先日久しぶりに食品庫の整理をしていると、賞味期限切れになった大量の鰹節を発見しました。
見た目や臭いに変わりはないのですが、未開封なら賞味期限切れでも大丈夫なのでしょうか?
今回は、鰹節の賞味期限が切れたらいつまで食べられるのかなどを、詳しく調べます!
- 鰹節は賞味期限切れでも食べられるのか
- 塊や未開封の鰹節が食べられる期限
- 食べてはいけない鰹節の特徴
- 鰹節の正しい保存方法
- 鰹節の冷凍保存や日持ちさせるコツ
数年前、末っ子の離乳食開始のときに、「子供達には本物の味を食べさせたい。これからは自分でだしをとる!」
と思い立って大量に購入したのですが、すぐに顆粒だしの便利さに負け、食品庫の奥底に追いやられた、この鰹節。
未開封・開封済みを問わずに全部賞味期限が切れていました。
中にはフンパツして買った本枯節(塊の鰹節)もあり、簡単に「捨てちゃおう!」という気にはなれません。
ズボラな私は、本枯節を入れた保存袋に賞味期限を書いてないため本当の期限は全くわからない状態です。
小分けで個包装されている鰹節を食べても大丈夫なら、今日からでも料理に積極的に使いたいと思っています。
私と同じで、賞味期限切れの鰹節を目の前にしている皆様!早速ご一緒に確認していきましょう。
目次
鰹節は賞味期限切れでもOK?塊や未開封品はいつまで食べられる?
普段、『鰹節』と一口に言っていますが、実は
- 塊の状態→鰹節
- 小分けで個包装されている鰹節→削り節
と呼ぶのが正式名称のようです。
この2種類の鰹節は、それぞれに賞味期限が切れたときの取り扱いが違うようです。
賞味期限切れの本枯節(塊の鰹節)
本枯節の賞味期限を調べると、基本的には腐らない保存食品だという理由から、賞味期限が書いてない商品が多いとわかりました。
賞味期限について明記されている、こんな商品を見つけました。
この商品は真空で販売されており、賞味期限は「未開封なら、1~2年は(美味しい状態で)保存可能」となっています。
賞味期限が書かれていない塊の鰹節は、風味の劣化などを考えても、なるべく真空に近い状態で正しい保存方法を守ると、通常は1~2年、長くて3~4年は食べても大丈夫だといわれています。
なぜ真空を保つ必要があるのかを調べると、本枯節についているカビと深い関係がありました。
本枯節についている良いカビの大敵は湿気!
本枯節は、人間にとって有害なカビがつかないように良いカビをつけて作られており、 良いカビが本枯節を腐敗や劣化から守ってくれています。
湿気が多いところで保存すると、本枯節に虫がつくことがあり、虫は良いカビを食べてしまいます。
良いカビを失った本枯節には、有害なカビが生えることがあります。
また、きちんと真空状態にせずに冷蔵庫に入れるなどして、保存袋の内側に水滴がつくと、水滴が原因で人間に有害なカビが生えることにも注意が必要です。
賞味期限切れの削り節
だしや鰹節の製造販売で有名な『ヤマキ』のホームページで、削り節について調べてみました。
大袋の削り節の賞味期限は1年、小分けの個包装の削り節の賞味期限は1年半となっています。
賞味期限とは?
農林水産省のホームページでは、未開封で正しい保存方法を守ったときの、美味しく食べられる期限とされています。
賞味期限が切れた後に食べてもいい期限については、他の削り節を製造している会社などを調べても、詳しい情報はありませんでした。
削り節を購入した人の保存方法や体調によって、食べられる期限が大きく左右されるので、明確な期限を決めることは難しいようです。
また、先ほどご紹介した”塊の鰹節”と違って、削り節は酸化しやすいですし、湿気の影響も多く受けます。
大袋の削り節には、こんなことが書かれています。
「開封後は冷蔵庫で保管し、お早めにお使いください。」
「”お早め”ってどれくらい?」という疑問には、ヤマキでは「2週間〜1ヵ月間を目安に使い、賞味期限内でもカビや臭いなどに異常があれば使わないように」としています。
賞味期限に関わらず、開封後は早めに食べた方がいいですね。
意外とデリケートな扱いが必要だと分かった鰹節ですが、”絶対に食べてはいけない!”という状態になることはあるのでしょうか?
鰹節にカビ!害虫!ダニ!こんな鰹節は食べちゃダメ!
鰹節は湿気に弱くて、虫もつきます。
これからご紹介するような状態を見たら、迷わずに捨てることをおすすめしたいと思います。
ここでも、塊の鰹節と削り節に分けてご紹介していきます。
青カビが生えた塊の鰹節
塊の鰹節は、栄養と旨味の宝庫ですので、虫やカビの餌食になることがあります。
こんな情報を見つけました。
節のまま保存する際注意しなければならないのが一般のカビです。
温度が25~30℃、湿度が80%を越えるとカビが急激に繁殖してきます。
青カビなど、本来の塊の鰹節についているはずのないカビがついていたら食べないでください。
カビは細菌が付着して繁殖し、人間の目に見える状態になります。
カビの部分だけ取り除いて食べたくなりますが、他の部分にもすでに細菌の胞子がついて育ち始めている可能性があることを忘れないで下さいね。
虫がついた塊の鰹節
湿気の多い場所に塊の鰹節を置いておくと、虫がつくことがあります。
この虫は”カツオブシムシ”の幼虫で、衣類にもつきます。
温度25~30℃、湿度75~90%の環境を好みます(梅雨時季などですね)。
鰹節についた幼虫は、穴を開けて食べながら潜り込み、やがて成虫になります。
成虫になると、鰹節に被害を与えないそうです。
この他にも、きちんと密閉していないなどの間違った保存方法で、ダニがわくこともあります。
先ほどもご紹介した通り、虫は鰹節を守っている良いカビを食べてしまいます。
鰹節を守っているカビは、年月とともに鰹節の旨味を増す働きもありますが、カビがなくなると鰹節が劣化し、有害なカビが生える原因にもなります。
後ほど紹介する正しい保存方法で虫の被害を防げるので、ぜひ実践してみてくださいね。
削り節は塊の鰹節よりも注意が必要!
削り節は、削った瞬間から酸化などの劣化が始まります。
塊の鰹節よりも、食べられるかどうかの判断を、厳しくする必要があります。
酸化の影響
- 見た目が変化する(色が抜けて黄色っぽくなる)
- 生臭くなる
- だしを取ると、変な臭いがする など
「賞味期限切れの鰹節を食べた」という口コミを調べると、意外と”気にせず食べる”という方が多くいらっしゃいます。
酸化は風味などが落ちるだけではなく、気持ち悪いと感じる味にもなるので、食べるのはおすすめできません。
塊の鰹節と同じように、虫やカビの発生の可能性も、もちろんあります。
”未開封で賞味期限が過ぎたとき”と、”開封後に数日経過したとき”は、よく注意して食べるようにしてくださいね。
では次に、鰹節の正しい保存方法をご紹介します。
鰹節の正しい保存方法とは?塊や削り節で違いはあるの?
「鰹節は乾燥しているから大丈夫」という思い込みがあり、私は今まで保存方法に気を使っていませんでした。
保存方法を間違えると、未開封で賞味期限内でも食べられくなる場合があるそうです。
鰹節を製造販売しているメーカーなどの情報を集めました。
最適な保存環境は、下記の3つが基本です。
- 高温多湿を避ける
- 急激に温度を変化させない
- 風通しが良い場所
この3つの条件や、先ほどご紹介したカビや虫が発生する温度を総合して考えると、常温(5℃~35℃)よりも、冷暗所(15℃~25℃)の方が適していますね。
”私達が心地よい涼しさを感じる場所が冷暗所”だと考えると、わかりやすいと思います。
もう少し詳しくご紹介します。
塊の鰹節を上手に保存するコツ
塊の鰹節は、真空パックの状態で売られている商品が多いようです。
真空パックを開けてからも、なるべく真空の状態に近づけて保存しましょう。
- ラップに包んでジップつきの保存袋に入れる
- 缶などに入れてしっかりフタをする など
保存場所は、先ほどご紹介した3つの基本を守って、冷暗所でOKです。
高温や湿気を避けられない場合は、冷蔵庫に入れると劣化を防げます。
ここで、豆知識を2つご紹介します。
まずは、冷蔵庫に入れると本枯節が熟成しなくなるというお話しです。
本枯節は冷蔵庫に入れると熟成が止まる!?
本枯節は、言葉のとおり”枯れた”状態です。
私達が買う時点では水分が抜けきっていて、買ってからも、”良いカビ”の影響で枯れ続けていきます。
枯れ続けると、旨味が増す(熟成する)のですが、冷蔵庫は”良いカビ”にとって温度が低すぎて、熟成が止まってしまいます。
後ほどご紹介しますが、削って”だし”にして保存すると、鰹節の状態で保存するよりも、美味しく食べきれる場合もあります。
ご家庭の保存環境に合わせて、保存場所や使い方を調整してくださいね。
次に、塊の鰹節の中でも、乾燥度が低い荒節(鬼節)や裸節についてです。
荒節や裸節は必ず冷蔵庫に保存!
鰹節は製造工程によって呼び方が変わります。
- 荒節(鬼節):原材料のかつおの下処理をして乾燥
- 裸節:荒節の表面を削って整形
- 枯節:荒節や裸節にカビ付けし乾燥
- 本枯節:枯節をさらに熟成
荒節(鬼節)や裸節はしっかり乾燥していないため、常温では青カビや虫が発生しやすいので冷蔵庫で保存しましょう。
ご自宅に塊の鰹節がある場合は、カビがついているかどうかを確認して、適した保存方法を選んで下さいね。
削り節の保存方法
削り節は先ほどもご紹介した通り、開封したら早め(2週間~1ヶ月以内)に使い切るのがおすすめです。
我が家では大袋だけではなく、小分けの個包装の鰹節も使い切れないことがあるので、そんな場合の保存方法も詳しくご紹介します。
大袋の場合
大袋の削り節は、一度で使い切るのが難しいですよね。
だしを取る用に、”安い時に買ってストックしておく”という方も多いと思います。
未開封
冷暗所で、多湿をさけて保存します。
急に冷蔵庫に入れると、袋内の空気が冷えて水滴となり、鰹節についてカビなどの原因になることがあります。
急激に保存する場所の温度を変えないように、ご注意下さい。
開封後
小分けにしてジップつきの保存袋に入れ、空気をしっかり抜いて、冷蔵庫で保存します。
常温に置くと、カビや虫が発生する原因になるのでご注意下さい。
小分けの個包装の場合
小分けの個包装されている削り節の場合、個包装の袋ではなくて販売されているときの袋を開封後に、どう保存するか迷いますよね。
未開封
個包装の袋が未開封であれば、冷暗所で多湿をさけて保存します。
開封後
個包装の袋を開けたら、開け口をしっかり閉じて、冷蔵庫に入れて下さい。
個人的には、ジップつきの袋に開封後の個包装の袋ごと入れて保存するのがおすすめです。
保存日をメモすることができますし、平らな状態で保存できるので省スペースです。
デリケートな鰹節の保存方法がわかりましたが、冷凍保存はできるのでしょうか?
鰹節は冷凍保存できるの?冷凍だとどれくらい日持ちする?
長期間鰹節を保存したい場合は、冷凍保存できると便利ですよね。
鰹節の形状によって冷凍保存のコツがあるので紹介します。
鰹節を冷凍保存するコツ
塊の鰹節は、冷凍保存に向かないようです。
冷凍保存に向かない理由は、硬くなってキレイに削れなくなり、長期保存していても使い切れなくなる可能性があるからです。
しかし、削り節にすると冷凍保存も可能で長期間日持ちします。
空気に触れないように、1回で使う分ごとにジップつきの袋に入れて、6ヶ月ほどは美味しく食べることができるそうです。
削り節にすると色は変わりますが、風味はほとんど変わらないので安心してください。
他にも、目からウロコの冷凍保存方法があります。
出汁(だし)にして冷凍する
”だし”にして冷凍する場合は、通常の”だし”のとり方でOKです。
煮物やめんつゆなどの、鰹節の旨味を強く出したい料理に使う場合は、濃くだしをとると便利です。
”冷凍やけ”や”匂い移り”がしないように、ジップつきの保存袋で保存してくださいね。
保存期間は、2~3週間程です。
冷凍しておいた”だし”を鍋に入れるだけで、本格的な和食の味を、家庭で楽しむことができますね。
まとめ
鰹節の賞味期限について、調べてきました。
これまであまり気にせずに保存していた鰹節ですが、意外とデリケートな食品だということがわかりましたね。
ポイントをまとめてみます。
- 塊の鰹節は保存方法を守れば1~2年は美味しく食べられる
- 削り節も賞味期限が長いが開封すると劣化しやすい
- 鰹節には虫やカビがつくことがある
- 鰹節は高温多湿を避けて風通しの良い場所で保存する
- 常温から急に冷蔵庫に入れると袋の中で水滴ができることがある
- 塊の鰹節は冷凍に向かないので削り節にするのがおすすめ
- 削り節は空気に触れないように小分けにすると良い
- だしを取って冷凍する方法もある
顆粒だしは便利で、普段は美味しいと思って使っています。
ところが、自分でだしをとって料理を作ると、味が全く違うことに感動しますよね。
今回は、数年前に大量に買った鰹節の賞味期限が切れたのがきっかけで、鰹節についてより深い情報を得ました。
大量にストックせず、楽しんで料理が出来る範囲で、もっと鰹節の使い方に慣れていきたいと思います!