【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
昨日スーパーで「要冷蔵」と書かれているプリンを買ってきたのですが、ついうっかり冷蔵庫に入れ忘れて常温のまま半日放置してしまいました。
常温のまま数時間放置していた要冷蔵のプリンを食べてしまうと、やっぱりお腹を壊しちゃうかな・・・と不安になりますよね。
そこで、要冷蔵の食品はどのくらい常温で放置していても大丈夫なのかなど、以下の項目について調べてみました!
- 要冷蔵の食品を常温で放置しても大丈夫なの?
- 常温の定義って何度なの?
- 賞味期限内でも常温放置は危険な食品例
- 卵を常温保存していると大変なことになる!?
- 要冷蔵のハムは常温に放置していても食べられる?
- 真空パックとレトルト食品の違いを知ってる?
要冷蔵品はどれくらい常温放置に耐えられるのかなんて判断が難しいですよね。
私たちの周りに溢れている「要冷蔵品」は、一体どれくらい常温で放置していおいていいものなのでしょうか?
そもそも「常温」ってどれくらいの温度のことを言うのでしょうか?
知っているようで知らなかった…普段かなりあやふやにしていた…なんて人も多いかもしれませんね。
要冷蔵食品の安全な管理方法について解説していきたいと思いますので、ぜひ毎日の食生活の中で参考にしてみてくださいね!
常温や要冷蔵品について詳しく知っておくと、これからの食生活でもとっても便利ですよ!!
管理栄養士・栄養士
目次
要冷蔵品はどれくらい常温放置に耐えられる?そもそも常温って何度なの?
スーパーやコンビニに行くと「要冷蔵」と表示されている食品がたくさんありますが、「冷蔵」で保存しなければいけないということは、当然ながら常温ではダメ!ということですよね。
でも、常温といっても夏と冬では室温が全然違うので基準がよくわかりません・・・。
そこで、まずは「冷蔵」とは何度で保存しなければいけないものなのか確認してみましょう!
要冷蔵品の保存に適した温度と「常温」の定義とは?
要冷蔵の食品を保存する場合には最適な温度が決められており、「冷蔵保存」は10℃以下での保存のことを言います。
知っていましたか?意外と知らなかった…という人も多いかもしれませんね。
また「常温」という言葉もよく聞いたり使ったりしていると思いますが、常温は厚生労働省では「外気温を超えない温度」と定めているんです。
ということは、夏の30度超えをするような猛暑の時と、冬の氷点下に達するような極寒の時では基準が違うのでわかりにくいですよね。
その一方で、日本薬局方の通則では常温を「15~25℃」、室温を「1~30℃」と規定しているんです。
医薬品には「室温保存」「冷所保存」「常温保存」などの保管方法が指定されており、温度の範囲が明確に定められています。
ですが、いちいち細かいことも覚えられない!という人も多いと思うので、
「常温保存」とは、外気温を超えない温度で直射日光を避けて風通しの良い場所で保存すること
と覚えておくのがおすすめです。
私もこのへんが曖昧だったので、常温と言われればただ冷蔵庫にしまわなければいっか!みたいに考えていました。
実際は外気温を超えない温度だったり、直射日光を避けて風通しの良い場所で…といった意味合いも含まれているんですね!
「要冷蔵」と記載がある場合には2種類の意味があった!
よくスーパーで買い物をしてくると「要冷蔵」という記載がありますが、これは具体的にどういった意味なのでしょうか?
要冷蔵と記載がある場合には以下の2つの意味があるということを覚えておくと便利です。
- 冷蔵保存しないと腐る
- 冷蔵保存しないと風味が変わる
腐ってしまうものと、味が変わってしまうもの2つの意味があるので、このへんは少し注意したほうがよさそうですね!
未開封であれば、ものによっては半日~一日程度の放置しても食べられるものもありますが、冬場でもエアコンなどで室温が高ければ腐ってしまうこともあります。
食べてみて「なんだかちょっと味や匂いに違和感があるな…」と感じたらすぐにやめましょう!!
私もよく「これくらいなら大丈夫かな…」なんて油断して食べてしまい、実は腐っていた!なんてことがよくあるので、やっぱり気をつけなくちゃなあ…と感じています。
要冷蔵と記載されている食品はたくさんありますが、一見すると常温でも大丈夫かも・・・?と思いがちで注意が必要な食品をリストアップしました。
- コンビニ弁当
- 牛乳やヨーグルトなどの乳製品
- 卵
- ハムやソーセージ
- 真空パック食品やレトルト食品
これらの要冷蔵食品に着目し、常温保存をした場合の安全性について詳しく紹介します。
では、要冷蔵と表示されているコンビニ弁当や、牛乳・ヨーグルトを常温放置した場合はどうなのでしょうか?
コンビニ弁当は?牛乳・ヨーグルトは?賞味期限内でも常温放置は危険なの?
最近では、夜ご飯もコンビニで済ませちゃおう…!なんてことができるようになりましたよね。
とっても便利な反面、コンビニ弁当ってどれくらい持つんだろう?という疑問点も湧いてくるのではないでしょうか?
コンビニ弁当は要冷蔵食品の代表的な存在のように感じますが、常温のまま放置した場合はすぐに傷んでしまうものなのか調べてみました。
コンビニ弁当は常温でも比較的大丈夫な理由
コンビニ弁当は店内では徹底して温度管理されていますが、実は常温でも比較的大丈夫だと言われています。
コンビニ弁当は「保存料」が入っているので、常温でも腐りにくくなっているんです。
もちろん直射日光や高温の場所に長時間放置するのはタブーですが、それ以外の場所にあれば半日程度持つと言われています。
ただ、勘違いしがちなのが「レンジで温めれば殺菌効果がある!」ということです。
実はレンジでチンしたところで殺菌効果は見込めないので要注意!
私もよく仕事終わりに面倒臭くて、コンビニ弁当を買ってしまうタイプなのですが、保存料が入っているからなかなか腐らないのね…と妙に納得してしまいました。
あまり体にはよくないと言われているので、やはりコンビニ弁当は便利ですが、ほどほどに食べるのがよさそうですよね。
牛乳やヨーグルトは一旦温度が上がると雑菌が…!
普段の生活で欠かせない、牛乳やヨールグトも一体どれくらいなら大丈夫なんだろう?なんて思うこと、ありますよね。
実は牛乳やヨーグルトは未開封であれば、常温でも5〜6時間くらいなら持つと言われています。
ただし、牛乳は一旦温度が上がってしまうと雑菌が増殖しやすくなると言われているので、なるべく一度開けてしまったらすぐに冷蔵庫に入れるのがおすすめです。
また、牛乳を開封済みで、口をつけて飲んでしまうとさらに菌が増殖してしまうと言われているので、できるならコップに移してから飲むのがいいですよ!
私は牛乳に目がないので、よく飲み口のところからガブガブ飲んでしまうのですが、これはあまりよろしくなさそうですね…(苦笑)
牛乳だけでなく、オレンジジュースなどのペットボトル入りの飲み物に口をつけて飲んだ場合も同様です。
きちんとコップに入れて飲むようにしたいと思います!
ヨーグルトは乳酸菌がいるから雑菌の増殖が抑えられる!?
ただし、ヨーグルトは乳酸菌がいるので、牛乳よりも雑菌の増殖が抑えられると言われています。
もちろん、だからと言ってずっと常温で置いておくのはとても危険ですので、できれば早めに冷蔵庫に入れるのがおすすめです。
少し日が経って、味や匂いをチェックした際に「これはさすがに酸っぱすぎるな…」などの違和感を感じた場合は、食べるのをやめましょう!
私も何度かヨーグルトで苦い思い出があるので、かなり敏感にはなっていますが、これからもさらに気をつけたいなあ…と思っています。
特にお年寄りやお子さんがいるご家庭では、お腹を壊したりすると大変なので、なるべく常温管理はせずにすぐ冷蔵庫にしまいましょう。
では、毎日のように使う卵の場合、家庭では冷蔵庫に入れて保存している人も多いと思いますが、常温保存でも大丈夫なのでしょうか?
卵は常温保存?要冷蔵?常温で長期間放置すると大変なことに!
朝から夜まで様々な料理に使うことの多い卵は、なんとなく「殻がついてるから平気そう…」なんて思っている人も多いかもしれませんが、あまり油断してずっと常温で放置してしまうのは危険です!
卵は採卵後から、夏なら16日、春秋は25日、冬なら57日以内なら生食できると言われているので、多少の常温保存は問題ないとされています。
ですが、スーパーなどで冷蔵で売られていた場合は、自宅でも冷蔵保存したほうが間違いないでしょう。
なるべくであれば、どんなときも卵は冷蔵保存した方が鮮度は保たれるので、冷蔵庫に入らない…!なんて時以外は、すぐに冷蔵庫に保存するのがいいでしょう。
気温の高いところで放置するとサルモネラ菌が増殖しちゃう!!
卵はあまりにも気温の高いところで何日も放置してしまうと、「サルモネラ菌」という菌が増殖してしまい、感染してしまうと激しい腹痛や嘔吐、下痢や発熱を起こしてしまう可能性があります。
そうなってしまわないように、保存場所はしっかりと気をつけることが大切です。
サルモネラ菌は中心温度が70℃以上で1分加熱調理すると死滅すると言われているので、心配だなあ…と思ったら、火を通した卵料理にするのが安心です。
どうしても生で食べたい!という時は、冷蔵保存で賞味期限内に食べるようにしましょう!
私も卵大好き人間なのですが、以前プリンを作って食べたら、激しい嘔吐に襲われたことがあり…原因はやっぱりサルモネラ菌でした…。
皆さんもそうならないように、卵の保管場所は気をつけましょう!
次章では、みんな大好きなハムやソーセージも要冷蔵と表示されていますが、常温で放置してしまった場合はそのまま食べられるのかについて調べてみました!
要冷蔵のハムを放置しちゃった!生で食べても大丈夫なの?
ハムやソーセージも毎日の朝ごはんなどに欠かせない食材の一つで要冷蔵として表示されていますが、実はもともと保存食品だということをご存知ですか?
もともとは冬の長いドイツの保存食として親しまれていましたが、現代では生鮮食品として扱われるようになりました。
なので、風味の劣化や変色を防ぐために「要冷蔵」と記載があるものは、冷蔵保存をしないといけないので注意しましょう。
2時間以内の短時間であれば常温でも問題ないとされていますが、念のためそのような場合は味や匂いをチェックしてから加熱調理をして食べるのがおすすめです。
ただし、一度開けてしまったものは常温で放置するのは危険なので、その際は必ずすぐに冷蔵庫に入れましょう。
未開封であれば食べれなくはありませんが、自己責任で…ということになるので、注意しながら食べてくださいね。
私はよく、開けっ放しで長時間置いてしまう癖があるので、その場合はちょっと心配になり、なるべく食べないように注意しています。
もったいないけどお腹を壊すのはもうごめんなので…(涙)
では、最近では当たり前になってきた真空パックのものや、レトルトは常温保存OKなのでしょうか?
真空パックは要冷蔵!常温保存すると最強の毒素の餌食に!
最近、プロの料理人も顔負けのレトルト食品や、真空パックになった食品が増えていますよね。
ちょっと手抜きをしたいという時などにあると便利なので、真空パックやレトルト食品を買い置きしている人も多いと思いますが、常温保存でも問題ないのか調べてみました。
レトルト食品は常温保存ができるが真空パックは要冷蔵!!
レトルト食品は常温保存ができるのですが、レトルト=真空パックとは異なります。
そのへんを混同してしまい、真空パックを常温保存してしまう人も多いのですが、これは注意が必要なんです!!
真空パックの中は酸素が少ないため、「最強の自然毒素」と言われている「ボツリヌス菌」が非常に繁殖しやすい環境になっているんです。
ボツリヌス菌は酸素がある環境だと増えず、逆に酸素が少ないほど増えるという厄介な特性があり、しかも毒性が強い菌なのです。
逆にボツリヌス菌は冷温に弱いため、10℃以下で冷蔵保存するのがおすすめです。
一方、レトルト食品は熱に強いボツリヌス菌が死ぬと言われている、120℃で4分以上加熱されているため、常温での保存が可能になっています。
ボツリヌス菌でも死亡例はまだありませんが、まひや呼吸困難などの重い症状が出てしまう可能性があるので、そのへんは十分に気をつけましょう!
まとめ
いかがでしたか?
今回は要冷蔵食品を常温で放置しても良いのかなど、以下の項目について解説してきましたが、意外と知らなかった…目から鱗だった…という人も多いのではないでしょうか?
- 要冷蔵品は基本的には10℃以下で保存が必要
- 常温の定義は外気温を超えない温度か、15~25℃が目安
- 要冷蔵品を常温で放置しても大丈夫かは食品によって違う
- コンビニ弁当はや乳製品は賞味期限内でも常温放置には注意!
- 卵は常温で長期間放置するとサルモネラ菌繁殖の恐れがある
- ハムは未開封で2時間程度なら常温でも大丈夫
- 真空パックは要冷蔵!レトルト食品は常温保存できる
なんとなくは知っていても、なかなか常温や要冷蔵についてしっかりと知識を持つって難しいのかもしれませんよね。
これからの食生活で、ぜひ今回の記事のことを活かして頂ければ嬉しいです!!
私もさらに知識が深まったので、今日の晩御飯から常温や要冷蔵のものを意識してみたいなと思います。