【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
冷凍庫を整理していると、賞味期限切れになった冷凍肉が大量に出てきました。
賞味期限切れになった冷凍肉は、2ヶ月過ぎたものや、半年くらい過ぎたもの、中には1年以上経ったものまでありましたが、捨てるのももったいないのでどうしようか困っていました。
冷凍肉の賞味期限はいつまで大丈夫なのかわからなかったので、今回は賞味期限が切れた冷凍肉を美味しく食べる方法について以下の項目を調べてみました。
この記事でわかること
- 賞味期限切れの冷凍肉はいつまで食べられるか
- 冷凍肉で食中毒になった事例
- 肉の美味しさを保つことができる冷凍方法
- 肉の美味しさを逃さない冷凍肉の解凍方法
- 知っていると便利な下味冷凍方法
私はコストコや業務用スーパーなどで肉を大量買いしてきては、小分けして冷凍保存しています。
冷凍庫にお肉を保存しているのに、特売のお肉を見つけるとまた買ってきて冷凍保存していたお肉の存在を忘れてしまい、賞味期限切れになることもしばしばあります。
今回調べた冷凍肉の賞味期限については、「肉は休日にまとめ買いをして冷凍する」「肉は特売日にまとめ買いをして冷凍する」方は必見の内容です!
美味しく食べられる冷凍肉の正しい保存方法を覚えておくと便利なので、ぜひあなたも参考にしてください。
管理栄養士・栄養士
目次
冷凍肉が賞味期限切れ!いつまでなら食べても大丈夫なの?
冷蔵庫に保存していた肉が賞味期限切れだった場合は、様子を見て「ダメだ」と判断すれば諦めることも多いですよね。
ただ、冷凍肉は冷凍状態の様子を見てもパッと見では、食べられるかどうかは判断できません。
では、冷凍肉の賞味期限が切れてしまった場合、いつまで食べられるのでしょうか?
冷凍肉の賞味期限はどれくらい?
スーパーなどで購入した、冷蔵保存を前提にした肉を冷凍で保存した場合の保存可能期間は約1ヶ月です。
また、肉の中でも細かく刻まれていて空気に触れる面が多いひき肉は、冷凍保存可能期間が約2週間と言われています。
ネット通販などでは、冷凍保存を前提にして冷凍状態で販売されている肉もありますが、賞味期限は2ヶ月以上で設定されている場合もあります。
基本的には、冷凍肉は「できる限り早く使い切る」ということを心がけましょう。
もし、冷凍肉の賞味期限が切れてしまった場合は、捨てた方が良いのですが…やはりもったいない気持ちもあると思います。
そういう場合は、解凍してみて臭いや粘り気などを確認してみましょう。
特に変な臭いや粘り気がなければ食べても大丈夫ですが、食べる場合は自己責任で食べるようにして下さいね。
肉を長く冷凍するとどうなるの?
肉を長く冷凍すると、「冷凍庫焼け」が見られる場合もあります。
私は実際に義実家で見たのですが、結構色が変わっていて義母は「これはもう食べられないかな~」と言って捨てていましたよ。
他にも、長く冷凍することで乾燥する、酸化する、肉から水分が抜けていき食感が悪くなることもあります。
また、肉の周りに分厚い霜がくっついて、風味が落ちることも…。
つまり、肉を長く冷凍すると、肉の美味しさがどんどん薄れてしまうと言えますね!
ちなみに、肉は冷凍すると菌の増殖は抑えられますが、死滅できません。
みんなは冷凍肉の賞味期限切れをいつまで食べている?
実は、冷凍保存して賞味期限切れになったお肉でも「賞味期限から2ヶ月~3ヶ月経ったものでも大丈夫」という人もいます!
実際、私も冷凍したひき肉を2週間過ぎてから使ったことがありますが、特にお腹を壊したり病気になったりということはありませんでした。
もし、賞味期限切れの冷凍肉を食べるのであれば、先ほどお伝えした通り、解凍して臭いや粘り気がないかを確かめてから食べましょう。
ただ、半年や1年以上経過してしまったものは、もったいないですがお腹を壊しても嫌なので捨てています。
我が家の場合、田舎暮らしなので基本的に週1回しか街に買い物に行けないので、1週間分の肉を購入して使いきれない分はすぐに冷凍しています。
冷凍した肉は1週間で使い切るように心がけています。
そうすると、良いサイクルで回りますし、冷凍肉の賞味期限切れになる心配も少なくなりますよね。
肉は安い時に大量に購入し冷凍する方も多いですが、出来れば1週間で使う分を購入して1週間で使い切るという手段がおすすめです!
私は冷凍したお肉を使う機会が多いのですが、正しい方法で調理しないと冷凍肉で食中毒になる危険性もあります。
次項では、「冷凍肉と食中毒の関係」をご紹介していきたいと思います。
冷凍では菌は死なない!冷凍肉でも食中毒に注意しよう!
前項でもお伝えした通り、肉を冷凍しても菌は死滅しません。
食中毒菌は解凍すればまた活動を再開し増殖していきますので、食中毒になる可能性は大いにあるということですね。
食中毒になってしまうと、下痢や腹痛、嘔吐、発熱などの症状が出てきますし、抵抗力の弱い子供や高齢者は重症化しやすいので気を付けたいところです!
食中毒菌にはどのようなものがあるの?
食中毒の原因となる菌には、「腸管出血性大腸菌」や「カンピロバクター」などがあります。
それぞれの菌がどのような肉に存在するのかをご紹介しておきますね。
腸管出血性大腸菌
腸管出血性大腸菌は、主に牛肉に付着している可能性が高いものです。
感染力が高いので、少量でも食中毒になる危険性があります。
カンピロバクター
カンピロバクターは、主に鶏肉や牛肉、豚肉に付着している可能性が高いものです。
さらに、原因となる生肉を触った手で調理器具や野菜を触ると感染する危険性が出てきます。
感染力が強く、少量でも食中毒になる危険性が十分にあります。
サルモネラ菌
サルモネラ菌は、動物の腸内に生息している菌です。
感染源として有名なのが「鶏卵」ですが、食肉からも感染する危険性もあります。
また、豚肉に関して言えば「E型肝炎ウイルス」で食中毒を発症する可能性もあります。
冷凍肉を解凍して食べる時は肉の種類に関係なく、十分に火を通して食べるようにしましょう。
冷凍肉で食中毒にならないためにはどうしたら良い?
食中毒の原因になる菌をゼロにのは難しいです。
ただ、菌自体は熱に弱いのでしっかりと加熱調理すると食中毒を防げます。
肉の中心部分が75℃以上で、1分間以上加熱してください。
また、菌が付着した手で他の食材や調理器具を触ってしまうと、そこから食中毒が発生する危険性もあるので、調理の際はこまめに手を洗いましょう。
私は冷凍肉を調理する時はもちろん、基本的に肉はきっちりと火を通したいタイプで…。
焼くときは蓋をしてしっかりと中まで火を通すようにしていますよ!
我が家には小さい子供かいるので、余計に気を付けています。
あなたも食中毒にならないように、冷凍肉を調理する際は気を付けて下さいね。
お肉は冷凍すると、どうしても風味や美味しさがどんどん落ちて行ってしまいます。
では、冷凍で肉の美味しさが落ちるのを食い止める方法はないのでしょうか?
そこで、次項では「肉の美味しさを保つ正しい冷凍方法」をご紹介していきます。
美味しさをキープ!冷凍肉の正しい保存方法とは?
冷凍肉は冷凍庫に入れている期間が長かったり、解凍がうまくできないと、どうしても美味しさが落ちてしまいますよね。
ただ、冷凍していない状態のお肉と同じくらいの美味しさをキープするのは難しいですが、正しい保存方法で冷凍すれば美味しさを保てるんです!
その方法をこちらでご紹介していきます。
肉の美味しさを保てる正しい冷凍保存方法とは?
まずは、肉の冷凍保存のコツを押さえておきましょう。
酸化させない
肉が酸化すると肉の美味しさが落ちてしまいます。
また、肉から出てきた水分(ドリップ)が付着している場合は臭みの原因になるので、キッチンペーパーなどでしっかりと拭き取って下さい。
肉が酸化しないようにきっちりとラップで包み、さらに密封できる袋に入れてましょう。
この時、空気をしっかり抜いてくださいね!
なるべく早く冷凍する
使わない肉は、早めに冷凍するように心がけましょう。
使う予定のない肉を冷蔵庫で保管しておくと、その分鮮度が落ちてしまいます。
美味しさをキープするためには、なるべく鮮度が良い状態で冷凍するのがベストです。
一度解凍した食材の再冷凍はおすすめしません。
トレーのまま冷凍しない
トレーのまま冷凍してしまうと、ドリップも一緒に冷凍される可能性があります。
ドリップを吸収するためのシートなどが一緒に入っている場合は、必ず取り外してから冷凍するのがポイント!
シートが残っていると衛生的に問題ありなので、面倒でもシートは取り除きましょう。
また、トレーのまま冷凍してしまうと、トレーが断熱材となってしまい、冷凍されるまでの時間が長くなるのです。
冷凍するまでの時間が長いということは、やはりそれだけ鮮度が落ちてしまいます。
急速冷凍機能を使う
冷蔵庫に急速冷凍機能が付いている場合は、その機能を使いましょう。
急速冷凍機能がない場合は、ラップに包んで密閉袋に入れた肉を金属製のトレーに乗せて冷凍庫に入れてください。
冷気の伝わる速さがアップして、冷凍にかかる時間を短縮できます。
これが肉の美味しさを少しでもキープするためのコツです!
私はトレーのまま冷凍するとかさばって邪魔になるという考えから、ラップに包みジップロックに入れて肉を冷凍していました。
それが実は美味しさをキープできる方法だったなんて…!!
肉の美味しさをキープする冷凍保存方法はしっかりと確認できましたね。
「これで冷凍しても美味しいお肉を食べることができる!」と思いたいところですが、実は解凍方法も重要でした!
次項では、「肉の旨味を逃がさない正しい解凍方法」をご紹介していきます。
肉の旨味を逃さない!冷凍肉の正しい解凍方法がコレだ!
あなたは冷凍肉をどのように解凍していますか?もし常温で解凍しているなら要注意!
常温は早く解凍はできても、ドリップが出やすくて旨味が逃げやすいだけでなく、雑菌が繁殖しやすくなるので冷凍肉の解凍にはおすすめできません。
冷凍肉の美味しさを逃さない、上手な解凍方法をお試しください!
冷凍肉を解凍する2つの方法
私は肉を使う前日の夜に、冷凍庫から冷蔵庫に移して解凍しています。
これも、肉の旨味を逃がさない正しい解凍方法の一つです。
冷凍肉の大きさにもよりますが、完全に解凍させるなら10時間くらい、半解凍くらいなら5時間くらいを目安にし、調理時間を逆算して冷蔵庫に移すと良いですね。
この他にも、もう一つ「流水解凍」という方法がありますので、そちらもご紹介しておきますね。
流水解凍ってどんな解凍方法なの?
流水解凍とは、その名の通り流水にさらして解凍する方法です。
この方法であれば、肉に包丁が入りやすい「半解凍状態」にできます。
流水解凍も肉のサイズによりますが、20~30分くらい水をチョロチョロ出しながら行いますが、肉に水が入らないようにビニール袋に入れてしっかり口を閉じてください。
水を流し続けるのはもったいないので、ボウルに水を張ってビニール袋に入れたお肉を入れて解凍するのもおすすめです。
お肉が浮いてくるとムラになるので、お肉が浮かないようにお皿などで重しをしておけば、5分くらいで解凍できますよ!
解凍方法で気を付けることはある?
早く解凍したいという気持ちから、電子レンジを使っている方もいますよね。
ただ、電子レンジで解凍するとどうしてもムラになりやすいので、あまりおすすめできません。
肉の美味しさを逃したくないという場合は、今回紹介した2つの解凍方法を試してみて下さいね!
これで、冷凍肉の美味しさを逃がさずに解凍できる方法はばっちりです。
ところで、冷凍肉をさらに美味しくできる方法があるのはご存知でしょうか?
次項では、「肉の下味冷凍の方法やメリット」をご紹介していきます。
忙しい毎日の救世主!肉の「下味冷凍」が便利すぎる!
お肉に下味をつけてから冷凍する、ちょっとしたひと手間を加えるだけで、冷凍肉でも驚くほど美味しく食べられますよ!
忙しい時は、前日にそれを解凍しておき、後は焼いたり揚げたりするだけなので時短にもなりますよ!
肉の下味冷凍をしたことがない方のために、こちらでは下味冷凍のメリットや方法をご紹介していきたいと思います。
肉に下味をつけて冷凍するメリットは?
肉の下味冷凍にはいくつかメリットがありますので、一つずつご紹介していきますね。
時短になる
これは先ほど少し触れましたね!
肉を下味冷凍しておけば、解凍さえできればあとは焼くなり、煮るなり、揚げるなり…調理にかかる時間がグッと短縮できますよ。
「平日は働いていて忙しい」という場合は、休日に肉を買い込んで下味冷凍しておくと平日のご飯作りが楽になります。
美味しくなる
下味して冷凍することで、味が染み込んで美味しくなります。
下味の味付けも様々な種類があるのでマンネリ化しにくいんですよね!
酸化を防ぐ
醤油や味噌で下味をつけることで、酸化防止にも効果的です。
肉が酸化すると、風味や美味しさが落ちてしまうので、下味をつけるひと手間加えるだけでお肉の美味しさがグッと引き立ちます。
これらが下味冷凍のメリットでした~!
次は、実際の下味冷凍の方法を見ていきましょう。
肉の下味冷凍の方法は?
下味冷凍の方法は、全然難しいものではありません!
基本的には、ジップロックなどの密閉袋に、肉とお好みの調味料を入れるだけでOK!
調味料を揉み込んだ後は、なるべく平らになるように形を整えて、しっかりと封をして冷凍庫に入れましょう。
ただ、手順はわかったとしても、下味のレシピなどはわかりませんよね?
「下味レシピを知りたい!」という方のために、こちらでちょこっとレシピをご紹介しておきます。
生姜焼き
☆材料☆
- 豚肉(こま切れ、生姜焼き用など) 200g
- 調味料
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1と1/2
・醤油 大さじ2と1/2
・砂糖 小さじ1~1と1/2
・生姜 小さじ1
☆手順☆
- ジップロックに肉を入れて調味料を注ぎ込み、しっかりと揉み込む。
- 空気を抜きながら肉を平らに整えて、封をする。
合いびき肉洋風下味(ミートボール、タコライスなど)
☆材料☆
- 合いびき肉 400g
- パン粉 1カップ
- 牛乳 100ml
- 卵 1個
- 玉ねぎのみじん切り 1/2個分
- 塩 小さじ1
- こしょう 少々
*ナツメグ、にんにくなどお好みのスパイスを混ぜてもOK
☆手順☆
- ボウルにパン粉と牛乳を入れて、なじませておく。
- 別のボウルに合いびき肉と塩を入れて、粘り気が出るまで混ぜる。
- 2のボウルに1とその他の材料を全て入れて混ぜ合わせる。
- 使いやすい1回量分ずつをジップロックにいれて、平らに整えて封をする。
下味冷凍したお肉は、朝に冷蔵庫へ移しておけば夜には解凍されて夕飯で使えますよ。
ただ、一度解凍したものは再冷凍せずに使い切るようにしましょう。
冷凍肉に下味をつけておくだけで、調理がグッと楽になって美味しく食べられます。
時間がある時にまとめて下味冷凍をしておけば、忙しい日は簡単にご飯の準備ができますよ。
まとめ
冷凍肉の賞味期限について調べたポイントを確認しておきましょう。
- 冷凍肉の賞味期限は1ヶ月程度
- ひき肉の場合は賞味期限が2週間程度
- 冷凍肉の賞味期限が切れても状態によっては食べられる
- 肉を冷凍しても食中毒の原因菌は死滅しない
- 冷凍肉から食中毒になる可能性もある
- 肉は正しい冷凍保存法で美味しさを保てる
- 肉は正しい解凍方法なら旨味を逃がさない
- 下味冷凍で肉の酸化を防ぎ、調理が楽になる
冷凍肉の賞味期限が過ぎてしまうと、食べるべきか捨てるべきか迷うところですが、まずは解凍してみて様子を確認しましょう。
変な臭いや粘り気がなければ、大丈夫な場合が多いのですが、食べる際は自己責任で食べるようにして下さい。
さすがに、賞味期限を半年や1年くらい過ぎてしまったものは、安全とは言い難いので捨てた方が良いですね。
私もよく肉を冷凍しますが、冷凍期間は1ヶ月を過ぎないように使うようにしています。
ひき肉に関しては、2週間と短いので今後は気を付ていきたいと思います!
あなたも肉を冷凍する際は、1ヶ月で使い切ることができる量を考えながら、冷凍してみて下さい!