桃が美味しい旬の夏になると手に入りやすくなりますが、食べるタイミングが無くて数日放置なんてことも……桃って何日くらい日持ちするのでしょうか?
常温で数日放置してしまった桃は大丈夫なのでしょうか?
不安を感じて調べてみたところ、繊細な桃は正しい保存方法が大切で、でもちゃんと保存すれば思っていたより長持ちすることがわかりました!
以下のような項目にまとめてご紹介します。
- 桃の日持ち日数について
- 桃の加工品の賞味期限について
- 腐った桃の見分け方
- 桃の正しい保存方法とは(常温?冷蔵庫?それとも冷凍?)
桃はお中元などでたくさんいただくこともあるので、怪しい状態になった最後のいくつかを諦めることもしばしばでした。
日持ちさせる方法がわかれば長く食べられますし、「これはダメ!」の状態がわかれば、今までなら「怪しいから」と捨ててしまっていた桃も、無駄にせずに食べられるかもしれませんね!
また、桃は山梨や岡山、和歌山など、産地も品種もたくさんありますが、日持ち日数に違いがあるかどうかも調べてみましたので、こちらもぜひ参考になさってくださいね。
目次
生の桃の日持ちは冷蔵庫や常温でどれくらい?品種による違いも調査
生の桃は基本的に常温で保存する方が良いと言われています。
それには次のような理由があり日持ちにも大きく関係しますので、まずご紹介しますね。
- 桃は完熟前の適熟期に収穫する
- 収穫してから追熟し、数日かけて完熟する
- 冷蔵庫に入れると追熟が進まない
- 冷蔵庫に入れると水分が失われる
買ってきてすぐの桃はまだ少し固く、食べごろを迎えていない場合が多いのです。
そこから追熟して食べごろになるので、常温でおいしくなるのを待つほうが良いというわけですね。
買ってきた時の桃の状態にもよりますが、おおよそ1~2日常温で保存すると完熟したおいしい状態になります。
そして完熟した桃は、半日~1日で自分の重みで下になっている部分がつぶれ始め、3日程度経つと腐り始めてしまいます。
なんて繊細!!
それでは完熟したものは冷蔵庫へ…となるわけですが、冷蔵庫では乾燥が進んで水分が失われてしまいますので、あまり長く保存することはできません。
ラップに包んで乾燥を防いでも、1週間程度を目安に食べるようにしましょう。
このポイントを押さえておきましょうね!
また、それでも食べきれないくらいたくさんの桃をいただいた場合には、冷凍保存も可能です♪
冷凍の場合はラップで包み、さらにジップロックなどの保存袋などに入れて密閉し、1ヶ月を目安に食べきりましょう。
それぞれの保存方法についてはこちらで後ほど詳しく解説しますのでお見逃しなく!
桃の食べごろ(完熟)の状態とは?
桃の日持ちを考えるにあたって、完熟の状態を見極めることはとても重要です!
買ってきた時にはすでに完熟を迎えている桃もあれば、数日常温で待つ必要がある桃もあるからです。
完熟の桃は、次のような状態ですのでご紹介します。
香り
- 桃の甘い香りがする(1箱あれば部屋全体が香るほど!)
色
- 青っぽい皮が乳白色になる
- 皮に透明感がある
質感
- 手に持った時に柔らかみを感じる
- 少し爪をかけてみて皮がするっとむける
このような状態の桃が完熟して食べごろを迎えています。
生ものの日持ちを日数だけで測ることはできませんので、それぞれの桃をよく見て見極めてくださいね。
桃の品種による違いや特徴をご紹介
桃は産地も品種もたくさんありますよね!
有名なのはフルーツ大国山梨や、新潟・長野などの中部地方、福島・山形といった東北地方ですが、西日本では「あら川の桃」で有名な和歌山や岡山も大きな産地です。
多くの地域で様々な品種の桃が栽培されており、それぞれに特徴があります。
人気の品種をピックアップして、日持ちやその他の特徴について表にまとめてご紹介しますね。
品種 | 収穫時期 | 日持ち | 特徴 |
清水白桃 | 7月下旬~8月上旬 | 良くない | 酸味は少ない。果汁多く果肉は柔らかい |
あかつき | 8月上旬~8月中旬 | 良好 | 甘みが強く酸味が少ない。果汁多い |
川中島白桃 | 8月下旬~9月上旬 | 良好 | 大果で果肉は硬め。果汁多く甘みも強い |
黄金桃 | 8月末頃~9月上旬 | 普通 | 見た目に特別感がある。甘みも酸味も芳醇 |
ゆうぞら | 9月上旬~9月中旬 | 良好 | 果肉はやや硬め。酸味が少なく果汁多い |
だて白桃 | 9月中旬~9月下旬 | 良好 | 大果で果肉は硬め。甘みが強く、追熟に向く |
果肉が硬めのものが日持ちしやすい傾向にあるようですね。
夏のフルーツの代表という印象の桃ですが、こちらにご紹介しただけでも7月~9月下旬まで、長い期間にわたってさまざまな品種が収穫されています。
ご紹介しきれませんでしたが、早いものでは6月下旬頃、遅いものでは10月下旬頃に収穫される品種もあります。
ちょうどお盆の時期に収穫を迎える「あかつき」は、お中元などでも定番となっているので、食べたことがある人も多いのではないでしょうか。
桃と言っても品種によってさまざまな特徴がありますので、日持ちや味など、好みの品種を探してみるのも楽しそうですね!
ここまで生の桃の日持ちについてご紹介してきましたが、桃はコンポートや缶詰などの加工品もとってもおいしいです。
続いては桃の加工品の日持ちについてご紹介します♪
調理後の桃の日持ちは?コンポートや缶詰、瓶詰めなどの賞味期限一覧!
桃の加工品と言えばコンポートや缶詰、瓶詰めもありますね!
手作りでジャムを作る方もいらっしゃるかもしれませんが、どのくらい日持ちするかご存知ですか?
いろいろな桃の加工品の日持ち・賞味期限を、一覧表にしてご紹介しますので是非参考になさってください!
加工品名 | 賞味期限 | 備考 |
コンポート(シロップ漬け) | 冷蔵庫で4~5日 | 冷凍すると1ヶ月ほど保存可能(シャーベットになる) |
缶詰 | 約2~3年 | 開封後は早めに食べる |
瓶詰め | 約1年 | 開封後は早めに食べる |
リキュール | 瓶に期限の記載なし | 開栓後は早めに使い切る |
手作りジャム | 約1年 | 砂糖を50%以上使用し、煮沸消毒した密閉容器で保存する |
手作りタルト・ケーキ | 冷蔵庫で約4~5日 | 食材の状態によって変動する。清潔な器具を使用すること |
保存食としても利用される缶詰や瓶詰めは、未開封の状態ではとても賞味期限が長いですね。
リキュールにも賞味期限の記載がありません。
そして手作りジャムはレシピにもよりますが、砂糖を50%以上使用すれば約1年も日持ちします!
どうしてこんなに日持ちするのか…それには次のような理由があります。
缶詰やリキュールの賞味期限が長い理由
食品が腐敗するのは、細菌やカビなどが増殖することが原因で、増殖の為には水分が必要です。
ところが、糖度やアルコール濃度が高い食品には細菌やカビが増殖するために必要な水分が足りないのです!
その為、糖度が高い缶詰やジャム、アルコール度数が高いリキュールは腐敗しにくく、長く日持ちします。
しかし、これらはあくまで未開封の場合です。
開封すると空気と触れるので、空気中の雑菌やカビが入り込んだり酸化が起こり、腐敗や劣化が進みます。
食品や保存状態によってさまざまなので一概には言えませんが、開封後は早めに食べたり使い切るようにしなければなりませんね!
特に桃のリキュールはアルコール度数が20度程度のものが多いので、度数が40度を超えるウォッカほどの日持ちは見込めません。
酸化や劣化が進んでしまいますので、開栓後はしっかり封をして冷蔵庫で保存し、早めに使い切りましょう。
長持ちすることはわかりましたが、賞味期限が切れた加工品や、生の桃が食べられなくなるのはどのような状態のときでしょうか。
そこで次に、生の桃や桃の加工品の賞味期限が切れた時の見分け方について解説します!
これを知って、不安なく桃を食べられるようになってください♪
桃は腐るとどうなるの?賞味期限切れを食べても大丈夫?
賞味期限とは言っても、生の桃には賞味期限も消費期限も書かれていませんね。
賞味期限や消費期限は、安全においしく食べられる期限を主に加工品に表示することを義務付けられたものなので、生の果物や野菜などには記載されていない場合が多いのです。
また、賞味期限は「おいしく食べられる」期限を、消費期限は「安全に食べられる」期限をそれぞれ示していますので、食品の期限を確認するときにはどちらが記載されているのか注意しましょう。
賞味期限も消費期限も書かれていない以上、食べられるかどうかは見た目などを目安に自分で判断するしかありません。
桃は腐るとどうなるのか、食べられない状態の見分け方を確認してみましょう。
腐った桃の見分け方
桃が腐ると見た目や臭いなどを確認すると異変が生じていると簡単にわかるはずです。
以下のような状態になっていないか確認してください。
桃が腐るとこうなる!
- 茶色く変色する
- 変色したところから水分が出ている
- 柔らかくなりすぎてドロドロになる
- カビが生えている
- 悪臭や明らかに腐っている味がする
桃は繊細な果物なので、押したり刺激を与えたところから変色や腐敗が進んでいきます。
常温で追熟させている段階で、下になっている部分だけつぶれ始めていた…なんてことも。
さらに、とても水分が多いので、カビも生えやすい果物です。
ただ、一部だけ茶色くなったりカビが生えている場合は、その部分を取り除けば他の部分は食べることができます。
まれに、桃の生育中に中の種が割れてしまう「核割れ」という現象が原因で、桃を切ってみたら中の種にカビが生えていることがあるようですが、この場合も同じです。
また、冷蔵庫で保存した場合や常温でもエアコンの風が当たると、乾燥が原因で皮がシワシワになってしまう場合もあります。
これは中の水分が少なくなっているだけで厳密には腐っているわけではないのですが、味はかなり落ちていると考えられます。
変色やカビ、シワシワになった桃を見つけたら、捨ててしまうか、食べられる部分だけでも食べるか、どうするかはご自身の判断になりますね。
高糖度桃なー甘いは甘かったけど、前にガチで3分の1腐った桃食べた時の甘みにくらべたらそんなでもなかった!やっぱり少し腐ったくらいが一番うまいんだよ
— はすみ (@ha_su8) 2013年8月18日
このように、少し腐っているくらいの桃が美味しいとの声もありますが、食べるかどうか判断するのは自己責任になります。
お腹痛いなう:(腐った桃食べたから?←
— ERICA. (@erica817erica) 2011年8月20日
下痢の原因は昨日食べた半分腐った桃ですね 桃
— 因幡山 (@_inaba_yama_) 2014年7月25日
このように、腐った桃を食べてお腹を壊す人もいるので、桃の状態をよく確認してから判断しましょう!
賞味期限切れの桃の加工品は食べても大丈夫?
先の章で缶詰などの加工品の賞味期限をご紹介しました。
加工品の桃には消費期限ではなく賞味期限が記載されていることが多いので、期限が切れたからと言ってすぐに食べられなくなるわけではありません。
特に缶詰は、製造工程で中身を入れて密閉した後、加熱殺菌処理を行って中を無菌の状態にしており中に菌がいないので、理論上は腐ることがないと言われているのです。
実際に、1938年、イギリスで114年保存された北極観測隊用の野菜などの缶詰を食べた記録が残っています。
何も問題なく食べられたとのことなので、すごいですよね!
とはいえ、これは缶詰の保存状態が良く、缶が腐食したり破損するようなことがなかったためです。
破損するとその箇所から微生物などが入り込むことがありますし、入り込んだ微生物が中身を腐らせるとガスが発生して缶詰が膨張する場合があります。
また、果物の缶詰の場合は腐っていなくても、長く保存しすぎると缶が膨張したり内部が錆びることがあります。
果物の缶詰の特徴
果物の缶詰はスズメッキを施されたブリキ缶で出来ています。
果物の酸がスズを溶かし、溶け出たスズが中身の劣化を防ぐ役目を果たしてるのです。
しかし、長く保存してスズが溶けすぎると缶の鉄が露出し、鉄と果物の酸やシロップが反応して錆びたり、水素ガスを発生させ、水素ガスによって缶が膨張することがあります。
缶が膨張していたからと言って、必ずしも腐っているわけではありませんが、あまり長く保存しすぎるとこのようなことが起こりますので、保存食用の缶詰も賞味期限を時々チェックしたほうが良さそうですね。
桃が腐っているかどうかは見極められるようになりましたが、まずは腐らせないことが一番ですよね!
最後に桃の正しい保存方法をお伝えしますので、しっかりお読みくださいね。
桃の正しい保存方法とは?冷凍してもいいの?
桃は追熟の為に基本的に常温で保存するとお伝えしましたが、特に少し固い桃を柔らかくしたい場合は、常温で追熟させる必要がありますね。
常温とはいっても、ただ置いておくだけで良いのでしょうか?
正しく保存することは桃をおいしく長持ちさせることにつながるので、しっかり押さえておきたいところです。
どのようなことに注意して保存すれば良いのか、冷蔵や冷凍する場合の保存方法も解説しますので参考になさってくださいね!
常温での保存方法
常温保存のポイントは次の通りです。
- エアコンや扇風機の風を避ける
- 新聞紙などに包む
- 風通しの良い冷暗所で保管する
桃は夏場の果物ですから、室内ではエアコンや扇風機を使っているでしょう。
直接風が当たるような場所は避けなければなりませんね。
また、お店に並んでいる桃は柔らかいネットに包まれて箱に入っていますが、このネットは傷を防ぐために有効ですので、家で保存するときにもそのまま利用すると良いですよ。
冷蔵庫での保存方法
冷蔵庫で保存するときのポイントと注意点は次の通りです。
- 一つずつラップで包む
- ビニール袋に少し空気を入れて包む
- 皮をむいたり半分に切った後はレモン汁で変色を防ぐ
- 切った後の桃は冷蔵庫で保存し、翌日中には食べきる
冷蔵庫では乾燥しますので、しっかりラップで包むことが大切です。
アルミホイルで包む方法もありますが、アルミホイルは水分に弱く、長時間湿気にさらされると腐食する場合があります。
アルミホイルでの保存を考える場合は、湿気が付かないように桃をよく拭くなどの配慮が必要ですね。
また、桃は冷えすぎると甘みを感じにくくなりますので、おいしく食べるためには食べる2時間ほど前に冷蔵庫から出すと良いですよ。
冷凍庫での保存方法
桃を冷凍する時には以下のことに注意しましょう。
- ラップで包み、さらにジップロックなどの保存袋に入れる
- 離乳食用ならつぶして製氷皿で冷凍すると便利
- 切った桃を冷凍する場合はレモン汁で変色を防ぐ
- 切った桃の保存はラップと密閉袋の2重にし、あまり詰め込みすぎない
たくさんいただいて食べきれない桃を日持ちさせる方法として、最後の手段は冷凍ですよね!
でも、いくら日持ちするとはいえ、冷凍でも1ヶ月を目安に食べきりましょう。
食べる時には完全に解凍すると、水分も一緒に溶け出てしまいますので、半解凍くらいで食べるのがおすすめです。
シャーベット状になり、とってもおいしいですよ♪
まとめ
桃の日持ちや保存方法について解説してきました。
大切なポイントはこちら!
- 生の桃の日持ちは常温で約3~4日
- 冷蔵庫で約1週間、冷凍すると約1ヶ月
- 桃は追熟するので基本的に常温保存する
- 乾燥を防ぐため、新聞紙で包んでエアコンの風を避ける
- 冷蔵庫で保存する場合はラップで包む
- 冷凍する場合はラップ+密閉袋で2重にする
- 缶詰やリキュールなどの加工品は長く日持ちする
- 賞味期限切れの桃を食べるかは自分の目で判断する
何となく「桃は常温保存だよな…」と思っていたのですが、その理由や正しい方法がわかりました。
「追熟」というおいしく食べるための大事な時間だと思うと、ただ放置するのではなく、環境を整えて状態も観察しなければなりませんね。
日持ちさせるためには、冷蔵や冷凍も上手に取り入れていきたいところです。
この記事を読んでいただいたことで、「怪しいからさようなら」と、桃を捨ててしまう悲しい結末が少なくなると嬉しいです♪