【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
ダイエットに、野菜の値段が高くて困る時に、あともう一品を簡単に作り足したい特に…。
もやしはダイエッターや日々の献立に悩む主婦、月末の食費に悩む人にとっては欠かせない食材ですよね。
そんなもやしはシャキシャキとした食感が楽しい食材ではありますが、”さっと火を通す”という調理方法が多いような気がします。いっそのこと、サラダなど生で食べちゃえば、もっと簡単なのでは…?
私はズボラな性分なので”生”という手軽さが頭をよぎりますが、もやしって早く火が通る割には生で食べるレシピは見かけないですよね。
そんなわけで今回は「もやしを生で食べると危険なの?こんなときは食中毒に要注意!」というテーマで調べてみました。
- ”生のままのもやし”は食べると危険なものなのか?
- 腐ったもやしってどんな感じなの?
- もやしってスグに腐っちゃう…上手な保存方法は?
- もやしを最大限に生かしたい!料理のコツは何?
などなど、「この頃野菜が高いから、もやしの登場回数が増えたなぁ」という方にも「うちの食卓はもやしがベストパートナーだ」いう方にも知っておいてほしい、
美味しく安全にもやしを食べるために知っておきたいことをまとめていきます。
管理栄養士・栄養士
目次
もやしを生で食べると危険なの?生食できない理由はコレだ!
「もやしは足の早い食材」とよく言いますが、腐りやすいというだけでは生で食べられないことにはならないですよね。
実は、もやしは日光が当たらない所で育てられているため、大腸菌などの最近が繁殖しやすい野菜なんです。サルモネラ菌などの危険な菌が付着している場合もあうので、生では食べられません。
一見してもやしは袋詰めされているから菌が繁殖しにくい状態のように思えますが、収穫から袋詰め、スーパーでの陳列や調理の際の開封後までの間に多くの人が触ったり温度などの環境が変化しているため、意外と劣化も激しいんですよ。
そのため生産者側も”加熱調理を前提とした野菜”としてもやしを育てていますし、「買ってきてスグ!なら新鮮だし大丈夫~」という油断は禁物です。
加えてもやしは加熱調理をした方が青臭さも取れて美味しく食べられますので、必ず火を通すようにしましょう。
外国にはもやしを生で食べる食文化もありますが、そちらは生食用として生産されているもので、日本のもやしとは別物です。ちなみにイギリスでは2010年に、もやしによるサルモネラ食中毒事件が起きています。
食中毒に要注意!腐った生もやしの見分け方とは?
もやしの日持ちはおよそ3日程度と短く、保管状況によっては2日程度で痛み始めることもあります。腐った生もやしの特徴が出ていたら、袋ごと捨ててしまいましょう。
<生もやしが腐っている時の特徴>
- 強烈な酸っぱい臭いがする
- もやしの白い部分が黒くなっていく
- ぬめりが出ている
- 芽の部分は茶色っぽくなる
- 茎の部分が水っぽくなったり、全体にかさが減る
- もやしの水分(腐った汁)が出てくる
パッケージの袋が未開封のまま冷蔵庫に入れて置き、水がたっぷり溜まっていたら怪しい合図!私の経験上、もやしは腐り始めると水分が出てくることが多いですので、私は水が溜まっていたら未開封のまま捨ててしまっています。
芽の部分が薄い茶色になっていることは多いですが、これが”いかにも腐って良そうな茶色”になった時が危ないです。もし不安なようでしたら、しっかり加熱しておきましょう。
中心部分が75℃以上の状態で1分間加熱すると、ほとんどの細菌などは死滅します。
しっかり加熱しても、毒素が残ったままになってしまうこともあります。そういうもやしを食べて食中毒になってしまう危険性もあるので、なるべく調理前の状態をよく観察してから調理する習慣をつけておくと良いですね。
食中毒になると下痢や激しい腹痛、嘔吐などの辛い症状が出ます。万が一もやしを食べて症状が出てしまったら、しばらく様子を見て、症状がひどい場合は病院へ行ってくださいね。
シャキシャキ感が長持ち!生もやしの正しい保存方法とは?
もやしは日持ちしない野菜ですから、なるべく早く使い切ることが大切です。安いのでついつい大量に買いたくなってしまいますが、2~3日で使い切れる量を目安にしておきましょうね。
とはいえ、もやしだけのためにスーパーへ行くのも面倒くさいです。野菜が高い時期など、上手に保存して毎日もやしをフル活用したい!という方は、こんな方法を試してみてください。
もやしの正しい保存方法①
- 根を綺麗に取って保存容器にもやしを入れ、全体が浸るくらいの水を入れて蓋を閉め、冷蔵で保存
- 密閉容器や密閉できる袋に入れ、水は毎日取り換えること
もやしの正しい保存方法②
- 一度湯通しし、ポリ袋に入れて冷蔵で保存
- ポリ袋には爪楊枝などで空気穴を開けておくと良い
もやしの正しい保存方法③
- 軽く洗ってザルにあげて水を切り、密閉できる袋に入れて冷凍で保存
- 水はしっかり切ることと、密閉袋に入れたらなるべく空気を抜いておくことがコツ
冷凍の場合は解凍した時に水っぽくなってしまうので、シャキシャキとした食感が欲しい料理には向きません。
私も使い切れない時は冷凍しますが、スープなど食感を気にしない料理に使うことが多いです。スープの他にはナムルや炒め物など、しっかりした味付けで食感を気にならない料理に使うのがオススメですよ。
もやしは安いので食卓に登場する回数も多く、同じレシピだと家族も飽きやすいですよね。そこで次は、もやしを美味しく料理するコツをご紹介します。
まるでプロの技!もやしを美味しく料理するコツはあるの?
- 茹でたもやしはザルにあげて自然に冷まし、水にさらさない
- もやしを炒める時は、熱したフライパンに入れて30秒くらいでOK
炒めすぎると水っぽくなってしまうので、さっと炒めてシャキシャキとした食感が残っている方が美味しく仕上がります。
また塩コショウのみの味付でシンプルなもやし炒めを作る時は、顆粒のコンソメやごま油などでお好みの風味をつけると美味しくなりますよ。私のオススメは「顆粒の鶏ガラ+ガラムマサラを少し振り入れる」です。辛味で味が引き締まって、主人にも好評です。
この他、品種ごとのコツもありますのでご覧くださいね。
緑豆もやし・ブラックマッペもやしを茹でるコツ
- 茹でる時にサラダ油を大さじ2杯と塩少々を水に入れる
- 沸騰したらもやしを入れて、再沸騰したら10秒くらいで取り出す
大豆もやしを茹でるコツ
- 水からもやしを入れて、5分茹でる(白菜と同じくらいの茹で時間)
- 大豆もやしは長めに茹でる品種なので、下茹でするのもオススメ
<もやしは調理の前に洗う必要はある?>
もやしは出荷される前に清潔な水で洗われてから袋詰めされます。そのため基本的に、袋から出して洗う必要はないことが多いです。
ただ全ての商品が洗う必要がないとは限らないので、一度パッケージの注意書きを読んでおきましょう。また臭いが気になる場合は一度洗って水を切っておくと良いです。
「もやしは栄養がない」は真っ赤なウソ!実は栄養満点なヘルシー野菜だった!
もやしは水っぽいですし、色も薄いですから、見た感じで「栄養がない」と思われがちです。
けれど、それは大きな間違い!
もやしにはビタミン・カルシウム・鉄分などのミネラルが豊富に含まれており、更に水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれていることから便秘解消や大腸がん予防に効果があると言われています。
アミノ酸を多く含んでいるので疲労回復も期待できますし、動脈硬化や風邪の予防にも良いそうです。日露戦争や第二次世界大戦中には、兵士のビタミン不足を予防するためにもやしが食べられていたという話もあるくらいなんですよ。
もやしは葉酸も含んでいるので、妊婦さんにもオススメなんです。妊娠中は人によっては体重管理に悩むこともありますし、低カロリーで栄養豊富な食材は欠かせませんね。
もちろん、低カロリーなのでダイエットにも最適ですよ!
まとめ
- もやしは加熱調理を前提とした野菜で、生では食べられない
- 基本的には洗わず調理して良いことが多いが、パッケージで確認しておこう
- 臭いが気になる時は洗ってから調理すると良い
- もやしは低カロリーで栄養豊富な食材で、妊婦やダイエッターにもオススメ
<生もやしが腐っている時の特徴>
- 強烈な酸っぱい臭いがする
- もやしの白い部分が黒くなっていく
- ぬめりが出ている
- 芽の部分は茶色っぽくなる
- 茎の部分が水っぽくなったり、全体にかさが減る
- もやしの水分(腐った汁)が出てくる
<もやしの正しい保存方法3つ>
- 根を綺麗に取って水に浸して冷蔵で保存
密閉容器や密閉できる袋に入れ、水は毎日取り換えること - 一度湯通しし、ポリ袋に入れて冷蔵で保存
ポリ袋には爪楊枝などで空気穴を開けておくと良い - 軽く洗ってザルにあげて水を切り、密閉できる袋に入れて冷凍で保存
水はしっかり切ることと、密閉袋に入れたらなるべく空気を抜いておくことがコツ
<もやしを美味しく料理するコツ>
- 茹でたもやしはザルにあげて自然に冷まし、水にさらさない
- もやしを炒める時は、熱したフライパンに入れて30秒くらいでOK
<緑豆もやし・ブラックマッペを茹でるコツ>
- 茹でる時にサラダ油を大さじ2杯と塩少々を水に入れる
- 沸騰したらもやしを入れて、再沸騰したら10秒くらいで取り出す
<大豆もやしを茹でるコツ>
- 水からもやしを入れて、5分茹でる(白菜と同じくらいの茹で時間)
- 大豆もやしは長めに茹でる品種なので、下茹でするのもオススメ
もやしは暗いところで育てられているため、雑菌に弱いです。ので、長く冷蔵庫に保存しようとするよりも小まめに買い足していくのが一番簡単な方法でしょう。
買う時には新鮮なものを選び、パッケージの内側に水分が多くついているものや、しなしなと元気のないものは避けると良いです。新鮮なもやしは
- 色白で張りのある感じ
- 手で持った時にパリッとした硬めの感触がある
- 子葉(先についている小さな葉)が薄黄色
という特徴があります。パリッとした新鮮なもやしを買ってきて、シャキシャキした食感を活かして料理すれば美味しくなること間違いなしですよ。
もやしは栄養豊富なのに低カロリーですし、さっぱりした味なので色んな料理に使いやすくて便利ですよね。1年を通じて安価なのも嬉しいですし、加熱時間も短めなので手軽なレシピもたくさんあります。
せっかく買っても食べなければ無駄遣い!上手に保存して、料理のコツをおさえて毎日の食卓に活用していきたいですね。
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