その手で、うっかり服や髪の毛を触ろうものなら、さらに大変なことに…。
そこで今回は、手や服などについた松ヤニのキレイ落とし方を調べてみることにしました。
この記事では以下の内容で、やっかいな松ヤニの落とし方を紹介していきます。
- 手や服についた松ヤニの落とし方は?
- 服についた松ヤニがシミにならないようにするには?
- 床やガラスについた松ヤニの落とし方は?
- 様々な場所に付いた松ヤニの落とし方
実は、松をうっかり床の上に置いて、松ヤニが床についてしまったこともあります。
ほかにも、花材を運ぶ時に松が車に当たり、松ヤニが車についてしまったり…。
そういえば、ハンドボールをやっている知人の娘さんも、松ヤニを滑り止めとして使っていると言っていました。
やはり、ユニホームに松ヤニがつくと、なかなか落ちないと嘆いていましたね。
こんなふうに、松ヤニは割と身近で使われているんですよね。
「松ヤニの落とし方で悩んでいる」という人は、結構いるのではないでしょうか。
ぜひこの記事で、キレイな松ヤニの落とし方を取り入れてみてくださいね。
目次
松ヤニが手についた時の落とし方!髪の毛についた場合の取り方は?
松ヤニは、どこについたかによって落とし方が変わってきます。
まずは、肌や髪の毛についた場合を見ていきましょう。
松ヤニは松の樹から取れる樹脂で、アルコールやエタノール、ベンゼン、酢酸などに溶ける性質を持っています。
また、松ヤニの主な成分はテレビン油とロジンなのですが、油に溶ける性質もあります。
そのため、これらを利用すれば松ヤニを落とせるのです。
手についた松ヤニはこれで落ちる!
手についた松ヤニを落とすためには、専門の洗浄剤などは必要ありません。
家庭にあるもので、簡単に落とせますよ!
洗顔用のクレンジングオイル
クレンジングオイルは、余分な皮脂や化粧品と馴染んで浮き上がらせて、落としてくれる洗顔料です。
同じように、松ヤニもオイルが馴染むことで、肌から浮かせて取り除けます。
松ヤニは油分を含んでいるので、水では弾いてしまって落とせません。
また、松ヤニは最初は液状ですが、主な成分の”テレビン油”が揮発することで固形になります。
石鹸は汚れを吸着して落とす効果がありますが、固まった松ヤニは吸着できません。
そのため、松ヤニを落とすには石鹸ではなく、クレンジングオイルを使います。
クレンジングオイルで松ヤニを取り除いてから、石鹸で洗うのが一番です。
除光液
マニキュアを落とす除光液の主な成分は、”アセトン”です。
アセトンは油脂を溶かせるので、松ヤニを溶かして落とせます。
ただし、アセトンは揮発成分なので、松ヤニを取ろうとして肌に塗ると、肌の水分も一緒に蒸散して乾燥してしまいます。
そのため、除光液を使ったあとは、肌を保湿してあげるとよいでしょう。
オレンジの皮
食器用洗剤や掃除用の洗剤に、オレンジオイルが配合されている商品を見たことはありませんか。
オレンジの皮に含まれる”リモネン”には、油を溶かす作用があります。
手近にみかんがあったら、みかんの皮をしぼった汁を、手についた松ヤニにつけると落とせますよ。
ほかにも、消毒用のエタノールスプレーやアルコールでも、松ヤニを落とせます。
ちなみに、灯油でも松ヤニを簡単に落とせますが、肌によくないのでおすすめしません。
髪の毛についた松ヤニにはコレ!
髪の毛に松ヤニがついた場合は、食用油で落としましょう。
オリーブオイル、サラダオイル、ひまし油など、なんでも大丈夫です。
ティッシュなどに食用油を含ませて、髪の毛についた松ヤニを丁寧に拭き取ります。
松ヤニが取れたら、石鹸やシャンプーで髪を洗いましょう。
ただし、家で松ヤニが手や髪についた時にはすぐに対処できますが、外では難しいですよね。
例えばハンドボールなどのスポーツでは、滑り止めで松ヤニを使うため、手や髪に松ヤニがついてしまうこともあります。
そんな時は、小さなケースにクレンジングオイルを、小分けにして持っておくと便利ですよ。
松ヤニを取ったクレンジングオイルは、すぐに洗い流せなくてもティッシュで拭き取っておけば大丈夫です。
ところで手や髪は、松ヤニを取る際に多少こすっても大丈夫です。
ただし、服の場合は生地を痛めたりシミになったりしないか、心配ですよね。
そこで、次は洋服についた松ヤニの落とし方をご紹介していきましょう。
服についた松ヤニの落とし方!シミにならない方法とは?
服についた松ヤニを、無理に取ろうとすると生地がほつれてきてしまいます。
松ヤニが固まって、服の繊維にこびりついてしまうためです。
では、どのようにしたら服についた松ヤニを、きれいに取れるのでしょうか。
松ヤニを熱して落とす方法
服についた松ヤニは、固まってしまって簡単には剥がせません。
しかし、アイロンで松ヤニを温めると、簡単に取れますよ。
方法は、次のように簡単なものです。
アイロンを使用した衣類の松ヤニの落とし方
- 服をフキンなどの布や紙で挟む
- 挟んだものの上から、中~高温くらいの温度でアイロンをあてる
なぜこれで松ヤニが取れるのかというと、熱で松ヤニが溶けて剥がれやすくなるためです。
アイロンの熱で溶けた松ヤニが、挟んだ布や紙に移ることで、服についた松ヤニが取れるのです。
ただし、松ヤニを布や紙に吸い込ませて落とすので、松ヤニの量が多いと吸い込みきれないことも。
もし大量に松ヤニが服についた場合は、何度か布や紙を換えるようにしましょう。
アイロンで松ヤニを取ったら、布にエタノールを染み込ませて軽く叩きます。
これで、落としきれなかった松ヤニを落とせます。
最後に、洗剤で洗って水洗いをしたら完了です。
松ヤニは熱湯につければ落ちる?
アイロンの熱で松ヤニが取れるなら、「衣服ごと熱湯につければ松ヤニが落ちるのでは?」と思いますよね。
しかし、松ヤニを熱湯につけると、次のような可能性があります。
- 松ヤニがお湯に溶け込んで、余計に広がってしまう
- 松ヤニが溶けて、さらに衣服の繊維に絡みついてしまう
そのため、アイロンのほうが松ヤニがきれいに取れるというわけです。
松ヤニを溶かして落とす方法
ベンゼンは石油から抽出した有機溶剤で、シミ抜き剤としても知られています。
特に油性の汚れに強く、ほとんどの油を溶かして落とせますが、松ヤニも油性なのでベンゼンで溶かして落とせるのです。
ベンゼンで松ヤニを落とすには
- 松ヤニのついた衣服の裏に布をあてる
- ベンゼンを別の布に取り、松ヤニ部分を叩いてベンゼンを染み込ませる
ベンゼンが松ヤニに馴染むと、溶けて裏の布に移って取れます。
ベンゼンは高い揮発性があり、衣服に残ることはほとんどありません。
ただし、繊維によってはシミになる場合もあるので、松ヤニを落としたら、薄めた洗剤をつけて水洗いしましょう。
ベンゼンのほかにも、エタノールや除光液でも同じように松ヤニを落とせます。
しかし、衣服の繊維によっては、変質や変色を起こす可能性もあるので要注意です。
溶剤を使う場合は、「目立たないところでシミになったりしないか試してから使うこと」が重要です!
「油汚れに強い洗剤でも落とせるのでは?」という意見もありますが、松ヤニは乾くと固まってしまいます。
そのため、固まった松ヤ二を取るには溶かす必要があるのです。
こういった理由から、熱や溶剤で取る方法がおすすめです。
服についた松ヤニの落とし方に関しては、これでばっちりですね!
では、床やガラスについた場合は、どうやって落としたらよいのか、次章で確認していきましょう。
床やガラスに松ヤニがべっとり!そんな時の落とし方がコレ!
家具などに使う木材は、乾燥材を使うので松ヤニが出ることはありません。
しかし無垢材の場合は、松ヤニが残っていると滲み出てくることがあります。
DIYしようと買ってきた木材を、フローリングの床に置いておいたら松ヤニが滲み出てきたべっとり…なんてこともあります。
また、「窓ガラスや鏡にべっとりついてしまった!」という声もあります。
そのような時には、むやみに擦って落とそうとすると、余計に汚れが広がってしまいます。
これから、簡単に取れる方法を紹介するので、慌てずに対処しましょう。
床についた松ヤニをきれいに取るには?
除菌用にエタノールスプレーを置いているご家庭も、多いのではないでしょうか。
フローリングについた松ヤニには、このエタノールが使えます!
手順は、下記を参考にしてください。
- ヘラなどで松ヤニをできる限り取っておく
- 松ヤニにエタノールを塗布する
- アクリルたわしやクロスなどで擦る
たわしやクロスで擦る場合は、同じ所で擦り続けるのではなく、面を変えながら作業しましょう。
同じ所で擦り続けると、せっかく取った松ヤニがまた床についてしまいます。
床でもタイルなら問題ないのですが、フローリングだとワックスが剥げて、白く変色する可能性があります。
ほかにも、床についた松ヤニを除光液で落とす方法もありますが、使い方はエタノールと同じです。
フローリングが変色しまったら?こちらの記事もおすすめ!
↓ ↓ ↓
フローリングが除菌アルコールで白濁した!変色を戻すにはコレだ!
ガラスについた松ヤニの場合は?
松ヤニがガラスについた場合も、エタノールが使えます。
窓ガラスにエタノールを塗布する前に、まずはほかの汚れを取るために拭き掃除をしましょう。
そのあと、エタノールを松ヤニに染み込ませて拭き取ります。
最近では、無垢材を使った家や家具が人気ですが、木材によっては松ヤニが滲み出てくることがあります。
松ヤニが出てくるとべたべたして嫌ですが、その場合はニスなどで塗装するとよいでしょう。
ここまでは肌や服、床などについた松ヤニの落とし方をご紹介してきました。
では、それ以外のところについた松ヤニはどうしたらよいのか、次章で解説します。
こんな時はどうするの?松ヤニ対策を一挙に紹介!
ここからはいくつか事例を挙げて、松ヤニの落とし方をご紹介していきます。
ハサミやのこぎりについた松ヤニの落とし方
フラワーアレンジメントの際に松などの枝を切ると、ハサミに松ヤニがべっとりついてしまうのですよね。
松ヤニのついたハサミを水洗いで擦ると、余計に広がって汚れてしまうことがあります。
ハサミやのこぎりなどの刃物に松ヤニがついてしまった場合は、まずは水に浸け置きしましょう。
水に浸けておくと、松ヤニがふやけて取れます。
あとは布で拭くか、まだ気になるようなら消毒用のエタノールや除光液で掃除します。
車についた松ヤニの取り方
駐車した場所に松が生えていると、車のボディに松ヤニがついてしまうことがあります。
その場合は、エタノールで松ヤニを溶かし、水洗いで落としましょう。
エタノールを使うと、ボディのワックスも取れてしまうので、ワックス処理もお忘れなく!
犬や猫に松ヤニがついたときの取り方
散歩中に、ペットが枝に触って松ヤニがついてしまうこともあります。
ペットも人の肌と同じように、クレンジングオイルで丁寧に、松ヤニを取り除いてあげましょう。
ただし、拭き取っただけではクレンジングオイルが残ってしまいます。
そのため、松ヤニを落としたらシャンプーをしてあげることも忘れずに。
テントについた松ヤニの落とし方
林の中のキャンプ場では、テントに松ヤニがついてしまうこともあります。
テントの場合はエタノールを使用すると、生地を痛めてしまう可能性があります。
したがって、中性洗剤とスポンジで根気よく洗い落としましょう。
靴に松ヤニがついたときの落とし方
歩く場所によっては、靴にも松ヤニがつきやすいですよね。
靴の場合は、松ヤニがついたところにアルコールを塗布し、スポンジで擦り落とします。
ただし、革靴は色落ちすることもあるので、アルコールをあまり塗りすぎないことです。
松ヤニを落としたら、靴クリームなどを塗っておきましょう。
バットについた松ヤニの取り方
バットにも、滑り止めとして松ヤニを塗ることがあります。
バットについた松ヤニは、布に除光液をたっぷり染み込ませて、何度も擦ると落とせます。
まとめ
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめておきますね。
- 手についた松ヤニはクレンジングオイルで落とせる
- 髪についた松ヤニは食用油で落とせる
- 服についた松ヤニはアイロンで熱して落とせる
- エタノールを染み込ませた布で叩くと落とせる
- 繊維によってはシミになるので小さい範囲から行う
- 床についた松ヤニは、エタノールを塗ってたわしなどで擦り落とす
- ガラスについた松ヤニは塗布したエタノールで拭き取る
- はさみやのこぎりは水に浸けておくと松ヤニが取れる
- ものによって何を使うかを使い分ける
松ヤニは、こびりついてしまうと本当にやっかいです。
フラワーアレンジメントで使うはさみにも、松ヤニが黒くこびりついてなかなか取れなかったのですよね。
しかし今回、きれいな取り方が分かったので、さっそく試してみたいと思います!
うっかり服につけてしまった時も、「作業用の服だから汚れてもいいや」と諦めていたのですが…。
やっぱり汚れたままでは、気分がよくないのでこちらにもトライしてみます。
「松ヤニがべったりついて困った!」という時は、この記事の松ヤニ対策を参考にしていろいろ試してみてください。