【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
暑くなってくると、大根おろしをたっぷりと絡めた「おろし蕎麦」などは、さっぱりしていておいしく感じられますよね。
最近、無性に食べたくなって、大根おろしをびっくりするくらいすってしまいました!
この余らせてしまった大根おろしの賞味期限は、どれくらいなのでしょう?
冷蔵庫で保存すれば、ある程度日持ちさせられるのかどうか…。
大根おろしをすりすぎてしまうことって、実はよくあるんですよね。
そこで、毎回捨ててしまうのはもったいないので、以下のことについて調べてみることにしました。
・市販品のチューブの大根おろしの賞味期限は?
・賞味期限切れした大根おろしは食べられるのか
・時間がたつとどうなるのか
あわせて、大根おろしの栄養や正しい保存方法も紹介します。
栄養はそのままで、できるだけ長く美味しく保存できる方法を知って、さまざまな料理に添えたいですよね。
ではさっそく、大根おろしの賞味期限から見ていきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
大根おろしの賞味期限は冷蔵庫で何日?手作りや市販品などの日持ち一覧!
大根おろしは常温ではなく、冷蔵庫での保存が基本です。
大根おろしの日持ちを種類別にご紹介
手作りやレモンなどを加えた場合など、大根おろしの種類別に、冷蔵保存した場合の日持ち日数をまとめてみました。
種類 | 日持ち日数 |
手作り | 1~3日 |
レモン入り | 3〜4日 |
酢入り | 3〜4日 |
市販品のチューブタイプ | 60日 |
絞り汁 | 半日 |
冷蔵庫での保存期間(賞味期限)の目安は上記の通りですが、2日目になると、美味しさはかなり損なわれてしまいます。
また、冷凍保存した場合は3週間ほど日持ちします。
【豆知識】大根おろしの絞り汁の活用法
大根おろしを作った時のおろし汁を、皆さんはどうされていますか?
ザルなどで水分を切り、捨てている人も多いと思います。
実は、大根おろしの汁には、ビタミンCや消化酵素のジアスターゼという成分が含まれています。
胃のもたれや胃酸過多を助けてくれるので、ハンバーグやステーキ、天ぷら、トンカツなどの油っぽいメニューに大根おろしを添えることは、理にかなっているわけです。
というわけで、大根おろしの絞り汁を捨ててしまうのはもったいないのです!
鍋物やお味噌汁に入れたり、麺類をいただくときに、水の代わりにおろし汁で薄めたりして、隠し味にしてもよいでしょう。
ちなみに、大根おろしの絞り汁を、消化酵素が目的で利用したい場合、効果がすぐに消えてしまうので保存には不向きです。
消化酵素利用の場合、半日ぐらいは冷蔵庫で保存できますし、冷凍保存も可能です。
氷を作る製氷皿に入れて冷凍すれば、使いたい分だけ使用できて便利ですよ。
大根の絞り汁は、はちみつを加えて飲むと、咳や喉の痛みに効くともいわれています。
さらに、肉を30分くらい漬けこむと柔らかくなります。
ほかにも、生牡蠣の下処理に大根おろしを使用することもおすすめで、牡蠣のよごれを落とすだけでなく、旨味をキープできますよ!
大根おろしは長くても3日程度で、酢やレモンを加えても4日程しか日持ちしないことがわかりました。
では、日持ちの目安が過ぎて、腐ってしまうとどうなるのか…?次章で確認していきましょう。
大根おろしは腐るとどうなるの?賞味期限切れは食べられる?
大根は野菜なので、賞味期限も消費期限も記載されていません。
そうなると、食べてよいかどうかは自己判断しなければなりませんよね。
食べられる大根は、大根おろしにしても大丈夫ですが、腐った大根はどんな状態になるのでしょう?
腐った大根の見分け方
大根おろしをする前に、まずは大根を確認しましょう。
腐った大根の特徴は以下の通り。
- 変な匂いがする
- カビが生えている
- ぐにゃりとし、ブヨブヨしている
- 茶色に変色して居る
- 切った断面が透明
- 断面がぱさぱさで、「す」が入っている
- 汁が出ている
こんな状態の大根は腐っていて、当然ですが、おろしても食べられないので処分してくださいね。
腐った大根おろしの見分け方
大根をおろす前に、大根が腐っていないかどうかを見分ける方法はわかりました。
ただし、新鮮な大根をおろしたとしても、保存状態によっては大根おろしが腐ることも。
大根おろしが腐った場合は、以下のような状態になります。
- 黄色く変色している
- 異臭がする
- 味がおかしい
基本的に、おろした大根は冷蔵保存で3日目以降は、食べないほうがベターです。
常温でおいてあった場合は、大根をすってから1時間以内に食べましょう!
大根おろしは、時間が経過するにつれて甘みを失います。
また時間がたてば、苦味が増してパサパサの状態になり、美味しくありません。
便利なチューブ入りを活用しよう!
大根おろしは日持ちする日数が短く、その都度おろすのは面倒だと感じている人もいるかもしれませんね。
そんな人におすすめなのが、市販のチューブ入り大根おろしです!
新進の「手間いらず大根おろし」の賞味期限は60日と、長期保存が可能ですよ。
賞味期限切れになっても、その途端に食べられなくわけではありません。
多少過ぎている程度なら「舐める」などして、自己判断で食べましょう。
チューブ入りの大根おろしは2ヶ月ほど日持ちしますが、こちらはあくまで未開封の場合です。
開封後はできるだけ早めに、少なくとも1週間前後で食べきりましょう!
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ところで、「大根をすってから1時間以内に食べたほうがよい」とお伝えしましたが、それはなぜなのでしょうか?
大根おろしはすって1時間以内に食べよう!その理由とは?
大根おろしは、すってから1時間以内に食べたほうがよいといわれています。
なぜなら、おろしてからすぐに食べないと栄養素が減ってしまうためです。
時間がたつと失われる栄養素とは
大根には、さまざまな栄養素が含まれていますが、時間がたってしまうと、せっかくの栄養素が失われてしまうのです。
以下で、大根に含まれる栄養素について、確認していきましょう。
消化酵素ジアスターゼ
大根には、消化酵素ジアスターゼが含まれます。
ジアスターゼは胃腸薬の成分としても使用されるほどで、でんぷんの分解を促して消化を促進し、胃もたれや胸やけなども防いでくれます。
例えば、トンカツなどの脂っこい料理と一緒に摂ると、消化を助けます。
しかし、消化酵素ジアスターゼは加熱や酸化に弱いため、空気に触れることで、酸化しやすくなって酵素が減ってしまいます。
アリルカラシ油
大根には、辛み成分の「アリルカラシ油」が含まれています。
抗菌・殺菌作用もあり、食中毒を防ぐ効果があるといわれているアリルカラシ油。
こちらは、焼き魚などの焦げた物質などを分解し、がん予防も期待されています。
アリルカラシ油は揮発性のため、空気に触れる時間が長いと辛みが失われていきます。
ビタミンC
大根に含まれているビタミンCも、空気に触れることで酸化しやすくなり、時間の経過とともに失われてしまいます。
以上、大根おろしを早めに食べたほうがよいといわれる理由が、おわかりいただけたかと思います。
次章では、大根おろしの栄養や美味しさを長持ちさせる「正しい保存方法」を紹介します!
大根おろしの正しい保存方法!美味しさや栄養を長持ちさせるコツ
みなさんは、どんな料理に大根をよく使用するでしょうか?
味噌汁や煮物、サラダ、漬物、大根おろしなどが一般的ですよね。
こちらでは、大根1本丸ごとを上手に「冷凍保存」し、冷凍の賞味期限内2〜3週間で使い切る便利な方法を紹介します!
「切ってから冷凍」
大根を短冊切りや輪切りなど、用途に合わせて切ってから冷凍しておけば、すぐに使えて便利です。
【味噌汁用】 短冊切りやいちょう切り
以下の写真のように、他の野菜と一緒に冷凍すると便利です。
野菜を切る時間がないときにも、豚肉を加えるだけで即席なのに贅沢豚汁に!
【煮物やおでん用】輪切り・半輪切り
冷凍しても、しっかりと生のときとほぼ同じ食感が味わえます。
冷凍することにより、大根の繊維が壊れるため、下茹でしなくても味が染みやすくなります。
「切った大根」の冷凍方法
切った大根は、以下の手順で冷凍してください。切ってから冷凍保存した大根は、2週間程度保存が可能です。
- 大根の皮をむき、短冊切り、いちょう切り、輪切りなどにする
- ペーパータオルで水気をしっかり拭き取る
- 家族の人数に合わせて使いやすい量で小分けにする
- ラップで包む
- 冷凍用保存袋に入れて、口を閉じ、空気を抜いて冷凍する
「下味をつけてから冷凍」
大根に下味をつけてから冷凍すると、冷凍している間に味が染み込みます。
こちらは、サラダや漬物にぴったりです。
シャキシャキの大根の歯ごたえが、コリコリとした歯ざわりになって美味しいですよ。
「下味をつけた大根」の冷凍方法
下味をつけた大根の冷凍方法は、下記を参考にしてください。
- 大根の皮をむき、用途に合わせて千切りやいちょう切りにする
- 家族の人数に合わせるなど、1回で食べる量を冷凍用保存袋に入れる
- 大根200gに対して大さじ1と2分の1程度のドレッシングや甘酢などを加える
- 袋の上から揉んでなじませる
- 平らにして空気を抜き、袋の口を閉じる
ポイントは、平らな状態のまま冷凍すること!こちらは、冷凍庫で3週間程度保存が可能です。
「大根おろしを冷凍」
大根おろしの冷凍は、食感や味の変化はほぼありません。
料理のたびにする必要もなく、手間が省けてとても便利ですよ!
「大根おろし」の冷凍方法
大根おろしを冷凍する手順は、以下の通りです。
- 大根をおろす
- ザルに入れて水を切る
- 冷凍用保存袋に1食分ずつ入れる
- 空気を抜き、袋の口を閉じて冷凍
製氷皿などを使用しても便利ですが、ご飯を冷凍保存する容器などでもよいでしょう。
ポイントは、大根おろしはザルでしっかりと水をきることです。
手で水気を絞ると食感が悪くなるので、気をつけましょう。
冷凍した大根おろしは、冷凍庫で3週間程度保存が可能です。
なめこおろし和えをそのまま冷凍
実は、大根おろしを使用した料理も、そのまま冷凍して美味しくいただけます。
なめこのおろし和えは、冷凍で3週間~1ヶ月程度も保存できるんです!
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大根の葉っぱも冷凍できます
大根の葉っぱは、捨てずに刻んでから下茹でして保存しましょう!
冷凍の手順は、以下を参考にしてくださいね。
- 適当な大きさに刻む
- 沸騰した鍋に塩を加え、大根の葉を茹でる
- 濃い緑色になったら、水をはったボウルに移す
- 水気を絞り保存容器に入れて、冷凍する
大根の葉っぱは、ご飯などに混ぜて菜めしにしても美味しいですよ。
さて、大根やおろし大根を冷凍保存する方法を見てきましたが…。
最後に、大根や大根おろしを利用したおすすめのレシピを紹介するので、ぜひ試してみてください。
大根おろしや大根を利用した美味しいレシピをご紹介
そのままの大根もおろした大根も、無駄にせずに美味しく食べきりたいですよね。
そこで、大根を使用したおすすめレシピを紹介します!
大根おろしを使った簡単レシピ
大根をする手間を省くためには、冷凍大根おろしを利用すると便利です。
ここでは、冷凍しておいた大根おろしを消費できるレシピを紹介します。
サバのみぞれ煮
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<作り方の手順>
- サバに片栗粉を薄くまぶす
- フライパンで揚げ焼きする
- フライパンの余分な油をペーパータオルなどで拭く
- 大根おろしとサバを入れて煮る
お餅のおろし納豆・からみ餅
<作り方の手順>
- 鍋に冷凍大根おろしと冷凍納豆を凍ったままの状態で入れる
- 煮ながら解凍
- 解凍したら、納豆付属のタレと麺つゆを、好みに合わせて適量入れる
- 焼いたお餅を入れて絡めて、煮る
納豆が苦手な人は大根おろしだけで、からみ餅にしてどうぞ。
ナスのおろし煮
<作り方の手順>
- ナスを素揚げにする
- ナスとめんつゆを鍋に入れる
- ナスが柔らかくなったら、大根おろしを入れて煮る
素揚げした冷凍なすを利用すると、さらに便利です。
大根を使った簡単レシピ
とてもシンプルな手順で美味しくできる、大根のレシピを紹介します。
大根ポン酢漬け
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<作り方の手順>
- 大根(4分の1本)の皮をむき、拍子木切りやいちょう切りにする
- 切った大根、3倍濃縮の麺つゆ(2分の1カップ)、みりん・レモン汁(各4分の1カップ)を、保存容器やジップロックに入れる
- 砂糖とごま油(大さじ1)を加える
- 砂糖が溶けるまで、かき回す
できあがったら、保存容器に入れて冷蔵庫で保存してくださいね。
賞味期限は冷蔵保存で、約10日です。
まとめ
最後に、大根おろしの賞味期限と保存方法について、もう一度おさらいしましょう。
- 大根おろしの日持ち日数は冷蔵保存で1~3日
- レモンや酢を入れると日持ちは3~4日に
- 市販のチューブ入り大根おろしの賞味期限は60日
- 大根の絞り汁は半日しか持たないが、冷凍保存が可能
- 大根おろしは、消化酵素ジアスターゼ・アリルカラシ油・ビタミンCなど栄養豊富
- 早めに食べないと酸化したり栄養が減ったりするので、1時間以内に食べる
- 大根は切ってそのままや下味をつけてからも冷凍保存可能
- 冷凍大根おろしをおすすめメニューに活用しよう
大根おろしを、油っこい料理の付け合わせに使用するのは、美味しくするためだけだと思っていました。
ですが、消化を助けるという理由もあったのですね。
大根おろしをするのは力もいるし、けっこう面倒くさいので嫌でしたが、今回冷凍保存できることを知れてよかったです。
特に製氷皿で冷凍して、焼き魚などでちょこっと使用する方法が気に入りました!
また、大根のしぼり汁もお味噌汁に入れるなど、いろいろな活用方法もありましたね。
大好きな大根おろしをたっぷりとすっても、きちんと保存すれば無駄にせずに済むことがわかったので、調べて本当によかったです。
皆さんも、大根1本丸ごと上手に冷凍保存して、料理に活用してくださいね!
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