【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
そのままでも美味しく、いろいろな料理に合わせることのできる豆腐はとても便利な食材ですよね。
ですがつい使うのを忘れてしまい、気が付いたら何となく豆腐が酸っぱい…なんて経験はないでしょうか?
私もつい先日、少し賞味期限が過ぎてしまった豆腐の匂いや味が酸っぱいような気がして、食べるかどうか迷いました。
明らかな酸味ならともかく、少しくらい酸っぱくても大丈夫だという話を聞いたことがあるような気がしたのです。
ですが、小さな子もいるしお腹を壊しても困るので、きちんと調べてみることにしました!
- 酸っぱい豆腐は食べられる?もし食べたらどうなる?
- 期限切れの豆腐は食べても大丈夫?いつまで食べて良い?
- 腐るとどうなるの?食べられない状態の見分け方
- 豆腐の正しい保存方法とは?冷凍もできる?
酸っぱい豆腐を食べて食中毒になるのは嫌ですが、無駄に捨ててしまうのも忍びないですよね。
これを読めば、どのような豆腐は食べても大丈夫なのか基準が分かるようになります。
保存方法などもしっかり説明しているので、豆腐を無駄にすることなく食べきることができるようになりますよ!
管理栄養士・栄養士
目次
豆腐が酸っぱいとき食べたらどうなるの?菌による食中毒に注意!
豆腐が酸っぱいということは、確実に品質が劣化していることをまずは覚えておいてください。
豆腐が酸っぱくなる原因は、腐敗菌が繁殖していたり乳酸菌が発酵している場合が考えられます。
腐敗菌が繁殖しているということは、腐る一歩手前の状態ということなので食べるのは危険です。
酸っぱい豆腐を食べると食中毒になる可能性も!
豆腐は腐るとウェルシュ菌やセレウス菌、黄色ブドウ球菌などの菌が発生して、下痢や嘔吐などの食中毒症状を引き起こす可能性があります。
黄色ブドウ球菌は加熱に弱いという特徴がありますが、ウェルシュ菌やセレウス菌は加熱しても死滅しないので注意です!
ウェルシュ菌
- 土や水、人や動物の腸内など幅広く生息している細菌
- 増殖すると毒素を作り、下痢や腹痛などの食中毒を引き起こす
- 耐熱性が高い(100℃で加熱しても死なない)
- 空気がなくても増殖する
セレウス菌
- 農産物や水産物、畜産物など幅広く分布している細菌
- 増殖すると嘔吐や下痢などの食中毒を引き起こす
- 耐熱性が高い(90℃で60分加熱しても死なない)
酸っぱくなった豆腐を食べた場合でも、食中毒症状がでるかどうかは個人差があります。
特に抵抗力が弱い子供やお年寄りがいるご家庭では特に注意が必要です。
また、賞味期限内や消費期限内であっても保存状態が悪いと腐る場合があります。
冷蔵庫に入れ忘れて常温に放置してしまった場合などは、例え期限内でも酸っぱい匂いや味がしないか確認してみてくださいね。
安全性を考えると、「酸っぱい」と感じた場合は食べない方が無難だと考えられますね。
ただ、豆腐が酸っぱくなるのは腐敗菌だけが原因ではなく、乳酸菌が影響する場合もあるようです。
酸っぱい原因が乳酸菌の場合もある
豆腐は大豆の絞り汁をにがりという凝固剤で固めている食材ですが、この大豆が持っている天然の乳酸菌が発酵して酸っぱくなる場合があるようです。
スーパーなどの市販品ではなく、昔ながらの製法で作られているお豆腐やさんの豆腐などは数日で少し酸っぱい状態になることもあるそうです。
大丈夫かな……と思いながらも、「多少」の酸っぱい味や匂いであれば大丈夫と判断して食べた人の意見もありました。
酸っぱい豆腐を食べた人の意見
- 味噌汁やスープなど加熱して食べたら平気だった
- 麻婆豆腐やキムチ豆腐にしてしまえば酸っぱい味が気にならなかった
- 料理しても酸っぱい場合は諦める
このように実際に酸っぱい豆腐を食べたという人もいますが、乳酸菌のせいで酸っぱいのか、腐敗菌のせいで酸っぱいのかを判断するのは難しいです。
確かに酸っぱい豆腐を食べても平気という意見もありましたが、食中毒になるかどうかは個人差があり、体調を壊す人が多いのも確かです。
露骨に酸っぱい豆腐をみそ汁に使って大丈夫大丈夫という親父の神経はおかしい。俺は自分で皿に盛った分は食べたけど、女性陣は吐きだした。親父は美味そうに食ってる。
— noriさん (@norikatsu_k) 2010年8月6日
明らかに酸っぱい匂いや味がするときは食べない方が良さそうですが、判断が付かないという場合もあるのではないでしょうか。
そんな時は、そのほかの見分け方もご紹介するので、自己責任で判断しましょう。
豆腐は腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方がコレ!
豆腐が腐ると、明らかな酸味のほかにも特徴があります。
豆腐が腐るとどうなるかの見分け方は、臭いや味のほかに色などの見た目も目安となります。
酸っぱい匂いだけでは判断できないという場合はこれらも参考にしてみてください。
- 酸っぱい匂いや味がする
- ネバネバしている
- パックの水が糸を引く・白く濁っている
- 豆腐がピンクや黄色に変色している
- 明らかに腐った味がする、苦い
- 食べた時に舌がピリピリする
- 簡単に崩れる
- パックが膨張している
タッパの水が白く濁っていたり、ネバネバしていたらもう残念ですが破棄してしまいましょう。
色や状態など見た目ではどうしても判断できない場合のみ、少し食べてみて判断するようにしましょうね。
以上に柔らかくなっていて、調理中に溶けるように崩れてしまうようであればそれもアウトです!
得に夏などの暑い時期は腐りやすいので、常温に放置せずに必ず冷蔵庫で保存しましょう。
買い物から持って帰る時やお弁当に入れる時なども、保冷剤などを利用してなるべく腐らないよう気を付けてくださいね!
また、調理済みの加熱した場合でも、もちろん腐ることがあります。
よくあるのは味噌汁や麻婆豆腐が酸っぱいという話ですね。
酸っぱい味噌汁や麻婆豆腐を食べたら当たった!という話は結構あるので、気を付けてください!
お昼ご飯食べてみて
麻婆豆腐が酸っぱいんだけど
多分明日お腹壊れるなぁ。仕方ないから食べるけど
食中毒とかになったら嫌だから
お茶も飲む— にぃな (@N1rNq) 2019年6月20日
ちなみに我が家の酸っぱい豆腐は揚げ豆腐にしてみても酸っぱい気がしたので、泣く泣く諦めました…。
やはり酸っぱい豆腐は危険ですね。
豆腐の賞味期限はどれくらい?
腐っている豆腐の目安は分かりましたが、そもそも豆腐の賞味期限はどれくらいなのでしょうか?
これは実は商品によって異なり、2日~2週間程度と非常にまちまちです。
例えばお豆腐屋さんの豆腐は2日程度だったりしますが、スーパーなどで購入できる市販の豆腐は2週間程度持つものもありますよね。
また、「充填豆腐」と呼ばれる水が入っていないタイプの場合はもっと日持ちします。
充填豆腐
豆乳とにがりをパック容器に詰めてから加熱するので、菌の繁殖が抑えられ日持ちしやすい。
こちらの商品は製造後約7か月が賞味期限として設定されています。
ちなみに、同じ豆腐と名前が付いているこちらの食材についても賞味期限が気になりませんか?
普通の豆腐に比べて賞味期限が少し長いイメージがあったので、きちんと調べてみました。
高野豆腐
豆腐を小形に切り、凍らせて低温熟成させた後に乾燥させた保存食品で、「凍り豆腐」ともいう。
もともと保存食なので、常温でも5~6か月持つ。
胡麻豆腐
大豆を原料とする普通の豆腐とは違い、胡麻と葛粉で作られた精進料理の1つ。
賞味期限は、手作りや市販の生胡麻豆腐の場合は2~3日、真空パックなどになっている場合は1~3ヶ月程度と商品によって異なる。
ではこれらの賞味期限が切れてしまった場合は、どれくらいまで食べられるのでしょうか?
腐る前に食べてしまいたいですよね!
賞味期限切れはからどれくらいまでなら食べても大丈夫なのか目安を調べてみました。
豆腐の賞味期限切れは何日後まで大丈夫?消費期限切れの場合は?
市販の豆腐には、「賞味期限」が「消費期限」が付いていることがほとんどです。
これらの期限には違いがあり、食べても大丈夫な期限も異なります!
「賞味期限」と「消費期限」の違い
まずは食品に表示されている賞味期限と消費期限の違いについて確認しておきましょう。
農林水産省のHPにはこのような説明がされていました。
賞味期限
- 美味しく食べられる期限
- 比較的日持ちする食品や食材に付けられる
- ある程度余裕を持って設定されている
消費期限
- 安全に食べられる期限
- 5日以内に品質劣化が起こる食品や食材
- あまり日持ちしない
つまり、「賞味期限」は美味しく食べられる期限なので、期限が過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。
対して「消費期限」は安全に食べられる期限なので、期限が過ぎたら食べない方が良いです!
あまり期限の違いを気にしていなかったという人もいるかもしれませんが、実はこんな違いがあるんですね。
日持ち期間も影響してくるので、商品によって日持ち期間がとても違う豆腐の場合は、「賞味期限」の場合も「消費期限」の場合もあるというわけです。
ここで気になるのは、「賞味期限は、ある程度余裕を持って設定されている」ということです。
すぐに食べられなくなるわけではないとありますが、実際どれくらいまで食べられるのでしょうか。
賞味期限切れからいつまで食べられるか意見を調査!
賞味期限切れの日数ごとに、意見をまとめてみました。
ちなみに、これらは全て「未開封」の場合に限ります。
開封してしまったらなるべく早めに、2~3日以内には食べましょう。
1日~3日程度の場合
賞味期限切れから1~3日程度なら腐っている可能性は低く、食べられるという意見が多いです。
ただし、そのままではなく加熱して食べる方がより安全ですね。
1週間程度の場合
賞味期限切れから1週間程度の場合はかなり厳しいと思いますので、腐っていないか必ず確認するべきです。
加熱して食べるのはマストですが、くれぐれも自己責任でお願いします。
2~3週間経ってしまった場合
賞味期限切れから2~3週間も経過した場合は、見た目に変化がなくても腐っている可能性が高いので残念ですが諦めましょう…。
このように、賞味期限切れから何日までなら食べられると、具体的な日数は明言できません。
賞味期限切れの豆腐食べる場合は、酸っぱいかどうかなど腐っている特徴がないか必ず確認をして、自己責任で判断してください。
繰り返しになりますが、「消費期限」の場合は食べない方が安全ですよ。
また、例え期限内であっても保存方法などによっては腐ってしまう場合もあります!
正しい保存方法も確認しておきましょう。
豆腐の正しい保存方法!冷蔵や冷凍するときの注意点は?
豆腐は「冷蔵保存」が大原則です。
常温で保存したいなら常温でも1~2ヶ月ほど日持ちする「充填豆腐」を購入しましょう。
通常の豆腐の場合は、必ず冷蔵庫に、できればチルド室で保存すると安全です。
パックのまま保存していても大丈夫ですが、開封した後などの保存方法をまとめます。
- 密閉できる容器に水を入れて豆腐を入れる
- 水は豆腐が空気に触れない程度
- 水は毎日取り換える
※塩を一つまみ程入れて塩水にするとより丁寧です。
これで4日程度なら持つという意見もありますが、雑菌が繁殖するのを防ぐために水は毎日取り換えましょう。
私は水と取り替えなかったため、3日程でダメにしてしたことがあります…。
開封後はなるべく早めに食べましょう!
それが無理な場合は冷凍してしまうのは1つの方法です。
豆腐を冷凍する場合のポイント
自分ではチャレンジしたことがなかったのですが、豆腐は冷凍することも可能だそうです!
ただし、冷凍すると元の食感は失われますので、注意が必要です。
パックのまま冷凍することも可能ですが、その後の使い勝手を考えると、小さく切っておいた方が良いかもしれません。
冷凍の方法
- 水気をしっかり切る
- 2cm程度に切る
- 冷凍用の保存用袋などに入れて冷凍する
※ラップをして金属トレーなどで凍らせてから保存袋に入れてもOK!
冷凍すると2週間程度は日持ちするので、食べきれない場合は冷凍して、高野豆腐のように使ってしまいましょう!
味がしみ込みやすくなるので、煮物などにもおすすめです。
冷凍豆腐を使った簡単レシピ
<冷凍豆腐唐揚げ>
- 冷凍していた豆腐(木綿豆腐)を自然解凍する
- 水気をよく絞る
- 食べやすい大きさにちぎる
- 醤油と酒(1対1の割合)、しょうがなどのたれに浸ける
- 片栗粉や小麦粉を絡めて揚げる
ちなみに、木綿豆腐でも絹ごし豆腐でも冷凍はできますが、水分が多い絹ごしよりも木綿豆腐の方が冷凍には向いていると言われています。
ただし、絹ごし豆腐は凍らせると湯葉に似た食感にもなるので、お好みで選んでください。
まとめ
以上、酸っぱい豆腐についていろいろと検証したポイントをまとめます。
- 酸っぱいのは品質が劣化している証拠
- 酸っぱい豆腐を食べると食中毒になる可能性がある
- 乳酸菌の影響でも酸っぱくなる場合もあるが判断が難しい
- 豆腐は腐ると臭いや味が酸っぱくなったり、変色したりする
- 賞味期限切れでも数日なら食べられるかもしれないが明言できない
- 消費期限切れなら食べない方が良い
- 豆腐は冷蔵保存が基本。冷凍もできるが食感は変化する
酸っぱくなった豆腐は傷んでいる可能性が高いので、特に小さなお子さんやご高齢の方がいるご家庭は注意してくださいね!
期限に関しても、「賞味」なのか「消費」なのかきちんと確認しておくことをおすすめします。
どちらかによって食べられる期間が変わってきてしまいます。
冷凍するなどの保存方法や調理方法なども工夫して、なるべく豆腐が酸っぱくなる前に食べきってしまいましょう!