【執筆者:管理栄養士 鳥越菜生】
豆腐は賞味期限切れになっても、未開封なら2日程度は食べられる場合があります。
しかし日持ちしにくく消費期限が表示されているタイプは、期限切れ後は食べられないので要注意です。
主に木綿豆腐と絹ごし豆腐がありますが、充填豆腐と呼ばれる賞味期限の長いタイプも増えてきました。
この記事では、豆腐を安全に美味しく食べるために知っておきたい次の項目について、詳しくご紹介します。
豆腐のこと
- 賞味期限切れ後何日食べて良いか
- 種類による日持ち期間の違い
- 腐るとどんな危険性があるか
- 未開封・開封後の劣化させない正しい保存方法
豆腐がメインの料理なのに冷蔵庫から取り出したパックの期限が2日前に切れていて、使えるか悩んでいる人もぜひ参考にしてくださいね。
目次
豆腐の賞味期限切れ2日後は食べて良いか | 日持ち期間の目安
豆腐は賞味期限切れになっても2日後ならまだ食べられる可能性がありますが、消費期限が表示されていたら期限切れ後は食べられません。
豆腐の種類 | 製造日からの 日持ち期間 |
|
---|---|---|
メーカー品 (機械製造タイプ) |
木綿 絹ごし |
10日~2週間程度 |
充填豆腐 | 2週間~1ヶ月程度 | |
豆腐屋さんの豆腐(手作りタイプ) | 1~4日程度 |
日持ち期間は製造方法や包装などの違いから商品によって異なるため、記載された期限を確認してください。
豆腐は日持ちのしやすさにより賞味期限か消費期限かが表示されており、期限切れ後に食べられるかが違うため、必ず確認しましょう。
未開封で賞味期限切れなら食べられるかも | 消費期限なら不可
賞味期限が記載された豆腐は未開封なら期限切れ後も食べられる場合がありますが、消費期限だと安全性に問題が生じている可能性もあるため食べられません。
消費期限と賞味期限の違い(※1)
消費期限:傷みやすく日持ちが難しい食品に表示される安全に食べられる期限
賞味期限:比較的傷みにくく保存が効く食品に表示される美味しく食べられる期限
豆腐専門店の手作り豆腐は消費期限が表示され、日持ち期間も短いことが多いので、期限内に食べきりましょう。
賞味期限が設定されている場合は、期限切れになっても直ちに安全でなくなるわけではないため、食べられる可能性があります。
賞味期限の設定方法と安全係数について(※2)
賞味期限は、各種試験から決められた安全に食べられる期限に1以下の安全係数(0.8を使う場合が多い)をかけて短めにし、猶予を持たせて設定されています。
賞味期限切れ後にいつまで食べられる可能性があるかは、製造日からの設定期間(長さ)がわかれば、次の計算で推定できますよ。
【製造日からの賞味期限の長さ】÷0.8-【製造日からの賞味期限の長さ】
=期限切れ後も食べられる可能性のある期間
メーカー品の例を挙げて計算してみると、次のようになります。
豆腐の種類 | 製造日からの 賞味期限の長さ (例) |
期限切れ後に 安全に食べられる 可能性がある期間 (推定値) |
---|---|---|
木綿豆腐 絹ごし豆腐 |
10日 | 2.5日 |
充填豆腐 | 20日 | 5日 |
しかしメーカー側は美味しく期限内に食べることを推奨している場合が多く、期限切れ後に食べるならあくまでも自己責任で判断しなければなりません。
メーカー製の豆腐は衛生管理された工場で生産され賞味期限が表示される場合が多いですが、長く日持ちさせたいときは充填豆腐がおすすめです。
充填豆腐の賞味期限が木綿・絹ごしより長い理由
充填豆腐(充填絹ごし豆腐)は容器に原材料を入れ密封してから加熱して固められており、殺菌された状態になるため、水入りの豆腐より賞味期限が長いです。
- 絹ごし豆腐:高温の豆乳に凝固剤を加え冷やし固める
- 木綿豆腐:崩した絹ごし豆腐を圧縮して成型する
- 充填絹ごし豆腐:冷ました豆乳と凝固剤を満杯に充填した容器を密封して加熱凝固させる
充填豆腐には常温で長期保存できる商品も発売され、非常用の備蓄に人気です。
木綿豆腐や絹ごし豆腐は水に取って冷却したあと、水と一緒にパック詰めされます。
包装内の水は豆腐を守るクッションの役目もしますが、無菌状態ではないので、温度が高くなると未開封でもカビや雑菌が繁殖する場合があります。(※3)
うっかり賞味期限切れた豆腐はカビてたので捨てました…豆腐って賞味期限後5日くらいでカビるのかー…鍋に入れ忘れたんだよー💦もったいない。
— あすか✨人魚にあこがれて✨輝石展 (@nekomoriasuka) January 17, 2022
賞味期限が切れると傷みが早く腐る可能性が高くなるので、商品によってはすぐ食べられなくなる場合もあります。
豆腐を安全に食べられるように、腐った状態の見分け方も覚えておきましょう。
豆腐が腐るとどうなる?見分け方と食中毒の危険性
豆腐は腐ると変色や不快臭・粘り気・カビが発生したり溶けたりして、見た目や臭いから五感で判断できます。
腐った豆腐を食べると下痢や発熱などの食中毒症状を引き起こし、「あたる」と言われる状態になる可能性があり危険です。
見た目 変色 |
・変色 ・水の濁り ・ドロドロして溶けている ・パックが膨張 ・カビが生えている |
---|---|
臭い 匂い におい |
・腐敗臭 ・いつもと違う不快な臭い |
味 食感 触感など |
・水や豆腐の表面に粘り気 ・触ると簡単に崩れる ・いつもと違う酸味のある味 |
カビの繁殖は変色で見つかることが多いですが、腐敗菌や食中毒菌などの場合は見た目だけではわかりにくいので注意が必要です。
賞味期限切れ後は開封してみて、食べられる状態かをしっかり確認し加熱調理しましょう。
しかし食中毒菌の中には加熱しても壊れない毒素を作る種類もあるため、自己判断に自信がない場合は食べない方が無難です。(※4)
詳しくはこの記事をチェック!
食中毒予防のためにも、豆腐の賞味期限切れや劣化を防ぐ保存のコツを覚えましょう。
豆腐の賞味期限切れや劣化を防ぐ保存方法 | 冷凍もできる
豆腐は冷蔵保存が基本ですが、賞味期限が近くなって食べきれそうにない場合は冷凍してアレンジレシピに使う方法もおすすめです。
常温 | 不可 (持ち帰る際も低温を保つよう注意) |
---|---|
冷蔵 | ・開封後は別の保存容器に移し (包装容器のままでも可) 豆腐がかぶるくらいの水を入れる ・冷気の吹き出し口や 0℃以下になる場所を避けて冷蔵庫で保存 |
冷凍 | ・未開封ならそのまま冷凍庫に入れてOK ・開封したら水を捨て キッチンペーパーで余分な水分を取り 冷凍用保存袋に入れ密封して保存 (適度な大きさにカットしておくと便利) |
開封すると消費・賞味期限は関係なくなり、空気にさらされ傷みやすいので、保存にはひと手間かけましょう。
開封後は水に浸けた状態にして冷蔵する
開封後に冷蔵保存するときは水に浸けた状態で毎日水替えする方が良いですが、豆腐の旨味が少しずつ流れ出るので、早めに食べきりましょう。
冷蔵保存する場合は、低温を保ちつつ凍らせないよう注意しましょう。
豆腐は凍るとスポンジ状になり、パサパサしたり茶色っぽくなったりして、滑らかな舌触りやつるんとした食感が失われます。
ところが「鶏肉に似た食感で美味しい」と話題で、あえて冷凍して肉の代わりにアレンジレシピに使って楽しむ人も増えていますよ。
期限切れになる前に冷凍保存もおすすめ
豆腐は期限切れになる前に冷凍しておくと劣化や腐敗を防いで1ヶ月程度保存でき、食感を活かすアレンジレシピで美味しく食べられます。
- 豆腐ステーキ
(適度な厚みにカットして焼く) - 天ぷら・唐揚げ
- 豆腐ハンバーグ
(つぶしてひき肉に混ぜる) - 炒り豆腐
- 豆腐そぼろ
未開封ならパックのままでも大丈夫なので、表示の期限内に食べられそうにないときは冷凍しておきましょう。
開封した場合は余分な水気を取り適度な大きさにして冷凍しておくと、必要な分だけ取り出せて便利です。
結論 | 賞味期限切れ2日後の豆腐は見た目や臭いを確認しよう
- 未開封で賞味期限切れ2日後は食べられる可能性大
- 充填豆腐は期限切れ後も数日程度食べられる場合がある
- 劣化・腐敗すると食中毒を起こす危険性がある
- 開封後は水に浸けて冷蔵保存
- 食感は変わるが冷凍もおすすめ
豆腐は賞味期限切れ後も未開封で保存方法を守れていれば、メーカー品なら2日くらいは安全性に問題なく食べられる可能性が高いです。
ただし状況によっては劣化する場合もあるので、腐った豆腐の見分け方を活用し、見た目や臭いをしっかり確認しましょう。
豆腐は要冷蔵の商品がほとんどで、冷凍すると風味や食感が変わるため保存法には推奨されませんが、美味しくアレンジできることで注目されています。
期限切れになりそうなときは冷凍も活用して、美味しく安全に食べきりましょう。