【執筆者:管理栄養士 上月典子】
メープルシロップは、摂りすぎると肥満や糖尿病になる可能性もあるため健康に悪いといわれることがありますが、適量であれば心配いりませんよ。
人工甘味料だと勘違いされていたり、低GI食品だとあまり知られていなかったりするので詳しく解説しますね。
この記事では、はちみつとの違いや栄養成分、GI値・血糖値への影響、危険性の有無や体に良いメリットなどの情報をお届けします。
メープルシロップ のこと
- 健康に悪いといわれる理由
- はちみつとの違い
- 糖尿病との関連性
- 体に良いとされる栄養成分
罪悪感なく食べられるスイーツレシピも紹介しているので、参考にしてみてくださいね♪
目次
メープルシロップの摂りすぎは健康に悪い|糖尿病の危険性は
メープルシロップを摂りすぎると、糖質の摂りすぎで肥満や糖尿病など生活習慣病の原因になるため健康に悪いといわれることがありますが、適量であれば大きな問題はありません。
肥満・糖尿病などの 生活習慣病 |
糖質の摂りすぎ ※糖尿病の人は注意 |
---|---|
アレルギー | 体質による |
乳児ボツリヌス症 | ほぼ心配なし 1歳未満の乳幼児にも可能 |
腎機能低下 | カリウムの摂りすぎ ※基本的に問題なし サプリ摂取時は注意 |
メープルシロップの原料をみてみましょう。
砂糖や添加物は入ってる?はちみつとどっちがいいのか違いを比較
メープルシロップとは、おもにカエデ科の樹液を煮詰めた濃縮液で天然の甘味料ですが、原料に対してアレルギーのある人は注意してくださいね。
純正100%の場合、砂糖や添加物は基本的に含まれていません。
よく似ているはちみつとの違いを比較するとこのようになります。
メープルシロップ | はちみつ | |
---|---|---|
原材料 | カエデ科の樹液を 煮詰めた濃縮液 |
ミツバチが集めた 花の蜜 |
カロリー | 266kcal/100g | 329kcal/100g |
糖質 | 66.3g/100g | 81.7g/100g |
GI値 | 54 | 58 |
主成分 | ショ糖 | ブドウ糖と果糖 |
乳児ボツリヌス症 の危険性 |
ほぼ心配なし | あり |
メープルシロップは加熱処理で殺菌されているので、1歳未満の乳幼児に与えても問題はないとされています。
はちみつの場合は注意(※1)
はちみつは、乳児が口にしてしまうと「乳児ボツリヌス症」という食中毒を起こす危険性があるため、1歳未満の乳幼児には与えないよう注意喚起されています。
はちみつの主成分はブドウ糖と果糖で、ショ糖で構成される花の蜜が蜂の分泌酵素により分解されたものです。
メープルシロップとはちみつのそれぞれ良いところを活かして上手に使い分けてくださいね。
血糖値と関連性を検証してみましょう。
血糖値上昇は食べ合わせが関係する|摂取量目安は
メープルシロップのGI値は54で低GI食品となってるため、高GI食品より血糖値への影響は低いと考えられますね。(※2)
GI値とは食後の血糖値上昇度を示す指標です。(※3)
- 高GI食品:GI値70以上
- 中GI食品:GI値56~69
- 低GI食品:GI値55以下
インスリンは食事によって上がった血糖値を抑えるために分泌されますが、脂肪をためる性質があるため、GI値の高い食品を摂りすぎると肥満につながる可能性があります。
インスリンの作用についてはこちらでも解説しています。
詳しくはこの記事をチェック!
また糖尿病を患うとインスリンがうまく分泌されなくなるので、高GI食品は避けなければなりません。
糖代謝の検査値(※4)
【血糖値(FPG)】エネルギー源としてブドウ糖が適切に使われているかがわかる数値です。
正常値:99以下 要注意:100~125 異常:126以上 (単位mg/dL)
【HbA1c(NGSP)】過去1~2ヶ月の血糖の平均的な状態が反映されます。
基準範囲:5.5以下 要注意:5.6~6.4 異常:6.5以上(単位%)
血糖値が126以上mg/dL・HbA1cが6.5%以上で糖尿病と診断されます。
糖質制限する場合は「1食の糖質量20~40g・デザート10g」と推奨されています。
記事後半でGI値・糖質量低めのスイーツレシピも紹介しますね。
ミネラルの含有量をみてみましょう。
カリウムの特徴や注意点|ミネラルの含有量も
メープルシロップは、カリウムやカルシウムのようなミネラルが含まれています。
カリウム | 230mg | 鉄 | 0.4mg |
カルシウム | 75mg | 亜鉛 | 1.5mg |
マグネシウム | 18mg | 銅 | 0.01mg |
リン | 1mg | マンガン | 2.01mg |
腎機能が低下している場合は、カリウムがうまく排出されずに高カリウム血症になる可能があったり、不足すると脱力感や食欲不振、不整脈などの症状が起きることがあります。
腎機能が正常でサプリメントの併用がなければ、通常の食事で過剰摂取になることは低いといわれているので、10g程度の適量摂取なら大きな心配はないでしょう。
適量ならうれしいメリットも期待できますよ。
メープルシロップの体に良い栄養成分やメリット
メープルシロップには多くの栄養成分が含まれ、それぞれはたらきを担っています。
カリウム | ・エネルギー代謝 ・浸透圧や血圧の調整 |
---|---|
カルシウム | ・骨や歯の主成分となる ・血液凝固や筋収縮にも関与 |
マグネシウム | ・エネルギー代謝や体温調整 ・神経機能やホルモン分泌にも関与 |
亜鉛 | ・酵素の構成成分 ・核酸の代謝など |
マンガン | ・酵素の構成成分 ・骨形成にも関与 |
栄養成分が医療品のように病気に対しての効果・効能を期待できるものではありませんが、メリットを上手に活用することはできますね。
アレンジも楽しんでみてくださいね。
グレードや砂糖の代わりに使うコツとアレンジレシピ
カエデの樹液から採取されるメープルシロップは、採取順によって味や色が変化するためグレードがあり、好みや用途によって使い分けることもできます。
種類 | 採取順 | 色 | 特徴 |
---|---|---|---|
ゴールデン | 1番目 | 淡い茶色 | ・あっさり味 ・ヨーグルトや果物の トッピングに |
アンバー | 2番目 | 琥珀色 | ・定番タイプ ・流通量が多く万能 |
ダーク | 3番目 | 濃い茶色 | ・濃厚な味わい ・料理や飲み物など |
メープルシロップを砂糖のかわりに使うときは、レシピに記載してあるほかの液体の材料を4分の1程度減らすと良いですよ。
メープルシロップはお菓子作りだけでなく料理にも使えます。
- クッキーやパウンドケーキ
- ムースやプリン
- ドレッシングやソース
- カレーやビーフシチューにちょい足し
- ホットミルクなどに
GI値の低い豆腐で作るプリンは、ダイエットや糖質制限中に甘いものが食べたいときにもおすすめです♪
豆腐のプリン
材料(4コ分)
☆絹ごし豆腐:300g
☆メープルシロップ:20g
☆ラカントシロップ:20g
☆ピーナツペースト:小さじ1/2
☆寒天:小さじ1/2
☆葛粉:小さじ1
☆塩:ひとつまみ
☆かぼちゃペースト:15g
★バニラクラフト:小さじ1
★バニラエッセンス:少々
メープルシロップ:少々
- ☆の材料を合わせてブレンダーやミキサーで撹拌する
- ①を鍋に入れ焦げないようにかき混ぜながら煮立たせる
- 火を止め★を加え混ぜてから器に注ぎ冷やす
- 固まったらカラメルの代わりにメープルシロップをかけて出来上がり♪
かぼちゃペーストはプリン風の色をだすためなので、入れなくれも大丈夫です。葛粉の代わりに片栗粉でもOKです。
使いやすいバニラペーストもおすすめです。
カロリー・糖質ゼロのラカントも一緒に使うと良いですよ。
メープルシロップとジンジャー入りのチャイは、体も温まりますね。
“#メープルの日“
メープルの日にちなんで、
チャイスパイスを使用したメープルジンジャーチャイのご紹介です☕️🍁チャイティーをじっくり煮出して、
ミルクとジンジャーを加えた後にメープルシロップを入れるだけでOK!スパイシーなチャイとメープルの甘味がベストマッチですよ♪ pic.twitter.com/AO9ACXayBv
— AHMAD TEA / アーマッドティー (@ahmadtea_jp) October 5, 2021
上手に活用してみてくださいね。
日持ちや賞味期限などについては、こちらの記事が役立ちます。
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結論|メープルシロップは適量なら体に悪いわけではない
- カエデ科の樹液を煮詰めた濃縮液で砂糖や添加物は含まれない
- GI値は54の低GI食品で血糖値への影響はおだやか
- 低GI食品でも摂りすぎや高GI食品との食べ合わせには注意
- カリウムやカルシウムなどのミネラル成分が豊富
- デザート以外にも料理や飲み物にアレンジ可能
メープルシロップはGI値は54と低GI値食品なので、高GI食品より血糖値への影響は低い甘味料です。
摂りすぎや食べ合わせに気をつければ、健康を害する危険性は低いと考えられますね。
ミネラル成分を含む天然の甘味料で、お菓子作りだけでなく料理や飲み物にもアレンジしやすく、グレードによってもさまざまな味が楽しめるので試してみてくださいね♪