【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
先日スーパーでエリンギコーナーを見ると、パックの中に白いカビのようなものがありました。
賞味期限をチェックすると、書いてない・・・。
店員さんに「カビが出ていますよ。賞味期限切れになっていませんか?」と声をかけると、
「これは菌糸で、カビじゃないです。洗えば食べられますよ。」と言われました。
とてもじゃないけど、買う気がしません。
でも、店員さんが言うんだから実際に食べても平気なのでしょう。
今回は、エリンギの賞味期限などについて詳しく調べてみたいと思います!
- エリンギの賞味期限はいつまで?1週間~2週間日持ちする?
- 賞味期限や消費期限の正しい意味をご紹介。キノコ類に賞味期限が書かれていないのはなぜ?
- エリンギは腐るとどうなる?見た目の変化などをご紹介
- エリンギの正しい保存方法。常温or冷蔵庫どっちがいいの?
- エリンギは冷凍で1ヶ月保存可能
- エリンギを半年間保存する方法
エリンギは、保存して時間がたつと水分が出てきて、軸が茶色に変色します。
そんな状態になっても食べたことはあるのですが、実際の食べても大丈夫かどうかの見分け方を、もっとしっかり知りたいです。
先ほどのスーパーで見た”菌糸”と”カビ”の見分け方なども交えながら、エリンギについて徹底解剖していきます!
管理栄養士・栄養士
目次
エリンギの賞味期限はいつまで?2週間経っても食べられるの?
エリンギの賞味期限は、いつまでなのでしょうか?
”生”と”調理後”に分けてご紹介します。
エリンギの日持ちを徹底調査!
エリンギ農家などの情報から、具体的な日持ちの日数をご紹介します。
生
- 常温(涼しい室内)・・・3~4日
- 冷蔵庫(野菜室)・・・約1週間
- 冷凍・・・約1ヶ月
調理後
- 作り置きおかず(常備菜)・・・約1週間
上記の期間を過ぎると、エリンギの見た目が変化します。
- エリンギの茎が変色する(茶色)
- エリンギの表面に水分が浮き出る など
生のエリンギは1週間を過ぎると変化が進んでいき、2週間までは日持ちしません。
*エリンギが腐った状態の見分け方については、後ほど詳しくご紹介します。
エリンギに賞味期限はない!?賞味期限の正しい意味とは?
賞味期限の正しい意味と、エリンギに賞味期限がない理由をご紹介します。
賞味期限とは?
未開封で保存方法を守ったときの美味しく食べられる期限で、腐りにくい加工食品に書かれているのが一般的。
通常は、賞味期限切れになってもすぐに腐るわけではない。
消費期限とは?
未開封で保存方法を守ったときの安全に食べられる期限で、腐りやすい加工食品に書かれているのが一般的。
*農林水産省のホームページから、簡単にご紹介しました。
エリンギは、生鮮食品です。
エリンギだけではなく、えのきやしめじなどのキノコ類や野菜には、実は法律上の賞味期限の表示義務がないないこともわかりました。
理由
- キノコ類や野菜は、収穫してからも成長し続ける
- 成長(成熟)と腐敗の見極めや、料理に使うタイミングをその都度判断する
- 収穫後の配送や小売店での保存方法で、賞味期限が左右される など
エリンギも、収穫後に成熟していきます。
冷蔵庫で何日か保存して、カサの後ろ側が茶色になってきた経験はないでしょうか?
茶色の部分は、エリンギのカサが開いて見えてきた内側の部分です。
普通は「腐ってる?」と疑ってしまうような見た目ですが、成熟したエリンギのだしを楽しむために、その状態を待って料理するのが好みの方もいらっしゃいます。
このような理由で賞味期限がないエリンギですが、今回は
「一般的に美味しく食べられる期限」という意味で「賞味期限」という言葉を使っていきますね。
次に、成熟を通り越して完全に腐っているエリンギの状態を確認しましょう。
エリンギは腐るとどうなるの?傷んだときの見分け方がコレ!
食品は、人間にとって無害なら成熟、有害なら腐敗と表現されます。
食べるとお腹を壊す可能性もある、完全に有害な状態を知っておきましょう!
エリンギが腐ったときの特徴
エリンギが腐るとどうなるのでしょうか?
しっかり見極めて、ご自分や家族の健康を守りましょう。
見た目
- 軸やカサの裏側の色が変わる(濃い茶色)
- 表面に汁のような水が浮く
- 表面にぬめりが出る
- カビ
臭い
- すっぱいにおい
- アンモニア臭
味
- 調理してもすっぱい
- 調理しても吐き気がする味
先ほど、”カサが開いた成熟した状態のエリンギを好む方もいる”とご紹介しました。
味の好みは人それぞれですが、一般的には、「エリンギは新鮮でシャキシャキとした食感が美味しい」とされています。
ご紹介したような腐った状態になる前には、
「少し怪しいな。でも濃く味付けすれば食べられるかな?」という期間が数日あると思います。
人は不安な気持ちから、食べると腹痛が起こることもあります。
微妙な状態でも、”嫌だな”と感じたら食べないのがおすすめです。
豆知識:菌糸とカビの見分け方
エリンギを買ってしばらく経つと、細い糸のような菌糸が発生します。
これは、エリンギから発生したもので、洗い流せば食べられます。
と言っても、冒頭でもお話しした通り、私は食べる気が起きません。
菌糸もカビなので、有害なカビとの見分けはとても難しいです。
洗い流しても表面からヌメリが取れないときは、”有害なカビ”と判断して捨てて下さい。
注意!エリンギを生で食べないで
エリンギを含むキノコ類は、生で食べられないことに注意です。
生のキノコ類には、発がん性があると言われるホルムアルデビドが含まれています。
明らかに発がん性があるとは言えないという研究結果もありますが、ホルムアルデビドが加熱で減少することは確かです。
また、キノコ類は繊維がとても強いので、加熱しなければ消化が困難です。
新鮮なマッシュルームだけは生食が可能ですが、それも慎重な判断が必要です。
「エリンギは生だったらもっといい食感なのでは?」などと考えて生食するのは、絶対にやめて下さいね。
次に、エリンギの正しい保存方法をご紹介します。
エリンギにとって最適な保存環境を知って、少しでも長持ちさせたいですね。
エリンギの正しい保存方法とは?常温と冷蔵のどっちがいいの?
エリンギの製造販売メーカーから、保存方法についての情報が出されていました。
冷蔵庫(5℃)で保存しましょう。
先ほどご紹介した通り、常温でも涼しい室内なら数日は日持ちしますが、最適なのは5℃です。
5℃は、冷蔵庫の中では野菜室の温度です。
野菜室で保存するときのポイントを2つご紹介します。
エリンギに限らず、キノコ類全般に共通する情報ですよ。
ポイント1. 洗わないで保存
キノコの香り成分は水溶性です。
キノコに含まれる栄養分も水溶性なので、水で洗うと、キノコの魅力が流れてしまうというイメージです。
洗わないで、目につく汚れを取って調理するのが理想ですが、私は目に見えない汚れも気になります。
そんな場合は、キッチンペーパーを水で濡らし、固く絞ってキノコを拭くのがおすすめです。
*例外として、なめこだけは水洗いが必要です。
ポイント2.キッチンペーパーに包んで保存する
先ほど、”キノコは収穫してからも生き続けている”とご紹介しました。
呼吸をしていますので、パックを未開封のままだと内部に水滴がつき、カビや劣化の原因となります。
キノコをキッチンペーパーにくるんでから、保存袋に入れて野菜室に入れましょう。
キッチンペーパーが水滴を吸収してくれます。
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キノコの日持ちはどのくらい?美味しく長持ちさせる方法を教えて!
最後に、冷凍方法と合わせて、エリンギを最長期間保存できる方法をご紹介します。
エリンギを長持ちさせたい!冷凍よりも日持ちさせる方法とは?
エリンギは冷凍可能です。
冷蔵庫の野菜室よりも日持ちしますので、すぐに食べないときは冷凍がおすすめです。
エリンギを冷凍する方法
エリンギの冷凍は、繊維に沿ってカットするのがポイントです。
- エリンギを縦に切る(エリンギの繊維は上下にはしっています)
- 食べやすい大きさに切り分ける
- 1回分ずつラップに包む
- ジップつきの保存袋に入れて空気を抜く
- しっかり密閉して冷凍庫に入れる
キノコ類は臭いを吸収しやすいです。
少し面倒ですが、ラップと保存袋の両方を使うのがおすすめです。
1ヶ月程保存可能です。
解凍は必要なく、冷凍庫から出してそのまま加熱調理に使えます。
日持ちは半年!エリンギの乾物を作ってみよう
エリンギはもちろん、他のキノコ類や野菜にも使える、”乾物にする”という保存方法です。
水分を抜くことで食材の旨味が凝縮し、普通に加熱調理するのとは違う味わいが楽しめます!
- 晴れた日を見計らって作業します
- いしづきを切る
- 縦半分に切る
- 日光が良く当たる場所に置いて、干す
- 半日~3日ほどでカラカラになる
- ジップつきの保存袋に入れる
- 冷蔵庫で保存する
干す道具は、下記のような干物専用袋があります。
*我が家では、現在しいたけを乾物にしています。
手軽に色々な食材を乾物にできて、とても重宝しています!
新聞紙の上に重ならないように広げるだけでもOKですが、ホコリなどがつかないようにご注意下さい。
乾物にすると、最長で半年間保存可能です。
食べるときは、10分程水にさらし、調理の最後に入れます。
エリンギは、干しても食感が残ります。ぜひお試し下さい!
まとめ
エリンギの賞味期限を中心にご紹介してきました。
生で食べないなど、キノコ類全般についての知識もありましたね。
ポイントをまとめてみます!
-
- 生のエリンギの賞味期限は冷蔵庫で1週間、冷凍で1ヶ月ほど
- エリンギは腐ると見た目、臭い、味が変化する
- エリンギに出る白い糸のようなものは菌糸。カビとの見分けが難しい
- エリンギの最適な保存場所は冷蔵庫の野菜室
- エリンギを乾物にすると、半年間保存可能
エリンギは、トレハロースという成分で細胞が守られています。
トレハロースが含まれている生物の中には、何年も枯れていた状態でも、1滴の水で復活するものもあります。
乾物にしたエリンギが水で元に戻るのは、トレハロースの力が強いからです。
トレハロースは人間が摂取すると骨粗しょう症を改善するとも言われていて、子どもを出産した女性が注目したい成分ですね。
一年中安定した値段で、安定した品質のエリンギが買えますので、これからはもっと活用したいと思います♪