【執筆者:編集部 山上由利子】
グラタンは冷蔵庫ではあまり日持ちがしませんが、冷凍保存すれば1ヶ月程度は美味しく食べきることができます。
しかし保存方法を誤ると食中毒を起こすこともあり注意が必要です。
グラタンを時間のある時にまとめて作って冷凍しておくと、作り置きおかずにもなるので、正しい保存方法を知っておくととても便利ですよね。
そこでこの記事では、手作りグラタンを美味しく安全に食べきるために知っておきたい以下の内容を紹介します。
グラタンのこと
- 焼く前・焼いた後の日持ち・賞味期限の目安
- 常温に置きっぱなしが危険な理由
- 日持ちする保存方法
- 冷凍方法・解凍のコツ
忙しくて時間がない日の食事や、お弁当に使える手作りグラタンを手軽に上手く活用したいと考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
グラタンの日持ち | 冷蔵・冷凍と焼く前・焼いた後の目安
グラタンはしっかり焼き上げて正しく保存すれば冷蔵庫で2~3日程度は日持ちしますが焼く前のものは日持ちしません。
冷凍保存にすれば焼く前後どちらのものも1ヶ月程度は日持ちします。
常温 | 2時間程度 | |
---|---|---|
冷蔵 | 焼く前 | 速やかに冷却し翌日には食べきる |
焼いた後 | 正しく保存して2~3日 | |
冷凍 | 1ヶ月程度 |
焼く前や焼いた後のグラタンを常温で置いたままにしていると、冷める過程で食中毒菌が急激に増える可能性があり注意が必要です。(※1)
意外と知らない常温放置の危険性
グラタンを常温放置すると危険なのが食中毒症状を引き起こすウェルシュ菌で、加熱調理に強く12~51℃で急激に増える特徴があります。(※2)
焼く前のグラタンは加熱調理しているとはいえウェルシュ菌は死滅していません。
焼く前の状態で常温に放置しているとウェルシュ菌が急激に増えて、下痢や腹痛などの食中毒が起こる可能性があります。
グラタンは200℃程度の高温で焼くので最終的にはウェルシュ菌は死滅しますが、焼いた後でも常温放置は危険です。
一般的に食中毒を起こす菌は35℃程度がもっとも増殖しやすいと言われていますが、調理後徐々に温度が下がる過程で菌の増殖が始ります。
室温が高いと2~3時間で食中毒を起こすほどに増殖する食中毒菌もあるので注意しましょう。
グラタンをすぐに食べないなら、焼く前・焼いた後に関わらず冷蔵庫で保存して食中毒を防ぎましょう。
冷蔵庫でも大丈夫?冷蔵保存を過信しない!
焼く前のグラタンは調理温度が100℃程度のため、熱に強いウェルシュ菌だと死滅していません。
冷蔵庫に保存していてもなるべく早くに、できれば当日中に焼いて食べきりましょう。
焼いた後のグラタンでも、なるべく早くに2~3日ほどで食べきってください。
食中毒菌の中には4℃以下でも増殖する菌もいるので、冷蔵庫に保存したからといって過信は禁物です。
以下のように少しでも異常があれば食べるのはやめましょう。
- ツンとした臭いがする
- 酸っぱい味がする
- 糸をひく
安全に長く日持ちさせたいのなら、冷凍保存がおすすめですよ。
グラタンは冷凍できる!賞味期限の目安
グラタンを冷凍すると日持ちする期間は長くなり、賞味期限の目安は1ヶ月程度となります。
しかし家庭用の冷凍保存では急速冷凍が難しく、食品が凍る前に氷の結晶が大きくなり、細胞を破壊して劣化しやすくなる問題点があります。
また、頻繁に開閉を繰り返すため冷凍食品の至適温度の-18℃を維持しにくく、水分の蒸発や油の酸化がゆっくりと進んで味や食感が落ちるのもデメリットです。
冷凍した物は腐りませんが、徐々に水分が抜けて酸化が進み風味が落ちてしまいます。
冷凍したグラタンでも工夫次第では美味しさを逃さず食べられますが、どのように保存するかが大きなカギとなります。
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手作りグラタンを美味しく日持ちさせる保存方法
グラタンを日持ちさせるコツは素早く冷まして保存することです。
常温 | 不可(常温放置は2時間程度まで) |
---|---|
冷蔵 | 速やかに冷ましラップなどでしっかり密封 |
冷凍 | 速やかに冷ましラップなどでしっかり密封 短時間で冷凍 温度変化の影響を防ぐ |
ウェルシュ菌が増殖しないように焼く前だけでなく、焼いたものも浅めの容器に小分けするなどして速やかに冷まし、冷蔵庫や冷凍庫に保存しましょう。
冷蔵庫で美味しく保存する3つのポイント
グラタンを冷蔵庫で正しく保存するためには、3つのポイント(菌の増殖を抑える・食品の水分の蒸発を抑える・空気に触れさせない)を考えましょう。
焼く前や、焼いた後も浅めの容器に小分けして速やかに冷まし、菌の増殖を抑えましょう。
食品の水分が蒸発すると食感や風味が落ちるので、ラップでしっかり密封することが大切です。
空気中の雑菌が入り込まないように、なるべく空気を抜きましょう。
冷凍保存の場合は、マカロニがグラタンの水分を吸う前に凍るので分ける必要はありません。
マカロニとホワイトソースミックスのグラタンセットなら、食べる直前の簡単調理で作れて便利ですよ。
食中毒菌の中には、冷蔵庫のような低温でも増殖したり毒素を作るものがあります。
食べる前には必ず、中まで熱くなるよう十分に再加熱しましょう。(※3)
焼く前のグラタンは単に焦げ目をつけるだけでなく、中まで十分火が通るように焼いてください。
焼いた後のグラタンを電子レンジで温める際には加熱ムラが生じることがあるので、中までしっかり加熱されているか確かめましょう。
2~3日なら冷蔵保存できますが、長く安全に日持ちをさせたいのなら冷凍保存がおすすめです。
冷凍しておくと、お弁当作りにとても便利ですよ。
おはようございます☀
今日の #夫弁当 と #JK弁当
鮭弁当です
おでんは夕飯の残り物、
グラタンは作り置きの冷凍です。#お弁当記録 #お弁当作り楽しもう部 #Twitter家庭料理部 pic.twitter.com/zxXTLdCLpV— (@natsumi80081575) October 6, 2020
冷凍方法と解凍方法のコツ
グラタンの冷凍は焼く前後どちらも可能で、トッピングは冷凍の前後どちらでもかまいません。
スピード重視でとにかく早く食べたい人は焼いた後に、美味しさ重視なら焼く前の冷凍がおすすめです。
- 短時間で冷凍(浅い容器に入れる・金属トレーにのせる・アルミホイルで包む)
- 空気を遮断して酸化を防ぐ(ラップ・冷凍保存袋で二重にする)
- 温度変化による劣化を防ぐ(密閉容器に入れて奥にしまう)
ジャガイモは食感が悪くなるので細かくつぶす、トマトやナスは解凍後水っぽくなるので使わないなど具材を工夫するといいですよ。
解凍は冷凍したまま加熱・中までしっかり加熱することが大切です。
ゆっくり時間をかけて解凍すると、菌が増殖する恐れがあるので注意しましょう。
焼く前 | オーブンでじっくり焼く (焦げるならアルミホイルをかぶせる) 電子レンジで少し解凍後にオーブンで焼く |
---|---|
焼いた後 | 電子レンジで加熱する (加熱ムラのないよう中まで十分に温める) |
加熱時間は家電の機種により違いますが、中まで充分加熱できているかを目安にしてくださいね。
結論 | 冷凍グラタンは日持ちして作り置きおかずに最適
- 常温放置は食中毒の危険性大!
- 保存後は食べる前に必ず加熱
- 作り置きするなら冷凍保存
- 冷凍すれば時短で楽チン♪
- 冷凍はしっかり密封・素早く冷凍・早めに食べきるが基本
グラタンは冷蔵庫に保存してもあまり日持ちしません。
調理・保存の過程で常温放置すると、ウェルシュ菌が急激に増えることがあり食中毒を起こす可能性があるので注意が必要です。
すぐに食べない場合は、小分けして速やかに冷まし冷蔵・冷凍しましょう。
作り置きするなら冷凍保存するのが安心・安全ですよ。
冷凍保存はしっかり密封・素早く冷凍・早めに食べきることが美味しさの決め手です。
上手に保存して、手作りグラタンを美味しく存分にお楽しみくださいね♪