【執筆者:栄養士 今冨るみ子】
氷砂糖をそのまま食べるのは、虫歯や太る原因になるなど体に悪いと思われがちですが、食べ過ぎなければ大きな問題はないでしょう。
適度なら体に良いメリットがたくさんあるので上手に利用したいですね。
そこでこの記事では、氷砂糖を安心して食べるために知っておきたいことを紹介します。
氷砂糖のこと
- 体に悪いとされる原因
- 虫歯や太る可能性
- うれしいメリット
- 果実酒に使われる理由
ダイエットや勉強をがんばりたい人もぜひ参考にしてくださいね。
目次
氷砂糖は体に悪いのは誤解 | そのまま食べても危険性は少ない
氷砂糖はグラニュー糖の結晶なので、虫歯や太る原因になるなど体に悪いと思われることがあります。
しかし、氷砂糖だけが原因ではなく、ほかの要因が合わさっていることがほとんどです。
太る | 糖質も原因の一つだが ほかの要因もある |
|
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虫歯 |
氷砂糖は砂糖のかたまりなので、そのまま食べると太るイメージが大きいかもしれませんね。
食べ過ぎると太るおそれも | 1個分のカロリー
氷砂糖を飴のようにそのまま食べた場合、ほかのキャンディ菓子に比べても、カロリーが高すぎるわけではありません。
大量に食べない限りは太る心配は少ないと言えます。
氷砂糖 | 394kcal |
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あめ玉 | 385kcal |
キャラメル | 426kcal |
氷砂糖1個の重さは約4gなのでカロリーは約16kcalです。
また、肥満は氷砂糖の食べ過ぎだけでなく、1日の食事全体の摂取カロリーや運動量なども合わせて気をつける必要がありますね。
氷砂糖をそのまま食べると、歯に糖が付いている時間が長くなることから虫歯への影響も心配されます。
虫歯の原因の一つだがほかの要因もある
糖質は虫歯の原因のひとつではありますが、歯に付着し続けることのほうが問題です。(※1)
氷砂糖をそのまま食べると、次のようなことが原因で虫歯になることが考えられます。
- 口の中に糖が長時間ある
- 食べた後、すぐに歯を磨かない・口をすすがない
食べ過ぎるのはよくないですが、氷砂糖に含まれるブドウ糖は脳や体にとって必要なものです。
氷砂糖のうれしいメリット | 成分はほぼ糖質で添加物なし
氷砂糖に含まれるブドウ糖や、砂糖の結晶の溶けにくい性質によって、さまざまなメリットがあります。
氷砂糖は純度が高くほぼ100%糖質で、添加物は含まれていません。
ブドウ糖 | ・脳の疲労回復 ・精神安定 ・エネルギー補給 ・口や喉の渇きをいやす |
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溶けにくい性質 | 果実の味を引き出す |
氷砂糖に含まれるブドウ糖は脳にとって必要不可欠なものです。
ブドウ糖は脳にとって必要不可欠な栄養
氷砂糖は、すばやい脳の疲労回復とエネルギー補給がメリットの一つです。
糖質に含まれるブドウ糖は、脳がエネルギーとして利用できる唯一の物質で、主に「デンプン」と「砂糖」が分解されてできます。(※2)
すぐに脳のエネルギー補給をしたい時は、ご飯やパンより氷砂糖のほうが早いです。
甘い氷砂糖は脳の栄養になるだけでなく、心もリラックスさせてくれます。
精神を健康に保つ効果も | 糖質依存に注意
氷砂糖は、不安やイライラを和らげると言われているので、ダイエット中のおやつにもぴったりです。
甘い砂糖やブドウ糖がセロトニンという脳内物質を分泌しやすくする作用があるからです。
セロトニンとは(※3)
脳内の神経伝達物質で、精神を安定させる働きをします。
セロトニンが低下すると、攻撃性が高くなったり、不安・うつなどの精神症状を引き起こすと言われています。
また、甘いものや糖質は、脳内報酬系といわれる「ドーパミン」と脳内麻薬といわれる「エンドルフィン」を増やすことで、強い快感を得るようになるとされています。
氷砂糖は精神を安定させることから備蓄食料品のカンパンにも入っていますが、別の目的もあるようです。
口や喉の渇きを潤し備蓄食料品としても重宝
氷砂糖は口の中でゆっくり溶けていくため唾液の分泌を促すと言われており、カンパンと一緒に入っているのもそのためです。
氷砂糖で唾液を分泌させ、水がない時でも水分の少ないカンパンが食べやすくなります。
氷砂糖には賞味期限がないのをご存知ですか。開封後でも高温多湿を避け密閉して保存すれば、半永久的に食べられるそうです。また甘い物を食べると落ち着く方も多いと思いますが、氷砂糖にも疲労回復やリラックス効果があるとのこと。カンパンの氷砂糖にも災害時にストレス解消効果が期待できそうです。
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) November 1, 2020
氷砂糖やカンパンの賞味期限についてはこちらの記事を参考にしてください。
詳しくはこの記事をチェック!
また、氷砂糖は果実酒には最適な砂糖です。
成分をじっくり引き出す | 果実酒やシロップに
氷砂糖は浸透圧で果実のエキスを引き出すことができるので、果実酒作りによく使われます。
氷砂糖は溶けにくいので、果実酒の作り始めはアルコールの液体より果実の方が糖分濃度が高いです。
時間がたってくると氷砂糖が溶けだすため、今度は果実より液体の糖の濃度のほうが高くなります。
すると浸透圧により、徐々に果実からエキスを含んだ水分とアルコールが出ていき、おいしくなるということです。
体に優しいビネガーやシロップ作りにも重宝しますよ。
旬のりんご、こんな楽しみ方があるなんて・・!
氷砂糖とりんご酢で漬け込むだけだから、めっちゃ簡単すぎ!【りんごビネガー】
瓶にりんごと氷砂糖を重ね、りんご酢。1日1回瓶の上下を返し、氷砂糖が溶けるまで1週間ほど漬け込む。これを使ってカラフルピクルスもできちゃう!
詳しいレシピ👇 pic.twitter.com/qPMb9bEBC0
— ぐっち夫婦@料理家 (@gucci_fuufu) November 9, 2022
ゆっくり溶ける氷砂糖の特徴を活かして、さまざまな料理に活用してください。
結論|氷砂糖は適度に摂れば体に悪いわけではない
- 体に悪いわけではない
- 虫歯や太る原因はほかにもある
- ブドウ糖は脳のエネルギー元
- 備蓄食料品としても優秀
- 浸透圧で果実のエキスを引き出す
氷砂糖は食べ過ぎなければ体に悪いわけではありません。
虫歯や太る原因の一つではありますが、糖質の摂り過ぎだけではなく他の要因もあります。
脳のエネルギーはブドウ糖のみなので、氷砂糖を勉強前に食べて栄養補給をするのはおすすめです。
また、糖質は気持ちを安定させる脳内物質を分泌させやすいため、ダイエット中のイライラの緩和にも役立ちます。
口や喉の渇きをうるおす効能があることから、カンパンと一緒に入っていることが多いです。
果実のエキスをじっくり引き出すので、果実酒作りに最適な砂糖です。
氷砂糖は体に良いメリットがたくさんあるので、ぜひ適度に食べて活用しましょう。