【執筆者:編集部 中川有莉】
酵素玄米(寝かせ玄米)が腐ると腐敗臭や粘りがでて糸を引くなどの異常が発生するため、見た目や臭いで食べられないと判断できます。
酵素玄米は保存方法を正しく守っておけば、腐らずに発酵させられるので、上手に管理する方法と美味しく食べられる見分け方を知っておくと良いですね。
ミネラルや食物繊維を豊富に含み、お通じ改善の期待もできる酵素玄米を美味しく食べるために知っておきたい、以下の項目について紹介します。
酵素玄米(寝かせ玄米)のこと
- 腐るとどうなるのか?
- 食べられる状態の見分け方
- 高温保温なら腐らない理由
- 正しい保存方法と日持ちの目安
酵素玄米が発酵しているか腐敗しているか見分けがつかず食べられるか困っている方、失敗せずに美味しく酵素玄米を食べたい方はぜひ参考にしてください。
目次
酵素玄米(寝かせ玄米)が腐るとどうなる?見分け方
酵素玄米が腐ると糸を引く、腐敗臭がするなどの異変が生じます。
食べられない | 食べられる | |
---|---|---|
見た目 変色 |
・ネバネバしている ・納豆のような糸を引く ・カビが生える |
・赤飯のようなピンク色 ・濃い茶色 |
匂い 臭い におい |
・明らかな腐敗臭 ・すっぱい匂い ・納豆臭 |
いい香り |
味 食感 触感など |
・糸を引くほどの粘り ・溶けてドロドロしている |
・粘り(糸を引かない) ・柔らかい ・もちもち ・甘い |
酵素玄米は炊くともちもちとした粘りがでますが、粘りに加えて腐敗臭がしたり糸を引いたりドロドロしていたら腐っているので見た目と匂いで判断しましょう。(※1)
一般的に、玄米を炊飯し数日保温させた玄米のことを「酵素玄米」「寝かせ玄米」「発酵玄米」と呼んでいます。
「寝かせ玄米®」という商品は株式会社結わえるのオリジナルで、商標登録されています。
酵素玄米が食べたいけどなかなか作る時間が取れないという方には、ネット販売している「寝かせ玄米®」がおすすめですよ。
異臭や粘り、糸が引くなら腐ってる可能性大!
酵素玄米が糸を引いたり、腐敗臭がして粘りがあるなら腐っている可能性が高いです。
玄米は炊くともっちりとした粘りがでるため、粘りだけで判断するのは難しい場合もあります。
食べられる粘りか食べられない粘りなのかは、見た目や匂いも一緒に確認することでしっかりと判断できます。
「酵素玄米は腐らない」という話を耳にしますが、正しくは温度管理と衛生管理を怠らなかった場合に限り、腐らずに発酵させることができて美味しく食べられるということです。
高温保存なら腐らない?腐敗しない理由
酵素玄米は、72~74℃の高温で保温することで炊きあがりから10日程度の保存が可能になります。
高温保温することでなぜ腐らないのかというと、菌の増殖を防げるためです。
電気ジャー炊飯器は24時間以上保温すると腐敗臭がする原因となるため、酵素玄米の保温には向きません。
炊飯器メーカーのタイガーや象印は、一般的な炊飯器で酵素玄米をつくることをおすすめしていないため、酵素玄米を安全に炊くなら専用の炊飯器がおすすめです。
炊飯後に保温している酵素玄米はしっかりとかき混ぜる必要があります。
- 1日1回、酵素玄米を保温している炊飯器の下の方からしっかりとかき混ぜる
- かき混ぜるしゃもじは清潔なものを使用する
- 炊飯器の蓋を開けっぱなしにしない
1日1回かき混ぜる理由は、炊飯器の底や表面など場所によって酵素玄米が硬くなりすぎたりやわらかくなりすぎないようにするためです。
また、夏場は特に食中毒の危険性が高まるため、温度管理や衛生管理をより一層気を付ける必要があります。
夏場は特に食中毒の危険性が高まるので要注意
夏場は室温が高くなるため、酵素玄米を常温で浸水すると雑菌が繁殖して腐敗が進みやすくなります。
夏場の浸水は冷蔵庫で行うようにし、水は半日に一度程度入れ替える衛生管理を行えば安心です。
誤って腐っている酵素玄米を食べて食中毒が起こると、腹痛や下痢や嘔吐などの消化器症状や発熱といった症状がでる可能性があります。(※2)
- 水分補給をして脱水症状を防ぐ
- 自己判断で下痢止めを服用しない
- 重い症状が現れたらすみやかに医療機関を受診する
また、玄米に含まれるフィチン酸やアブシジン酸という成分は危険だと考えられていましたが、研究の結果、安全性が確認されています。(※3)
しかし「それでもまだ心配…」という方は、炊き方を一工夫してみてはいかがでしょうか。
酵素玄米を保温するときの注意点や安全性をより高める炊き方の工夫がわかったところで、酵素玄米が腐るのを防ぐ正しい保存の方法を知っておきましょう。
酵素玄米(寝かせ玄米)が腐るのを防ぐ正しい保存方法
酵素玄米は、高温の炊飯器の中で保温することで長期保存が可能であり、常温ではすぐに腐敗してしまいます。
常温 | すぐ腐敗するため保存できない |
---|---|
冷蔵 | 1~2日以内 (食味が悪くなるためおすすめしない) |
冷凍 | 1ヶ月以内に食べきる |
炊飯器の高温保温 | 長くても炊飯後10日ごろまでに食べきる |
酵素玄米は冷蔵保存もできますが、低温保存をするとでんぷんが劣化しパサパサとして食味が悪くなるためおすすめしません。
酵素玄米を美味しく長期保存するなら冷凍保存がおすすめです。
炊飯器での保存は、長くても炊飯後10日以内に食べきるようにしましょう。
炊飯器は高温で保温すれば保存が可能
炊飯器の保温を高温に設定し、1日1回かき混ぜるようにしておけば腐敗を防いで日持ちさせられます。
長時間高温保温ができる専用の炊飯器や保温ジャーを使用しましょう。
長期間炊飯器で発酵させていると、酵素玄米の表面が乾燥してパサパサとしてきたり、ベチャっとしてきて食味が悪くなるので、長くても炊飯後10日以内に食べきるようにしてくださいね。
長期保存には冷凍がおすすめです。
冷凍なら長期保存が可能!保存のコツ
冷凍保存すれば、約1ヶ月程度日持ちします。
美味しく冷凍保存するためには保存のコツを抑えておく必要がありますよ。
- 酵素玄米がまだ熱いうちにラップに広げて平らにする
- 粗熱がとれたらラップでつつみ、すぐに冷凍庫へ入れる
冷凍保存した酵素玄米の解凍方法は蒸し器またはレンジをおすすめします。
酵素玄米専用の炊飯器がない場合は、酵素玄米を作ることはおすすめできません。
専用の炊飯器がなければ安全に酵素玄米を作れない
「専用の炊飯器ないけど酵素玄米を保温しよう!」と、専用ではない保温ジャーで酵素玄米を保温すると失敗する可能性が高いです。
タイガーや象印は、一般的な保温ジャーでは酵素玄米は保温できないとしています。
酵素玄米を失敗なく安全に作るためには、専用の炊飯器を使って上手に炊き、正しい保存方法で美味しく発酵させましょう!
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結論 | 酵素玄米は低温保存で腐るので高温を保とう!
- 腐ると糸を引く粘りや腐敗臭など異変が生じる
- 高温保温で上手に発酵させられる
- 保温中は1日1回かき混ぜること
- 冷凍なら長期保存が可能
- 酵素玄米には専用の炊飯器が必要
酵素玄米・寝かせ玄米は高温保温し、1日1回かき混ぜることで腐敗を防いで発酵させられます。
酵素玄米をつくるなら専用の炊飯器を使用しましょう。
保温する温度が低かったり、かき混ぜるのを忘れた、炊飯器の蓋を開けっぱなしにしたりすると雑菌が増殖して腐敗するため注意が必要です。
保温の方法や正しい保存の仕方とコツを知っておけば、ミネラルや食物繊維豊富な酵素玄米を美味しく健康的に食べられますのでぜひ参考にしてくださいね。