【執筆者:編集部 鳥越菜生】
駐車違反の納付書が来ない場合、経過日数によっては電話で問い合わせてみる方が良いかもしれません。
駐車違反をしたあと送られてくる納付書には手続きの段階に応じて種類があり、届かないのに放置していると罰則が科せられる場合もあるので要注意です。
しかしいつくるかと納付書を待っている人は、警察に出頭したくない気持ちからうかつに連絡もできないと悩んでいるかもしれません。
そこでこの記事では、駐車違反の納付書が来なくて困ったときに役立つ、以下の項目について詳しく解説します。
駐車違反の納付書のこと
- 来ない場合はどう対処すべきか
- 反則金と放置違反金の違い
- 届かないときに考えられる理由と問い合わせの必要性
- 放置車両確認標章を取り付けてからの手続きの流れ
車に貼られた黄色いステッカーを見ても慌てなくて済むように、初心者ドライバーさんやまだ違反したことがない人もぜひ参考にしてください。
目次
駐車違反の納付書が来ない場合の対処法 | 反則金の期限を目安に
駐車違反の納付書が来ない場合は、取り締まられた翌日からの日数を目安に待っておくか、電話で問い合わせてみると良いですよ。
段階順 | 納付書の種類 | 送付日程の目安 |
---|---|---|
① | 弁明通知書 + 仮納付書 |
確認標章の 貼付翌日から3日後以降 |
② | 納付命令書 + 本納付書 |
確認標章の 貼付翌日~30日経過後 (例:仮納付書の期限切れ後 約2~3週間) |
③ | 督促状 + 本納付書 |
②の本納付書の期限切れ後 (例1:期限切れ後約40日以内) (例2:期限切れ後約2週間) |
路上駐車をしてしまい戻ったとき黄色のステッカーを発見したら、放置駐車を取り締まりを受け「放置車両確認標章」を取付けられた状態です。
確認標章を取り付けられると、車を運転していた人は警察に出頭し、反則切符処理を受けて違反点数を科され、反則金を納付しなければなりません。
さらに平成18年6月1日に行われた道路交通法の改正で、放置駐車違反は運転者だけでなく、車検証上の使用者にも責任を問えると法律で定められました。
(放置違反金)第五十一条の四 警察署長は、警察官等に、違法駐車と認められる場合における車両(軽車両にあつては、牽引されるための構造及び装置を有し、かつ、車両総重量(道路運送車両法第四十条第三号の車両総重量をいう。)が七百五十キログラムを超えるもの(以下「重被牽引車」という。)に限る。以下この条において同じ。)であつて、その運転者がこれを離れて直ちに運転することができない状態にあるもの(以下「放置車両」という。)の確認をさせ、内閣府令で定めるところにより、当該確認をした旨及び当該車両に係る違法駐車行為(違法駐車と認められる場合に係る車両の運転者の行為をいう。第四項及び第十六項において同じ。)をした者について第四項ただし書に規定する場合に該当しないときは同項本文の規定により当該車両の使用者が放置違反金の納付を命ぜられることがある旨を告知する標章を当該車両の見やすい箇所に取り付けさせることができる。2 何人も、前項の規定により車両に取り付けられた標章を破損し、若しくは汚損し、又はこれを取り除いてはならない。ただし、当該車両の使用者、運転者その他当該車両の管理について責任がある者が取り除く場合は、この限りでない。3 警察署長は、第一項の規定により車両に標章を取り付けさせたときは、当該車両の駐車に関する状況を公安委員会に報告しなければならない。4 前項の規定による報告を受けた公安委員会は、当該報告に係る車両を放置車両と認めるときは、当該車両の使用者に対し、放置違反金の納付を命ずることができる。ただし、第一項の規定により当該車両に標章が取り付けられた日の翌日から起算して三十日以内に、当該車両に係る違法駐車行為をした者が当該違法駐車行為について第百二十八条第一項の規定による反則金の納付をした場合又は当該違法駐車行為に係る事件について公訴を提起され、若しくは家庭裁判所の審判に付された場合は、この限りでない。引用元:道路交通法
駐車・停車禁止区域に違法駐車し、停車時間の長短やエンジンの停止状態などは関係なく、直ちに運転できない状態であれば放置車両に認定されます。(※1)
標章が取り付けられた翌日から3日経過するまでに運転者が出頭しない場合、車の使用者に放置違反金の納付という責任を追及すべく書類が送付されます。
車両の使用者とは「自動車検査証(車検証)の車両の使用者欄に記載された者」を指し、放置違反金の納付書も、車検証に記載された使用者の住所に送られます。
最初に届くのは弁明通知書で、反則金の代わりとなる放置違反金の「仮納付書」が同封されています。
車両の使用者に弁明の事由がない場合は、同封の仮納付書で放置違反金を納付しておくと、放置違反金納付命令書や本納付書は送付されません。
ところが何らかの理由で届かないこともあるので、来ない場合はいつまでも放置しておかないように注意が必要です。
放置駐車違反をしてしまって納付書が届かないときも悩まなくていいように、いつ届くのかの目安を知っておきましょう。
本納付書が届くのは確認標章の取付け後30日が目安
運転者が出頭した場合に科される反則金の納付期限が取り締まりの翌日から30日以内なので、本納付書が届くのは1か月経過後しばらく待ってみましょう。
送付時期は都道府県警ごとに多少異なり、仮納付書の期限切れから2・3週間後としている場合もあります。
車検証の住所変更ができているかや、そもそも自分が使用者として登録されているかなど確認してみましょう。
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弁明通知書のみが送付され、仮納付書が来ないと悩んでいる場合は、本納付書の到着を待って納付すれば問題ないようです。
ちなみに駐車違反の仮納付書は再発行できないので、失くした場合も同じ扱いになります。
本納付書の場合、届いたあとで紛失したかもしれないときは再発行手続きもおすすめです。
警察署の交通課窓口や放置駐車管理センターに出向くか、郵送で申請できる場合もありますよ。
また本納付書は期限切れになると2回目が送付されるので、もうしばらく待ってみるという方法もあります。
ただし2回目は督促状が付いてきて、延滞金のペナルティーなしで違反金を納付できるラストチャンスです。
2回目の本納付書は督促状付き | 期限切れに要注意
2回目の本納付書は督促状とともに送付され、納付が済むまでは車検が受けられない状況にはなりますが、期限内に納めればほかの問題はありません。
1回目の本納付書を失くしたときも場合によっては再発行できないので、「督促状とともに届く納付書を待って納付すれば良い」とする都道府県警もありました。
督促状が届くのは本納付書の期限が切れてからなので、取り締まりの日からは2か月前後経過した頃だと推測できます。
納付書が来ないで心配になったら不安なまま1~2か月も待って過ごすよりも、一度警察の担当部署に電話してみると良いですよ。
いつくるか不安になったら問い合わせてみる
書類に指定されている警察の交通課や交通指導課などの担当部署に電話で問い合わせると、駐車違反手続きの進行状況を教えてもらえます。
しかも納付書が来ない場合は、なんと取り締まられたこと自体が成立していない可能性もあるとの口コミもありました。
届かないのではなく、取り締まり側の記載・入力ミスや不備で手続きが完了しなかったために、書類を送付できていないことがあるそうなのです。
駐車違反の納付書が来ないで待っているうちに、督促状付き本納付書の期限が切れると延滞金が加算され、財産が差し押さえられる場合もあります。
もし違反金も反則金も納付されないとどんな罰則があるのかや、そもそも出頭しなくて大丈夫なのかも確認しておきましょう。
駐車違反をしたあとの対応の仕方と注意点 | 罰則も確認
放置違反確認標章を貼られたら運転者は直ちに車を移動させ、警察署に出頭して既定の違反点数加算と反則金納付のペナルティーを受けねばなりません。
しかし運転者と使用者が同じ場合でも、出頭しないままだと放置違反金を納付させる手続きに移るので、結果的に2通りから対処法が選べるのが現状です。
- 運転者が出頭して切符処理を受ける
⇒違反点数の加算+反則金の納付 - 使用者として放置違反金を納付する
不出頭で使用者として放置違反金を納付すれば点数加算を免れることから、出頭しない選択をする人が多いです。
不公平な感じもしますが、取り締まりを受けたときに誰が運転していたかまでは確認されないことを考えると、納得できるような気もします。
実際に1台の車を複数人で乗っている場合もありますよね。
黄色いステッカーの放置車両確認標章貼られてるだけなら警察に出頭せずに放置しといた方が良いよ!
後から放置違反金の納付書が家に届くけど、違反金と同額分払うだけで違反切符は切られないから免停ならんで💸— おタツ (@tatsudonchan) February 21, 2023
確かに免許停止になるかならないかといった切羽詰まった状態だったら、違反切符処理は受けたくないですよね。
しかし放置違反金の納付も回数が重なると、一定期間車が使えなくなるという罰則があるので注意してください。
放置違反金納付命令を繰り返し受けると車の使用制限に
放置違反金命令を下されたとき、確認標章の取付け前日までの6か月間に同一車両で3回以上同命令を受けていると、車両の使用制限命令が出される場合があります。(※2)
反則金を納付した場合は違反金納付命令は取り消されるため、もちろん回数に入りません。
せっかく違反金納付で済ませられる場合でもうっかり期限を過ぎてしまったら、財産の差し押さえや車検を受けられないなどの罰則が科されます。
納付期限を過ぎると車検拒否や滞納処分に
放置違反金の督促が出されると車検拒否の状態になり、納付するまでは車検を受けられないので、時期によっては困った事態になるかもしれません。
さらに督促の期限も過ぎても納付しないと滞納処分により延滞金が科されたうえ、車や家・給料や預金などの財産を差し押さえ、強制的に徴収されます。
突然自分の財産が差し押さえられて困惑することのないよう、身に覚えのある駐車違反の納付書を手にしたら、なるべく早く納付しましょう。
指定店舗は各都道府県警や地域ごとに異なるので、納付書の裏面にある記載事項を確認してください。
大切な納付書を失くさないように、カラフルなケースに入れて目立つところに置いておくと良いですね。
免許の停止や取り消しの点数が気になる人は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
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結論 | 駐車違反の納付書が来ない場合は問い合わせてもOK
- 来ない場合も目安期間内は待っていても大丈夫
- 弁明通知書も届かないなら車検証上の住所を確認
- 届かず心配なときや目安日程を過ぎたら問い合わせてみる
- 督促が出されたら期限切れに注意
- 失くしたかもしれないときは再発行手続きをしよう
駐車違反をしてしまったあと納付書が来ない場合、送付日程の目安を知っていると焦らなくて済むかもしれません。
出頭して反則金を納めるには違反点数の加算が避けられないため、放置違反金を納める方法を選びたい場合もありますよね。
しかし違反金の納付書が届かずいつくるのかと待っている間に期限切れになり、車が使えなくなったり延滞金が発生したりするのは困ります。
手続きや書類の状況を調べてもらえるので、不安な気持ちで待つよりも、放置駐車管理センターや警察に問い合わせてみましょう。