【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
ひき肉はスーパーで売っているお肉の中でも賞味期限切れになるのが早いですよね。
賞味期限や消費期限から1日過ぎただけでも変な臭いがし始めることがあります。
我が家には小さい子供もいますし、お肉の賞味期限切れに関しては神経質になる部分があります。
今回は、賞味期限切れのひき肉について、詳しくご紹介していきます。
- 賞味期限切れのひき肉を食べても大丈夫?
- 消費期限切れのひき肉を、食べてもいいかどうかの判断方法
- 腐ったひき肉で起きる、恐ろしい食中毒について
- 余りがちなひき肉の、上手な保存方法
- 解凍しても美味しい!ひき肉の冷凍保存方法
賞味期限が過ぎて、何日も経ったひき肉は、見た目からして危険な雰囲気を漂わせていますよね。
実は、私が料理初心者だった頃、消費期限から6日過ぎたひき肉を、スープにしてみたことがあるんです。
「火を通せば大丈夫かな?」という軽い気持ちでしたが、結果は腐ったひき肉味のスープができました・・・。
ちょっと味見して捨てましたが、相当気持ち悪かったです!
うっかり賞味期限から過ぎてしまったひき肉を捨ててしまうのはもったいないので、まだ食べられるか判断する方法を知っておけば役立ちますよね。
また、賞味期限切れにしないためにも1週間以上日持ちさせる上手な保存方法を知っておくと便利ですね!
この記事では、あまり日持ちしないひき肉が賞味期限切れになった場合の対処法などを詳しく紹介していますので、ぜひ参考にして毎日の食生活にお役立てください!
管理栄養士・栄養士
目次
ひき肉の賞味期限切れは危険?何日までなら大丈夫なの?
お肉は、小さいパックで買うよりも、大きいパックで買う方が安いのが一般的ですよね。
家計のことを考えて、ついついひき肉も大きいパックで買いがちです。
そんなひき肉が賞味期限切れになった場合は、何日までなら食べても大丈夫なのでしょうか?
ひき肉に設定されるのは「消費期限」
まずは、日本食肉消費総合センターのホームページから、ひき肉を安全に食べられる期間「消費期限」を確認してみましょう。
保存温度 | 牛肉 | 豚肉 | 鶏肉 |
---|---|---|---|
10℃ (冬の、暖房なしの常温) |
2日 | 1日 | 1日 |
4℃ (冷蔵庫) |
3日 | 3日 | 2日 |
0℃ (チルド室) |
5日 | 5日 | 4日 |
*この期間は、ひき肉に加工した日から数えて、食べることが可能な期間です。
やはり短いですね。
特に鶏肉のひき肉は牛や豚と比べると短く設定されていますが、鶏肉には水分が多く含まれているため傷みやすいので、特に注意して使いたいですね。
この表をもとにすると、賞味期限切れのひき肉が大丈夫かどうかは、下記の日数を目安に判断することができそうです。
ひき肉は加工日から1週間も経たずに食べられなくなります。
- 常温では、賞味期限が切れたら食べない方がいい
- 冷蔵庫では、賞味期限が切れたら1~2日が目安
- チルド室では、賞味期限が切れたら2~3日が目安
スーパーでのディスプレイや、私たちが購入してからの保存方法でも、日持ちは変わってきそうです。
ひき肉は日持ちしないため、本来なら「消費期限」を表示するべき食品です。
豆知識:消費期限と賞味期限の違いは?
消費期限は、傷みやすい商品に表示されています。
賞味期限は、傷みにくい商品に表示されています。
どちらも、未開封&保存方法を守ったときの期限となります。
様々な食品メーカーのホームページを調べると、「消費期限を過ぎた食品は食べないで下さい。」という記載がいくつもあります。
皆様がスーパーで手にするひき肉には、消費期限が表示されていると思います。
ところが、ネット通販のひき肉には、賞味期限が表示されていることもあります。
その理由は、ネット通販では冷凍で販売していることが多いからです。
冷凍で販売すると長期間の保存が可能になるので、傷みにくい商品に分類されて、賞味期限が表示されることがあります。
賞味期限が表示されている場合でも、冷蔵保存での期限は2~3日に設定されていることが一般的です。
賞味期限に関しては、「ちょっとくらい過ぎても大丈夫」というイメージがありますよね。
でも、ひき肉に関しては、”賞味期限が切れたら消費期限が切れたのと同じ”という、厳しい判断をしてよさそうですね。
とはいえ、実際にひき肉の消費期限が切れても、見た目などの状態が変化しないこともありますよね。
そんなときは、食べてもいいかどうかを、どのように判断すればいいのでしょうか?
ひき肉の消費期限が1日以上過ぎたときの判断方法はコレ!
ひき肉は、買ってきた翌日でも、変な臭いがしてくることもありますよね。
逆に、消費期限が過ぎても、何の変化もないよう思えることもあります。
消費期限が切れて1日以上過ぎてしまったら、食べられるかどうかの判断は、どうやってするのでしょうか?
口コミなどを調査したところ、皆様はこのように判断しています。
食べられないひき肉の状態
- 色が茶色く変色している
- 脂身の白い部分が黄色く変色している
- 黒いドリップが出ている
- 鼻にツンとくる臭いがする
- 触ってみてヌルヌル、ベトベトしている
- 糸を引く状態になっている
どれか1つでも当てはまるものがあれば、腐っていると判断してOKだと思います。
ひき肉があまり日持ちしない理由
ひき肉があまり日持ちしないのは理由があります。
ひき肉の中でも安くて利用しやすい豚ひき肉の部位を調べたところ、肩ばら肉やすね肉などの脂身の多い部位を加工することが多いそうです。
脂身が多いということは、雑菌の繁殖に加えて酸化もしやすいということですよね。
また、ひき肉は、ほぼ断面と行っても過言ではないお肉です。
加工の過程で、空気中も含めてどこからでも雑菌が付着して、繁殖し放題だという、厳しい目で判断した方がよさそうです。
では、腐ったひき肉を食べると、実際にどうなってしまうのでしょうか?
怖いけど、ちゃんと知っておいた方がいいですよね。
腐ったひき肉を食べるとどうなるの?食中毒の恐ろしさ
お肉が原因で食中毒になったという話は、ニュースでよく耳にします。
ひき肉は日持ちがしなくてすぐに傷みやすいので、特に小さいお子さんや高齢者がいるご家庭は注意が必要です。
内閣府が運営している政府広報オンラインでは、お肉が原因の食中毒について、詳しく説明されていました。
腐ったひき肉を食べるとこんな食中毒の症状が!
腐ったひき肉を食べてしまうと恐ろしい食中毒症状を引き起こすおそれがあります。
鶏や牛の腸内にいるカンピロバクターに感染した場合
-
- 2~7日で食中毒の症状が現れる
- 発熱
- 腹痛
- 下痢
- 吐き気 など
主に牛の腸内にいるO157などに感染した場合
- 2~7日で食中毒の症状が現れる
- 発熱
- 激しい腹痛
- 水溶性の下痢
- 血便
- 吐き気
- おう吐 など
どちらの細菌も、少量で感染するそうです。
持病がある、子供、高齢者、妊婦などで抵抗力が弱い場合は、症状が重症化する可能性もあります。
ひき肉を食べることだけでなく、ひき肉を触った後の手洗い、ひき肉を調理した後のまな板なども、十分に注意が必要ですね。
また、食中毒の原因となる細菌は熱に弱いので、ひき肉はよく加熱して食べましょう!
食中毒の原因になる細菌は、高温・多湿な環境で生の状態が続くと、より活発になり、増殖していきます。
食中毒にならないためには、ひき肉の正しい保存方法を知る必要がありそうです。
ひき肉の正しい保存方法とは?火を通せばさらに日持ちする?
ひき肉を買った後は、なるべく早く家に持ち帰って冷蔵庫に入れますよね。
保存方法は、ただ冷蔵庫に入れるだけではなく、いくつかのポイントがありますのでご紹介します。
ひき肉の正しい保存方法
ひき肉の保存方法はいくつかありますので、料理に使いやすい方法をお試しください。
なるべく低温で保存する(冷蔵室よりもチルド室やパーシャル室)
スーパーなどでひき肉を買ったらすぐに保冷袋に入れることをおすすめします。
ひき肉にすでに付着している、雑菌の増殖をなるべく抑えるのが目的です。
雑菌と聞いてしまうと、嫌になってしまいそうですよね。
でも、どんな食品にも雑菌はついています。
どんなに気をつけていても、空気中にいる雑菌の付着までは遮ることはできません。
大切なのは、雑菌をなるべく増やさず、調理時に雑菌をしっかり取り除いたり、死滅させたりすることだと考えて頂ければ幸いです。
家に帰ったらすぐ冷蔵庫で保管し、チルド室やパーシャル室に入れましょう。
素手で触らない
素手で触ることで一番心配なのは、やはり雑菌の付着です。
その他にも、体温でひき肉の脂身が溶けて、味にも影響することがあります。
味付けをして保存する
特に塩分は、保存性を高める味付けです。
砂糖は、食品の保水性を維持してくれますので、調理したときのジューシーな食感を守ります。
このときも、素手で混ぜるなどはしないように注意しましょう。
また、濃すぎる味付けにも注意しましょう。
炒めるなどの加熱調理をしてから保存する
生のひき肉についている雑菌を死滅させてから保存する方法です。
加熱調理をしたひき肉は、冷蔵庫で4日ほど保存が可能です。
4日以上保存すると、加熱したひき肉についた水分などの影響で、腐ったりカビが生えたりするのでご注意下さいね。
最後に、ひき肉を最も長く保存できる、冷凍保存についてご紹介します。
肉の旨味を逃さない!余ったひき肉はこうやって冷凍しよう!
私は、「ひき肉をたくさん買ったけど使い切れない!」と思って、トレーごと冷凍庫に入れることがあります。
ダメだと思っていても、面倒くさくて、ついやってしまうんですよね。
少々手間がかかりますが、食材を無駄にせずに美味しく食べきるために、正しい冷凍保存の方法を確認しましょう!
コストコなどで大量のひき肉を買ってきた場合は、きちんと冷凍保存しておけば1ヶ月ほどの保存が可能になるのでぜひ参考にしてください。
ひき肉を生のまま冷凍保存する方法
生のひき肉のベストな冷凍保存方法からご紹介します。
- 1回使用する分ずつラップで包む
- 保存袋に入れて冷凍する
この方法は、ひき肉が空気に触れるのを極力避けることができます。
次に、ちょっと面倒なときにお試し頂きたい冷凍方法です。
ひき肉を保存袋に入れて、菜箸などで筋をつけておく
ラップで包むというひと手間を省いただけでも、主婦の私には楽に思えます。
菜箸で筋をつけておけば、使う分だけポキっと折って取り出しやすくなります。
ひき肉を保存袋に入れて薄くのばして冷凍する
菜箸で筋をつけるのすら面倒という時に、私が冷凍する方法です。
この方法もひき肉を使いたい分だけ折って取り出すことができます。
ここまで紹介した通り、ひき肉は生の状態で冷凍できます。
ただ、問題なのが解凍です。
冷蔵庫に移してゆっくり解凍し、ベストタイミングで使うことが出来ればいいのですが・・・。
冷蔵庫に移してから時間が経ってしまう場合や、室温で自然解凍をするとドリップが出て肉の旨味が逃げてしまうことがあります。
そんな問題を解決するべく!これからご紹介する、加熱してからの冷凍も、ぜひお試しください。
ひき肉を加熱してから冷凍保存する方法
ひき肉を加熱してから冷凍保存するときの、下味の有無などは自由です。
例えば
- 下味をつけずに炒めてから冷凍する
- 茹でて脂を落としてから冷凍する
- しょうゆ、酒などの最低限の下味だけつけて炒めてから冷凍する
- そぼろなどのようにしっかりと下味をつけて炒めてから冷凍する
- 玉ねぎなどの具も一緒に炒めて冷凍する
どの方法でも、完全に火を通すことだけは忘れないで下さいね。
しっかりと加熱して冷凍しておけば、解凍した時には火の通りを気にせずに料理に使えます。
- コロッケ
- 春巻き
- チャプチェ
- 焼きそば
- 混ぜご飯 など
とても便利ですので、ぜひお試しください!
まとめ
賞味期限切れのひき肉についてご紹介しました。
賞味期限や消費期限が短いことで、つい無駄にしがちなひき肉ですが、正しい保存方法がわかったのでこれからはもっと活用できそうです!
ポイントをまとめてみます。
- 消費期限・賞味期限切れのひき肉は1~2日でダメになることもある
- 開封したり保存状態が悪かったひき肉は賞味期限が短くなる
- 消費期限が1日過ぎたひき肉は食べられるか厳しく判断する
- 腐ったひき肉を食べると重い食中毒になることもある
- ひき肉は冷蔵の場合はなるべく低温で保存する
- 冷蔵の場合は下味をつけたり加熱すると日持ちは4日ほどになる
- ひき肉は冷凍で1ヶ月ほど保存可能
- 冷凍はひき肉を生でする方法と加熱してから冷凍する方法がある
ちなみに私は、ミキサーを使って自分でひき肉を作るのにはまっています。
ぎょうざなどは、自分好みの荒さにひいたひき肉を使うと、家庭料理がレベルアップ!
ちょっと余ったお肉をひき肉にすると、簡単にボリュームアップが可能なことも、家計に嬉しい点です。
ミキサーがあるお宅には、是非お試し頂ければと思います。