【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
ひき肉は消費期限が短くて傷みやすいので、早めに使い切ってしまわないといけない食材の代表格ですよね。
消費期限から2日から3日過ぎたくらいでも変色したり、変なにおいを放つ可能性もあります。
でも、ついうっかり忘れて消費期限切れにる場合もありますが、いつまでなら食べても大丈夫なのか判断するのは難しいですよね。
そこで今回は、消費期限が短いひき肉について以下の項目を調べてみました。
- 消費期限切れになったひき肉はいつまで食べられるのか
- 食べてはいけないひき肉の見分け方
- 正しいひき肉の保存方法
消費期限から5日も過ぎたひき肉はさすがに食べられないかなと思いますが、火を通すならまだ食べられるかな?と思う一方で、お腹を壊して食中毒症状が起こっても困りますよね。
ひき肉が腐るとどうなるのか、鶏肉や豚肉、牛肉によってひき肉の消費期限がどれだけ違うのかなども合わせて調べてみました。
消費期限内に食べきれないほどまとめ買いした時に便利な冷凍保存方法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてひき肉を上手に活用しましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
ひき肉の消費期限が2〜3日過ぎた!いつまでなら食べても大丈夫なの?
ひき肉に表示されているのは消費期限で安全に食べられる期限のことを言うので、風味を損なうなど美味しく食べられる期限を示す賞味期限とは違い、厳密に守るという人も多いです。
きちんと期限内に食べ切るためにも、まずはスーパーなどでひき肉に加工したお肉は消費期限が何日で設定されているのか確認してみましょう。
冷蔵室(4℃)で保存した場合 | チルド室(0℃)で保存した場合 | |
牛肉 | 3日 | 5日 |
豚肉 | ||
鶏肉 | 2日 | 4日 |
保存温度が10℃と想定した場合は、ひき肉の消費期限は加工日の当日から翌日とかなり短い期間で設定されます。
ブロック肉や小間切れ肉に比べて傷みやすいので「買ってきたらすぐに使う食材」という認識で丁度いいくらいなんです。
真冬に室温が10℃以下の部屋で常温保存していたのであれば別ですが、夏場は常温だと数時間も持たずに食べられない状態になります。
保存環境によっては半日くらいしか持たないとか、次の日になると既に傷んでしまう可能性もあるため、ひき肉を購入後はすぐに調理するか、保存温度を守って消費期限内に使い切ることが大切です。
腐っている肉の特徴が出ていないか見た目や臭いをよくチェックして、大丈夫そうならしっかり火を通してから食べてください。
消費期限切れの食材を食べるのは自己責任で!と、よく言われていますが本当にそれに尽きます。
不安な時は、一口分を加熱して口に含んで確かめても良いですが、異変を感じたらすぐに吐き出してください。
その際、ハンバーグなどの中まで火が通りにくい料理に使うのは避けた方が安全ですよ。
世間の人の経験談は?ネットで検索した結果は…
- 消費期限から1日~2日程度なら保存状態が良ければ大丈夫だと捉えている人が多かった
- 消費期限を3日以上過ぎている場合は諦める人が多数
- チルド室に入れていても消費期限から3日~4日過ぎていると不安視する人が多数
ひき肉は傷みやすいため、消費期限内でもにおいが強いなど、少しでも不安な要素があれば諦めた方が良いです。
さて「今、目の前にあるひき肉は食べられるのか?」ということが気になっているあなたは、この目安と比較して許容範囲内だと思えるかどうかや、次で解説している”食べてはいけない状態”を参考に判断してみてくださいね。
腐ると要注意!消費期限切れで食べられないひき肉の見分け方
ひき肉は細かい形状になっているため、かたまり肉に比べて同じ重さでも空気に触れている面積が大きく傷みやすいです。
またひき肉にされる肉自体の鮮度があまり良くないことも多く、それも傷みやすい原因の一つと言えます。
ひき肉は消費期限切れになると腐る可能性が高くなるため、食べられない状態の見分け方をしっかり確認しておくことが大切です。
ひき肉が腐るとこうなる!においや見た目の見分け方
- におい:ツンと鼻を刺すような酸っぱい臭いや腐敗臭
- 見た目:黄色っぽい、緑色っぽい
- 触ると:ヌルヌルする、粘り気のある糸を引く
ひき肉を食べても良いのか判断が難しい場合
判断が難しいのは、黒いまたは茶色っぽく変色している場合です。
ひき肉が酸素に触れて酸化すると色が濃くなって黒や茶色に見えるため、においや粘つきが無ければ食べても大丈夫ですが、気になるようなら変色した部分を取り除いてください。
75℃で1分以上加熱すればほとんどの菌は死滅するので、しっかり火を通すことが大切ですよ。
ただし食中毒を引き起こす菌の中には熱に耐えてしまう種類もあるので、食べる前や食べ始めてからも「おかしいな」と思うことがあったら食べるのは諦めた方が良いです。
もしも消費期限切れのひき肉を食べた後に体調を崩してしまったら、まずは少し様子を見てみましょう。
食中毒の症状は激しい腹痛や下痢、嘔吐、発熱などです。
O-157を始め菌の種類によっては辛い症状が続きます。
食中毒での死亡例もありますから、重い症状が出た場合は速やかに病院へ行ってくださいね。
ひき肉が腐るとどうなるのか見分け方を知ったことで、うっかり消費期限を過ぎてしまった際にも慌てずにすみそうですね。
最後はそんな事態にならないために、保存のコツもご紹介します。
ひき肉は冷凍してもいいの?ひき肉の正しい保存方法はコレだ!
ひき肉は表示されている消費期限をしっかり守って使い切ることが大切です。
常温保存はNGなので、購入後はすぐ冷蔵庫に入れるか、冷凍保存しましょう。
ひき肉の正しい保存手順
- ドリップ(薄い赤色の水)が出ている場合はキッチンペーパーなどで拭き取る
- なるべく空気に触れないようにぴったりとラップで包んで密閉容器や密閉袋に入れる
冷蔵の場合はチルド室に入れておくのがベスト!
肉の劣化を防ぐためには空気に触れさせないことが大切なので、ラップをぴったりと密着させてくださいね。
ラップで包む時に小分けにしておくと使いやすいですよ。
ひき肉の保存で気をつけること4つ
-
- パッケージに「解凍」と表示されていたひき肉は冷凍保存には向かない
- 買ってきたトレーのままで冷凍すると冷凍焼けを起こしてパサパサになりやすい
- 冷凍でも品質は劣化するため1ヶ月以内(できれば2週間から3週間以内)には食べ切ること
- 冷凍した肉を使う際は冷蔵庫に移してゆっくり解凍すると良い
パッケージに「解凍」と表示されているひき肉は、一度冷凍された肉を解凍して売っている状態なので、再び冷凍するとパサつきやすくて解凍後は美味しくありません。
以上のことに気をつけていれば正しく保存はできますが、最後にちょっとした裏技をご紹介しましょう。
ひき肉は調理後に冷凍するのがおすすめ!
実はひき肉を保存する際は生のまま冷凍保存するよりも、先に軽く調理してしまう方が使いやすくておすすめです。
以下は私が実際によくやる方法ですので、ぜひお試しくださいね。
炒めてから冷凍する
ひき肉を加熱後に冷凍するとパラパラな状態で保存できるため、いちいち小分けにしなくても少しずつ出して使いやすいです。
また食感もあまり悪くならないので、ラーメンや炒飯の具、コロッケの他、料理の”ちょい足し用”として密閉袋で冷凍保存しておくと便利ですよ。
玉ねぎやまいたけを細かく刻み、ひき肉と一緒に炒めて塩コショウで薄く味付けした状態で冷凍保存するのもオススメです。
野菜も炒めてありますから、私はこのままオムレツの具にしたり、麻婆豆腐に少し足したりしています。
ひき肉をたくさん買った時は、”すぐに食べ切る用”として、炒めた後で甘い味噌ダレで”肉味噌”にして密閉容器に入れ、冷蔵でも保存します。
こちらはご飯と相性が良いのでそのまま食卓にも出せますし、玉子焼きに添えたりもしますよ。
茹でてから冷凍する
こちらは離乳食用としてオススメの方法です。
離乳食では油はあまり使いませんし、茹でてから1回分ずつ小分けにして冷凍してあると、毎回の調理が時短になって便利ですよね。
あっさりめの調理方法なので、鶏のひき肉にオススメの方法でもあります。
生野菜と組み合わせたり、スープの具として最後に入れてもいいですね。
まとめ
ひき肉の消費期限に関して調査した結果は以下の通りです。
ひき肉に設定される消費期限(加工日より起算)
- 牛肉と豚肉:3日~5日
- 鶏肉:2日~4日
- ひき肉はブロック肉よりも消費期限が短い
- 消費期限は安全に食べられる期限なので食べるかどうかは自己責任
- 消費期限切れから1日~2日程度なら食べる人もいる
- 消費期限切れから3日過ぎたら諦める人が多い
消費期限切れ後のひき肉を自己責任で食べる場合
- ひき肉が腐ると酸っぱいにおいや見た目でわかる
- においや見た目が問題ないから食べる場合はしっかり火を通す
- 大半の食中毒菌は75℃で1分以上加熱すると死滅するが例外もある
- 体調に異変を感じたら速やかに病院へ行く
ひき肉の保存方法
- ドリップはあらかじめ拭き取る
- ラップでしっかり包んで密閉する
- トレーのまま冷凍保存は冷凍焼けの原因になる
- 冷凍保存したひき肉は冷蔵庫でゆっくり解凍する
- 加熱調理後に冷凍すると便利
きちんと保存されていたひき肉であれば、消費期限を1~2日過ぎたくらいなら食べられるかもしれませんが、ブロック肉やステーキ肉などに比べて、ひき肉は空気に触れる面積が多く傷みやすい食材です。
「たった1日だから」という判断の仕方ではなく、見た目とにおいをチェックして、よく確認した上で大丈夫そうだったら食べるようにしましょう。
よく火を通し、中までしっかり加熱もして食中毒を予防することも大切ですよ。
安全が約束された消費期限は過ぎているわけですから、食べるのは自己責任です。
どうしても不安ならば「食べない」という選択肢もあるので、よく考えてください。
そして次回からは食材が無駄にならないよう、きちんと保存して美味しく食べ切りたいですね。