【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
冷蔵庫にしいたけを入れておいて
「軸が茶色になってきて、見た目が悪くなっちゃたな」と思っても、料理してみると意外と平気で食べられます。
しいたけに賞味期限はあるのでしょうか?
賞味期限切れになる目安の期間があるなら、具体的な日数を知りたいです。
今回は、しいたけの賞味期限を中心に詳しく調べてみます!
- しいたけの賞味期限を生のまるごと、カットしいたけ、半生に乾燥、乾物などに分けてご紹介!
- しいたけには賞味期限や消費期限はない!?理由をご紹介
- しいたけが腐るとどうなる?食べてはいけないしいたけの見分け方
- しいたけの正しい保存方法
- しいたけを長持ちさせる冷凍方法
しいたけを料理に入れると、旨味と食感で料理の味が引き立ちます。
そんなしいたけについて調べてみると、意外と知らなかったことがありました。
今回は、”しいたけに出る白いカビのようなものの正体”や、”しいたけは洗わない”などの豆知識も交えながら、詳しくご紹介していきます。
管理栄養士・栄養士
目次
しいたけの賞味期限を徹底調査!生と乾燥ではどれくらい違うの?
しいたけの賞味期限はどれくらいなのでしょうか?
生、乾物、調理後などに分けてご紹介します。
しいたけの状態別賞味期限
しいたけの賞味期限を調べると、生でも調理後でも、あまり日持ちしない食材だとわかりました。
保存方法や季節にもよりますが、下記の日数を目安にしてみて下さい。
しいたけの状態 | 賞味期限 | 注意点 |
生しいたけ | 10日 | 冷蔵庫の野菜室で |
生のカットしいたけ | 1~2日 | |
天日で乾燥(半生に) | 1週間 | 冷蔵室で |
乾物(まるごと) | 約1年 | 常温で |
乾物(カット) | 約半年 | |
煮物 | 約3日 | 冷蔵庫で |
佃煮 | 約3日 | |
出汁(戻し汁) | 1週間 | |
味噌汁 | 1~2日 |
生のしいたけは、保存方法によっては10日も日持ちしないことがあります。
軸が茶色に変色、カビなど、見た目ですぐわかるくらいに劣化します。
*腐ったしいたけの見分け方については、後ほど詳しくご紹介します!
しいたけには賞味期限がない!その理由とは?
スーパーで売っているしいたけのパックには、実は賞味期限が書かれていません。
食品衛生法などの法律を調べると、しいたけのようなキノコ類や野菜には、賞味期限の表示義務がないとわかりました。
農林水産省のホームページから、賞味期限の正しい意味を簡単にご紹介します。
賞味期限とは?
未開封で保存方法を守った上での、美味しく食べられる期限。
一般的には腐りにくい加工食品に書かれていて、賞味期限切れになってもすぐに腐るわけではない。
消費期限とは?
未開封で保存方法を守った上での、安全に食べられる期限。
一般的には腐りやすい加工食品に書かれていて、消費期限切れになったら、食べるかどうかは慎重な判断が必要。
しいたけを含むキノコ類や野菜に賞味期限の表示義務がない理由はこちらです。
- キノコ類や野菜は、収穫後も個々に成長する
- 個々の成長の度合いが違うので、一律の期限が決められない
- 成長(成熟)の度合いで好んで食べたり、腐っていると判断したりするのは人それぞれの好み
- 販売者の手に渡ってからの保存環境でも品質が左右される など
私も実際に、しいたけの成長度合いを見計らって料理に使い分けています。
- そのまま焼く、肉詰めなどのフライにするときは、買ってきたばかりのしいたけ
- 煮物に入れるしいたけは買ってきて3日ほど置いたしいたけ
しいたけの賞味期限を「〇日」と決めるのは難しいと分かりました。
今回は「一般的に美味しく食べられる期限」という意味で「賞味期限」という言葉を使っていきますね。
次に、賞味期限が完全に切れて、腐った状態のしいたけの見分け方をご紹介します。
しいたけは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方がコレ!
しいたけは少しずつ変化していくので、腐っているかどうかの判断が難しい場合があります。
食べてはいけないしいたけの見分け方を確認しておきましょう!
しいたけが腐ったときの特徴
腐ったしいたけを食べた実体験を調査すると、
「微妙な状態のしいたけを食べたら気持ち悪かった」という口コミを多く見つけました。
しいたけが腐るとどうなるかをまとめましたので、ぜひ参考になさってみて下さい。
色
- 軸が茶色に変色
- カサの裏側が赤色(ピンク)に変色
- 全体的に黒色に変色
色以外の見た目
- ハリがなくやわらかい
- ぬめりがある
臭い
- シイタケ本来の良い匂いではなく酸っぱい臭いがする
- アンモニア臭
味
- 調理しても酸っぱい
- 調理すると気持ち悪い味
「白いカビが生えた」という口コミも多かったのですが、実はカビではない可能性があるのでご紹介します。
豆知識:白色のカビのようなものは菌糸かも
しいたけをパックごと保存しておくと、白い糸のようなカビに見えるものが発生する場合があります。
これは菌糸と言って、しいたけに限らずキノコ類は、菌糸が発生するという特徴があります。
洗い流せば食べることができますが、菌糸もカビの一種で、有害なカビとの見分けがとても難しいです。
下記のような場合は、捨てるのがおすすめです。
- 気持ち悪いと感じる場合や
- 洗い流してもヌメリが取れない場合
- 灰色や青色っぽい白
しいたけを食べるときの注意点を、もう1つご紹介します。
しいたけを生で食べないで!
しいたけを含むキノコ類は、生で食べるのは厳禁です。
- 食物繊維が多いので、消化ができなくて食中毒のような症状が出ることがある
- 発がん性のあるホルムアルデビドの影響でアレルギー症状が出ることがある
*例外として新鮮なマッシュルームは生食OKですが、素人が調理するのはおすすめできません。
加熱調理することで消化も助けられますし、ホルムアルデビドも減少します。
肉厚のしいたけだと、中心部まで火が通るのに時間がかかる場合がありますが、必ずよく加熱して食べて下さいね。
次に、しいたけの正しい保存方法をご紹介します。
せっかく買ってきたしいたけを美味しく食べきるために、ご一緒に確認しましょう!
しいたけの正しい保存方法とは?常温と冷蔵のどっちがいいの?
しいたけの販売会社などから、正しい保存方法を集めました。
生と乾物に分けてご紹介します。
生のしいたけの保存方法
しいたけにとっての最適な温度は、5℃くらいです。
常温保存よりも冷蔵庫(野菜室)での保存が最適ですね。
- しいたけをパックから出す
- 洗わずにキッチンペーパーで包む
- ジップつきの保存袋に入れる
- しっかり空気を抜いて野菜室に入れる
ポイントは買ってきたときのパックから出して保存することです。
先ほどもご紹介した通り、しいたけは収穫してからも生き続けていて、呼吸をします。
パックに入れっぱなしだと、しいたけの呼吸が原因で発生した水分がたまり、カビと劣化の原因になります。
1週間も日持ちしない可能性があるので、少し面倒ですが、必ずパックから出して保存して下さいね。
豆知識:キノコ類は洗わないのがベスト!
キノコ類は、旨味と香りが最大の魅力です。
旨味と香りの成分は水溶性で、水で洗うことで流れ落ちてしまいます。
キノコ類は洗わないのがベストです。
でも、「目に見えない汚れがついているんじゃない?」と気になりますよね。
そんなときは、下記の方法をお試し下さい。
- 目に見える汚れは手で取る
- キッチンペーパーを濡らし、固く絞って拭く
乾物のしいたけの正しい保存方法
未開封の乾物のしいたけは、常温で約1年が賞味期限です。
常温とは?
食品衛生法などでは、下記の場所が食品の保存に適した常温とされています。
- 15~25℃
- 温度が一定
- 直射日光が当たらない
- 風通しがいい
気をつける必要があるのは、開封後の保存方法です。
開封後は、農林水産省でも賞味期限にかかわらず早めに食べきるのがすすめられています。
食べきるまでの間は、下記のように保存して下さい。
- ジップつきの保存袋に入れる
- タッパーなどの密閉できる硬い容器に入れる
- 冷蔵庫(野菜室)に入れる
湿気を吸って劣化する、臭い移りで風味が落ちるなどはもちろんですが、虫の侵入の危険性もあります。
ダニなどは、ほんの少しのすき間から侵入する他に、ビニール袋程度のものは食いちぎって侵入することもあります。
念には念を入れて、ジップつきの保存袋だけではなく、タッパーやビンなどの硬い容器に入れて密閉するのがおすすめです。
水で戻した後のしいたけはどうしたらいいの?
乾物のしいたけをたっぷりの水につけて、冷蔵庫で放置・・・なんてことを、私はしていました。
乾物しいたけの製造販売メーカーによると、この方法だと、旨味が流れて苦味などが出てくるそうです。
- しいたけを水で戻す
- しいたけの出汁(戻し汁)としいたけを別の容器に入れる
冷蔵室で1週間ほど保存可能です。
*使い切れなかった戻したしいたけや出汁については、次の冷凍保存方法でご紹介します。
最後に、しいたけの冷凍保存についてご紹介します!
しいたけは冷凍がベスト!長持ちさせるコツは?
日本きのこセンターのホームページに、冷凍しいたけの実験結果が発表されています。
1ヶ月冷凍したしいたけが、食感、旨味などが一番よくなり、3ヶ月冷凍すると食感、旨味などが低下するそうです。
生で保存するよりも長持ちして美味しくなる可能性がある、冷凍保存方法をご紹介します。
生のしいたけの冷凍方法
生のしいたけは、洗わずに冷凍するのがポイントです!
先ほどご紹介したように、目で見える汚れは取り、固く絞ったキッチンペーパーで拭いてから冷凍します。
- しいたけのいしづきを切って捨てる
- かさと軸に切り分ける
- 食べやすい大きさに切る(繊維の方向にそって切ります)
- ジップつきの保存袋に、1回分ずつ入れる
- しっかりと空気を抜いて密閉する
- 冷凍庫に入れて、1ヶ月保存可能
次に、乾物しいたけを戻した後の冷凍保存方法です。
水で戻したしいたけの冷凍方法
水で戻したしいたけは、出汁(戻し汁)としいたけを別々に冷凍します。
しいたけの冷凍方法は、生のときと同じく繊維にそって切り、保存袋で冷凍します。
出汁の冷凍方法は、使い勝手に合わせて下記の方法がおすすめです。
- 製氷トレーに入れて保存(フタができるもの)
- ジップつきの保存袋に入れて保存
水で戻したしいたけも、1ヶ月ほど保存可能です。
まとめ
しいたけの賞味期限についてご紹介してきました。
生のままだと長持ちしないしいたけですが、冷凍することで保存期間も味も高めることができるんですね!
ポイントをまとめてみます。
- しいたけの賞味期限は、生だと最長10日が目安
- しいたけが腐ると色、臭い、味が変化する
- しいたけは冷蔵庫の野菜室で保存する
- しいたけは1ヶ月冷凍すると食感や旨味が高まるという実験結果がある
- しいたけは洗わずに、軸とかさを切り離して冷凍する
乾燥させたしいたけは、生のしいたけよりも栄養成分が30倍高まります。
しいたけの栄養素は食物繊維、カリウム、ビタミン、葉酸です。
どの栄養素も、日常生活にぜひ取り入れたいですね。
とはいえ、乾物の国産しいたけはとても高価です。
下記の道具を使って、自分で乾燥させる方法もあります!
よく晴れた日に日光に当てて干せば、スライスしたしいたけだと2~3時間後には楽しめます。
自宅で美味しいものを作って、家族で楽しめると嬉しいですね♪