【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
うずらの卵が料理にちょっと入っていると、私は嬉しくなります。
”時には生卵で”、”時には水煮で”買うことがあるうずらの卵ですが、ちょっとだけ残して賞味期限が切れてしまうのが悩みです。
「生卵が残ったら、ゆで卵、半熟、煮卵など好きなように加熱してしまえば日持ちするのでしょうか?」
「水煮は、賞味期限が切れたら食べない方がいいのでしょうか?」
今回は、うずらの卵の賞味期限について、詳しく調べていきます!
- うずらの卵の賞味期限はいつまで?
- うずらの生卵は、茹でたほうが日持ちするの?
- うずらの卵の賞味期限が切れたら、加熱して食べていいの?
- うずらの卵の正しい保存方法
- うずらの卵は冷凍できる!
我が家でよく使う水煮のうずらの卵を見ると、「常温で保存」と書かれています。
冬は常温でも気にならないのですが、”常温”と言っても夏はキッチンが暑くなるので、ちょっと心配です。
今回は、”常温の正しい意味”などの、他の食品を保存するときに役立つ豆知識も交えながら、詳しくご紹介していきたいと思います!
管理栄養士・栄養士
目次
うずらの卵の賞味期限を徹底調査!生卵と水煮では違うの?
スーパーで売っているうずらの卵といえば、代表的なものは生卵と水煮です。
それぞれの賞味期限をチェックしてみましょう!
【うずらの生卵】の賞味期限
いくつかの農協のホームページを見て、詳しい情報を集めました。
うずらの生卵の賞味期限
- 生卵をパックに詰めてから21日間
- 冷蔵庫に入れて、夏:2週間、冬:3週間
上記の賞味期限で、夏が冬よりも短い理由については、詳しい情報を見つけることができませんでした。
うずらの生卵に限らず、食品を取り扱うときの常識から考えて、夏は持ち運び時の温度が高いことが理由だと予測できます。
うずらの生卵は”鶏の卵”よりも殻が薄いので、持ち運び時の環境の影響を受けやすいことは確実です!
豆知識:うずらの卵は殻が薄くてデリケート
うずらの生卵の殻の厚さは、鶏の卵の2/3ほどです。
卵の殻は、薄いほど外からの影響を受けやすくなります。
- 気温、光、湿度の影響を受けて劣化しやすい
- 圧力がかかると割れやすい
- 臭い移りがしやすい
うずらの生卵を持ち運ぶときには、十分に注意なさって下さい。
食べるまでの間に殻にヒビが入ってしまった場合は、中身の劣化が心配です。
すぐに食べられない場合は、もったいないですが処分することをおすすめします。
ここで、賞味期限の正しい意味も確認しておきましょう!
農林水産省のホームページに、わかりやすい説明がありました。
賞味期限とは
未開封で保存方法を守ったときの、美味しく食べられる期限のこと。
ちなみに、消費期限とは
未開封で保存方法を守ったときの、安全に食べられる期限のこと。
賞味期限が”美味しく食べられる期限”ということは、賞味期限が過ぎても食べられる可能性がありそうですね!
*賞味期限後の詳しい取り扱いについては、後ほど詳しく調べてご紹介したいと思います。
【うずらの卵の水煮】の賞味期限
うずらの卵の水煮の賞味期限を調べると、商品によって期間に開きがあることがわかりました。
うずらの卵の水煮の賞味期限
- 真空の袋入りのチルド:冷蔵庫で約1ヶ月半
- 真空の袋入りのレトルト:常温で約半年
- 缶詰入り:常温で約2年(開封後は2~3日)
- 燻製液に漬けたもの:常温で約5ヶ月
*燻製液に漬けたうずらは、商品名に”燻製”と入っています。
一見、本当に煙でいぶして香りをつけたのかと勘違いしますが、実際は燻製味の液に漬けた水煮です。
「本物の燻製とは違うけど、燻製の味わいを楽しめる」と覚えて頂けると幸いです。
賞味期限が長い商品でも、開封したら日持ちは短いですね。
豆知識:常温ってどんな場所?
「『常温保存』は、その辺に置いてOKという意味?」と思っていたのですが、調べてみると違いました!
- JAS規格では、5℃~35℃が常温
- 薬事法では15℃~25℃が常温
- 温度が一定の場所が常温
- 食品を保存することを考えると、直射日光や多湿はNG
以上が、一般的な『常温』です。
うずらの卵を安全に保存したいなら、25℃以下で温度が変わらない、風通しの良い場所に置いた方がよさそうですね。
最適な保存場所がご家庭にないときは、冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
食品が腐る大きな原因は、”空気、光、湿気”の3つです。
保存状態にもよりますが、開封後は3つの影響を受けて雑菌が付着し、あっという間に繁殖します。
*冷蔵庫での保存方法や冷凍など、保存方法については後ほど詳しくご紹介します!
うずらの卵は、水煮の方が賞味期限切れになるまでの期間が長いことがわかりました。
では生卵を買ってきて、自分でゆで卵、半熟、煮卵(味玉)など好みの状態に調理しておいても、日持ちするのでしょうか?
調理後のうずらの卵の賞味期限は?茹でたほうが日持ちするの?
こちらでは、自分で調理したうずらの卵の賞味期限をご紹介します。
うずらの卵を扱う会社のホームページなどを調査したところ、ショックな情報が飛び出してきました。
うずらの卵は、生卵の方が日持ちする。
賞味期限が切れかけているときに茹でても、日持ちする期間は長くならない。
”自分で調理したうずらの卵”の賞味期限の期間については、専門家などからの詳しい情報はありませんでした。
先ほどの市販の水煮の賞味期限にあったように、2~3日を目安に食べきることをおすすめします。
うずらの卵を茹でると日持ちしなくなるのは、なぜなのでしょうか?
茹でると日持ちしない!その理由とは?
生卵の卵白に含まれている酵素が、その秘密を握っています。
酵素とは?
酵素のたんぱく質でできています。
卵が持っているビタミン、ミネラルなどの栄養素を元気なまま保ち、細菌に抵抗する働きをしています。
酵素は熱に弱く、50℃以上になると、変化して働かなくなってしまいます。
生卵の中で働いてくれるのは、”リゾチーム”という酵素です。
うずらの生卵を加熱するときには、50度以上の沸騰したお湯を使いますよね。
リゾチームの働きが完全に失われ、茹でた後のうずらの卵は、腐りやすくなってしまいます。
市販の水煮の賞味期限が長いのはなぜ?
「市販の水煮なら賞味期限が長いのに、家庭でその賞味期限を再現できないのはおかしい!」と言いたくなります。
ただ、市販の水煮は、衛生、温度、湿度などが管理された場所と工程で製造されます。
また、完全に真空の状態で封をされるので、開封しなければ雑菌が繁殖することはできません。
袋や缶詰自体の素材も、空気、光、湿気を極力通さないように開発されたものです。
”家庭で調理したもの”と”市販の商品”は、比べることができないようですね。
うずらの卵は、お好みの固さに茹でてからの味のアレンジが豊富です。
鶏卵と違って、”小さくて濃い味わい”のうずらの卵だからこそ、飽きずに楽しめる味付けがたくさんあります。
- 醤油漬け(にんにくを入れても美味しい)
- めんつゆカレー
- ピクルス
- 燻製 など
少量ずつ違う味付けにして楽しめば、保存が必要ないくらいに箸が進むこと間違いなしです♪
ぜひお試し下さいね。
自分で加熱すると、うずらの卵が日持ちしなくなることがわかりました。
次に、生卵の状態で賞味期限切れになったときの対処法をご紹介します!
うずらの卵が賞味期限切れに!火を通せば食べても大丈夫?
JA全農ひろしまのホームページに、うずらの生卵が賞味期限切れになった場合の情報がありました。
- うずらの生卵に書かれている賞味期限は、あくまでも生で食べる場合の賞味期限
- 賞味期限が切れても、しっかり加熱すれば食べられる
- うずらの生卵の中には、「賞味期限後は加熱して食べる」と指示がある商品もある
- 買ってから食べるまで、10℃以下での保存は必ず守る
「賞味期限切れ後〇日は大丈夫」という詳しい情報はありませんでしたが、すぐに腐るわけではないとわかりました。
口コミなどを見ると、長いものだと
「2ヶ月近く賞味期限が過ぎたうずらの卵を食べても平気だった」という声もありました。
実際は、うずらの卵の殻を割ってみて、状態を確かめてから食べることになります。
うずらの生卵が腐ると、割った瞬間に強烈な臭いがします。
そんなときは、加熱するまでもなく捨てることをおすすめします。
最後に、うずらの卵の正しい保存方法をご紹介します。
以外な冷凍術もありますよ!
うずらの卵の正しい保存方法とは?冷凍することもできるの?
うずらの卵は、正しく保存すると、賞味期限が多少過ぎても食べられる可能性が高いです。
”生”と”水煮”に分けて、正しい保存方法を確認しましょう!
うずらの卵を保存するポイント
うずらの卵は、殻がついていることなどを考えて、いくつかのポイントをおさえて保存しましょう。
うずらの生卵の正しい保存方法
うずらの生卵を保存するポイントは3つです。
- 10℃以下の場所
- 臭いの強いものの近くに置かない
- 割れないように注意
冷蔵庫のドアポケットには、卵置き場が設置されていることが多いですよね。
実は、うずらの卵も鶏卵も、殻が割れる可能性を考えて別の場所に移すのがベストです。
卵置きをドアポケットから出し、安定した棚に置くと安全に保存できます!
うずらの卵の水煮の保存方法
一度に使い切れなかった水煮は、しっかり密封できて清潔な容器に入れて保存します。
つぶれやすいので、保存袋よりもタッパーなどがおすすめです。
前に入れていた食品の油など、洗い残しがある場合は腐りやすくなりますので、ご注意下さいね。
*未開封の場合は、商品に書かれている保存方法を守ってOKです。
生卵はお好みで冷凍も可能!
「生卵は冷凍できない」という常識は、実は古いんです!
冷凍の仕方は、殻のまま冷凍庫に入れて、割れないように保存するだけ。2週間程保存可能です。
私も早速試してみました。
生卵を冷凍すると、黄身が元の液状には戻らなくなります。
舌にまとわりつく食感で、黄身の味が濃く感じられるのが、私は気に入りました。
黄身が液状に戻らないことを利用して、肉に包む、天ぷらにするなど、料理の幅も広がります!
まとめ
うずらの卵の賞味期限について詳しくご紹介してきました。
最後には、常識を覆す「冷凍できる」なんていう情報もありましたね。
ポイントをまとめてみます!
- うずらの生卵の賞味期限は2~3週間
- うずらの卵の水煮の賞味期限は1ヶ月半~2年
- 自分で調理したうずらの卵は日持ちしない。賞味期限は2~3日
- うずらの生卵は、賞味期限切れになっても食べられる可能性が高い
- うずらの卵の性質を考えて、ポイントをおさえて保存する
- うずらの生卵は冷凍できる
うずらの卵には、実は女性に嬉しい栄養素が豊富に含まれていることをご存知でしょうか?
”ビタミンB12”が貧血を防ぎ、”セレン”がアンチエイジング効果をもたらしてくれます。
うずらの卵に限らず1つの食品を食べ過ぎるのは禁物ですが、ぜひ日常に取り入れたい食品ですね。
鶏卵中心に食べていましたが、これからはうずらの卵をもっと楽しめそうです♪