【執筆者:管理栄養士 鳥越菜生】
カヌレは焼き菓子なので、常温保存で3~5日ほど日持ちできる商品が多いです。
しかし高温多湿な場所で常温放置すると賞味期限内でも早く傷み美味しくなくなるだけでなく、腐る可能性もあるので注意しましょう。
この記事では、カヌレをより美味しく安心して食べるために知っておきたい、次の項目についてご紹介します。
カヌレのこと
- 常温保存で大丈夫な理由
- 賞味期限の目安や冷蔵庫・冷凍保存での日持ち期間
- 劣化を防ぎ美味しいまま日持ちさせる保存のコツ
- 解凍方法や食感を復活させるコツ
ついたくさん買って食べきれず賞味期限が迫って困っている人や、翌日以降に味が落ちて残念なカヌレを何とかしたい人もぜひ参考にしてください。
目次
カヌレは常温保存で大丈夫?日持ち期間の目安と注意点
焼き菓子であるカヌレの保存方法は常温保存で良い場合が多く、冷暗所に置けば賞味期限までは安全性に問題なく食べられます。
メーカー・商品ごとに異なりますが、カヌレの賞味期限は製造日から当日中~5日程度の場合が多いです。
メーカー名 | 製造日からの賞味期限 | |
---|---|---|
市販品の例 | トゥーストゥース | 当日 |
立町カヌレ | 3日 | |
ダニエル | 5日 | |
コストコ | 約1ヶ月 (開封後は 要冷蔵で2日程度) |
|
手作り | 当日中がおすすめ |
例えば店舗のある関西を中心に人気の高いダニエルのカヌレは、常温保存で製造から5日間日持ちできます。
コストコのカヌレのように未開封なら賞味期限が1ヶ月程度と長い商品も、開封後は早めに食べるよう推奨されている場合が多いです。
通販で購入できる冷凍品は冷凍のままで1ヶ月ほど保存できますが、解凍後は当日中から数日程度が消費期限の目安になります。
手作りした場合は固くなりやすいので、当日中に食べるのがおすすめです。
個包装されていない店舗で購入する商品でも常温保存できる商品が多いのはなぜか、理由を解説します。
カヌレが常温保存でも日持ちする理由
カヌレが常温でも日持ちするのは、クッキーやマドレーヌなどと同じ焼き菓子で水分含量が少なく傷みにくいからです。
食品を腐らせるカビや雑菌などの微生物の多くは生育に酸素・栄養・温度・水分が必要なので、乾燥度が高い食品ほど傷みにくいと言えます。(※1)
しかし中には要冷蔵の商品もあるので、記載事項をよく確認してください。
個包装や真空パックの商品は空気を遮断できるので常温でも長く日持ちしますが、開封後は傷みやすく要冷蔵の場合が多いです。
またトッピングや飾り付けされたカヌレは、使ってある食材によって冷蔵保存した方が良い場合もあります。
チョコレートがけ・クリーム入りは常温保存に不向き
クリームやチョコレートを使っているカヌレは常温保存すると傷んだり風味が低下したりしやすいので、冷蔵がおすすめです。
カスタードクリームや生クリームを使っているタイプは、水分が多く傷みやすいので要冷蔵の場合が多いです。
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表面にチョコレートをコーティングしてあるタイプも、28℃以上で溶けて本来の美味しさが損なわれるため、常温保存時は温度に気を付けましょう。
カヌレは商品ごとに材料の種類・配合や作り方が違い、保存状況によって傷む可能性もあるので、食べられない状態の特徴を知っておくと便利です。
カヌレが腐るとどうなる?食べられない状態の見分け方
カヌレは腐るとカビや悪臭・変色が生じたり、ぬめりやねばつきがあったりなどの異変が現れるので、臭いや見た目から五感で判断できます。
見た目 変色 |
・カビが生えている ・変色している ・割ってみると内側が ネバネバしている |
---|---|
臭い 匂い におい |
・納豆のような臭いがする ・不快臭や腐敗臭がする |
味 食感 触感など |
・柔らかくねっとりした感じ ・いつもと違う 酸っぱいような味がする |
腐るまでいかなくても、湿気や油脂成分の酸化により風味や品質が低下する場合もあるので、劣化を防ぐ正しい保存方法を覚えましょう。
カヌレを常温保存するコツと冷蔵庫・冷凍保存の日持ち目安
常温保存できるカヌレも低温が保てない場合は密封して冷蔵庫に入れておく方が、賞味期限までの湿気や酸化による劣化を防いで日持ちさせられます。
保存のコツ | 保存期間の目安 | |
---|---|---|
常温 | ・直射日光や高温多湿を 避けて冷暗所に置く ・保存容器に入れ 乾燥剤を同封して密封 ・ラップで1個ずつ包み ジップ付き保存袋に入れ 空気を抜いて密封 |
賞味期限まで |
冷蔵 | ・ラップで1個ずつ包む ・ジップ付き保存袋や 密閉容器に入れて 空気を抜いて密封 |
|
冷凍 | 1ヶ月程度 (早めの消費 がおすすめ) |
カヌレは水分含量が少ない分周りの湿気を吸いやすいため、常温保存の場合も空気に触れない状態にしておくことが大切です。
空気を遮断すれば酸化や微生物による劣化も抑えられるので、店頭で購入した包装なしのカヌレはひと手間かけておきましょう。
推奨の保存方法が常温でも、真夏や冬季の暖房を効かせた室内は高温になりやすいので、劣化予防には冷蔵庫を活用して低温で保存しましょう。
詳しくはこの記事をチェック!
大事に保存していたカヌレがうっかり賞味期限切れになった場合は、翌日ならまだ食べられる可能性もありますが、自己責任での判断が必要です。(※2)
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賞味期限内でも早めに食べる方が美味しく味わえるので、少しずつ食べたい場合は新鮮なうちに冷凍しておくのがおすすめですよ。
冷凍すれば長く日持ちできる!解凍方法には注意
カヌレは冷凍すると1ヶ月程度保存できるので、賞味期限内に食べきれないときや少しずつ消費したい場合は、早めに冷凍保存しましょう。
-15℃以下になるとほとんどの微生物は生育できないため、冷凍中は傷みや腐敗を防げます。(※3)
しかし家庭の冷蔵庫は温度が変動しやすく、冷凍焼けや周りの臭いを吸って風味が劣化しやすいので、2週間を目安に早めに食べるのがおすすめです。
劣化予防には、冷凍保存中も密封度を高めることが大切ですね。
解凍するときも温度変化を少なくする方が食感を保てるため、まず冷蔵庫に移し、ゆっくり時間をかけて常温に戻すと良いですよ。
カヌレの魅力はなんといっても、外側はカリッと内側はもちっとした食感です。
大切に保存していたカヌレを焼きたて食感に近づけるには、次の方法を試してみてください♪
- オーブントースターで3~5分間焼きしばらく置いて冷ます
⇒外側がカリッとする - (常温保存の場合に)食べる前に冷蔵庫に入れておく
⇒内側のしっとり・もっちり感がUP - 上記を順番に行う(ただし冷やすのは短時間にする)
⇒外側はカリッとして内側のしっとり感もプラス
オーブントースターで焼く際は途中で向きを変えて焦げないように注意し、時間も様子を見て調節してください。
結論 | カヌレの常温保存は密封でより美味しく日持ちできる
- 水分が少ない焼き菓子なので常温保存できる場合が多い
- 開封後や解凍後は日持ちしにくい
- 劣化予防には密封し冷蔵庫も活用
- 冷凍保存すれば長く日持ちできる
- 軽く焼くとカリッと食感が復活して美味しく食べられる
カヌレは製造日から1~5日程度日持ちし、冷暗所でなら常温保存できる場合が多いです。
冷凍品や密封包装の長期保存できる商品もありますが、解凍・開封後は日持ちしにくくなるので早めに食べましょう。
常温保存できる商品も工夫して密封し、安全に美味しく食べきれるよう冷蔵・冷凍保存もおすすめです。
風味を保つ解凍方法や食感を戻すコツもぜひ活用して、カヌレを堪能してください。