【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
ハンバーグは子供のリクエストが多くてよく作るのですが、たまにゆるくなってしまう時があります。
いつもと同じ材料、同じ手順で作っているはずなのに、大丈夫なこともあればゆるい時もあるのはなぜでしょうか?
ゆるいハンバーグをそのまま焼いても、ボロボロになって残念な姿になってしまうことも…。
そこでハンバーグのタネがゆるい原因や、対処法などをきちんと調べてみました。
- ハンバーグのタネがゆるい原因について
- ゆるくなったハンバーグを固くする対処法
- ハンバーグの正しいこね方とタネの硬さについて
- 失敗しない正しいハンバーグの焼き方
- ゆるくなったハンバーグのリメイクレシピ
まずは、どうしてハンバーグのタネがゆるくなるのか原因を確認してから、対処法をお伝えしますね。
また私は結構ズボラな方なので、きちんとしたハンバーグの作り方を調べたことはありませんでした。
そこでこれを機に、タネの正しいこね方やハンバーグの正しい焼き方なども調べてみましたよ。
失敗してしまった時のアレンジレシピまで紹介するので、ぜひご確認くださいね。
美味しいハンバーグを作りたい方、必見です!
管理栄養士・栄養士
目次
ハンバーグのタネがゆるい時の原因は?水分・こね方・温度が問題だった!
ハンバーグはよく作るのですが、作り方をあまり意識したことはありませんでした。
しかしハンバーグがゆるくなってしまうのは、やはり作り方に問題があるようです。
ハンバーグのタネがゆるくなってしまう原因は、主に以下の3つだと分かりました。
ハンバーグのタネがゆるい原因
- 水分が多い
- ひき肉をしっかりこねていない
- ひき肉の温度が高い
どういうことなのか、順番に詳しく説明していきますね。
ゆるいハンバーグは水分が多くてこね方が足りない
ハンバーグの生地がゆるい原因について、まずは水分から解説していきます。
水分が多い
ハンバーグには玉ねぎや牛乳、卵など水分を含むものを入れますよね?
つなぎであるパン粉に対してこれらの水分が多すぎると、ゆるいハンバーグになってしまいます。
特に玉ねぎは生のままだと水分が出るので、よく水分を絞るか、炒めてから入れるようにしましょう。
炒めた玉ねぎは、粗熱をとってから入れるようにしてくださいね。
卵が大きい場合は黄身だけを使ったり、いつもより牛乳を少なめにするなど調整してみて下さい。
今思えば、ハンバーグの肉だねがゆるいときは、大きな卵にも関わらず牛乳の量はいつも通りだったので失敗していたような気がします。
豆腐ハンバーグは特に注意!
豆腐ハンバーグがゆるいのは、豆腐の水分が多いためです。
豆腐や野菜から出る水分をよく絞らないと、ゆるゆるのハンバーグになってしまいます。
ゆるい豆腐ハンバーグにならないよう、牛乳もあまり入れ過ぎないようにしてくださいね。
続いて、タネのこね方が原因の場合です。
タネをしっかりこねてしない
ひき肉は粘りが出るまでしっかりこねておかないと、ハンバーグはゆるくなってしまいます。
また、ひき肉は玉ねぎや調味料などを混ぜるとゆるくなりがちなので、これらを入れる前にこねておきましょう。
ただし塩は脂肪分を乳化して粘り気を出すので、ひき肉に塩だけを入れてこねてくださいね。
ちなみに、よくハンバーグをパンパンと掌に交互に叩きつけますが、あれは中の空気を抜くためのものです。
その前にしっかりこねておかないと、ハンバーグは固くなりませんよ。
最後は温度についてです。
ひき肉の温度が高い
肉だねの温度が高い場合も、ゆるいハンバーグになってしまいます。
こねる時の手の温度や、炒めた玉ねぎの粗熱を冷ましていないと、ひき肉の油が溶けてゆるくなるのです。
ハンバーグのタネはなるべく冷えていた方が良いのですね。
<豆知識>タネ?ネタ?種?
先ほどからハンバーグの「タネ」とお伝えしていますが、「ネタ」や「種」という人もようです。
調べてみたところ、どれも間違っているというわけではないようですね。
もともとはタネが一般的なようで、それを逆にして隠語にしたのが「ネタ」とのことでした。
ちなみにお寿司屋さんでは、「ネタ」の方が一般的に使われています。
ハンバーグのタネがゆるい原因がよくわかりましたね。
では続いて、ハンバーグがゆるい場合はどうすればいいのか対処法を解説していきます!
ハンバーグのタネがゆるい時の対処法!そのまま焼いたら水分を飛ばせる?
ゆるくなる原因が水分やこね方ということはわかりましたが、ハンバーグの材料を全て混ぜた後に、ゆるいかも?と思うことはよくありますよね。
作り終えたタネが水っぽい場合は、ひき肉やパン粉を加えるのが一番簡単な対処法です。
硬くなりすぎないように、少しずつ加えてくださいね。
使い切っててパン粉ないよ!という時は、これらを代用できますよ。
パン粉がなくても大丈夫!タネがゆるい時に使えるつなぎ
- 食パン
- 小麦粉
- 片栗粉
- 麩
- おから
水分を吸収しやすい麩やおからは、入れ過ぎると硬くなるので、少しずつ入れてくださいね。
それでもまだハンバーグが柔らかい場合は、冷蔵庫に30分ほど入れておきましょう。
ひき肉の温度が下がって、ゆるい状態が改善されます。
間違ってもそのまま、すぐに焼かないようにしましょう。
ハンバーグをゆるいまま焼くとぐちゃぐちゃに!
私は多少ハンバーグがゆるくても、焼けば水分を飛ばすと思って強行したことがあります。
結果は、旨みがすっかり抜けた、ボロボロの残念ハンバーグになってしまいました…。
しかもすごく柔らかくて、全然美味しくなかったです。
このようにハンバーグがゆるいまま焼くと、割れてボロボロになるし、せっかくの肉汁が流れ出てしまいます。
ちなみにゆるいまま冷凍しても、硬くならないのでダメです。
早いけど、お腹すいたので晩ご飯です。以前冷凍したハンバーグ。ゆるいよ! VT: http://twitvideo.jp/019j0
— きむら (@0626kimura0224) May 8, 2010
特に水分が多くてゆるいときは、調理前に対処しましょうね。
こね方にも気を付ける必要があるので、具体的にはどうしたらいいのか続いて解説します。
ハンバーグのタネは何分こねるの?丁度いい硬さの目安を解説!
ハンバーグがゆるくなるのを防ぐには、水分量だけでなくこね方も重要です。
よくこねましょう!と言われても、どれくらいこねれば良いのかよくわかりませんよね。
目安となるハンバーグのタネの硬さは、「脂身と赤身が完全に混ざっていてタネ全体が白っぽく、持ち上げると少しだけ繊維の糸が引く状態」です。
柔らかすぎると触っただでもわかりますが、よくわからない時は持ち上げてみて、見た感じも確かめてみて下さい。
このようなタネにするための正しいこね方は、こちらの通りです。
ハンバーグの正しいこね方
- ひき肉は冷蔵庫で冷やしておく
- 塩を適量入れる(ひき肉200gに対し、小さじ1/3程度)
- 握るようにして肉をつぶし、ボウルに押し付けるようにこねる
- 全体が一体化して粘りがでるまでこねる
※ただし長時間にならないよう、短時間(3分程度)で済ます。
時間をかけすぎると、手の温度でひき肉の温度が上がり、ゆるくなってしまいます。
短時間で済ませるのはもちろん、ビニール手袋などを使うと直に触らないので温度の上昇を抑えますし、衛生的にも安心ですね。
量が多くて短時間で済ませるのが難しい時には、氷を張ったボウルの上にもう1つボウルを置き、その中でこねると良いですよ。
文章だけではよくわからないという場合は、こちらの動画も参考にしてみて下さい。
上手なこね方がわかったところで、最後に美味しい焼き方も知っておきましょう!
ゆるいハンバーグをリメイクするレシピと合わせてご紹介しますよ。
ハンバーグをふわふわにする焼き方は?ゆるい場合のリメイクレシピも紹介!
タネをしっかり作れたところで、上手に焼ければ美味しいハンバーグの出来上がりですね。
ゆるいハンバーグはもちろん避けたいですが、焼き過ぎてパサパサになってしまっても美味しくないです。
ふわふわのハンバーグに仕上げる焼き方のコツは、以下の通りですよ。
ゆるいハンバーグにならない焼き方
- ハンバーグをきっちり成形し、真ん中をへこませておく
- フライパンをしっかり温める
- フライパンにタネを乗せ、蓋をせずに中火で3分ほど焼く
- 余計な油や水分が出てきたらキッチンペーパーで吸い取る
- 裏返してから蓋をして、弱火で3分焼く
- 蓋を取り、強火で水分を飛ばして完成
ゆるいハンバーグや成形が甘いと、ひっくり返す時にボロボロになるので注意してください。
余計な水分や油は吸い取りましょう。
また、中はふわふわ、外はカリッとしたハンバーグにするには、焼くときの温度も重要です。
中途半端な温度で焼くと、肉汁が流れ出てパサパサになってしまいますよ。
肉汁が透明になったら中まで焼けてるので、焼き過ぎには注意しましょう。
と、このように注意していても、どうにも上手く焼けなかったという場合はどうしたらいいのでしょうか?
ゆるい、もしくはパサパサになってしまったハンバーグでも美味しく食べられる、復活アレンジレシピを最後にご紹介します!
ゆるいハンバーグでも美味しく!アレンジレシピ
ゆるいときやボロボロになった時にも使える、アレンジレシピです。
まずはゆるくなった時のおすすめからご紹介していきます。
煮込む
タネがゆるい時は、初めから煮込みハンバーグにしてしまうのも1つの方法です。
割れて肉汁が溢れても気になりません。
焼いてる途中で崩れたりパサパサになった場合でも、そのままデミグラスソースなどを入れて煮込んでしまいましょう。
カレーソースがあれば、カレーで煮込んでも美味しいですよ。
ひき肉として使う
ボロボロになってしまったハンバーグは、いっそひき肉として使ってもいいかもしれません。
ドリアやミートソースにアレンジできますよ。
ドリアへのアレンジレシピ
- ハンバーグが失敗したらそのままひき肉状になるまで潰す
- みじん切りにした玉ねぎ(半分)も入れて炒める
- トマト缶(半分)、水(100cc)、ケチャップ(大さじ3)、ウスターソース(大さじ2)、塩コショウ少々を入れて煮込む
- グラタン皿にバターを塗り、ごはん(適量)を入れておく
- 水分が少なくなるまで3を煮込んだら、ごはんに乗せる
- チーズ(適量)やパセリをのせる
- チーズに焦げ目がつくまでトースターで約5分焼く
煮込んだソースは、パスタと絡めるとミートソースパスタになります。
私はミートソースにするときは、気持ちケチャップを多めに入れています。
お好みに合わせて味を調節してみてくださいね。
そのほか、スパニッシュオムレツにするという方法もありますよ!
スパニッシュオムレツにアレンジ
- ハンバーグをくずしてバラバラにする
- じゃがいも(1個)を5mmほどの厚さでイチョウ切りにして蒸す
- 溶き卵(3個)に醤油(小さじ1)と酢(小さじ1)を入れる
- 中火にした油を引いたフライパンにひき肉状になったハンバーグとじゃがいもを入れる
- 卵を流しいれ、蓋をして弱火でじっくり焼く
オムレツに入れる材料はお好みで大丈夫ですが、私はよくじゃがいもを入れています。
ひっくり返して両面に焼き色を付けてもいいですね。
ハンバーグとしてはちょっと失敗したかな…という時は、このようにアレンジして別の料理にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ハンバーグがゆるくなってしまう原因や対処法、アレンジレシピなどをご紹介してきました。
ポイントをまとめます。
- ハンバーグがゆるいのは、水分、こね方、温度が高いのが原因
- 水分が多いハンバーグには、パン粉やひき肉を入れると良い
- パン粉がない場合は、小麦粉や麩などで代用できる
- タネを冷蔵庫で冷やすとゆるくなりにくい
- ひき肉は塩だけを入れて、短時間でしっかりこねとゆるくなりにくい
- ハンバーグを焼くときは温度に注意して、焼き過ぎないようにする
- ボロボロやゆるいハンバーグは煮込み料理、ひき肉料理にアレンジできる
実は、今まではあまりひき肉の量や卵の大きさを考えずに、適当に牛乳を入れていました。
そんなことをしていたら、作る度にゆるくなったり硬くなったりしますよね…。
今後からはきちんと状態を見ながら水分の量を調整しようと思います!
また、ゆるいまま無理やり焼くのではなくきちんと対処したり、アレンジレシピにも挑戦してみたいです。
皆さんも、今回の情報を参考に、美味しいハンバーグを作ってみて下さいね。