【執筆者:編集部 宇野山萌】
豆腐が賞味期限切れになっても、日持ちが長く未開封の商品であれば数日程度食べられるかもしれません。
しかし開封後や開封前でも元の保存期間が短いものが期限切れになった場合は、すぐに腐る可能性が高くたとえ加熱しても無毒化しないので、食べない方がいいでしょう。
「1日ならOK?それとも5日くらい大丈夫?」という疑問と不安を解決するために、豆腐の賞味期限について次のような項目で調べました。
豆腐のこと
- 賞味期限切れ後何日食べられるか
- 種類による日持ちの違い
- 腐るとどうなるかと危険性
- 長持ちさせる保存方法
木綿豆腐と絹ごし豆腐では日持ちに差があるのかや、充填豆腐は何が違うのかがわからず悩む人もいるはずですね。
違いを理解すれば、すぐ食べる用と買い置き用に使い分けられるかもしれませんよ!
まずは賞味期限切れ後どれくらい食べられるのかから確認しましょう。
目次
豆腐は賞味期限切れ5日後でも食べられるか|日持ち目安
豆腐は製造元や方法によって劣化の速度が異なり、傷みやすいものには消費期限・比較的長持ちするものには賞味期限が設定されています。
消費期限切れのものは処分をおすすめしますが、賞味期限が長い商品の場合は数日期限を過ぎても食べられるかもしれません。
豆腐の種類 | 未開封 | 開封後 | |
---|---|---|---|
メーカー品 | 絹ごし | 10日~2週間程度 | 早めに |
木綿 | |||
充填 | 20日~1ヶ月程度 | ||
豆腐屋の豆腐 | 当日中 |
賞味期限は傷みにくい商品に設定される「美味しく食べられる期限」なので、少し過ぎても食べられる可能性があります。
未開封・賞味期限切れは食べられるかも|消費期限切れとの違い
豆腐に設定されている期限が賞味期限か消費期限かで、期限切れ後食べられるかどうかが異なります。
期限の種類 | 意味 | 期限切れ後 |
---|---|---|
消費期限 | 安全に 食べられる期限 |
食べられない |
賞味期限 | 美味しく 食べられる期限 |
すぐに 食べられなくなる わけではない |
※未開封・指定された方法で保存した場合に限る |
手作りで作られている豆腐屋さんの商品は日持ちが短く、消費期限が設定されていることが多いので必ず期限を守って食べ切るようにしましょう。
スーパーで販売されているメーカー品には、賞味期限が表示されている場合が多く、さらに種類によって日持ち期間が異なります。
木綿豆腐・絹ごし豆腐・充填豆腐の種類と日持ちの違い
豆腐は製造方法によって木綿・絹ごし・充填の3つに大きく分類され、工程的に充填豆腐が一番日持ちが長い商品です。
種類 | 製造方法・特徴 |
---|---|
木綿豆腐 | 1.熱い豆乳に凝固剤を入れる 2.固まったものを取り出す 3.重しをかけ絞り固める 4.水槽に取り出しカットする |
絹ごし豆腐 | 1.凝固剤入りの型に熱い豆乳を入れ固める 2.水槽に取り出しカットする |
充填豆腐 | 1.冷やした豆乳と凝固剤を混ぜる 2.容器に入れて密閉する 3.加熱して固める |
充填豆腐は仕上がってから水にさらす木綿や絹ごしとは異なり、密閉後に加熱して殺菌されるので、ほかよりも長持ちする傾向にあります。
さらに日持ちが長い「常温保存OK」な商品もあるので、備蓄にはこちらがおすすめです。
加熱処理されている充填豆腐でも、いつまでも食べられるわけではありません。
期限切れ後どれくらい食べられるかは元の賞味期限から推測できますよ。
期限切れ後いつまで食べられるか|目安の計算方法
豆腐に限らずメーカーが食品の賞味(消費)期限を設定する場合、検査で安全が確認できた日数に1未満の数(安全係数)をかけ、より短い期間を算出しています。(※3)
賞味期限 | 10日の商品 | 20日の商品 |
---|---|---|
品質が確認されたと 推測できる日数 (安全係数を用いて逆算) |
10÷0.8=12.5 | 20÷0.8=25 |
期限切れ後 食べられる日数 |
12.5-10=2.5日 | 25-20=5日 |
賞味期限が20日の食品は、未開封で正しく保存されていれば5日ほど期限を過ぎていても食べられる可能性があることになります。
「ほんの少し期限を過ぎたけれどできれば食べたい…」と思ったとき、腐った豆腐の特徴がわかれば判断材料になりますね。
豆腐が腐るとどうなるか|見分け方と危険性
豆腐は腐ると見た目や臭いに変化が現れます。
見た目 変色 |
・豆腐が黄色っぽい ・水に色がついている ・容器が膨張している |
---|---|
臭い 匂い におい |
・酸っぱい臭い ・明らかな異臭 |
味 食感 触感など |
・酸味がある ・苦味がある ・水や豆腐表面に粘りがある ・豆腐が崩れてしまう |
容器が膨張するのは、豆腐が発酵してガスが発生しているためで、腐っている可能性が高いと考えられます。
色や臭い、触った感じでおかしいと感じたら食べずに処分しましょう。
またたとえ違和感がなくても、賞味期限を大幅に過ぎたり開封したりした豆腐には食中毒の危険が潜んでいます。
腐った豆腐を食べるとあたるかも|加熱に強いセレウス菌に注意
腐った食品にはさまざまな菌やウイルスが増殖していると考えられ、特に豆腐は食中毒を引き起こすセレウス菌に汚染される可能性があるので注意が必要です。
- 豆類や穀類に多く分布
- 空気があってもなくても増殖する
- 100℃30分の加熱に耐えるほど熱に強い
- 吐き気・嘔吐を伴う「嘔吐型」と腹痛・下痢を起こす「下痢型」がある
もしカビのようなものを見つけた場合も、食べないでください。
カビの中には「カビ毒」という人体に有害な物質を作り出すものがあり、産生される毒素の多くは熱に強い特徴があります。
カビの種類やカビ毒の有無は見分けられず、さらに食品の中に菌糸を伸ばしている場合もあるので、一部を取り除いて食べるのも避け、残念ですが処分してください。
豆腐が腐るとどうなるかについてはこちらの記事でも詳しく解説していますよ!
詳しくはこの記事をチェック!
開封した豆腐を食べ切れなかった場合、どうすれば安全に保存できるのでしょうか。
開封後の豆腐を賞味期限切れにしない保存法|冷凍できるのか
豆腐は基本的に冷蔵庫で保存し、食感や色の変化を前提とすれば冷凍保存も可能です。
未開封 | 開封後 | |
---|---|---|
常温 | NG | |
冷蔵 | 吹き出し口の 近くを避ける |
・密閉容器に入れ水にひたす ・水を毎日かえる |
冷凍 | 容器のまま 密閉袋に入れる |
・使いやすいサイズにカット ・軽く水気を切る ・トレイや容器に並べて冷凍 ・凍ったらラップで包み 密閉容器や袋に入れて冷凍 |
※保存容器や水は清潔なものを使用すること |
冷蔵庫でも吹き出し口の近くは冷気が直接当たり、豆腐が凍る可能性があります。
凍ると本来の質感が失われるので注意しましょう。
冷凍できるが変色や食感の変化に注意|解凍と調理のコツ
豆腐が凍ると色や食感が次のように変化します。
- 色:黄色っぽく変色する
- 食感:水分が失われて高野豆腐や肉のような弾力がうまれる
解凍する際は常温もしくは冷蔵庫での自然解凍か、電子レンジを使いましょう。
時間・方法 | 食感 | |
---|---|---|
自然解凍 | 数時間~1晩 (豆腐の大きさによる) |
水分が失われた状態 |
電子レンジ | 100gあたり ・500W:1分程 ・600W:30~45秒 (状態を見て 10秒ずつ追加熱) |
より肉に近い食感 |
より水分が抜けて肉っぽさが増すのは電子レンジ解凍です。
次のようなお肉代わりのレシピで食べたいときには、電子レンジを使うと時短もできていいでしょう。
解凍した冷凍豆腐を絞ってちぎって…後は唐揚げの作り方と一緒☆
鶏よりもさらにヘルシーなご飯のお供♪
味噌汁やスープのような汁物に凍ったままで入れるのもひとつの手で、サイコロカットされた冷凍豆腐も販売されています。
冷凍も活用しながら、日持ちが短い豆腐を上手に食卓に取り入れましょう♪
結論 | 豆腐は商品によって賞味期限切れでも数日食べられる
- 未開封なら賞味期限切れしても食べられるかも
- 豆腐屋の商品は日持ちしない・充填豆腐は長持ちする
- 水の変色や粘り・異臭・崩れるのは腐敗のサイン
- 腐ったものは食中毒のリスクあり
- 基本は冷蔵保存・冷凍保存すると食感が変化する
豆腐は商品によって日持ちの幅が広く、製造から20日ほど保存できるものなら5日賞味期限切れになっても食べられる可能性があります。
しかし期限を大幅に過ぎたり開封したりした場合は、すぐに腐る恐れがあるのでなるべく早めに消費しましょう。
なめらかな食感は失われますが凍らせることも可能で、冷凍豆腐も販売されています。
日持ちの長い商品を購入する、冷凍も活用するなどして、豆腐を残さず食べ切りましょう!