【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
ヘルシーで高タンパクなささみは我が家では大活躍の食材なので、「1日で使い切れなくても冷凍すれば良いわ」と思ってまとめ買いしたのに、冷凍し忘れることがよくあります……。
それでも消費期限以内であれば大丈夫なのかなと思っていたのですが、3日や4日も過ぎても大丈夫なのでしょうか心配になったので、ささみの日持ちや食べてはいけない時の特徴について調べてみました。
- 生や調理後のささみの消費期限はどれくらいなのか
- 消費期限切れでも食べられるのか、腐るとどうなるのか
- ささみの正しい保存方法と離乳食におすすめの保存法
鶏肉の中でもささみは脂肪分が少ないので、赤ちゃんの離乳食としても早い段階でチャレンジするお肉ですが、できるだけ離乳食を作る負担を減らしたいですよね。
今回は正しいささみの保存方法と合わせて、私自身も実践していた安全で便利な離乳食用のささみの保存方法もご紹介します!
この記事をしっかり読んでいただき、安全で健康的にささみを楽しみましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
ささみの消費期限や日持ち期間は?生や調理後など徹底調査!
生のお肉に表示されている消費期限はほんの数日ですが、ささみを含めた鶏肉は、豚や牛など他の肉類と比べて消費期限が短いのです!
いったい他の肉類と比べてどれくらい日持ちが短いのでしょうか?
まずは生のささみ(鶏肉)の消費期限について解説します。
生のささみ(鶏肉)に表示される消費期限の設定基準
ささみを含め、生の肉類の中でも事前に包装されているものには、「消費期限」が記載されています。
指定されたとおりに正しく保存した場合に「おいしく」食べられる期限を示す「賞味期限」に対して、「消費期限」は正しく保存した場合に、「安全に」食べられる期限を示しているので、基本的に消費期限を過ぎた食品は食べてはいけないと考えることができます。
本来なら販売店ごとに検査機関に検査依頼をして、各種類ごとに消費期限を設定するのが望ましいのですが、現実的には困難です。
そこで、日本食肉加工協会が設定している「期限表示フレーム」を参考に、消費期限が設定されています。
肉類の期限表示フレームは次の通りです。他の肉類とも比較してみましょう!
10℃(冷蔵室) | 4℃(チルド室) | 0℃(チルド室) | |
鶏肉 | 1日 | 4日 | 6日 |
豚肉 | 3日 | 6日 | 7日 |
牛肉 | 3日 | 6日 | 7日 |
一般的に冷蔵庫の中で、冷蔵室は2~5℃、チルド室は0~3℃、冷凍室は-20~-17℃とされていますが、頻繁に開け閉めする冷蔵室はそれよりも温度が上がってしまう場合がありますので、4℃を保って保存できているのはチルド室と考えた方が良いです。
そうすると、鶏肉を冷蔵室で保存するなら1日しか日持ちしませんね!
他の肉類と比較してもかなり短いことがわかります。
生のままではあまり日持ちがしないので、冷凍保存を考える方もいらっしゃることでしょう。
私もネット通販で冷凍ささみをまとめ買いして、冷凍保存しています。
製造日からの賞味期限は不明なのですが、いつも6ヶ月以上先のものが届くので重宝しています。
でも、自宅で冷凍する場合は市販のものとは温度も冷凍の速さも違いますので、3週間程度を目安に使い切るようにしましょう。
それ以上長くなると、冷凍焼けで風味が落ちるなどの影響も出てきます。
冷凍したものは自然解凍か、レンジで解凍します。
詳しい方法は、後ほど「ささみの正しい保存方法!冷蔵や冷凍するときのコツは?」の章で詳しくご説明しますね。
調理後のささみの日持ち日数
生のささみがあまり日持ちしないので、調理して保存しよう!と考える方もいらっしゃいますよね♪
最近は作り置きレシピも充実しているので、うまく活用したいところです。
いくつか表にしてご紹介しますので、参考になさってください。
レシピ名 | 日持ち日数 | 保存方法・注意点 |
オイル漬け | 5日程度 | オイルに漬けた状態で密閉容器に入れ、冷蔵庫保存 |
酒蒸し | 3~4日程度 | 蒸し汁ごと密閉袋に入れ、冷蔵庫保存 |
サラダチキン | 4~5日 | ほぐしたものを密閉容器に入れ、冷蔵庫保存 |
燻製 | 1週間程度 | しっかり乾いていれば1週間程度、水分が残っている場合は2~3日 |
塩麹漬け | 2~3週間 | 冷凍保存。解凍後冷蔵庫で2日程保存可能 |
塩麹漬けにして冷凍させると日持ちがしますね!
その他のレシピも、冷蔵庫で1週間程度日持ちを見込めるものが多いですが、あくまで目安ですし、手作りのものは調理器具などの状態によって左右されますので、自分の目でしっかり確認してくださいね。
手作りのものに限らず、ささみが消費期限切れになってしまう事もあると思います。そんな時、少しくらいなら食べても大丈夫なのでしょうか?
それとも食べないほうが良いのでしょうか?
次の章では消費期限切れのささみを食べても良いかどうかと、そのリスクについても詳しくご説明しますので、よく読んでくださいね。
ささみが消費期限切れになった!食べても大丈夫?それとも捨てるべき?
先ほどもご説明した通り、生のささみには「消費期限」が記載されていますので、原則として期限を過ぎたものは安全の保障がされていません。
「賞味期限」は少し余裕をもって設定されていますが、「消費期限」が過ぎると「食べてはいけない」というのが基本的な考えです。
でも、実際には消費期限から1日や2日程度過ぎたものなら食べている人が多いようです。
○ お昼ごはん🍴
ささみ
温野菜(ナスともやし)午後から出かけるけどささみの消費期限が昨日までだから😂 pic.twitter.com/vfEe179HeT
— m a i (@_sd_221) 2018年3月18日
明日のお弁当!わかめのポン酢和え、楽だし美味しいし最高!ささみは塩麹に感謝しつつ焼いたんだけど、なんか賞味期限が16日までって表示が…見えた気がした…けどまあ大丈夫でしょ! pic.twitter.com/HS4KcwpX0v
— 蒼乃灯…! (@blue_no_no) 2018年2月18日
私も1日程度なら「加熱すれば大丈夫かな」と思ってしまいそうです。
そうかと思えば、消費期限当日のものを食べて体調を崩した方もいらっしゃいます。
消費期限が今日までのささみから異臭するなと思いつつ食べたら下した😂
— タンパくん🐓@糖質制限中 (@mac_pork2) 2018年8月5日
消費期限切れから1日~2日だから大丈夫と安易に判断できませんね。
消費期限が11/21のささみ1kgを冷蔵庫で見つけてしまった。。。
ああ…どうしよう…。
もったいないけど流石に腹壊しそうやな…(´-_-`)— Seiyuuuuuuu (@oyu2014) 2015年11月24日
期限切れから3日を過ぎると「危険だ」と考える方も多いようですね。
そうかと思えばこんな方も…
今日は、鍋に水ぶち込んで沸騰させて、鶏白湯キューブぶちこんで、消費期限が4日過ぎた鶏ささみぶちこんで、消費期限が4日過ぎた牛もも肉ぶちこんで、コンソメぶち込んで、モヤシと卵をぶちこんだ すべて目分量の適当で味見もしなかったけど美味しい
— ₹ᘄ൹ ૅੁㄟ゜ʖˋक॑ (@kituneponyo) 2018年11月20日
私としては4日も消費期限切れしたささみを食べたこの方の健康状態が心配です…
本来1日しか日持ちしないと設定されているうえ、「消費期限」は製造から5日以内に品質が劣化すると考えられるものに付けられる期限なので、消費期限を4日も過ぎているささみは品質が劣化していると考えるのが妥当ではないでしょうか。
鶏肉の日持ちが短く、よく火を通さなければならないのはなぜ?
鶏肉は豚肉や牛肉と比較して日持ちが短いことは「生のささみに表示される消費期限」でもご説明しましたが、その他に「鶏肉はよく火を通さないといけない」と聞いたことがありませんか?
冬にお鍋をするときなどにも、「鶏肉を入れたからしっかり火が通るまではお鍋を開けちゃダメ」などと、母からも良く言われたものです。
それには次のような理由があります。
- 他の肉類と比較して水分量が多い
- 細菌(カンピロバクター)が付着していることが多い
食品を腐らせる雑菌やカビなどには、水分が多い場所で増殖しやすいものが多いため、水分量が多い鶏肉は他の肉類と比較して腐りやすいのです。
また、カンピロバクターとは食中毒の原因となる細菌で、鶏肉の消化管内に生息していることが多く、販売されている鶏肉にも4割以上の割合で付着していると言われています。
しっかり加熱すると死滅する細菌で、カンピロバクターが鶏肉自体を腐らせるわけではないのですが、加熱が不十分な鶏肉を食べたり、鶏肉を切ったまな板で生野菜を切ったりすると、生野菜にカンピロバクターが付着して食中毒を引き起こしたりします。
ロキソニン飲んで熱下がってうどんも食べれたのに、そのあと40.3度っていうお風呂みたいな高熱出して頭身体お腹(全身)痛くて丸二日寝込んだ結果体重3㎏落ちました。
皆さんも食中毒にはこの季節特に気を付けてください😣
カンピロバクターのバカヤロー!
— 立夏子 (@liccadesu) 2019年6月16日
…辛そうです…消費期限以内、消費期限切れに限らず、鶏肉の扱いには十分注意しましょう。
世間の声を見てみても、消費期限を1日過ぎただけでも危険な場合もありますし、日にちだけで判断するのは不安が残りますね。
最終的には自分の目で見て判断する必要がありそうです。
続いては、ささみが腐るとどうなるのかについて解説しますので、誤って傷んだささみを食べてしまう事がないように、よく読んでくださいね!
ささみは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方がコレ!
ささみはもともと消費期限が短いうえに、例えば常温に長時間放置して冷蔵庫に入れるのが遅くなるなど、保存状態が良くなかった場合、消費期限以内であっても傷んでしまう可能性があります。
その為、最終的には自分の目や鼻など、五感を頼りに見極めるしかありません。
ささみが腐るとどうなるのかがわかれば、判断の目安になりますね。
腐ったささみの特徴を以下にまとめますので、見分け方の参考になさってください。
腐ったささみの特徴
- 表面がねばねばしている
- 表面がぬるついていて洗ってもとれない
- 糸をひく
- カビが生えている
- 色がきれいなピンク色をしていない
- 異臭がする(アンモニア臭、異常な生臭さ)
調理する際に必ず触りますので、異様なねばつきがあれば気付くことができるでしょう。
その他、わかりやすいのは臭いです。
ささみのようなタンパク質が腐ると、成分であるアミノ酸が分解されて硫化水素やアンモニアなど、非常に強く嫌な臭いを出すものに変化します。
その為、臭いは大きな判断材料になるのですが、冷蔵庫で冷えた状態だと臭いを感じにくい場合があります。
賞味期限が昨日までのささみを急いで食べようとして触った感じは微妙だけど匂いはギリ大丈夫かなと思い加熱→口に入れてみてやっぱりダメだなと思い捨てた。もったたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたいない
— 🌈ダン🌈 (@007maaaaa) 2019年6月7日
このように、加熱すると臭いや味を感じやすくなります。
不安な場合には、少しだけ切り取ってみて、レンジで温めてみると腐っているかどうかがわかりやすくなりますよ。
ささみが腐ってしまった時の見分けもできるようになりましたが、そもそも腐らないのが一番です!
正しく保存することで、安全に鶏肉を保存することができるようになりますので、最後に保存方法についてご説明します。
冷凍方法や離乳食にする場合の保存方法もご紹介しますので、無駄なくささみを使えるように、しっかり読んで実践してくださいね!
ささみの正しい保存方法!冷蔵や冷凍するときのコツは?
生のささみはとても傷みやすく、消費期限の短い食材だという事がわかりましたね。
その日のうちに使い切るなら、調理するまで冷蔵庫のチルド室に入れて保存しますが、翌日に使う場合や使いかけを保存する場合には一手間かけましょう。
- パックから取り出してキッチンペーパーで表面の水分を吸い取る
- 一本ずつラップに包み、密閉袋に入れてチルド室に入れる
周りの水分はドリップと言って、ささみの中の水分が出てきているものです。
そのままにしておくと腐みの原因になりますのでキッチンペーパーで取っておきましょう。
翌日にも食べきれない場合には、冷凍保存がおすすめです!
ささみの冷凍保存方法
ささみを生のままで冷凍する場合のコツは以下の通りです。
- あらかじめ筋を取っておく(フォークを使うと簡単!)
- 少し酒をふってなじませる
- 表面の水分をキッチンペーパーでしっかり吸い取る
- 一本ずつラップで包み、密閉袋に入れて冷凍する
生のささみを冷凍する場合は、後々調理のことも考え、あらかじめ筋を取っておくことをおすすめします。
包丁でももちろん取れますが、フォークを使うととっても簡単ですよ!動画を一つご紹介しますね。
気持ちよく取れますね♪是非参考になさってください。
生のささみを冷凍した場合、自然解凍するかレンジの解凍機能を使って解凍する方法もあります。
でも、レンジを使うと解凍ムラが出る場合もありますし、うまみ成分がドリップとしてでてしまうリスクも伴います。
ゆっくり解凍する時間がない場合は、凍ったまま調理することもできますので、凍ったまま調理も選択肢の一つに入れておいてくださいね!
また、ささみは茹でた後に冷凍することもできます。
茹でてから冷凍するコツは次の通りです!
- 冷蔵庫から取り出したささみの水分を吸い取る
- 塩をふってなじませる
- 沸騰したお湯に入れ、ひっくり返したら蓋をして火を消し、余熱で火を通す
- 8~10分程で火が通るので、取り出し粗熱を取る
- 粗熱が取れたら密閉袋に入れて冷凍する(そのままでも、ほぐしても良い)
お鍋でグツグツ茹でてしまうと水分が抜けてパサパサになってしまいますので、やめましょう!
茹でてから冷凍したささみは解凍してそのままサラダなどに活用できますので、お役立ちですよ♪
生のままでも、茹でた後でも、冷凍したささみは1ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。
おいしさや風味が損なわれますので、注意してくださいね。
離乳食用のささみの冷凍保存方法
離乳食は初期・中期・後期・完了期と分かれますが、タンパク質である肉類はアレルギーを発症する可能性がありますので、初期には与えません。
離乳食中期で初めて与える肉類として、ささみを利用することが多いでしょう。
離乳食は時期によって食材の大きさが異なりますので、保存方法もそれに合わせて変わります。
ささみを食べ始めの頃
生のまま冷凍し、食べる時にすりおろして調理する
慣れてきてカミカミし始めるころ
しっかりゆでたものをほぐし、繊維を断ち切る方向に刻んで冷凍する
凍ったまますりおろすと、茹でたものをすりつぶすよりもきめ細かくできるので、赤ちゃんが食べやすくなります。
カミカミの頃になれば、お子さんの成長に合わせて刻む大きさを調整してくださいね。
離乳食用の食材は、大人が食べるものよりも安全に注意したいので、1週間を目途に使い切るようにしましょう。
まとめ
ささみの消費期限や腐った時の見分け方、正しい保存方法について解説してきました。
ささみの消費期限と保存方法
- 生のささみの消費期限は冷蔵庫で1日、チルド室で4日程度
- 基本的に消費期限を過ぎたものは食べてはいけない
- 加熱調理後のささみは数日~1週間ほど日持ちするレシピもある
- 日持ちさせたい場合は1本ずつラップで包み密閉袋に入れ冷凍保存がおすすめ
- 冷凍保存すると1ヶ月程度日持ちする
- 離乳食用のささみは1週間程度で使い切る
ささみが腐った場合の見分け方やリスク
- ささみが腐っているかどうかは五感で判断する
- アンモニア臭や生臭いにおいは温めるとよくわかる
- 表面がねばついたり糸を引いていたら食べてはいけない
- ささみを含む鶏肉には食中毒の原因菌カンピロバクターが付着している場合がある
ささみは高タンパク、低カロリーなので健康に良く、積極的に摂りたい食材ですよね。
一方で、保存方法を誤ったり消費期限を過ぎてしまうと非常に傷みやすいデリケートな食材でもあります。
ただおいしくなくなるだけではなく、食中毒など、健康に大きな被害が及ぶ場合もありますので、しっかり注意して扱わなければなりません。
離乳食でまだ小さい赤ちゃんにも与える食材ですから、この記事を参考に、安全にささみを使えるようになっていただけると幸いです♪