【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
我家は大の豆腐好きということもあり、いろいろな豆腐料理をよく食べるのですが…。
先日、冷蔵庫の整理をしたところ、賞味期限が過ぎた豆腐と、開封してタッパに入った豆腐が出てきました!
そこで、
「開封していなくても、賞味期限が切れた豆腐って腐る?」
「これ、大丈夫かな?」
と、あーだこーだ妻と議論。
結局、お互いに自信がないので、「きちんと調べて安全性を確認しよう!」ということになりました。
意外に知らないものですよね、賞味期限や消費期限のことって。
そこで今回は、下記テーマに沿ってお伝えしていきます。
この記事でわかること
- 豆腐は賞味期限が過ぎたらいつまで食べて大丈夫か?
- 豆腐が腐ったときの見分け方とは
- 豆腐の食中毒や加熱しても死滅しない菌について
- 豆腐の正しい保存方法は?
みなさんは「食品が腐っているかどうか」の判断に自信がありますか?
開封したあと、「余った豆腐は何日くらい大丈夫か」わかりますか?
「自分の味覚と嗅覚を信じろ!」なんて耳にすることがありますが、私はまったく自信ありません。
(いわゆる人間的な能力のことですよね)
そして、実際には腐っていなかったとしても、「もしかしたら…」と一度不安を抱くともうダメです。
変な味がしなくても、変な味に感じてしまうほど、気持ちが大きく左右されます。
こちらの記事を読み終わるころには…。
今後は不安を抱くことなく、腐っている豆腐を見極めて「食べる」「食べない」の判断がつくようになれますよ!
それでは、早速いちばん知りたいこと、豆腐はいつまで食べることができるのかについて、見ていきたいと思います!
管理栄養士・栄養士
目次
豆腐は賞味期限切れからいつまで安全?期限が過ぎても食べられるの?
豆腐ってアレンジの幅が広い、スペシャルで優秀な食品ですよね!
豆腐の味噌汁、麻婆豆腐、アボカド豆腐サラダ、豆腐ハンバーグ、湯豆腐、鍋、冷奴…。
わが家で高頻度で出てくるメニューだけでも、これだけの種類があります。
きっと、豆腐をまとめ買いしているご家庭も多いのではないでしょうか。
安いと、つい我が家は爆買いしてしまいます。
でも、商品に記載してある【賞味期限】って、意外に短いと思いませんか?(※豆腐は消費期限ではなく、賞味期限が表示されています)
冷蔵庫の豆腐を片手に、「食べて大丈夫?」「食べないほうがいい?」と悩んでしまう人は、多いのではないでしょうか?
ということでこの章では、賞味期限が過ぎて、どれくらいまでなら食べて大丈夫かについてお伝えしていきます!
賞味期限切れの豆腐はいつまで食べていいの?
結論からお伝えすると、豆腐は賞味期限切れから何日まで大丈夫なのかは、明確には分からないようです。
つまり、自己判断で決めなくてはいけません。
未開封の豆腐であれば、賞味期限を過ぎた場合でも1~2日以内に食べればまったく問題ありません。
しかし、賞味期限が長めに切れてしまり、開封後の豆腐を食べたりするときには注意すべきことがあるので、順に説明していきますね!
賞味期限を目安に自己判断を
まず、豆腐の商品パッケージに表示されている【賞味期限】についてですが、おいしく食べられる期限のことです。
こちらは、劣化が比較的遅い食品に表示されています。
定められた方法で保存した場合に、期待されるすべての品質の保持が、十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいいます。
ただし期限を過ぎた場合でも、これらの品質が保持されていることがあるとされています。
つまり、この期限を過ぎたからといって、すぐ食べられないということではありません。
豆腐に関しても、賞味期限が過ぎてしまっても、すぐに食べられなくなるわけではないことがわかりますね!
また、保存方法が良ければ、賞味期限を過ぎても食べられる可能性が高いので、腐っているかどうかを自分で判断しましょう!
ふたや包装を開けたあとは?
期限表示は、「賞味期限」「消費期限」どちらも、容器・包装を開封する前の期限を表しています。
そのため、一度開封したあとの食品は、表示された期限にかかわらず早めに食べるようにしましょうね!
「消費期限」が表示されていたら注意!
『消費期限』と表示された豆腐は保存料が含まれていないため、開封前でも日付を過ぎたら食べないようにしましょう!
ここで、「消費期限」についても説明しておきます。
この消費期限とは、品質が変わらずに安全に食べられる期限のことです。
劣化が速い食品(目安として、だいたい5日以内に悪くなるもの)に表示されています。
定められた方法で保存した場合に、腐敗・変敗・その他品質の劣化に伴い、安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日をいいます。
つまり、この期限を過ぎたら、食べないほうがいいということです。
【※注意!】
豆腐屋さんの豆腐は、防腐剤が入っていないものが多く傷みがとても早いので、購入後はなるべく早めに食べましょう!
また、豆腐の賞味期限・消費期限が切れてしまったときには、なるべく加熱処理をして食べましょう!
下記のメニューも、ぜひ参考にしてみてくださいね!
【豆腐の加熱メニュー例】
-
- 麻婆豆腐
- 豆腐ハンバーグ
- ピーマンの豆腐づめ
- 豆腐ステーキ
- 季節の野菜とたっぷり豆腐の炒めもの
- 豆腐をそぼろ状に炒め卵も炒めて2色丼
- 豆腐(薄く切る)と白菜・豚肉のミルフィーユ鍋
賞味期限が長い豆腐もあるんです!
まとめ買いをする人には、充填豆腐(じゅうてんどうふ)がおすすめです!
充填豆腐とは、パックの豆腐のまわりに水がない商品のことです。
プリンや茶わん蒸しのように、容器いっぱいにつまっている豆腐がこれですね。
製造段階で加熱処理がされてあり、賞味期限が1〜2カ月位と長いものが多いそうです。
我が家では、本当に豆腐をよく料理に使うので、まとめ買いがとても多く、腐らせてしまったこともありました…。
でもこれからは、この充填豆腐も購入するようにしようと思います!
賞味期限を大きく過ぎてしまったり、保存方法が間違っていたり…。
実際に、豆腐を腐らせてしまうこともありますよね。
我が家でも、たまにですが腐らせてしまうことがありますが、ちょっと粘りが出てくるんですよね。
粘り以外にも腐っているサインがあるので、次の章では「腐るとどうなるか?」「見分け方や判断基準など」について説明していきます。
覚えておくと、安心・安全につながるので大切な章ですよ!
豆腐は腐るとどうなるの?腐ったときの見分け方や判断基準はコレ!
豆腐は腐っているわけではないのに、なぜ「腐」と書くのでしょう?
このように疑問に思ったことはありませんか?
豆腐とは、大豆の絞り汁をにがりなどの凝固材によって固めた、大豆加工食品のことをいいます。
豆腐は、「腐」という字を使いますが、腐っているわけでも発酵食品でもありません。
「豆腐」の発祥は、紀元前2世紀ごろの中国といわれています。
中国語では、「腐」が「液状のものが集まって固形状になった柔らかいもの」「ぶよぶよしたもの」という意味で使われているそうです。
そこから、「豆腐」という名前が付けられたようです。
ですが豆腐も生ものなので、賞味期限が大きく過ぎたり、間違った保存方法をしたりすると当然腐ります!
豆腐が腐っているかどうかについては、見た目・におい・味などで判断できます。
豆腐が腐っているかの判断基準
賞味期限を大きく過ぎてしまった、保存しておいた豆腐の水を変えるのを忘れてしまった…。
そのような場合には、食べる前に腐っていないかどうかを確認するようにしましょう!
豆腐は腐ると、どうなるのでしょうか?
腐っていないかを見分けるための判断基準について、説明していきます。
臭いをチェック!
- 大豆が青臭いような臭いがする
- 酸っぱい臭いや異臭がする
- 包丁で切って中の臭いも確認する
見た目の状態をチェック!
- 手にとってみるとねばっこさがある
- 豆腐の色が黄色に変色する
- 触るとヌメヌメする
- 水分が糸を引いたような状態になる
- ドロドロと簡単に崩れる
- パックの中の水分が白く濁る
- 豆腐の入っている容器が膨張する
(パックがパンパンになるのは、パック内で豆腐の発酵が進んでガスが放出されるため。腐っている可能性が高いので、慎重に確認を)
味をチェック!
少し食べてみると酸っぱい味や苦い味がして、食べられたものではないほど
豆腐は、それほど日持ちがしない食品です。
お腹が弱い人・体調が良くない人などは、特に気をつけましょう。
腐っている可能性があるときは、たとえ加熱処理をしたとしても食べないほうがいいでしょう。
万が一腐っている豆腐を食べてしまった場合には、お腹を壊したり、体調を崩したりします。
また、場合によっては食中毒になってしまうケースもあるようなんですよ!おそろしいですよね…。
次の章では、食中毒に関する注意点などについてお伝えしていきます。
豆腐による食中毒に要注意!加熱しても死なない菌にも注意して!
「加熱したら菌は死滅するから、大丈夫!」
こんなふうに思っている人は、少なくないのかもしれません。
かくいう私も食品全般において、「生は危ないかな。でも加熱すれば大丈夫!」という判断を、以前からよくしていました。
でも加熱しても、食中毒にあたってしまったことが何度かあり、不思議に思っていました。
実は加熱処理したからといって、あらゆる菌が死滅するわけではなかったんですね。
豆腐を食べて、食中毒になる可能性もあるようなんです!
では、どのように注意したら良いのか?具体的に見ていきましょう。
豆腐をたべて食中毒になる理由
豆腐の原料は、主に大豆とにがりです。
大豆にはタンパク質が多く含まれていますが、そのタンパク質が腐敗菌に侵されることにより酸味が発生します。
つまり、腐った豆腐を食べることで、食中毒になる場合もあるということです。
食中毒の原因となる主な菌は、「黄色ブドウ球菌」と「セレウス菌」です。
黄色ブドウ球菌とは?
黄色ブドウ球菌は、人の表皮や鼻の粘膜に存在し、とくに傷口などの炎症部位に多くいるそうです。
食品中で増殖するときに、「エンテロトキシン」という毒素を作り、この毒素が食中毒の原因になります。
菌自体は熱に弱く、加熱することで死滅するそうですが、毒素は残るようです。
セレウス菌とは?
セレウス菌は、河川や土の中など自然界に広くいる細菌で、米・小麦・豆・野菜などの農作物や、穀物を原料とする食品が要注意。
セレウス菌の厄介な特徴として、90℃で60分の加熱にも耐える「芽胞」というものを形成します。
30℃前後でもっとも活発になり、調理後の冷めた食品の中で、急激に増殖するそうなんです…。
つまり、「セレウス菌は加熱しても完全に死滅しない!!」ということなんですね。
食中毒の主な症状
- 嘔吐型:激しい吐き気・嘔吐
- 下痢型:腹痛・下痢
食中毒にならないために!
黄色ブドウ球菌・セレウス菌、いずれもある程度の数まで増殖しないと、食中毒は発生しないそうです。
食品に菌がつかないようにする、増やさないようにするための予防をしっかり行うことで、食中毒は未然に防げるということですね!
それでは、実際に食中毒にならないためのポイントを見ていきましょう。
菌をつけない!
- 手洗いを十分にしっかり行うこと
- 手に傷口がある場合は、直接食品に触れないようにする
- 調理の前に食材はよく洗ってから使う
菌を増やさない!
- 調理した食品はなるべくすぐに食べ、常温に長時間放置をしないこと
- 保存する食品は迅速に10℃以下に冷却し、菌が増殖する温度帯を短くする
※食品を冷蔵庫に入れて保管しても、菌はゆっくりと増殖するので早めに食べましょう!
菌をやっつける!
多くの菌は加熱によって死滅します。
今回注目している、黄色ブドウ球菌・セレウス菌の場合、黄色ブドウ球菌は加熱処理で死滅します。食品を扱うときには、外部からあらゆる菌が入り込む可能性があるので、加熱処理を行うことで予防につながることでしょう!
豆腐の正しい保存方法とは?冷凍保存もできるの?
ここまでの章で、豆腐には基本的に”賞味期限”が表示されていますが、”消費期限”が表示されている商品もあるということがわかりました。
でも、その【期限】とは、あくまで商品に記載されてある保存方法を守った場合に限ります。
つまり、豆腐の賞味期限を信じてよいかどうかは、正しい保存方法がポイントであるというわけなんですね。
豆腐の正しい保存方法
それでは、豆腐の正しい保存方法について説明していきます。
1.開封後に余った豆腐は、タッパーなどの容器に入れ替える
※一度熱湯に通してから保存すると、衛生的によいでしょう
2.豆腐が浸るまで、水をひたひたに入れる
※塩をひとつかみ入れる
3.フタをして冷蔵庫で保存する
【※注意!】
豆腐を浸している水は、毎日取り替えるようにしてください。
豆腐の保存方法はとっても簡単ですね!
料理に使い切れずにあまった分の豆腐は、数日以内に使えそうなら冷蔵保存。
豆腐料理の予定がなさそうなら、冷凍保存がオススメ!
冷凍保存については、次で説明します。
豆腐は冷凍保存もできます!
豆腐を冷凍保存する場合、以下の手順でやってみてください。
2.その後、密閉できる袋に入れて冷凍庫で保存する
※未開封の場合は、パックごと冷凍庫に入れてしまってOK
冷凍した豆腐を使用するとき
冷凍した豆腐を使うときは、事前に室温で解凍してから使いましょう。
水分が出るので、キッチンペーパーなどで包み、ザルやバットにのせます。
冷凍後は食感が変化するのでアレンジ料理に便利!
絹ごし豆腐は、なめらかさが特徴的ですよね!
ただし、冷凍すると少し歯ごたえのある食感になり、独特の風味や食感は失われます。
いつも通りのなめらかな食感を楽しみたいのであれば、冷凍より冷蔵がオススメ。
でも、料理に使うのでなめらかさは必要ないという場合は、冷凍できるので便利ですよ!
ちなみに木綿豆腐は冷蔵のほか、冷凍でも本来の味わいが保たれるそうです!
そして、冷凍すると味が染み込みやすい状態に変化するそうで、煮込み料理や鍋物などにおいしい豆腐として使えそうですね。
冷凍後の豆腐は食感が出るので、ソイミート風にお肉代わりに使ってもよいですね!
冷凍した場合の保存期間
豆腐をパックのままの保存した場合は1カ月、
正しい保存方法って、とても大切なんですね!
もめん豆腐ときぬごし豆腐の違い
豆腐の製造工程は、大豆を水に浸し、砕いて「呉(ご)」を作り煮沸して、豆乳とおからとを分離します
その豆乳を、凝固 → くずし → 圧搾 → 成型 → 水さらし → 冷却したものがもめん豆腐
豆乳をそのまま凝固 → 成型 → 水さらし → 冷却したものがきぬごし豆腐
まとめ
それでは、本日のまとめです。
- 豆腐は賞味期限切れからいつまでOKかは、明確にはわからない
- 賞味期限切れの豆腐を食べるかどうかは自己判断で決める
- 未開封の豆腐は、賞味期限を過ても1~2日以内に食べれば問題ない
- 賞味期限とはおいしく食べられる期限のこと
- 賞味期限を過ぎても、すぐに食べられないということではない
- 消費期限とは品質が変わらずに安全に食べられる期限のこと
- 賞味期限を過ぎたら食べないほうがいい
- 豆腐は賞味期限が大きく過ぎたり、間違った保存方法をしたりすると腐る!
- 腐っているかの判断基準は「見た目・におい・味」などで確認する
- 腐った豆腐を食べると食中毒になることもある!
- 「菌をつけない!菌を増やさない!菌をやっつける!」がポイント
- 賞味期限を信じてよいかどうかは、正しい保存方法がポイント!
- すぐ使わないときや賞味期限が迫っているときは、冷凍保存がオススメ!
賞味期限が切れた豆腐を食べるかどうかを判断するためのポイントを、ご理解いただけたのではないでしょうか。
調べていくなかで、安心・安全な食事をするために知っておくべき情報が多かったので、私自身とても勉強になりました!
自分の判断で見分けるしかなかったので、「腐ってるかな?」といった不安が一番いやなものでした。
でも今回ポイントがわかったので、今までより安心できると思います!
これからは、今まで以上に豆腐料理を安心して楽しめますね!