【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
コストコなどでまとめ買いをしては使いきれずに余ってしまいがちなひき肉は、ちょっと油断すると茶色や黒い色に変色することがありますよね。
茶色や黒くなったひき肉は食べられるものかと迷うのですが、捨ててしまうのはもったいないし、無理矢理食べてお腹を壊すのは困ります。
そこで今回は、ひき肉が茶色いや黒色のときに食べれるか見極める方法など、以下の項目について調べてみました。
- このひき肉は食べても大丈夫か見極めるための3つの注意点
- ひき肉を上手に保存するコツ
- 冷凍して解凍すると臭い気がする…上手な冷凍&解凍のコツ
といった内容でお届けしますので、今後はひき肉をちゃんと使い切れるように、ぜひ正しいひき肉の保存方法についてもご一読を!
それではまず、一番気になる変色についてから見ていきましょう。
管理栄養士・栄養士
目次
ひき肉の茶色や黒い変色、少し臭うときの3つの注意点とは?
ひき肉が茶色や黒色になっているなど、様子がいつもと違う時は、以下の3つに注意しましょう。
2. 消費期限切れ
3. ひき肉の臭い
それでは、順番にご説明しますね!
茶色や黒い色に変色したひき肉
茶色く変色するのは、ひき肉に限らず、赤身のお肉にはよくあることです。
ひき肉は1つ1つの塊が小さいのでブロック肉に比べて表面積が多く、その分空気に触れているため酸化して傷みやすいからです。
そのため肉を挽いた瞬間から傷み始めていると考えていた方がいいくらい、ひき肉は足の早い食材なんですよ。
また酸化が進むと、茶色から黒色に変色した部分が出てくることもあります。
黒いところがある場合は、臭いを嗅いで判断するのが良いでしょう。
全体的に変色している時は、表面を触ってみてベタベタと粘つくようなら捨ててくださいね。
部分的な変色が気になる時は、変色した部分を周囲も含め大きめに取り除き、残った肉は塩水で洗って十分に熱を加えれば食べられます。
こういう変色を取り除いた残りの肉を調理する時は、ひき肉をそのままの状態で炒めるなど、しっかり火を通せる調理方法にしておいた方が賢明です。
ハンバーグだと菌が中まで入り込んでしまい、大きな塊の中心部分が菌が死滅するのに充分な温度を保てるとは限らないからです。
消費期限切れのひき肉
ひき肉など痛みやすい食品には消費期限が記載されているので、まずは消費期限をチェックしましょう。
消費期限は「安全に食べられる期限」なので、消費期限を1日でも過ぎたら安全のためにも食べないほうが良いです。
ちなみに、賞味期限は「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」なので、1日くらい賞味期限切れでも食べられなくなるわけではありません。
ひき肉の消費期限が切れていたら、傷んでいてもおかしくない頃合いということです。
消費期限切れになったひき肉は、においやベタつきをチェックしてから調理に使いましょう。
甘酸っぱいツーンとした異臭やベタつきがあると、腐っている可能性が高いため食べないでください。
加えてドリップと呼ばれる、お肉から出てくる血を水で薄めたような液体も1つの目安です。
ドリップがたくさん出ているのは鮮度が落ちている証拠。
ドリップも傷む原因の1つですので、購入後すぐに使わないのであれば、パックのラップを少しだけはずしてドリップを捨てておくと多少は日持ちしやすくなりますよ。
においが気になるひき肉
市販のひき肉は元々あまり良質な部分を使っているわけではないので、最初から脂のにおいがあります。
脂が酸化することによって臭みが発生するので、時間が経つほどにおいを感じるようになるでしょう。
においが気になるようであれば、調理の際にネギ・ナツメグ・しょうが・にんにく・料理酒などを使って臭みを消し、出来れば調理方法も”焼く”とか”炒める”とかにしておくと更に効果的です。
例えばミートソースやハンバーグ、生姜やネギ入りの肉団子、麻婆豆腐などが向いています。
そういう”肉の臭み”だと思えるような臭いならいいのですが、腐っている臭いには注意しなくてはなりません。
酸っぱいツーンとした異臭やベタつきは要注意で、この場合は廃棄した方が無難です。
肉が腐った時の臭いは、人によっては「汗をたっぷりかいた体操服を放置したような臭い」と感じるそうですし、焼いたり炒めたりした時にも嫌な臭いがするので、気が付いた時点で捨てましょう。
ひき肉が腐ってるか判断がつかない場合のチェック方法
ひき肉の臭みが強く、色も変わっているとなれば食べるか廃棄するかは迷うところですよね。
先ほどの3つの注意点に気をつけて観察したものの、本当に腐ってるか大丈夫なのか不安…。
それでも「もったいないし、どうしても食べたい!」という時はこの方法で確かめてみてください。
- 「味見用の一口分」と「それ以外」の2つに分け、「味見用の一口分」を簡単に炒める
- 飲み込まずに、口に入れてみて確かめる
- 違和感がないようならば大丈夫!
酸味など、明らかにおかしな味が感じられたら口の中の肉を吐き出し、残りも捨ててしまいましょう。
せっかく買ってきた挽き肉を処分することになったらもったいないですよね。
食材を無駄にしないためにも、上手な保存方法を覚えておきましょう!
ひき肉の正しい保存方法は「酸化を抑える」のがカギ!
買ってきたパックのひき肉を当日中に調理して食べるのであれば、基本的には酸化や菌の繁殖などは気にしなくてもいいでしょう。
ただし購入する時点で既に古い肉(見切り品など)を選ぶ時には、肉の脂身部分の色やドリップの量、添加物の表示をよく確認しておくと良いですよ。
そして使いかけのひき肉のパックを冷蔵庫に戻す時には、酸化を防ぐためにラップを取り替え、ぴっちりと張りなおしておきましょうね。
ひき肉は冷凍保存がおすすめ!
すぐに使えないのであれば冷凍保存をする方が良いのですが、パックのままで冷凍すると”冷凍焼け”を起こしやすいので、そのまま冷凍庫にポーンと入れてしまうのはやめましょう。
ひき肉をラップで平たいままぴったりと包み、ジップロック等の保存用密閉袋に入れ、できるだけ空気を抜いておくと上手に冷凍保存できますよ。
冷凍したひき肉を解凍すると臭みが強く感じられることが多いので、炒めてから冷凍したり、塩コショウやハーブなどで下味をつけておいたりして臭いを抑える工夫をしてもいいですね。
また少量ずつ小分けにしたい方は、バラ凍結のひき肉を買うと便利ですよ。
最初からひき肉の1粒1粒がくっつかないようにバラバラの状態で冷凍されているので、ちょっとずつ使いたい時に量の調整もしやすいんです。
ひき肉調理のちょっとしたコツ
炒める時は肉汁が透明になるまで炒めること!
ポロポロになるくらいが目安で、肉汁がピンクで濁っている場合は不十分なので注意しましょう。
また肉を炒めたらジャーレン等で汁を切るか、キッチンペーパーで余分な汁を吸い取っておくと良いです。この汁が肉の生臭みの原因となっているんですよ。
冷凍ひき肉を解凍する際の注意点
ひき肉をラップで平たいままぴったりと包み、さらに冷凍保存用の密閉袋に入れて袋の中の空気を抜いておくことで、酸化を抑えて上手に冷凍保存することができます。
冷凍保存していても酸化は進みますから、なるべく1ヶ月以内には食べ切るようにしてくださいね。
そして冷凍保存したひき肉を解凍する時は、常温での自然解凍はやめましょう。
冷凍された肉類をゆっくり解凍するとドリップが出て臭みが増すので、電子レンジの解凍機能を使うのが最適です。
また常温で放置しておいた場合、夏場など気温が高い時期やコンロの側に置いている時などは、室温が高くて肉が傷んでしまうかもしれません。
ひき肉は内部に雑菌が入り込みやすいので、解凍してから調理に使うまでが短くなるように、使う直前に解凍するのが安心ですよ。
もし解凍したひき肉から明らかな腐敗臭がしたり、目で見てわかるほど劣化が進んでいる場合は、口にしないほうが良いです。
独特の臭いやヌメリがあったり、全体的に色が悪かったりといった変化がないか、解凍後にチェックしておきましょう。
まとめ
ひき肉が茶色くなった場合に食べられるのか見分ける方法について調べた結果をまとめます。
- ひき肉は酸化して茶色に変色しやすい
- 茶色くなったひき肉でもにおいや見た目に異変がなければ食べられる
- 茶色くなったひき肉が消費期限切れなら傷んでいる可能性が高い
- 酸っぱいにおいやベタベタしているひき肉は腐ってる証拠
- 腐ってるか判断がつきにくい場合は火を通して少し口に含んで確かめてみる
- ひき肉を保存する場合は酸化を防ぐことが大事
- 消費期限内に食べきれないなら冷凍保存がおすすめ
- ラップに包んでフリーザーバッグに入れて小分け冷凍する
- 冷凍保存したひき肉は電子レンジで解凍するのがおすすめ
せっかくお買い得なひき肉を買ってきても、うまく使い切れずに捨ててしまっていては、節約どころか無駄遣いになってしまいます。
買ってくるたびに「まだ食べれるかな?」と不安なりつつ食べているようだと、そのうちひき肉を買う気がなくなっちゃいそうですよね。
なので購入する時に使い切れる量なのかをよく考えてから買うことや、少しだけ余ったひき肉を消費できるようなレシピを覚えることも大切だと思います。
その上で、うっかり使いそびれてしまうこともあると思います。
そんな時には見た目や臭いをよく観察して、自信を持って「大丈夫!」と思えたら食べるようにしましょう。
安全の最終判断は自分の舌や鼻でするしかありません。
自分や家族の健康が一番大切ですから、少しでも「おかしい?」と感じたら食べるのはやめておいてくださいね。