【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
キウイの大袋が安かったので思わず買ってしまいましたが、どれくらい日持ちするものなのでしょうか。
キウイはフルーツの中でも栄養価が高いと聞くし、子どもたちも喜ぶので嬉しい!と思って飛びついてしまったわけですが、こんなにたくさん食べきれるかしらと不安になってきました。
賞味期限なども書かれていませんし、なかなか食べきれずに腐らせてしまったら怖いと不安になったので、キウイの日持ち日数について調べてみました。
- 生や調理済のキウイはどれくらい日持ちするのか
- 腐るとどうなるのか
- 常温保存?冷蔵庫保存?正しい長持ちさせる保存方法
- 食べ頃の見分け方
買ってきたキウイを律儀に冷蔵庫に入れようとする子どもに、「キウイはすぐに冷蔵庫に入れないのよ」と言った後、「どうして?じゃあいつになったら冷蔵庫に入れるの?」と怒涛の質問攻めにあい、うまく答えられませんでした。
本当にそれが正しいのか自信がなくなってきたうえ、どうしてすぐに冷蔵庫に入れないのか、その理由もわからなかったので、この機会に調べました!
最後にはキウイをとっても長持ちさせられる方法もご紹介しますので、キウイの知識を深めていただき、正しく保存して長くおいしくキウイを堪能してくださいね♪
管理栄養士・栄養士
目次
キウイが日持ちする日数は?常温と冷蔵庫ならどっちがいいの?
キウイに賞味期限や消費期限さえ書かれていれば日持ち日数がわかるのに…と思いませんか?
残念ながら賞味期限や消費期限の表示が義務付けられているのは加工品なので、生のキウイには表示されていません。
さらに、キウイは完熟してから収穫してすぐに食べるフルーツではなく、未熟な状態で収穫して、保管している間に追熟して食べごろを迎えるフルーツです。
スーパーなどのお店に並んでいるものも、まだまだ追熟が必要な状態であったり、完熟させた状態であったりとさまざまなので、日持ち日数は「買ってきてから何日」という考え方ではなく、キウイの状態を見て判断しなければなりません。
生キウイの日持ち日数
生キウイの日持ち日数は、未熟な状態・完熟した状態で大きく分けることができ、完熟した状態の中でも丸のままの状態・半分にカットした状態でさらに分けることができます。
まずは一覧表でご紹介しますね。
未熟・完熟 | キウイの形 | 日持ち日数 | 保存場所 |
未熟 | 丸のまま | 1~2ヶ月 | 常温 |
完熟 | 丸のまま | 1~2週間 | 冷蔵庫 |
半分にカット | 1~2日程度 | ||
皮をむいてカット | 1~2ヶ月 | 冷凍庫 |
未熟な状態のキウイは、常温で保存する必要があります。そうしなければ追熟が進まないからです。
常温で追熟させ、完熟になったら冷蔵庫に移動させて1~2週間の日持ちとなります。
未熟なキウイの日持ちは1~2ヶ月と幅広いですが、キウイの状態によって変動しますのでこれ以上具体的な日数をご案内するのは難しいのです…
正しいタイミングで冷蔵庫に移動させるためにはキウイの完熟を見極める必要がありますので、それについては後ほど「キウイの食べ頃はいつ?見極め方を紹介!」の章で詳しくご説明しますね。
カットしたキウイの場合、しっかりラップをして冷蔵庫に入れておけば1~2日程度は問題なく食べられますが、例えばカットした包丁が清潔でなかったなら、切り口に雑菌が付いてしまいます。
1~2日というのは目安と考えて、食べる前にキウイの状態を確認してくださいね。
カットして冷凍する場合も同様に、必ず清潔な調理器具を使ってカットし、密閉袋になるべく平らにして入れて冷凍しましょう。平らにすると早く冷えますので、傷みにくくなります。
食べる時にはそのままシャーベットとして楽しむのがおすすめですよ♪
調理済キウイの日持ち日数
キウイが完熟したら、そのまま食べるだけではなくジャムにしたりはちみつ漬けにしたり…キウイを使ったおいしいレシピもたくさんありますよね!
調理をしたキウイの日持ちについても、ご紹介したいと思います。
レシピ | 日持ち日数 | 保存場所・注意点 |
はちみつ漬け | 2~3日程度 | 固いキウイを使った場合、食べ頃まで1週間程度寝かす |
ジャム | 2週間程度 | 冷蔵庫保存。糖度50%以上で作ると、数ヶ月の日持ちも可能 |
はちみつやシロップのマリネ | 3日程度 | 冷蔵庫保存。清潔な調理器具を使う |
一般的にジャムは糖度を上げると日持ちが長くなります。
これは浸透圧の影響で食品中の水分が抜け、食品を腐らせる雑菌やカビが繁殖しにくくなるからです。
同じ原理で、砂糖漬けもかなり日持ちし、砂糖が多ければ1年程度の日持ちが見込める場合もありますので、あまりにたくさんキウイがあって困る…なんて時には試してみられてはいかがでしょうか♪
キウイの日持ちの目安はわかりましたが、あくまで目安なので、食べられるかどうかは自分で最終判断しなければなりませんね。
まだ固いキウイを食べてしまう事より、怖いのは腐っているキウイを食べてしまう事ではないでしょうか。
続いてはキウイが腐るとどうなるのかについてご説明しますので、よく読んでいただき、間違って腐ったキウイを食べないようにしてくださいね!
キウイは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方がコレ!
キウイには賞味期限も消費期限も記載されていない以上、腐っているかどうかは自分の目で判断するしかありません。
特に、キウイは常温で追熟させるので、追熟させていたつもりがいつの間にか腐ってしまっていた…なんてことも起こりがちです。しっかり見極めなければなりませんね。
見分け方の参考になるように、腐ったキウイの見た目や味の特徴を調べましたので以下にまとめてご紹介しますね♪
- カビが生えている
- 明らにおかしいと感じる臭いがする(カビ臭い、酸っぱい臭い)
- 水分が抜けて皮がシワシワになっている
- 手で持っただけで皮がむけてしまう
- 皮が変色している
- 少し味見をして苦みや舌にピリピリした刺激を感じる
- アルコールっぽい味や臭いを感じる
- 膨らんで泡をふいている
キウイは皮の色だけでは腐っているかどうかを見分けることができないので、シワシワになっていないかどうかや、持ってみて皮がズルっとむけるほど柔らかくなっていないかなど、しっかり見る必要がありますね。
皮が膨らんでしまったり、アルコールっぽい味や臭いがすることがありますが、これはキウイの皮などに付着していた酵母がキウイの糖を分解して「アルコール発酵」が起こっているからだと考えられます。
「発酵」と「腐敗」は見極めが難しいところではありますが、食べ頃を過ぎて腐っているか、限りなく腐っている状態に近いところまで熟しているかだと思われますので、少なくとも子どもに食べさせるのは避けたほうが良いでしょう。
カットした後のキウイを保存していた場合も、この特徴を目安に確認してみてください。
ラップを外してみてアルコールっぽい臭いがしたり、味見をしてみて舌にピリピリ感じたら食べるのを控えましょう。
また、切ってみると真ん中の白い部分の外側…種の辺りが少し赤くなっていることがありますが、これは熟れ過ぎのサインなので、種の周りが少し赤い以外に腐っているサインが出ていなければ、食べても問題ありません。
ただし、一番おいしい時期は過ぎてしまっている可能性があります。
皮をむいてみると、一部分だけぶよぶよと柔らかいこともありますが、その部分を取り除けば食べることができます。
腐りかけキウイ pic.twitter.com/1K5ejmQ3i8
— 楽しい人生 (@nico2525213) 2018年11月20日
この状態がきっとギリギリなのではないでしょうか…
フルーツは腐りかけが一番おいしいという意見もあり、腐りかけのキウイを食べるかどうかは自己判断ですが、時にはお腹を壊してしまう事もあるようです。
おなかいたい!絶対あれや、それしか考えられへん!腐りかけのキウイ食べたからやー。
— miyazaki mini (@mini0729) 2011年3月28日
少しでも「あやしい」と感じる部分があれば、食べるのをやめることも頭に置いていてくださいね。
先の章ではキウイは常温で追熟させてから冷蔵庫に入れるとご説明しましたが、皮の見た目では腐っているかどうかを見分けることも難しいとわかりました。
それでは、どのようなタイミングで冷蔵庫に移動させればよいのでしょうか?
続いては、正しい保存方法と食べ頃の見極め方について解説します。
一番おいしい状態のキウイを見逃さないように、しっかり読んでみてくださいね!
キウイの正しい保存方法とは?食べ頃の見極め方も紹介!
「生のキウイの日持ち日数」の章でも少しご紹介したように、基本のキウイの保存方法は完熟するまでは常温で追熟させ、完熟すれば冷蔵庫に移動させるという方法です。
それぞれの保存方法について、もう少し詳しくご説明しましょう。
常温で追熟させる保存方法
キウイは南国フルーツだという事もあり、一般的に常温とされている15℃~20℃程度の温度は決して高すぎることはなく、むしろ追熟に適した温度と言えるのです。
その為、追熟させたい場合には夏でも常温での保存が可能です。
逆に、冬場は温度が低く、常温保存していても追熟が進みにくいことがありますので、追熟をしっかり進めたいときは後押ししてあげましょう!
常温で追熟させる場合は、次のような点に注意して保存してください。
- 風通しの良い冷暗所に保存する
- 段ボール箱より通気性の良いかごなどに入れる
- 追熟を後押ししたい時はエチレンガスを出すフルーツ(りんごやバナナ)と一緒にポリ袋に入れる
逆に、ゆっくり熟成させたい時には、バナナやリンゴとは離して保存する方が良いですね。
完熟したキウイの保存方法
完熟したキウイは、そのまま常温に置いておくと追熟が止まらず、熟しすぎて腐るのが早くなってしまいます。
完熟の状態になったものや、切った後のキウイは冷蔵庫で保存しましょう。
冷蔵庫で保存する場合の注意点は次の通りです。
- 冷蔵室より温度が高めの野菜室で保存する
- ポリ袋などに入れて保存する(乾燥を防ぐ)
- 切った後のものはしっかりラップで包み、密閉容器に入れて保存する
冷蔵室はキウイにとって温度が低すぎますので、野菜室で保存しましょう。
最新のものになれば、野菜や果物の乾燥を防ぐために野菜室の湿度も高めに管理されている冷蔵庫もありますので、野菜やフルーツは野菜室での保存が適していますね。
また、キウイは冷凍保存することも可能ですので、たくさんあって余りそうなときは、皮をむいてスライスし、密閉袋に入れて冷凍してください。
こんな風に串に刺して冷凍すると、可愛いうえにそのままアイスとして食べられて一石二鳥ですね♪
キウイの食べ頃はいつ?見極め方を紹介!
キウイが完熟したら冷蔵庫に…とは言っても、完熟を見極められなければ無理なことですよね!
完熟した食べ頃のキウイの特徴と、見極め方を以下にまとめます♪
完熟したキウイの特徴
- 甘酸っぱい香りがする
- 手に持った時に弾力を感じる
見極め方
- 側面ではなく、縦に軸とお尻の部分を挟んで持ち、少し押す
- たくさんある場合はまず1つ味見してみる
実はキウイの甘みが一番強いのは、周りの緑の果肉ではなく、真ん中の白い部分なのです!
一番甘い真ん中部分は、最後に熟します。
その為、側面を押さえて「柔らかい!食べ頃だ!」と思っても、切って食べてみたら白い部分が固くて酸っぱかった…なんてことが起こってしまいます。
真ん中の白い部分が熟したかどうかを確認するために、縦方向にキウイを押して、完熟具合を確認しましょう。
また、側面をあまり押しすぎると痛むのが早くなってしまいますので、そう言った点からも縦方向に弾力を確認することをおすすめします。
味見をして酸っぱかった場合、同じような触感の他のキウイもまだ酸っぱいと考えられますので、もう少し追熟させてくださいね。
日持ちも保存方法もわかってきましたが、「もっともっとキウイを長持ちさせたい!」。そうお考えの方に朗報です!
キウイをすごく長持ちさせられて、そのうえ栄養まで凝縮させられる方法があるんです!
最後にこの方法をご紹介しますので、山盛りのキウイを前に途方にくれている方…是非お読みくださいね♪
キウイをもっと長持ちさせる方法があった!その答えは・・・
キウイをもっともっと長持ちさせる方法…それは、乾燥です!
いわゆるドライフルーツにしてしまいましょう。
キウイに限らず、ドライフルーツはフルーツ中の水分を取り除いているので腐りにくく、長期間の保存が可能となります。
そのうえ、フルーツに含まれる栄養素のうち、ミネラルや食物繊維、抗酸化作用のある成分などは凝縮されて増えるのです!
ただし、ビタミンは減ってしまうようですが…
当然ながらジューシーさは無くなってしまいますが、甘みも凝縮されますので、とてもおいしく食べられますよ♪
乾燥キウイの作り方
そんなドライフルーツを自宅で作れる方法をご紹介します!是非参考になさってくださいね。
天日干し
一番簡単な方法です。
基本的には、皮をむいて5mm幅にカットしたキウイを、ざるなどに並べて片面ずつ天日干しして乾かすだけです。
- カットしたものは表面の水分をキッチンペーパーで取っておく
- 並べる際も下にキッチンペーパーを敷き、キウイを裏返す時に取り換える
- 湿気が多いと作っている最中にカビてしまう可能性があるので、良い天気が続く日を選ぶ
これらに注意して挑戦してみてくださいね♪
オーブンを使う
天日干しはちょっと…虫や鳥が気になるな…なんて方もいらっしゃるでしょう。
そんな時にはオーブンでも作ることができます。
5mmにカットしたキウイをクッキングシートを敷いた天板に並べ、100℃(余熱はいりません)で60分焼き、裏返してさらに30分焼いてください。
お好みで表面にグラニュー糖を振りかけるのも、お砂糖のジャリっと感がおいしいのでおすすめです。
専用の食品乾燥機を使う
ドライフルーツや干し野菜を自宅で作るための、小型の食品乾燥機も存在します!
例えばこちらの商品がそうです。
キウイだけではなく、いろいろなフルーツや野菜を乾燥させたいと考えておられる方にはお役立ちかもしれませんよ♪
乾燥キウイの保存方法
乾燥キウイを保存するときは、密閉袋や密閉容器に入れましょう。
この時、乾燥剤を使うとより長持ちします。
今はこんなに可愛い乾燥材もあるのですね!
しっかり水分が抜けていれば1年ほどは日持ちすると考えられますが、自宅で手作りした場合は保証がありません。
万が一カビなどが発生していないかなど、状態をしっかり確認しながら早めに食べるようにしてくださいね。
まとめ
キウイの日持ちや腐った時の見分け方、保存方法に完熟の見分け方までご紹介してきました。
- 未熟なキウイは常温で追熟させる(日持ち日数は1~2ヶ月)
- 完熟したキウイは冷蔵庫の野菜室で保存する(日持ち日数は1~2週間)
- カットして冷蔵庫で保存しても1~2日程度しか持たない
- カット後に冷凍保存もできる(日持ち日数は1~2ヶ月)
- キウイは腐ると皮がシワシワになったり発酵して膨れたりする
- 持つだけで皮がむけるような状態のキウイは食べてはいけない
- アルコールっぽい味や臭いがするキウイも食べないほうが良い
- キウイの完熟具合は縦方向の弾力で確認する
- 長期保存には乾燥キウイにするのもおすすすめ
キウイは日持ちする…と言うより、買ってきてすぐの状態は、まだおいしくない可能性がある事がわかりました。
買ってきたら急いで食べると言うより、「まだかなまだかな」と楽しみに待つので、まるで栽培しているようですね。
たくさん買ってきて、りんごと一緒にして早く追熟させるものと、ゆっくり追熟させるものにわけても良いかもしれません。
冷凍させて、1ヶ月ほどの間キウイアイスを楽しだり、乾燥させてながーく楽しんだり、食べ方もいろいろありますね。
ご自身にあった方法で、キウイを最後まで堪能してくださいね♪